甲斐駒が岳・仙丈ヶ岳

 甲斐駒ヶ岳の山頂でふと剣岳にいるような錯覚を覚えた。何故だろうか。
山頂に奉られた石祠によるものだろうが、二つの山に共通するものがいくつが思いつく。

まず、南と北の各北部に位置すること、峨々たる山容、石祠が奉られ
てあるように信仰の山であること。標高が2967bとあとわずか及ば
ず剣と共に3000b峰の山群に入れない悲運の山。また剣と大日岳、
甲斐駒と仙丈の対象の妙である。筋骨隆々とした男性的な山と白い
ふくよかな肌を横たえた女性的な山が相対峙して寄り添っている
ような。

 今回情報収集のミスで長い舗装道路を歩く羽目になった。  バスもタクシーも広河原に入らず、夜叉神峠から北沢峠まで7時間半歩くこととなった 初めからいやな感じだったが、歩き出して1時間もたたないうちに足に違和感がでてき、 広河原に着いた時には足裏の皮がむけてびっこを引き出す始末、軟弱な我が足に恨み言を 言っても始まらない。そこでテーピングのテープを巻いたのだが、これが功を奏して 以後足の痛みが全くなくなった。こんなところで山行中止なんて事になったらあと恨まれる こと請け合い。あと3時間もう着いたような気分で北沢峠までのダラダラと続く登りには 参った。40分歩いて休憩が30分になり20分になり15分で休憩といゆうように バテバテで峠着。  この労苦に3頭のカモシカが出迎えてくれた。何年ぶりの対面だろう。  今回の山行は好天気に恵まれ最高のものなった。

甲斐駒ヶ岳 いくつかの堰堤を越え岩石が累々と堆積するところを過ぎるとやがて 仙水峠、ここからの甲斐駒と摩利支天がまさに圧巻である。グーンと 立ちはだかり圧倒される。  ここからは樹林帯の急登、抜けると森林限界を超え駒津峰、 ここからは甲斐駒の岩峰が目の前だ。一度下り岩稜に取り付く、 さして難しくはないが下手すると下まで一直線緊張するところだ。 メロメロになつて頂上に飛び出る。白銀を纏った南アルプス、 中央アルプス、八ガ岳、富士山等360度の大展望が待ち受けて くれた。 大感激で疲れも吹っ飛ぶ。

仙丈ヶ岳 甲斐駒から見ると仙丈岳は最初グーンと立ち上がり後はなだらかな 稜線漫歩かと思っていたがいざ取り付くと端からの急登、森林限界 を超えまだ続く急登、それを越えると又急登、山体がどでかい分 山稜も長く急登急登でキュウーッときた。  二人に遅れること15分やっとたどり着いたタイムが、地図に 載っている標準タイムぴったりの4時間、ここからは北岳と間の岳 が大きく立ちはだかり、甲斐駒との鋸岳の姿が美しい。  下りは急登の分すごい早さで下山する。ここでもう一泊する つもりだったがまだ12時じゃ今日中に広河原まで下るかとテント 撤収にかかるが隣も撤収中で話をきくと、歌宿までバスが 来ていると、急遽変更バスで戸台口から伊那駅へ。地獄の舗装路 歩きをせずにすんだ。

タイム  @夜叉神峠(8:50)⇒広河原(12:45-1:00)⇒北沢峠(16:21) A北沢峠(6:20)⇒仙水峠(7:20)⇒駒津峰(9:06-9:20)⇒ 甲斐駒山頂(10:25-10:45)⇒北沢峠(2:00) B北沢峠(6:00)⇒二合目(6:45)⇒大滝頭(7:48)⇒小仙丈(8:49) ⇒仙丈岳(10:00-10:25)⇒小仙丈(11:02)⇒北沢峠(12:25)