横岳中山尾根
大森 大前
昨年年末より計画していた蓮連谷は今年の早い時期からの大雪で変更を余儀なくされた。山梨にいる間によく耳にする所に登りたい、との自分のわがままなお願いで大森さんと八ツに入ることになった。そして2泊3日中に小同心クラック、中山尾根を登ることとなった。
12月29日 小同心クラック
トレースははっきりしているものの雪深い大同心沢を100メートルほど詰め、左の大同心稜を登る。大同心稜は傾斜の関係なのか運動不足のためかふくらはぎがパンパンになるいやな登りである。やっと大同心基部に到着。ここにも今年の異常気象の影響か雪が多い。ここから基部岩場を右へ回り込み大同心ルンゼ上部をトラバース 続く岩壁の下を右上し小同心クラックの取り付きに向かう(トポより)そうなのだが、急斜面に積もった雪はいかにも不安定で気持ち悪い、ランニングを取ろうにも支点が見えない、トレースもここで終わっている。今年ガイド協会のメンバーでメジャーなルートのボルトを打ちなおしたはずだが、遠めにも1つも見つけることが出来ない。どうにか取付に、とルートを探すが2時過ぎ敗退決定とした。
12月30日 中山尾根
ここの所敗退癖が付いた感もあるが、今日のピーカンは払拭できる予感。中山乗越を左に曲がり尾根の樹林帯を登っていくと1時間ほどで取付き到着する、6人ほどすでに待っていた。稜線で準備をし、順番を待つが寒くて耐え難い。取付は稜線から3メートルほど右に下ったところにあり下部岩壁の始まりである。手袋、アイゼンは見た目よりルートをだいぶ手ごわくする。1ピッチ目前半はガバが多く安心だったが、後半の左に回りこんだ最後の数メートルのスラブは木の枝と素手で何とか越えた。2ピッチ目はバイルを試したり、余裕?を持って越えられた。中間にある稜線は岩交じりの草付でバイルが気持ちよく刺さり快適。上部岩壁に先行パーティーのセカンドが苦戦していた。天気はいいが、じっとしていると体の心まで冷えてくる。先行が抜けきっていなかったのだが、彼の直下まで待ちきれず登った。突然自分の右肩にアイゼンを履いた彼が落ちてきた。奇跡か体もジャケットも無傷だった。彼は当分かかりそうだったため右にルートをとり追い越させてもらった。と言うとかっこいいが、ここも自分にとってはだいぶ怖かった。バイルがないと登れない岩場は初めてだったためかなり緊張させられた。やや安定したテラスの上はややかぶった凹角が続く、その出口ど真ん中に先ほどの彼のロープが伸びていて結局登れない。大森さんにとりあえず上がってきてもらってトップ交代、彼がこえるのを2人で待った。凹角はかぶっているがガバが多く背中を壁に押し付けるとすっとこえられた。右へのバンドが続いていてトラバースし稜線に抜けた。
今日の充実した中山尾根の後に明日の目標を見出せず、、、。鉱泉でぽん酒で乾杯、一泊二日で下山となりました。
大前 記
BACK