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九日目 2/4(木) ◆夜編◆

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いよいよ夜です。俗に言う初夜なんです。

我々夫婦の部屋は以前は妻が使っていた部屋を用意された。 この部屋は昨夜泊まった部屋であったが、普通にベットと机がある以外はいたって普通の部屋であった。

ところが、式が終わった後私が見た部屋は全く別の部屋になっていたのであった。 驚きを通り過ぎて恐怖さえおぼえるほどであった。

・壁が全てピンク

・枕がハート型で、これまたピンク

 

こころおきなくやってくださいというご両親からのメッセージであるのであろうか。 お願いしますから普通の部屋にして下さいと懇願したかったが、これが風習なのだろう。 と無理やり信じ、ぐっとこらえることにした。

まだ小学2年の弟はどう思ったのであろうか。 突如お姉さんの部屋がまっピンク。 当然驚くであろうし、お母さんにも尋ねたであろう。

この部屋を見てからというもの、両親の顔を見るたびに

早く寝なさい

と心の中で思っているのであろうかと思うとソワソワして落ち着かない。 そんな私を見て家族もソワソワ。 心なしか会話も上の空といった感すらある。

時間はまだ9時にもなっていないが、昼間の疲れで眠くなってきたため、「もう寝ます」と言って妻とともに部屋に入った。

寂しそうな悲しそうなお父さんの顔が見えた。

私たちが部屋に戻って数分後、家族皆が自室に戻り電気も消してしまった。

まだまだ寝る時間じゃないのに!!

家族皆の期待がヒシヒシと伝わってくる。 しかし、ピンクの部屋に囲まれてしまっては違和感100%でとてもその気になれない、家族の思惑にはまるのも何となくイヤ。

しかし初夜

迷ってる暇はないのである。 初夜は今夜限りで終わってしまうのである。 一生に一度だけの特別な夜なのである。

と理屈を語ってみたが、やはり欲望には勝てなかったのであった。

眠いのをこらえ、おもむろに妻のそばに寄る。 妻も疲れてるのだろう。 かなり眠そうである。

そこへまたヤツがやってきた。

ブーン

蚊である。 自分の手足をチェックしてみると数箇所すでに被害にあってしまっていた。 蚊に刺されたところというものは気付いてしまうと痒くなるものである。

たかが蚊といえども、もう初夜どころではない。 昨夜も酷い目に会ったが、いかにして安らかに眠られるかどうか蚊との戦いである。

妻がキンチョールの超巨大版を持ってきてくれた。 長さ30CM、直径10CMはあろうかという巨大な筒に入った殺虫剤をシューシューと部屋に撒いているが、かなりの濃度なのだろう、強烈に匂っている。 インドネシアではこれぐらいが標準なのだろうか。 人体への影響必死と思われるニオイだが、それで寝られるのならお安い御用である。

既に初夜という事は脳裏から離れ、如何にして眠りにつくかに焦点が変わっている。

多分蚊と熱気とで数時間は格闘していたと思う。 妻はとっくに眠ってしまっていたが...

私の初夜は蚊と暑さとの戦いという情けない思い出となってしまったのであった。


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