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<< 結婚式日記 >>


九日目 2/4(木) ◆後編◆

〓〓〓〓〓〓結婚式その二〓〓〓〓〓〓

さて、宣誓婚も終わりいよいよ披露宴の始まりです。

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さて、結婚式というのは宣誓婚の事を指すのでしょうか。
そして、これから私が行うのは披露宴なのでしょうか。
これを読みまして「いや、あんたは結婚式しかやってないよ」という方がいらっしゃいましたらご指摘ください。 間違った認識のまま人生を終わりたくありませんので....
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宣誓婚が終わる頃には庭(車八台を並べられるぐらいのスペース)に披露宴場が出来上がっていた。 家屋に一番近い部分に私たちの席が用意され、左右にそれぞれの両親の席、そして私たちの席に向かってお祝いに来てくれた方達の席が用意されていた。

宣誓婚が終わった後、またまた妻は着替えに入った。 私はというとまた一人残されたわけである。 30分程が経過した頃、私も着替えルームに呼ばれる事となった。 いよいよ私の着替える番がまわってきたのである。


実は私は結婚式にいくつか要望を出していた。 まず一つ目が質素である事。 二つ目が伝統的な結婚式である事。 二つ目については伝統的な結婚式というのを折角なので体験してみようと思ったわけである。 「伝統的な結婚式」については予備知識をなるべく持たないようにして、自分を楽しんでしまおうと思ったのであった。 というわけで、どんな格好をするのか、何をするのかといった事は一切知らずに臨んだわけである。
(当時はインドネシアの伝統的な衣装スタイルも知りませんでした。)

着替えルームでは妻と3人の女性(おばさん)がおり、妻は着替えをほとんど済ませていた。 妻の衣装は何と形容すればいいのだろうか。 一言でいってしまえば「派手」。 金糸をふんだんに使っておりキラキラしております。 上は胸の上あたりまでで下はロングスカートのような感じです。
これこそ、私が求めていたトラディッショナルスタイルです。 妻があれなら私はどうなるのだろう。 期待に胸が膨らみます。

ボーッと突っ立っていると「早く服を脱いで」との指示がかかりました。

えっ、ここでですか?

うら若き乙女ではないとはいえ、初対面の3人もの女性がこの部屋にはいます。
しかしながら、着替え方も着る服も知らない私が一人で着替えが出来るとは思えず、指示に従うしか道はないのである。

「恥ずかしいんだけど、やるしかない」 この時の気持ちを例えるなら

 

TSUTAYAでAVを借りる時の気持ちでしょうか。

上はババーンと脱ぎましたよ。 ズボンもババーンと脱ぎましたよ。 この間、誰も目線を反らしてくれたりしないんですね。 じーっと見られてました。

パンツ一丁で仁王立ちです。 「よっしゃ、来い!!」と掛け声の一つでも上げたいぐらいです。 ちょっとした見世物になってしまいましたが、これで伝統服が着られるわけです。

がっ、おばさん達は動こうとしません。

ぜ、全部脱がなきゃいけないの!?

日本の着物も下着を付けないのが正しい着方だという。 インドネシアもそうだったのか、暑いからな、と納得しパンツに手をかける。

No,No

慌てて止められた。 苦笑いのおばさん達はやっと服を持ってきてくれた。
その服はキンキラの布一枚。 その布の両端を持ち私の腰にあてがってグルグルと巻いていきます。 さて、上もやはりキンキラなのだろうか。 楽しみです。 待っていましたが、おばさんから一言

Finish

 

...完了

私の着替えは5分で完了してしまいました。妻の着替えが数時間に及んだ事と比較するとあまりに簡素。 どこの国だろうと結婚式における男の立場は変わらないようです。
それよりも上半身裸なんですけど。 鍛え上げた体を見せ付けられるならまだしも、全く鍛えられていない体を晒すのは、ちょっぴり抵抗がありました。

着替え自体は僅か5分で完了したのですが、その後短剣の装着(といっても後ろにぶら下げるだけ)、化粧を施し私の支度は完了したわけです。

この化粧という行為、当然ながら初めてのわけなんですが、まずファンデーション(?)を塗りたくり、真っ赤な口紅を引いただけなんですが.....本気で不気味です。 中途半端な女装、女装初心者といった感じで、周囲の者の苦笑いを誘っていました。 写真を掲載してもいいんですが、面白いんだけど笑うまでには至らない中途半端なものですので止めておきます。

私の支度が整い、写真を数枚撮り終わったところで、庭に来るように促されました。 いつの間にか来客の方も席に着いていたので、どうやらいよいよ披露宴が始まるのかなといった雰囲気です。 アナウンスも何も無いのがインドネシアらしいですが、それよりも皆、私の顔を見るなり半笑い。

中央の席に案内されるのかと思いきや、私一人だけそのまま会場を横切り道まで案内されました。 妻はそのまま会場で待っています。 全く状況が理解できませんが、私と兄弟たち、誰か知らない女の子二人、その他大勢は私を先頭に隊列を組み始めました。 促されるまま、大名行列のように道を歩き出します。 もちろん行き先は知りません。 皆きらびやかな格好をしていて、それなりの雰囲気はありパレードをしているような感じなのですが、悲しいかな見物客は誰もいません。 一人パレードです。

100メートルぐらい歩いたところで、知らない人の家の敷地に置かれている椅子に座るように指示されました。 パレードの時は大勢だったのに、ここでは何故か一人残されてます。 結婚式なのに孤独です。 全く意味がわからず、すごく不安です。 そもそも、ここ誰の家?ってな事をずーっと考えてました。

10分ぐらい放置された後、皆が戻ってきてくれました。 何故に放置されていたのかは今でも不明ですが、またパレードです。 今度はどこに行くんだろうと思ってましたが、行き先は自分の家でした。

100メートルをパレードで往復。 何の意味があるのかも分からずに次に進んでいきます。

ここからは、皆さん同じだろうと思いますので概略だけにします。 これからの人の為にも詳細は書かないでおきます。

やった事:

  • 玉子と皿割り
  • 葉っぱ投げ
  • 食べさせ合い、飲ませ合い
  • お互いの両親へ何か挨拶(跪いて何か言う)
    私の両親は出席しませんでしたので、妻の叔父夫婦が代役
  • お金(コイン)で何かする

一連の儀式(?)が済んだら、親類・友人による挨拶・歌の披露となりました。 ここで一番困ったのは、インドネシア語が分からないから反応出来ない事ではなく、ご年配の方が歌う日本の軍歌です。 一応、インドネシアの歴史を知っていますので、どう反応していいのか。 日本語の歌知ってるなんてすごいなーと思ったとしても、「軍歌」。 もしかしたら強制的に覚えさせられたのかもしれません。 本でしか読んだ事の無い歴史を目の前で見せ付けられた事は強烈でした。

その方と後日話す機会があったのですが、知っている日本語は軍隊用語ばかり。 日本の過去を考えさせられる出来事でした。

挨拶・歌も何人かが終わってしまうと、突然お開きとなってしまいました。 門のところに妻と二人で立ち、来客の方々全員と握手をしてお開きとなりました。

さて、これで結婚式・披露宴が終わったわけです。 感無量でしたと述べたいところですが、進行が全く分からない状態で続けていましたので、実際にはこなすのがやっとで感慨にふけっている暇は全く無かったというのが実状です。 必死でしたので余裕が無く周囲への気配りが全く出来なかったという点では、皆さんにご迷惑をかけていたはずです。

これから、結婚式を迎える方々への忠告:

  • 最低でも進行は知っていたほうが良い
  • 司会者っぽい人もおらず、式次第も無さそう
  • ある程度、体を鍛えておくと見栄えがする。(男性限定。特に上半身)
  • 腕力を鍛えておくと全員と握手しても疲れない
  • 完璧にこなしたい方は、事前の「食べさせ合い、飲ませ合い」の練習は必須

といったところでしょうか。 特に1については、ある程度は知っておいたほうがいいです。 私の場合は、次は何をするんだという期待感で自分だけは楽しめましたが、周りの人はどうであったかと後々考えてしまいます。 自分だけの結婚式ではないのですから、自分だけ楽しむのは良く無かったですね。

ひとまず終わったことで、肩の荷が下り着替えを済ませ居間に戻ってみると、日本の披露宴には必ずある「あれ」があるではないか。

披露宴が終わった今、なぜここにウエディングケーキが!!??

念のため妹に確認してみるも、やはりウエディングケーキ。

「これ何?」
「ウエディングケーキ」
「披露宴でケーキカットするんじゃないの? 日本ではするんだけど」
「そんな事しないよ。 食べたい?」
「食べたい」
「じゃあ、切ってあげるね」

えーっ、妹一人でケーキ入刀してしまいました。
見物人は私と弟の二人だけ。

本当にウエディングケーキが必要だったんでしょうか。 普通のケーキを普通に食べた方が変に意識しないだけ良かったんではないだろうか。 大きな疑問でしたが、意識しているのは私だけのようで、皆何事も無かったように食べています。

その後は特に何をするわけでもなくふつーに過ごし、ふつーに夜を迎えたのであった。

---- 夜編に続く ----


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