修復処置を行うためには、損傷した部分の観察や原因の究明はもちろん、処置対象と成る作品や資料の組成構造を見極め、さらに利用され、管理されていた状況を詳しく調査するなど、たくさんの情報が必要です。
ここでは、作品の現状を知る上で、比較的簡便におこなうことが出来、なお有効な調査方法をいくつか紹介します。
1.透過光線による日本画の観察
作品の裏面から光を照射すると、透け出る光の様子を観察することによって、作品の損傷状況や過去の修復跡の有無を非破壊的に知ることができる場合があります。とくに薄い絹織物や和紙に描かれた日本の伝統的な絵画には有効な診断法法で、X線を利用したように内部の情報が詳しく得られることがあります。