何かにはじかれるように飛び出した どこに行くというアテがあるわけじゃない ただ今この瞬間この場所から逃げたかった なんの代わり映えもしないこの町から ただひたすら逃げだしたかった フューエルコックが180°向きを変える頃 何かに誘われるように突然止まりたくなった そこに何があるというわけじゃない ただ今この瞬間この場所に止まりたかった なんの代わり映えもしないこの右手から ただひたすら解放されたかった 放心状態で息を整える 今は何時なんだ? ここはどこなんだ? そして俺は誰なんだ? そこだけひときわ明るい自動販売機に まるで明かりに群がる羽虫のように フラフラと近づいていった なんの足しにもならないのを知っていながら 幾ばくかの温もりを求めコインを入れる 派手な音を立てて転がり出た缶コーヒーに まるで何かを願うかのように両手で手を添える 再び訪れる静寂 体が温もりを求める ふるえる手でプルトップをひき 褐色の液体を一気に体に流し込む 大げさなため息をひとつつき ヨレヨレのタバコをくわえ 火を点けようとしたとき 何かがスターリングシルバーに光った 空を見上げる 雲の切れ間から顔を出したBLUE MOON 訳も分からず涙が出た 心の透き間を照らし出したBLUE MOON 訳も分からず泣いていた