
炭鉱を主産業とするハーモニーという田舎町で働く新米の炭鉱夫のトムは、ある日、自分のミスによって
仲間の炭鉱夫の5人を生き埋めにしてしまうという落盤事故を起こしてしまう。
事故の唯一の生き残りだったハリー・ヴォーデンは、怒りと事故のショックから心神喪失状態と
なり、バレンタインデーの夜に町民22人をツルハシで殺害した後に炭鉱の奥へと姿を消してしまい、
その存在は都市伝説として語り継がれていた。
事件の原因を作ったトムは自責の念から街を去るが、10年後の折りしもバレンタインデーの
日に父親の遺産相続の為に、再びハーモニーの街へと戻ってくる事となる。
しかし時期を同じくして、住人が炭鉱夫の姿をした何者かに『ツルハシのような武器』
で殺害されているのが発見され、町の人々は『伝説の殺人鬼ハリー・ヴォーデンが
復活したのでは無いか?』と騒然となるが…
1981年に公開されたカルト的な人気を誇るスラッシャーホラー映画である
「血のバレンタイン」
のリメイクに当たる、スラッシャーホラー映画。
オリジナル作品はそこまでメジャーな作品じゃ無いですが、TV放映で『何度も再放送される
B級ホラー』の常連だった事もあったりして、私のようなオッサン世代には妙に名前が
知れてる作品だったりします。
まあ、実際に当時の『スプラッターホラーブーム』に便乗して作られた作品の中では
完成度もそこそこ高くて、また他には無い『独特のノリと味わい』を持った作品だったため、
Q・タランティーノが絶賛してたりと一部にファンの多い『カルト的人気作品』でもありますね。
かく言う私も、本作のオリジナル版は結構好きで何度も繰り返し観た映画
だったりするので、
その作品が今回は何と『デジタル3D作品』としてリメイクとして蘇るという事で、
どのような出来になるか非常に興味があった訳ですが…
なかなかどうして、オリジナル版にあった『独特のノリ』こそ再現されて無いものの、
質の高い『現代風のスラッシャーホラー』として復活されておりましたよ。
お話の設定の大筋はオリジナル版と同じような感じなのですが、ストーリーに
関しては割と変わっており、『ドラマ部分』が大幅に強化されて
サスペンス色が非常に濃い作品となっております。
しかしサスペンス色が濃くなったといっても、ストーリーが冗長な展開になった
訳ではなく、とにかく現代風に物語の展開が早い!!
襲撃シーン、残虐シーンとドラマパートが非常に小気味良く交互に訪れる感じで、
とにかく観ていて全く退屈しないぐらいにテンポが良くお話が進んでいくのは、
なかなかに上手い構成です。
ただ余りに早く物語が展開する為に、一部の設定に
『説明不足かな?』と思われる部分もあったりしたので、
そこはもう少しキャラクターを描き込む描写があっても良かったかも?
(『主人公が10年前の事故の原因を作った』という設定が、本編を観るだけ
ではちょっと分かり辛かったです。)
また、ストーリーの変更に伴い終盤の展開とかもかなり変わってしまい、リメイク作にも
関わらずラスト付近は『先の展開が読めずにドキドキしてしまった』ぐらいに面白かった
のですが、逆に『そこまでストーリーが変わったのなら、もう別の映画じゃないの?』
というツッコミもありそうな感じですけど…
そこは、オリジナル版にあった『名シーン』をシッカリと再現しているシーン
があったりして、ああ『この監督、分かってるな!!』と感じさせる部分が
多くて、まあ『コレはコレでアリかな?』という気持ちになれるのは、
やはり本作の完成度の高さ故でしょう。
殺人鬼のツルハシが飛び出してきたり、犠牲者の心臓が「ハート型の
チョコレートケース」に入れられて送られてきたり、オバサンの死体が
乾燥機で廻されているシーンが3D映像で飛び出してきたら、そりゃあ
旧作のファンならば『ニヤリ』とせざるを得ませんよ。(笑)
ただ、本作のオリジナル版にあった独特のノリの部分(殺人鬼が出没してるのに、住民が
妙に呑気だったり、監督がフォークギター片手にエンディングを自分で歌ってみたり)
が失われているのは、やはりちょっと残念な所ですね。
特にラストシーンは、殺人鬼が変な歌を歌いつつ『また戻ってくるからなー!!』
と叫びながら炭鉱の奥に消えていくというのを、やっぱり再現して欲しかったかなと…
(オリジナル版のあのラストは、個人的にかなり好きなんですよ。)
あと3D映像に関しては、最新の『デジタル3D技術』を使っているとかで、
確かに奥行きの表現とかは凄くて非常に違和感無く立体感を感じる事が出来ます。
既存の3D映画と比べても3Dの完成度は高くて、『専用の映像』を使った遊園地の
アトラクションに近い臨場感が得られるのは、確かに凄いと思いました。
また、私は普通の3D映画とかって長く観てると途中で頭が痛くなってきたり
する事が多いのですが、本作ではそういう事もなく最後まで楽しめましたし、
『技術の進歩って凄いなぁ』とちょっと感心してみたり…
でも、本作に『本当に3D映像が必要だったか?』と言われると、ぶっちゃけ
『無理に3Dじゃ無くても良かったんじゃねぇ?』というのも正直なところ。
序盤の炭鉱内のシーンで、3D映像によって『狭苦しい炭鉱の閉塞感』が
感じられるシーンは面白くて、そういう狙いで本作が3D映画として作られたの
だと思うのですが、オリジナル版からのストーリーの改変に
よって物語後半の炭鉱内のシーンが大幅に減ってしまったため、後半は単に
『映像が飛び出すスラッシャー映画』になってしまったのは勿体無い感じでしたね。
(オリジナルでは、後半で『若者たちが炭鉱内に肝だめしに行く』ような
シーンがあった筈。)
総評としましては、オリジナル版との違いの是非はさておくとして、純粋に
サスペンス風味のB級ホラーとしては完成度の高い、『なかなか良く出来た
スラッシャーホラー映画』だと思います。
オリジナル版を知ってるか知らないかに関わらず、B級ホラー映画が好きならば
普通に観ておいて損は無い作品だと言えるでしょう。
残虐シーンなんかも割と良く作られており、3Dで観ると結構迫力があったり
しますので、可能ならば劇場での3D映像で観る事を強くオススメしますよ。
個人的には、『3D映画とかって、何かイロモノになってるんじゃないか?』
と不安に感じていたのですが、不安を払拭する予想以上の完成度で、
なかなかの掘り出し物的作品でした。
あとせっかくだから、この機会に『オリジナル版ともどもDVD化』してくれま
せんかねぇ?>メーカー殿
心優しき青年・根岸崇一は、オシャレな音楽に憧れてスウェディッシュ・ポップをやるために大分から東京へと上京する。
大学でのサークル活動や路上での弾き語りで音楽の勉強をした彼は、インディーズのレコード会社へと
自分の曲を持ち込んでデビューを夢見るが…
しかし、ひょんな運命のイタズラから、彼はビジュアル系のデスメタルバンドである「デトロイト・メタル・シティ」の
ボーカル「ヨハネ・クラウザーII世」としてバンドデビューする事になってしまったのだった。
しかも嫌々ながらバンドを続ける彼の思惑とは裏腹に、彼の率いる「D.M.C.」はインディーズバンドとして大ブレイク。
「D.M.C.」の台頭と共にインディーズバンド界は日本全国を巻き込んだ戦国時代へと突入し、彼は『オシャレ系ポップス』
とは対極の位置にある『デスメタル』によって、不本意ながらもスターダムへとのし上がって行くのだった…
青年誌「ヤングアニマル」にて大好評連載中の『デスメタルギャグ漫画』である「デトロイトメタルシティ」の映画化作品。
原作を知っている人ならばご存知のとおり、『オシャレ系ポップスを志す主人公が何故かデスメタルの世界で大成していく』
という、理不尽な展開とハイテンションなギャグがウリのコメディです。
原作はかなり『テンポ良くシュールなギャグを連発する』ような作品で、非常に実写化が困難と思われる事から
『こんな漫画を実写化して成功するのか?』と本気で心配していたのですが…
いやいや、心配を全くの杞憂に終わらせる程にパワフルで完成度の高い作品でしたよ!!
何が秀逸って、まず原作からのエピソードのチョイスの仕方が秀逸。
元々がギャグマンガだけに、割とまとまりの無い話の連続になっているのですが、そのエピソードを
上手い具合に組み合わせて再構成を加えて、『「D.M.C.」の誕生から主人公の挫折〜再起』という起承転結の流れを、
キッチリと100分枠の作品としてまとめているのは素直に感心しました。
コレならば原作を知らなくても全く問題なく楽しめます…というかむしろ、
お話としては原作よりも分かり易いかも?(笑)
ストーリーの構成も非常に良く出来ており、笑わせるところは笑わせる、盛り上げるところは盛り上げる、
泣かせるところではホロリとさせる(「D.M.C.」なのに!?)という、見せ場をシッカリとみせつつも
テンポ良くお話が進んでいくという展開は、普通にコメディ映画としても良質です。
原作のテイストを失わないキャスティングも見事で、
妙にキモイ(けど本人はオシャレと思っている)主人公の『根岸君』と、常に暴走しまくりの『クラウザーさん』
の2役を演じる松山ケンイチ氏は、かなりのハマリ役。
また、クラウザーさんの最大のライバル役であるジャック・イルダークを「KISS」のジーン・シモンズが演じてたり、
「メガデス」のマーティ・フリードマンがチョイ役で出てたりと、お遊び的な要素があるのもメタル好きとしては
見逃せません。
とにかく、色んなところに見所がありつつもコメディとしての完成度も高いという、ホントに『マンガ原作の
コメディ映画』としてはお手本的な作りの作品だと言っても過言では無いでしょう。
…が、ベタ誉めばかりしていますが、本作にも不満点が全く無いという訳ではありません。
一番大きな不満は、『クラウザーさんのハジけっぷり』が原作に比べると『ちょっと弱いかな?』
と思う点。
映画の倫理上の問題やストーリーの構成の都合で、あまりハジケさせるのは難しかったのかもしれませんが、
もうちょっとハジけて暴走してくれないと『デスメタルのカリスマ』というには少々インパクトが薄いかな
って感じでした。
(せめて、オジー・オズボーンばりに『コウモリを食べる』ぐらいはやって欲しかった…)
あと、デスレコードの女社長役の松雪泰子の演技が『ちょっと無理してるなぁ…』と思える部分が
チラホラと見えてしまう事。
もともと『ミスマッチからくる話題性を狙ったキャスティング』のようで、そう考えると『頑張ってるな』とは
思うのですが、割と出番が多いキャラだけに妙に『苦しそうに演じている』シーンが散見されたのは
気になってしまいましたよ…
まあ他にも細かいツッコミはありますが、特にその辺が改善されれば更に良くなったんじゃないかと思うので、
ちょっと残念な所ではありました。
総評としましては、『原作が好きかどうか?』という部分を差っ引いて考えたとしても、
ごく普通に良く出来た音楽コメディ映画だと思います。
「スクール・オブ・ロック」とか、そういうノリの映画が好きならば間違いなく楽しめる一本だと言えるでしょう。
そして何より、原作のファンには間違いなくオススメの一本です。
原作へのオマージュとしての完成度も高く『原作の事を良く研究してるなぁ』と感じさせられる部分が
多くて、『原作を知らなくても楽しめるけど、原作を知ってたら尚楽しめる』というのは、マンガの映画化作品としては
理想的な完成度と言えるかも?
嘘かホントか分かりませんが、『ハリウッドからリメイク権の買取のオファーが来ている』というのも、この完成度なら納得です。
とりあえず原作が好きで気になってる人は、迷わず劇場までGOですよ!!
ニューヨークのセントラルパークの周辺で、人々が『何者かに操られるように次々と集団自殺を遂げる』という
怪事件が発生。
死ぬ前の人々に『精神の錯乱』や『失見当』のような兆候が見られた事から、政府はコレを神経ガスによる
テロではないかとの見解を発表する。
フィラデルフィアで生物学の教師を務めるエリオットは、従兄であり同僚教師でもあるジュリアンと共に
テロの脅威から逃れる為に一時的に都市部から疎開する事を決意。
妻のアルマとジュリアンの娘であるジェスら共に特急電車へと飛び乗り、同様の理由で疎開する人たちと
共にアメリカ中部を目指す。
しかし、そんな矢先にフィラデルフィアでも同様の『謎の集団自殺』が発生し、指揮所からの連絡を
失った電車は名も無い田舎町へと緊急停車。
この現象がアメリカの東北部で集中的に続発している事を知った彼らは、途方に暮れつつも
怪現象の『安全地帯』とされるアメリカ中部を目指して移動を開始するが…
「シックスセンス」や「サイン」でお馴染みの、M・ナイト・シャマラン監督による、
原因不明の災害による恐怖を描いたパニックホラー映画。
CMから既に『訳の分から無さ』が全開で、非常な怪しさをかもし出している
本作ですが、内容の方も予想通りにかなり怪しい作品です。
でも『怪しい作品』と言うよりも、本作に最も適切な表現をするとしたら
『とにかく怖い映画』ですね。
いやコレがホントに、そんじょそこらのホラー映画なんかより断然怖い!!
謎の神経ガス(?)の影響を受けた人々が『次々に淡々と自殺していくシーン』は
ホントに怖くて、CMでも使われている『人々がビルの上から次々と飛び降りる
シーン』とかは、マジにトラウマになりそうなぐらいの気持ちの悪さ。
直接的な残虐シーンとかは殆ど無いのですが、本編の要所々々でこの集団自殺の様子が描かれるため、
気の小さい人はマジに画面を直視できないかも?ってぐらいの勢いです。
素直に『ホラー映画として売り込んだ方が良かったんじゃ無いか?』って感じですよ。
ただシャマラン監督というと、ファンならご存知のように『人を食ったような内容』の
変態的作品を撮る事で有名な監督な訳ですが…
本作はシャマランらしい『裏切り(というか『やっちゃった感』)』が無いので、
そういう意味では至って真っ当な映画と言えるかもしれません。
まあ、ある意味で『あまりにも唐突な幕切れと結末』が裏切りと言えば裏切り
なのですが、この監督も「ヴィレッジ」や「レディ・イン・ザ・ウォーター」辺りから、
ちょっと芸風が変わって来たのかなぁ…って感じですね。
でもまあ、『シャマランらしい部分』が無いかと言えばそうでも無く、物凄く緊迫したシーンで
主人公が『妙にマヌケ』な行動(観葉植物に話しかけるシーンでは、ちょっと笑ってしまった)を
取ってみたり、『妙にアクの強い脇役キャラ』がやたらと出てきたりとか、シャマラン節は
今回も健在。
人類存亡の危機だってのに妙に暢気に『家族愛』を描いてみたり、普通なら『環境破壊に対する警鐘』
だとか口角泡を飛ばして叫ぶようなシーンを『人類には自然の事は良く分からない』とか
シレっと流してみたり(でも、それが真実だと思う)、人を食ったようなネタも
相変わらず多いです。
今回は作品のテーマも明確ですし、シャマラン監督としては
良い意味でも悪い意味でも『非常に分かりやすい作品』なのでは無いかと…
総評としましては、いつものような『やっちゃった感あふれる作品』を期待すると
肩透かしを食らいますが、面白かったか、面白くなかったか?と言われると、
『結構面白かった』と答えるような作品だと思います。
シャマラン監督の作品が好きな人や、普通にパニックホラー映画が好きな
人ならば、とりあえず観ておいて損は無い一本だと言えるでしょう。
SF風味のサスペンスホラーとかが好きならばマジでオススメの作品ですので、
納涼がてらに観に行ってみるのも良いかもしれませんよ。
ある夜、アメリカの湖畔の街を激しい嵐が直撃する。
翌朝、嵐の通過によって荒らされた家の修繕を行うべく、
イラストレーターのディヴィッドは息子と隣人の弁護士・ノートンと共に
街のスーパーマーケットへと買出しに向かうが、突如として街中に激しいサイレンが鳴り響く
と共に、スーパーマーケットは1m先も見えないような不気味な霧へと押し包まれてしまう。
霧の中から逃げてきた一人の男性は『霧の中に何かが潜んでいるから、霧を建物に入れてはならない』
と主張するが、やがて発電機の修理の為に外に出ようとした一人の若者が『霧の中に潜む何か』の
巨大な触手によって屋外に引きずり出されるという異常事態が発生。
自分達が追い詰められたと知ったスーパーマーケットに来店していた人々は、恐怖によるパニック
よって猜疑心やエゴを剥き出しにしていくのだった…
「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」
の映画化でお馴染みのフランク・ダラボン監督に
よる、スティーブン・キングの「霧」をベースとしたモンスターパニックホラー映画。
フランク・ダラボン監督というと『キングの映画化作品は駄作』という定説を打ち破る
作品を撮った監督としてキングのファンの間では有名な監督ですが…
以前の2作は『ホラーでは無い作品』だった為、『純粋なホラー映画である「霧」の映画化は果たして
どうなのか?』という懸念もあったのですが、なかなかどうしてそんな不安を杞憂に終わらせる
ような快(怪?)作ホラー映画でした!!
キングの「霧」というと元々は短編小説で、キングがスーパーマーケットのレジで並んでいた
時になんとなく考えた『もしこの状況で、いきなり異常事態が発生して自分達がスーパーマーケットに
閉じ込められたとしたら、この人達はどうするだろう?』という思いつきだけから生まれたという
小説(っていうか、その思いつきだけで小説が書けるキングも凄いが)で…
原作はホントに『怪しい霧によって包囲された人々の陥るパニック』のみを描いたようなお話で、怪物も
『霧の中から現れる正体不明の触手』ぐらいしか出てこないのですが、こんな作品をどうやって
映画化するのかと思いきや、なかなか上手い具合に『キングらしさ』を残したままで話を膨らませて
おります。
序盤の『何でもない日常がサイレンの音と共に突如として崩壊する』という急転直下の展開も
面白いですし、一歩先も見えないような霧の奥に何者かが潜む緊張感や、パニックによってエゴを
剥き出して行く人々の人間心理の怖さの描き方も見事。
ホントに『この監督はキングの作品を良く分かってるなぁ』って言う素晴らしい完成度ですね。
特に霧の中を捜索するシーンの緊張感は一見の価値アリ。
霧の中から現れるクリーチャーのデザインも秀逸で、確かにこんな生き物なら
『異次元から
やってきた』と言われても納得するような異形の怪物ぞろい。
特撮のレベルも高くて見せ場もそこそこあるので、モンスター映画好きも納得の出来栄えでしょう。
とまあ、ここまでいい部分ばかり書いてますが若干の不満点も無い訳ではありません。
この監督の作品に共通している事ですが本作も全体的にちょっと尺が長め(2時間強)で、
特に中盤は会話劇が中心となる為、ちょっと間延びした感じになってしまい『退屈』までは
行かないものの『テンポが悪いかな?』と感じる部分も…
キングの作品のノリを忠実に描こうとしたら心理描写が長くなるのは仕方ない
部分ではあるものの…それでも「グリーンマイル」とかなら気にならないのですが、本作のような
『純粋なホラー映画』で尺が長いと、どうしても冗長に感じてしまうのは辛いところでしょう。
また、本作のテーマとして『本当の恐怖は外の世界ではなく、我々の内側にある。』という
キング作品の永遠の主題がフィーチャーされているのですが、その主題が『あまりにも明確に
描かれすぎている』という点は賛否両論ありそうですね。
確かに作品テーマが鋭い切り口で描かれているものの、これでは『切れ味の鋭すぎるカミソリ』
のようなもので見ている観客の心を抉りすぎるため、流石に肌に合う人と合わない人でハッキリと
好みが分かれてしまう事でしょう。
(個人的には、コレはコレでアリだとは思いましたが…)
総評としましては好みの分かれる作品だとは思いますが、とにかく普通にモンスターホラー好き
ならば観ておいて損は無い作品だと思います。
特にS・キングのファンであれば、所々に散りばめられたキングテイストに十分に
満足できる作品だと思いますので、是非とも劇場で観ておきましょう!!
色んな意味で、非常に『キングらしいホラー作品』である事は間違いないですので…
5月のある日、日本へと転勤となるロブの送別パーティーでニューヨークのアパートの
一室に集まった彼の友人たちは、夜中過ぎに突然『謎の爆発音』と『激しい振動』に見舞われる。
TVのニュース速報で港で何かの事故が発生した事を知った彼らは、好奇心から屋上に
出て様子を探るが、港方面で謎の大爆発が起こるのを目撃。
慌てて道路に飛び出した彼らの前に、港から飛来した『自由の女神像の首』が落下して
きた事によって彼らはすっかりパニックに陥ってしまうが、そんな彼らの前にビルの合間から
『信じられないもの』が姿を現すのだった…
「M:I:III」やTVシリーズ「LOST」で知られる、J・J・エイブラムス監督の仕掛ける、
『謎の予告編』や、Youtubeにアップされた
『ティーザー映像』が話題を読んだ本作ですが…
本作を一言で言ってしまうなら、「ブレアウィッチ・プロジェクト」風味な手法で撮られた
『新機軸の怪獣映画』といった所でしょう。
何が新機軸かと言いますと何といってもその表現手法で、本作は『怪獣の襲撃を受けた
NYに住む一人の一般市民がハンディカムで撮影した映像』という設定になっており、
お話の最初から最後までが『完全な一人称視点』で進行する事です。
お話の内容的には『NYに正体不明の巨大怪獣が出現したので、
市民が何とかして脱出を図っています』と言うだけの話なのですが、
巨大怪獣に対するのが『正義のヒーロー』でも『防衛軍』でも無い、
等身大の一般市民の視点というのがとにかく斬新ですね。
特に序盤〜中盤にかけての、怪獣の出現シーンの迫力は臨場感抜群で物凄いです。
(ぶっちゃけ、この序盤のシーンの為だけにでも観る価値アリ。)
ただ、良い点が「ブレアウィッチ・プロジェクト」と同様に『臨場感』と『リアリティ』に
あるとしたら、悪い点もこれまた「ブレアウィッチ〜」と同様。
映像が『ハンディカメラの映像』となっている事から、どうにも画像が不鮮明で
観辛いシーンが多くて状況がイマイチ掴み難い部分があったり、序盤とか
怪獣の姿が殆ど見えずにイラっとするシーンもアリ。
また、ほぼ常時『画面が激しく揺れている』ため、
画面酔いし易い人にも辛いかもしれません。
(私は少々『酔う人』なので、終盤の方では少し頭が痛くなってしまいました。)
あと、これまた「ブレアウィッチ〜」と同様で、特殊な設定故に
しょっぱなから『オチが若干読めてしまう』
のも辛い部分ではありますね。
肝心のお話そのものは、演出の斬新さを差っ引いて
純粋に怪獣映画として考えると『まずまず及第点かな?』ってレベル
ですが、怪獣のデザインも他に類似するものがない
『得体の知れない怪物』としか言いようが無いデザインで、
なかなか良い個性を持った作品だと思います。
タイトルに「HAKAISHA」と入っていたり、エンドロールで流れる
メインテーマが「ゴジラ」風の怪獣映画を思いっきり意識した曲
だったりと、日本の怪獣映画へのオマージュ
があちこちに感じられるのも、なかなかニヤリとさせてくれて良い感じですし…
ただ若干気になった点としては、US版「ゴジラ」でもそうでしたが、アメリカ版になると
怪獣にくっついて『人間サイズのクリーチャー』が出てくる
のはお約束なのんですかね?
本作では、小型クリーチャーの設定はちょっと蛇足だったような気が…
総評としましては、
日本の『怪獣映画好き』ならば、とりあえず観ておいて損は無い…
と言うか、色んな意味で『観ておくべき作品』だと思います。
普通に『この発想は未だに無かったわ!!』
って感じでかなり新感覚に浸れますし、
意外性という点も含めて後学の為にも一見の価値はありますよ!!
怪獣映画のお約束として、同然ながら『大画面で観た方が迫力がある』ので、
気になるなら是非とも劇場まで行っておきましょう。
逆に、怪獣映画に興味が無い人が観ても『何じゃこりゃ?』って感じの映画だと
思いますので、「LOST」シリーズとかが好きな人が興味本位で観ようとしてるなら
スルーした方が良いかも?
何だかんだ言っても、良くも悪くも『怪獣映画』ですからね。(笑)
1980年代のテキサス、荒野でハンティングをしていたベトナム帰還兵のモスは偶然にもマフィア達の仲間割れ
の現場に遭遇し、全滅したマフィアたちが持っていた200万ドルの大金の入ったバッグを手に入れる。
彼は、その現金が自分の運命を変える事になると知りながら自宅へと持ち帰るが、彼の持ったバッグを
追って組織から派遣されたシガーという謎めいた殺し屋が彼を執拗に追跡。
モスはバッグを持って国境の街へと逃亡を図るが、やがてモスと殺し屋との追跡劇は地元の保安官で
あるベルを巻き込んで、大きな運命の流れへと変化していくのだった…
「バートン・フィンク」や「ファーゴ」で有名な
コーエン兄弟によるクライムサスペンス映画。
アカデミー賞の4部門を受賞した作品という事で、
『芸術性や社会性は高い作品なんだろうな…』というのは
予想しつつも『映画の面白さとしてはどうなんだろう…』と一抹の不安を抱いていたのですが…
なかなかどうして、心配には及ばずに娯楽作品としても非常に良く出来た快作でした。
一筋縄では行かないストーリーとサスペンスとしての緊張感とが秀逸な作品で、何が面白いって
とにかく先の展開が読めない。
それどころが、最初は誰が主人公で誰が殺し屋なのかも良く分からずに、<
Font Size=3 Color="BlueViolet">話の流れが全く分からないような状態
連続殺人鬼のジグソウと、その弟子のアマンダが殺され、その遺体の検死中にジグソウの
胃袋の中から謎のカセットテープが発見される。
ジグソウの犯罪を追っていたホフマン刑事は、ジグソウとアマンダに更なる『共犯者』が
居たと推測し、カセットテープの内容が『共犯者の正体を探る手がかりになるのではないか?』
と期待し調査を開始する。
一方その頃、ジグソウの殺人事件を執拗に追跡していたSWATのリグス指揮官は、自宅での待機中に
何者かの襲撃を受け意識を失う。
そして、目を覚ました彼の前には、新たな「ゲーム」へと強制参加させられ、
『90分以内にゲームをクリアしなければ旧友の命は無い』と告げるジグソウからの
ビデオメッセージが残されていた。
ジグソウは既に死んだはずなのに、果たして何者がこのゲームを仕掛けたのだろうか…
この手のジャンルを好きな人には今更説明の必要も無いであろう、
人気のソリッドシチュエーションスリラー映画である「ソウ」シリーズの最新作です。
といいつつも、2〜3は既にスリラーというよりは『閉鎖環境型ホラー映画』みたいな
内容になっておりサスペンス要素も微妙だった感じの本シリーズですが、今回は
割と普通に『サスペンス映画』に戻った感じです。
前作までは、死にそうでなかなか死ななかったジグソウキラーですが、前作のラストで
『しっかりと止めを刺された』ので、流石に今回は『ジグソウは生きていた』ってな事は
無くて…
じゃあ、『誰が今回の「ゲーム」を仕掛けているのか?』ってのが、今回の物語の
焦点みたいな感じでTVとかのCMも行われているのですが…
ぶっちゃけると、本編の中では割とその辺はどうでも良さげな印象で、むしろ
『ジグソウキラーは、いかにして連続殺人鬼となったか?』という、ジグソウの
過去が語られるのが本作のメインストーリーだと言っても過言では無いでしょう。
言ってみれば『ジグソウキラー誕生編』みたいな感じのお話ですね。
実際に、本編のストーリーよりもジグソウの誕生エピソードの方が全然面白くて、
前作まではアクマで『超然とした存在』としてのみ描かれていたジグソウですが、
『殺人鬼になった理由』が意外にも人間臭くて、個人的にはなかなか好感が持てました。
(まあ、『超然とした神の如き存在だから良かった』って人も居ると思うので、
この辺は賛否両論かも?)
ただ、サイドストーリー的なジグソウの過去のエピソードは良いのですが、
本編の方は少々微妙。
新規の登場人物と前作の登場人物が入り混じって本編が語られる上に、話の中で
時系列が入り乱れて前後するので、たいして難しい話でも無いのに話が意味も無く
難解で非常に分かり辛い。
(中盤ぐらいまで、新キャラの人間関係がサッパリ理解出来なかったのは私だけ?)
2や3の時も感じましたが、この監督は『登場人物の人数が増えるとストーリーが
グテグテで分かり難くなりがち』なので、もうちょっと物語を分かり易く
簡潔に描く為の手法を身につけた方が良いと思います。
(『前作の登場人物』とか何の説明も無く当たり前のように出されても、こちとら
1年ぶりとかにシリーズの新作を観てるんだから、一瞬誰のことだか分からんっての…)
また、今回の真犯人は確かに『予測不能』だけど…トリックやストーリーが凄いとか
じゃなくて『唐突過ぎて予測不能』なだけで、驚きも何も無かったのが残念な所。
あと、「ソウ」シリーズと言えばお馴染みのジグソウの『残虐トラップ』ですが…
ぶっちゃけトラップに関しては、今回は『シリーズ随一の地味さ』といった感じで、あまり面白味の
無いトラップが多くて『インパクトに欠けるなぁ…』ってのが正直な所。
まあ2〜3と過激になる一方で『やり過ぎ感』があったので、今回はやや抑え気味にしたのかも
しれませんが、もうちょっと面白味のあるトラップがあっても
良かったかなぁ?
残虐表現に期待している人は、ちょっと肩透かしを食らうかもしれません…
総評としましては、良くも悪くも『普通のサスペンス映画』になっちゃったなぁ…って
感じの印象の最新作でした。
お話そのものはツマんなくは無いのですが、本作は『衝撃度』は殆ど無くシリーズで
最も地味な内容といった感じです。
ただ、『ジグソウの過去』等のような『シリーズとして観ておいた方が良い』
というシーンは多いので、シリーズのファンならばとりあえず観ておく価値がある
作品だと言えるでしょう。
でも、劇場まで来るほどの価値があるか?と言われると、ちょっと微妙かなぁ?
ぶっちゃけ、本作はサスペンスなのに『ネタバレされても困らない』ような感じの内容ですし、
『ビデオになるのを待ってジックリと見る方が良いかも?』と感じるような一本でした。
先日感想をアップした「デス・プルーフ」と同様にクエンティン・タランティーノ&ロバート・ロドリゲスによる映画スタジオである『トラブルメーカー』による『グラインド・ハウス』シリーズの
一遍に当たる作品。
同シリーズの「デス・プルーフ」の感想の際にストーリーの粗筋を説明しなかったので、今回もそれにならって
ストーリーの説明は割愛させていただきますが、「デス・プルーフ」が『何も知らない方が面白い』のに対して、
こちらは『ストーリーなんて知ってても全く意味が無い』といった感じでしょうか…
とりあえず『義足の替わりに片足にM4A1(米軍の自動小銃)を装着したお姉ちゃんが、ゾンビ軍団相手に大立ち回り
を繰り広げる映画』という事さえ知っておけば、何の問題も無いでしょう。
…って、設定だけ聞くと『どんだけB級でマニアックなな設定の映画だよ?』って感じですが、現実にも
ロドリゲス監督の趣味まるだしで『B級テイスト全開』な
『狙って作られたクズ映画』といった感じの
作品です。
どの辺が趣味が全開って、とにかく最初から最後まで過剰なまでの『暴力』と『残虐描写』のオンパレードの
過激っぷり。
何と言いますか、別に私も過激な映画は好きなのでその趣味を否定する気はありませんが、『本編の進行と
全く関係が無いような部分』でまで執拗にグロ映像を見せられる
ので、なんかもう『精神的ブラクラ』状態で
流石に中盤辺りから、ちょっと嫌な気分になってしまいましたよ…
(というか、途中から『残虐シーンを見飽きた』というのが正解かも?)
ストーリーに関しても、軍の秘密の研究が原因でゾンビが大量発生したりと『B級テイスト全開』な
展開ではあるのですが、B級映画にしては無意味に登場人物が多すぎて、『2〜3箇所で物語が同時進行して
行く』という流れのためストーリーが妙に複雑でサクっと観れる映画になってないのは問題かと…
まあ、その複雑さを逆手に取って、最も重要な謎解きシーンで『フィルムを途中一巻分紛失しました。』という
ネタには爆笑しましたが…
(『インディーズ作品』ならともかく『劇場公開映画』であんな『超投げっぱなしネタ』をやってしまうとは、
ロドリゲス監督もやはり只者では無いです。)
実際、『もう1人の主人公』と言える医師夫婦の話とか、本編には全く関係なかったので
省いてしまっても良かったのでは?
ネタとしてイロイロ仕込みたいのは分かりますが、そのせいで話の流れが悪くなってしまい、
爽快感を削ぐ形になってしまっているのは、なんとも本末転倒な感じです。
本作の最大のウリである、ヒロインのお姉ちゃんが『片足サイボーグ状態』になるのも本編の
かなり終盤にかかってからですし、主人公の不死身のコマンドーっぷりも発揮する場面が
少なくって、全体的にどうにも物足りない…
ぶっちゃけ「デスペラード」ばりに、本編の半分ぐらいは『主人公とヒロインが無敵のヒーローとして
大暴れしている』ような内容でも良かったのでは?
ロドリゲス監督が趣味に走りすぎたのか、あるいは妙に『底辺を狙いすぎた』のか…
なんにせよ『観客が引いてしまう程の暴走っぷりはどうなのよ?』って感じで、なんかちょっと
『外しちゃったなぁ…』という印象が拭えません。
「デス・プルーフ」の方が突き抜けすぎていて『期待し過ぎてしまった』事もあるんでしょうが、
ちょっと残念な作品でした。
総評としましては、先述のとおりシリーズとしては『やや微妙な評価』ながらも
『ロドリゲス監督の作品としては微妙』という
レベルなので、普通にB級ホラーとして観た場合は十分に及第点を付ける事の出来る作品だと思います。
ただ『残虐描写がかなりキツ目』なので、バカ映画っぽい予告に釣られてソッチ系のノリだけを
期待して観に行くと、ちょっと後悔しちゃうかも?
血みどろ描写とかバンバン出てくるので、『その手の表現』が苦手な人はあまり観ない方が良い作品かも
しれません。
逆に『ゴアホラー上等』でその手の映画が大好きな人ならば、とりあえず観ておいて損は無い一本でしょう。
いつもなら、最初に映画のあらすじを簡単に解説する所ですが、本作は
『なるべく何も知らない方が面白い』…というか
『あらすじなんか知ってても何の意味もない』ので割愛します。
「フロムダスク・ティル・ドーン」なんかでお馴染みの、
クエンティン・タランティーノ&ロバート・ロドリゲス
による映画スタジオである『トラブルメーカー』による
『グラインド・ハウス』シリーズの一本(シリーズと
言ってもストーリー的には特に繋がりは無いようです、でも設定とか世界観は同じ物をベースにしているようですが。)
で、本作はQ・タランティーノ監督による
70年代風の『ロードムービー』を意識したアクション映画と
言った感じのお話です。
ちなみにこの『グラインドハウスってのは何ぞや?』と言いますと、何でも
『アメリカで70年代にB級映画を専門に上映していた
安普請の映画館』の事だそうで…
そのシリーズタイトルどおりに、本作でもあからさまに『70年代っぽい音楽』や
『画面演出』が用いられたり、
画面に『フィルムの傷っぽい効果』が施されていたりと、全体的に
70年代テイストを再現しようとした演出が各所に観られて、なかなかに面白いです。
…が、しかし確かに70年代風のロードムービーを再現しようとした試みは分かりますし、この時代は
『ブッ飛んだ設定のB級映画』とかが多かった時代でしたが、いくらなんでも
『ここまでムチャクチャな映画は無かっただろう…』
っていうか、タランティーノ監督はっちゃけすぎ!!
なんと言いますか、この突き抜けたセンスは70年代どころか『時代の最先端を突き抜けすぎて、
一周して戻ってきてしまったような映画』としか評しようがありません。
物語の序盤が『アーパーな感じ(死語)のギャル達が、延々とくっ喋ってるシーンを
見せられるだけ』なので、最初は『何じゃこの映画は?』と思ってたら、
中盤から物語のノリが急変して、
ストーリーが転がりだしてからの展開がとにかく凄いの一言。
特に終盤に入ってからのラスト20分の展開は『とんでもない展開になる』
というのを事前に知ってても、
あまりの無軌道っぷりに愕然とすることウケアイです。
もう最後のほうは、本気で笑いが止まりませんでしたよ。
いやはや、こんな映画作ったタランティーノ監督には『最高の賛辞』としてこの言葉を送りたいです。
『お前、絶対にアホだろっ!!』
しかしまあ色んな意味で、よくもこんな破天荒な作品が作れたものです…
色々と評価が割れそうな作品ではありますが、なんかこの映画に関しては
『細かい所にツッコミを入れたら負け』な気がするので、
その場のイキオイだけで楽しむのが正しい映画
ではないかと思います。
総評としましては、とりあえず『今年一番のストレス解消映画』である事は間違いの無い作品だと
言えるでしょう。
特に「The END」の文字が画面に表示された瞬間の、劇場内の『なんとも言えない空気』が最高でした。
(おおよそ、観客全員が『同じ感想』を頭に浮かべてたんじゃないかと思う…)
ビデオ等でこの映画を観るとこの感覚は味わえないと思うので、そういう意味でも
是非とも『劇場で鑑賞して欲しい作品』の一つではありますね…
男児は幼少の頃から全員が軍隊に入れられ、徹底した英才(スパルタ)教育により
屈強な兵士として育て上げられるという、最強の軍隊を所持するギリシアの小国・スパルタ。
ある日、そんなスパルタに対して東方の大国であるペルシアから強大な
軍隊を率いた使者が訪れ、『100万の兵士を率いる軍隊による侵略を受ける』か、さむなく
ば『無条件降伏する事』を要求してくる。
最強の戦士として『国家の威信を失う事』と『国民が奴隷化される事』を嫌ったスパルタの
王であるレオニダスは、国家の危機に際してペルシアとの
開戦の許しを得るために司祭に神の言葉を聞きに行くが、逆に『戦争を行っては
はならない』という神託を受ける。
神の言葉は絶対であるとするギリシアの評議会は、スパルタに『軍隊を動かす事』を
禁じるが、むざむざとペルシアに蹂躙される事を良しとしないレオニダス王は、
たった300人の精鋭による『護衛部隊』を編成し、100万を超えるペルシアの部隊を
真っ向勝負により迎え撃つのだった…
古代ギリシャにおける『史上もっとも熾烈な戦い』の一つとして知られる
『テルモビュライの戦い』
をテーマとして描かれた、フランク・ミラー(「SIN CITY」の原作者)原作による同名の
アメリカンコミックの映画化作品。
最近の中国映画の流行のジャンルに、超人的な身体能力を持った主人公が何万人もの
大群を相手に戦いを繰り広げる『武侠もの』というジャンルがありますが…
ぶっちゃけて言ってしまえば、本作は要は『武侠もの映画のハリウッド版』とでも
言うような作品です。
『武侠もの』のノリがベースなだけに、
良い点も悪い点も『武侠もの映画』と全く同じと言っても良いような印象で…
良い点と言えば、当然ながら主人公達が『驚異的な身体能力で大群を相手に大立ち回り
を繰り広げる』という大迫力の戦闘シーン。
(中国映画じゃないのでワイヤー使って空を飛んだりはしませんが…)
まあ流石にハリウッドの大作だけあって、とにかくスケールがデカい!!
海岸線を埋め尽くして雲霞のように攻め寄せてくるペルシア軍の大軍隊とか、CGを使ってる
んだとしても『金かかってるなぁ』と感じるのはさておき…
加えて、まるで『絵画のような印象的な映像表現』や
『コミックを意識した非常にスタイリッシュさを
感じさせるカット割り』の連発が、とにかくひたすらにカッコ良い!!
屈強で超ムサ苦しいハッスルマッチョのスパルタ戦士が大暴れするさまは、
男なら誰しもがアドレナリンだだ漏れになって、大興奮間違いなしの爽快感です。
が、悪い点も『武侠もの』に有りがちなパターンで、とにかく
『話の中身が無い』という事。
まあ美術センスの良さやら
映像的な美しさやらと、それなりに見所はあるのですが…
それでもやっぱり『戦闘シーン以外はかなり退屈』で、ぶっちゃけ
途中のシーンで一回寝そうになってしまいましたよ。
と言っても、実質的に『本編の7割ぐらいは戦闘シーン』な事もあって、
退屈で時間を持て余すような事は無いので、そこまで大きなマイナス要素でも無いんですけどね。
あと個人的に気になった事と言えば、フランク・ミラー原作のコミックがベースと
なっているだけあってか、「SIN CITY」同様に『コミック的なカット割り』が
本編で多用されているのは前述したとおりなのですが…
シーンによってはその表現が妙にクドく、ちょっと『鼻に付く』ようなシーンが散見されて
『もう、そのカット割りは良いよ…』とか感じてしまったのは惜しい所でした。
「SIN CITY」では、そういう印象は受けなかったので、やはりそこは
ロバート・ロドリゲス監督のセンスの良さといった所でしょうか?
また、本作もいかにもフランク・ミラー原作作品らしく映像に若干の暴力表現が含まれており、
結構過激なシーンもあったりするんですが、絵画的な映像のお陰もあってか、あまり残虐な
印象を受けないのは『一般向けとしては良い判断かな?』と感じました。
(「SIN CITY」の方は、良くも悪くもバイオレンス方面がセンス突き抜けてましたからね…)
あと余談ながらファンタジーマニア的には、古代ギリシャで実在した戦法の一つである
『ファランクス陣形』が効果的に描かれていたのが、なかなか燃える部分でありました。
なんか、テーブルトークRPGやSLGにハマってた時代を思い出しましたよ…
総評としましては、単純に『アクション映画大好き』で、
『むさ苦しい男達の痛快無比で
ド派手なアクションを楽しみたい』という人ならば、
とりあえず劇場で観ておいても損は無い作品だと思います。
つか、ちっちゃい画面で観たら面白さも大幅減衰だと思いますよって、内容は薄い作品
ではありますが、とにかく『大スケール』かつ『大迫力』の映画なので、どうせ観るなら
映画館の巨大スクリーンで観ておきましょう。
忍者の里の頭領の娘であるカスミ姫は、1年前にある武闘大会に参加して
以来、行方不明となった兄の『ハヤテ』の身を案じる余り、兄の行方を
探す為に「抜け忍」となる決意をする。
しかし里を抜け出した彼女の元に送られてきたのは、1年前に兄が
行方不明となった謎の武闘大会である「DOA(デッド・オア・アライブ)」
への召喚状で、その大会こそは全世界から集められた凄腕の武闘家が集う
という驚くべきアンダーグラウンドの大会だった。
カスミは、この「DOA」の大会に兄の行方の秘密があると考え、大会の
開催場所である南海の孤島へと赴く事を決意する。
しかし、かつて彼女の護衛であったアヤネも、抜け忍であるカスミを
抹殺するために密かに島へと派遣されていたのだった…
さて、「DOA(デッド・オア・アライブ)」
ってタイトル自体はゲーム好きな人なら
名前ぐらいは聞いた事があると思いますが、PS2やXboxにて発売された同名の
格闘ゲームのタイトルでして、本作はその映画化作品になります。
余談ながら、同名タイトルの三池崇志監督のアクション映画とは全く
関係ありませんので、邦画ファンの人はお間違いの無きようにご注意を…。
まあ、それはさておき…
さて本作ですが、逆に少しこのゲームに詳しい人なら『このゲームに、
映画化するようなストーリーってあったっけ?』と疑問を抱くかもしれませんが…
一応、設定的にはゲーム版のヒロインに当たる『かすみ』の行方不明の兄『ハヤテ』の行方を
追う話やら、格闘トーナメントである「DOA」の開催企業である『DOATEC』
のボスであるドノヴァンが黒幕として登場したりする辺りから、どうやら
「DOA2」とか「DOA3」辺りの話をベースとして映画化されているようです。
…って、こんな設定は「DOA」をプレイしてる人でも一部の人しか
認識してないと思われますので、微妙にマニア向けの設定ですな。
ちなみに『天狗』は登場しません。(笑)
まあ映画の内容的にはオリジナルの設定を知らなくても特に困るような
お話では無かったですし、格闘ゲームの映画化作品といえば、過去の
「ストリートファイター」やら「モータルコンバット」やらでも
ストーリーは相当グテグテだったので、本作はまだ比較的キチンと
まとまってる方かも?
本編の完成度の方は、良くも悪くもB級テイスト溢れる作品といった
感じですね。
物語の冒頭で、雲海に浮かぶ中国皇帝の宮殿風の建物が映し出さ
れるので、『何処の中国キャラが登場するんだろう?』と思いきや、
表示されるテロップが『日本・石狩山脈』って…
いやいや、その場所は『どうみても中国だから!!』しかも
『石狩山脈って何処だよ!?』って感じで、開幕10秒からツッコミ
どころ満載っぷりをいかんことなく発揮して、笑わせてくれます。
その後も、微妙に勘違いな日本観とかゲームの世界観やらの
連続で、息つく暇も無い程のツッコミどころの満載っぷり。
登場人物のキャスティングも超絶微妙で、まだ男性キャラは『コスプレにしか
見えない』って点を除けば『ああ、ザックだな』とか
『これはゲン・フーだ』って
のが一目で分かるのですが、ぶっちゃけ女性キャラは画面で名前が紹介される
まで、誰のつもりなんだかサッパリ分かりません。
つか、ヒロインのかすみ役がデヴォン・青木って時点でどうなのよ!?
胸もあんまり大きくないし!!(←そこかよ)
あと登場人物は、一応はゲーム版の「DOA3」のキャラは一通り登場するの
ですが、メインで活躍するのは「かすみ」、「あやね」、「ハヤブサ」、
「ティナ」、「クリスティ」、「エレナ」と言った面々。
加えて、サブキャラ扱いながら「ザック」、「バース」、「レオン」、「ハヤテ」
なんかも、それなりに活躍するシーンは有ります。
「バイマン」は相当酷い扱いですが、まあアレはアレで逆の意味で美味しい
キャラなので、まあ良いでしょう。
しかし、その他の「ゲン・フー」や
「レイファン」は30秒ぐらいしか出番が無い
上に、「ヒトミ」や「ジャン・リー」
や「ブラッド」に至っては
『何処に出てたのかすら分からない』ような扱い
(一応、最後のスタッフロールに名前は乗ってたので、出てた事は
出てたらしい。)なので、その辺のキャラが好きな人は
要注意ですね。
作品そのものの内容は、B級ながらもお話のテンポも良く
逆に『いかにもB級!!』
といったコメディのセンスも悪くないですし、程よく織り込まれた
アクションシーンもあって割と飽きずに最後まで観る事が出来る内容です。
また、元が格闘ゲームだけあって格闘シーンにはなかなか気合が入っており、
絶賛するほどじゃないながらも、アクション映画としては十分に観れる
レベルなので、その辺は割と安心なのですが…
このゲームって、対戦相手を吹っ飛ばした時に『壁を突き破ったり』、
『床が爆発したり』するというド派手な演出の『デンジャーゾーン』
システムというのが存在するのですが、この表現が映画だと
明らかに作り物っぽい柵や壁を吹っ飛ばす程度で、滅茶苦茶
ショボいのが残念な所。
まあ、特撮がショボいのは低予算ゆえの哀しさ…といった所なんで
しょうが、コレはゲームの売りの一つでもある部分だけに、もうちょっと
お金をかけて『電流爆破デスマッチ』ぐらいのド派手な演出をキッチリ
と再現して欲しかった所です。
総評としましては、普通に『出来の良いアクション映画』を期待して観ると
ちょっと辛い所ながらも、B級という事を認識して『バカ映画』として
観るならば割と楽しめる作品だと思います。
特に『ツッコミどころ』は、このゲームに詳しい人だと
『多すぎて何処からツッコんだら良いか分からんッ!!』ってぐらいに
満載で、真剣にツッコミを入れたら『2分に1回ぐらいツッコミどころが
ある映画』なので、ネタ映画として観るならなかなか良い映画だと
言えるでしょう。
とりあえず、話のタネに
『ゲーム好きのネタ映画』として観ておきたい人は是非!!
救命病棟の外科医であるリンは、ある日、何者かの襲撃を受けて拉致され、
廃工場の中にある病室のような場所で目を覚ます。
そこには、今にも絶命しそうな病人と一人の女性がおり、彼女をこの廃工場
に連れて来た理由を…
『かの有名な連続殺人鬼である「ジグソウキラー」に、とある「ゲーム」
が終了するまでの間、延命措置を施し、延命措置に成功した場合は解放されるが、
失敗した場合は彼女の首にセットされた爆破装置が爆破される』と説明する。
同じ頃、一人のジェフという男がジグソウキラーによって拉致され、廃工場で
目を覚ます。
彼は、ジグソウから『自分の息子を交通事故で殺した男』と対面させてやる
代わりにゲームに勝ち抜けと言われる。
そして、勝利する為の条件は『赦しを与える事』だと…
彼は戸惑いながらも男への復讐心からゲームへと参加していくが、果たしてジグソウは
彼にどんなゲームをさせようと言うのだろうか?
大人気のソリッドシチュエーションスリラーである
「ソウ」シリーズの第3段となる作品です。
この手の映画は「3」と言ってもあまりストーリーに繋がりの無い作品も多いですが…
本作はホントに前作から完全にストーリーが繋がっており、前シリーズの回想シーン
(撮りおろしなので厳密には回想じゃないけど)っぽいシーンも結構含まれてたり
するので、前作から続けて観てない人が本作を観てもマジに訳が分からないと思います。
もし今までのシリーズを鑑賞して無い場合は、キチンと1〜2作目を観てから
鑑賞しましょう。
さて、奇抜な設定とストーリーテリングや、過剰なまでの残酷な表現で人気を博したシリーズの
最新作にあたる本作ですが、本作は前評判はどうにも微妙という評価なので『どうなんだろう?』
と思ってたんですが…
うーん、ある意味で前評判どおりというか…何と言うか、確かに微妙な作品です。
まあ微妙と言っても、普通にB級のサスペンスとして観るとそれなりに楽しめる内容ではありますし、
シリーズを重ねてしまった為に『驚き』が無くなったってのも大きいのですが…
本作の最大の今までのシリーズとの違いは、最初からジグソウキラーが作品の中に
登場しており、最初から殺人鬼の正体が思いっきり露出しちゃってる事ですね。
やたらと殺人鬼の出番が多いせいで、どうにも本作ではジグソウの『謎の殺人鬼』
といった神秘性が失われてしまってる感じ。
また、加えて『殺人ゲームの準備』みたいなのをしてるシーンが描かれている
のも、ちょっと良くないですね。
何か、どうしても『バラエティ番組の舞台裏』みたいなノリが感じられてしまい、
どうにも本作のジグソウは俗っぽくなってしまった印象があります。
このシリーズを好きな人は、別にこんなノリを望んで無いと思うんですけどねぇ…
あと、主人公達が今回は『殺人ゲームの直接の犠牲者』というよりも、
一歩引いた位置に居る事もあって、今までのシリーズの売りであった
『死と隣り合わせの緊張感』ってのが薄いのが辛い所ですね。
ストーリーに関しては、本作もまあ意外な展開と言えば意外な展開なんですが、
流石に1作目のような驚きは無く、オチを知っても『ふーんそうなんだ』って感じ
なのが少々微妙な所。
また、ストーリーの進行が『ジグソウの居る病室』と
『廃工場』との2箇所でパラレルに
進んでいくのですが、このパラレルの進行の仕方がどうにもブツ切り風味。
特に序盤がこの『ブツ切り風味』が強くて、観てて落ち着かないというか…何だか
ちょっとイライラしてしまいました。
前作までも『同時進行』の手法は使われてたと思うのですが、本作は
何でこんなに歯切れが悪いノリなのか不思議です。
ジグソウの殺人トラップは相変わらず悪趣味で面白い(「ミンチ製造機」とか『よく
こんなトラップ思いつくなぁ』と感心した)んですが、今までのシリーズの
『綿密に計算された罠』的な展開に比べると、どうにも場当たり的なノリが
多くなった感じで、『そんな思い通りに話が進むの?』って疑問もチラホラ…
なんと言うか全体的に作りがチープになった雰囲気で、『ホントにどうしちゃったの?』
って感じでしたよ。
総評としましては、1作目はおろか2作目と比較しても特に良い所が
見受けられないという…ぶっちゃけ言っちゃえば『シリーズで一番微妙な作品』ですね。
こういう一発ネタ的なサスペンスは続編が続くと苦しくなって行くのは分かるんですが、
本作は変に路線変更をしようとして失敗した…って感じが否めませんねぇ。
今作は正直言って、観に行くかどうか迷っているようなら『ビデオでも十分』な感じの
映画だと思いますよ。
幼い頃に両親を亡くし修道院で雑用係として働くイグナシオは、寝てる人を死人と間違えて
お祈りをしたりとドジは多いながらも、修道院で引き取った孤児達の面倒をみて食事を
作ったりと一生懸命に毎日を過ごしていた。
そんなある日、修道院に新たにシスターとしてにやってきたエンカルナシオンに
一目惚れしたイグナシオは俄然やる気を発揮。
『たまにはサラダぐらい食べたい』という孤児達の願いを叶えるべく、なんとかして
お金を稼ぐ事が出来ないかと画策した彼は、幼い頃からの憧れだったルチャドール
(プロレスラー)として草プロレスに参加して賞金を稼ぐ事を思いつく。
しかし修道院の戒律でレスリングを行う事を禁止されている彼は、身分を隠した
覆面レスラー『ナチョ』として、街で出会ったホームレスの若者・スティーブン
(リングネーム:『ヤセ』)と共に、タッグを組んでリングへと上がるのだった…
何の取り得も無いただの中年太りのオッサンの主人公が『孤児の子供たちと
自分の夢をかなえる為に一念発起して頑張る』という、どっかで聞いたような感じの
設定のプロレスコメディ映画。
ジャック・ブラック主演で、ダメ男の主人公が子供たちの為に一念発起して
頑張るという設定から、どうにも「スクール・オブ・ロック」と被る部分の多いながらも、
私は「スクール・オブ・ロック」は結構好きな作品なので、
本作にもちょっと期待していたのですが…
うーん、なんといいますか…色んな意味で『なんとも中途半端な感じのする作品』です。
いわゆる『ダメ男のサクセスストーリー』的な、割と
テンプレートに沿った感じのお話なのですが…
中途半端にコメディ的な要素を多く取り入れようとしたせいか、どうにも
物語の主題が見え辛くなっている感じかなぁ?
特に、子供たちと主人公の触れ合いがあまり描かれて無いため、子供たちが
『主人公をあそこまで慕う理由』や『主人公が必死になって戦う動機付け』が
どうにも判然とせず、『主人公が単に調子に乗ってるだけ』みたいに感じられて
しまうのが辛い所ですね。
また、ヒロインのシスター以外の修道院の他の僧侶達もキャラが薄くて殆ど
存在意義が感じられないですし、中盤の『鷹のタマゴを取りに行くシーン』とか
『何の意味があったんだ?』って感じで、尺が短い割にはなんだか全体的に無駄が
多い感じです。
まあしかしお笑いのツボはそこそこ押さえられてて、結構笑えるシーンは多いです。
また、ジャック・ブラックが本物のルチャドール達と戦うシーンは、まさに
『体当たりの演技』という感じで気合が入ってて、
登場するレスラー達も『いかにもイロモノ』
って感じで、対戦のシーンを観てるだけでもなかなかに面白いのですが…
どうにも、その面白さが『映画そのものの面白さ』に直結してないんですよね。
総評としましては別にツマんなくは無いながらも、見終わった後に
どうにも満足度が薄くスッキリしない感じで、
なんとも中途半端さを拭えない作品です。
もっと徹底的にバカっぽい内容にするか、「スクール・オブ・ロック」
みたいな『直球ストレートなサクセスストーリー』として物語を
描いた方が良かったんじゃ無いかなぁ…と思うのは私だけですか?
バカっぽい映画なので期待していたのですが、確かにジャック・ブラックの
個性は強烈でキャラのインパクトは強いんだけど、逆に本人のキャラが濃すぎて逆に
主人公のキャラクターが食われてしまってる感じなのかも?
この俳優は結構良いキャラだと思うので、もっと今後も色んな方面で
頑張って貰いたい所ですね。
ハワイのオフロードをバイクで走っていたショーンは、裁判で起訴中の有名なマフィアのボスである
エディ・キムが、LAの著名な検事を殺害している現場に遭遇する。
キムに『殺害現場を観ていた事』を気付かれて、あやうく殺されかけるも何とか難を逃れたショーン
だったが、数日後に彼のホテルの一室を謎の武装集団が襲撃し、彼を再び亡き者にしようとする。
危機一髪の所に駆けつけたFBIの捜査官であるフリンによって命を救われたショーンは、
フリンから『検事殺しの目撃情報を法廷で証言してキムを有罪にしなけれは、何度でも
キムに命を狙われる事になる』と言われ、自分の命を守る為にLAの法廷の証言台に立つ事を決意。
彼はフリンとFBIのエージェントを護衛に付けLAへとジャンボ旅客機で向かう事となるが、
キムはLAへと向かう彼を抹殺すべく恐るべき『罠』を準備していたのだ。
それは、『数千匹もの毒蛇をジャンボ旅客機の中に離し、彼を旅客機もろとも亡き者と
する』という恐るべき計画だった…
ジャンボジェット機内に数千匹もの毒蛇が放たれる…という設定を聞くだけでも
ヤバそうな臭いのプンプンするような、荒唐無稽な設定のパニックホラー映画。
いやもう、ヤバいです。
こんなB級映画らしいB級映画は久々に観ましたよ!!
『ジャンボ旅客機内に毒蛇の大群』ってだけで、ツッコミどころが
満載でB級テイスト全開な映画なんですが…
本編の方もヤバいぐらいにコテコテのB級全開な、ある意味で「トレマーズ」とか
に匹敵するぐらいの『超B級映画』と言えるような作品です。
何がB級らしいって、まずとにかくテンポが良い!!
変な前振りとか無駄なプロセスとか一切無しで、サクサクと話が進んで、中盤からは
存分にパニックシーンを描くというサービス精神の旺盛さ。
そして、毒蛇の大群が出現してからの逆境とパニックのつるべ打ちは、
バカバカしい中にも適度な『緊張感』と『ユーモアのセンス』が
散りばめられており、よっぽど飽きやすい人で無ければ最期まで退屈せずに
楽しむ事が出来るでしょう。
加えて、良い意味で頭が悪い『バカ度全開なシナリオ』も、いかにもB級映画
らしくて笑わせてくれます。
『トイレに隠れてHしてるカップル』が最初に襲われたり、『すぐ戻る』と言い残して
席を立った男性が襲われたりと、執拗なまでの『お約束』の踏襲は、
ホラーファンならずともニヤリとしてしまう事ウケアイです。
しかも、『どこからツッコんだら良いのか分からないぐらいにツッコミどころが満載』な
ハチャメチャな設定なのに、意外にも映画としてストーリーが破綻していないのも良い所で…
ジャンボ旅客機内に毒蛇の大群が出現するって展開も『あぁ、これならアリかも?』
と思わせてしまうような、『有り得ないんだけどそれとないリアリティを感じさせるシナリオ』
は『なかなか上手いなぁ』と感じました。
ただ、十分にバカっぽくて面白い作品なんですが、唯一難点を挙げるとしたら、
いかんせん人間を襲うのが『ヘビの大群』なので、襲撃方法の殆どが『噛み付く』程度
しかなくてビジュアル的にちょっと地味な事ですかね?
一応、大蛇とかも出てきて人間を丸呑みにしたりするシーンもあるものの、
もう一捻りバリエーションを持たせる等の工夫が欲しかったかなぁ。
しかしこんなにB級な映画なのに、主演がサミュエル・L・ジャクソンという
『超大物っぷり』なのもなんともミスマッチで笑えるのですが…
なんでも脚本を読んで痛く気に入ったサミュエル・L・ジャクソンが、本人から
この映画への出演を希望したそうで、しかも映画のタイトル「SNAKES IN A PLANE」(原題)
も彼のたっての希望で付けられたんだとか…
なんというか『趣味が良すぎ』です!!
サミュエル・L・ジャクソンの事を、ちょっと好きになりましたよ。(笑)
総評としましては、B級パニックホラーが好きならばとにかく観ておいて損は無し!!
…という感じの、ホントに『B級ホラー好きの為のパニック映画』みたいな作品です。
全力で力を抜いて『頭をからっぽにしてB級ホラーを楽しみたい』という人には、
間違いなくオススメの一本ですので、そういうノリが好きな人は是非!!
エンドロールの「スネーク・フライトの歌」まで、余す事無いバカっぷりを
楽しんで下さい。
B級映画は、時々こういった『突き抜けたバカ』な作品があるので油断なりませんよ。
ちなみに、この映画のデイヴィッド・エリス監督は「デッド・コースター」を
撮った監督さんらしいのですが、「デッド・コースター」はちょっと微妙な出来だった
のに比べて、随分と演出とかもこなれて来た感じですね。
今後の作品に期待を寄せたい所ですよ!!
とある事件を元に生きる気力を失った中年男性のクリーブランドは、やたらと個性的な
住人ばかりが暮らす老朽化したボロアパートの管理人として隠遁生活のような日々を送っていた。
詰まったトイレを修理したり電球を取り替えたりという、何と言う事も無い住民からの苦情を処理して
変化の無い日々を送る彼にとっては、この所は『中庭のプールで深夜に勝手に誰かが泳いでいる』という苦情と、
『プールの配水管が異常に詰まりやすい事』とが目下の問題だった。
そんなある日、深夜に目を覚ました際にプールで誰かが泳いでいるのを発見した彼は、
犯人を捕まえようと中庭へと出るがプールサイドで滑って転倒。
あやうくプールで溺れかけた所を、勝手にプールで泳いでいたと思われる一人の見知らぬ少女に
命を救われる。
彼女は自分の名前を「ストーリー」と名乗り、『自分は”ナーフ(水の妖精)”で”ライター(書き手)”
を探してこの世界へやって来た』という奇妙な話を聞かされる。
最初はそんな話を信じる訳もなかったクリーブランドだったが、やがて彼女との出会いは彼の人生の大きな
転機となっていくのだった…
「シックス・センス」や「サイン」という諸々の作品で『変人映画監督』として有名(勇名?)な、
M・ナイト・シャマラン監督によるファンタジー風サスペンス映画。
シャマラン監督というと、一癖も二癖もあるような変な映画を撮る事で有名ですが…
本作はどちらかと言えばシャマラン監督としては『非常に素直な作品』で、
『やられた感』が殆ど無いという、
ある意味で意外性を付いた作品になっています。
が、素直な作品と言いつつも、そこはソレ『シャマラン監督の映画』ですので一筋縄で行く訳も無く…
系列としては、一応『ファンタジー』になるのでしょうか?
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので内容は割愛しますが、世界の存亡がかかってるんだか
かかってないんだか分からないような…壮大なんだか地味なんだか分からないような、とにもかくにも
荒唐無稽でツッコミどころ満載なお話です。
正直、このストーリーで『主人公が見目麗しいファンタジー世界の王子様』
だったり『ディズニーアニメ作品』だったり
したら何も驚かないかもしれませんが、この荒唐無稽な物語を『どこをどうみても冴えない
中年のオヤジ』を主人公とした、リアルな人間ドラマとして描いてしまって…
しかも、どう考えてもストーリーが破綻してるような内容なのに、それが
キチンと『面白い映画』として成立してしまっている所がシャマラン監督の凄い所でしょう。
主人公の脇を固めるアパートの住人達も必要以上に個性的で、
『日がな一日、クロスワードを解き続けている親子』
とか、右半身ばかりをやたらと鍛えまくってて、『体の右半分だけがウルトラマッチョで
「どうするアイフル!?」状態な科学者』とか、狭いアパートの一室で5人で暮らして
『アヘン窟のような部屋でタバコを吸いまくっているヒッピー風の若者の集団』
とか、とにかく変な人達ばかりで壮大(?)なストーリーに対して物凄くミスマッチ。
このミスマッチ感がナンセンスなバカバカしさを出してるのですが、それなのに
ストーリーの方はそこはかとなくシリアス。
加えて、『物凄く地味な話』のに何となく『遠大なテーマ』が秘められてるという、何とも
シャマラン節全開な展開は『普通じゃない面白さ』を十分に感じさせてくれます。
相変わらず『生きる意味』とか『赦し』
とかの主題を明確に描いた分かりやすいテーマ性も
良いですし、ミステリーの謎解き部分の面白さは「シックス・センス」からの折り紙付きで問題なし!!
ユーモアのセンスや作品のテンポも非常に良くて、ごく普通に作品に引き込まれて思わず見入ってしまう
ような普通に面白い映画(ノリは普通じゃないけど)でした。
総評としましては、あいかわらず『物凄く変な映画』なんだけど、
シャマラン監督の作品としては今までの中で『一番分かりやすく、素直に楽しめる映画』と
言える作品かもしれません。
前作の「ヴィレッジ」は、ちょっと『意外な展開』という技巧に走りすぎた感があって微妙でしたが、
本作は素直な気持ちで『面白い』と言えるような作品でした。
まあ「アンブレイカブル」や「サイン」のようなケレン味は薄いので、ソッチ方面を期待してると
肩透かしを食らうかもしれませんが、『コレはコレでアリなんじゃない?』と思うような
内容ででしたので、個人的には、この監督の作品としては「シックス・センス」
、「サイン」の次ぐらいに好きな作品かも?
あと最期に、結構ネタバレになりそうなので隠し文字で書きますが…
本作は、もともとシャマラン監督が『自分の子供たちの為に考えた童話』がベースとなっている
そうで…
そう言われる、なるほど『捻りの無い素直な展開』も納得と思える内容です。
主人公の設定やらが完全に大人になってしまっているので、シャマラン監督げ現代人に向けた
『大人向けの童話』なのかもしれませんね。
どうでもいいけど、『あんな荒唐無稽な話に文句も言わずに付き合ってくれるアパートの住人達は、
何気にいい人達だよなぁ』とか妙に感心したのは私だけ?
紺野真琴は、元気いっぱいだけど少々落ち着きが無くて粗忽な所もあるという、ごく普通の
17才の女子高生。
しかし、星占いの運勢が最悪だったある日の下校途中、自転車で長い坂を駆け下りる
途中に自転車のブレーキが壊れてしまい、遮断機に衝突した彼女は勢いよく線路へと投げ
出されてしまい…
あわや電車と衝突し『コレで短い一生を終えるのか?』と思った瞬間に、まるで彼女の時間が
巻き戻されたかのように『ブレーキの故障する前に時間が戻っている』という不思議な体験をする。
真琴は、身内の間で「魔女おばさん」と呼ばれる和子にこの不思議な体験を
語ると、それは『タイムリープ(時間跳躍)』という現象で『年頃の女の子には良くある事だ』
という不思議な話をされ、またその能力は『その気になれば使いこなせる筈だ』と言われる。
最初は半信半疑だった真琴だったが、試しに『タイムリープ』の能力を使ってみた所、
見事に時間を跳躍する事に成功。
能力のコントロールを手に入れた彼女は、『世界は私のもの』と言わんばかりに
『美味しいものを何度も食べる』とか『カラオケの時間を延々と延長する』といった風に、
おのれの欲望の赴くままにその能力を使って時間跳躍を繰り返すが…
「時をかける少女」というと、特に映画に詳しくない人でも
原田知世の主演によって角川から映画化された、
筒井康隆の原作の『青春SF映画』を
連想すると思いますが…
本作は、同名タイトルながらも、実写版の「時をかける少女」とは全く別の話…というか
位置付け的には続編(というよりも外伝?)っぽい位置付けにあたるお話
です。
でも続編と言っても、別に実写版のストーリーを知らなくても、本編を楽しむ上では
全く困らないと思いますので、その辺はご安心を…
(まあ、知ってた方がより楽しめるでしょうし、一部で『ニヤリ』とさせられるような設定や
演出もありますが。)
さて、各所にて既に『絶賛の嵐』みたいな感想を書かれている本作ですが…
本編を観れば、その評価も『全く持って納得』という感じの出来栄えです。
なんと言いますか、酷評をしようにも『悪いところ』が全くと言って良いぐらいに見つからない
のですよ。
アニメとしても非常にクオリティの高い作画レベルに細やかな演出に加えて…
『直球ど真ん中ストレート』といった感じの
コテコテの青春ラブコメ風ストーリーも非常に
分かりやすくて面白いですし…
キャラクターの立て方も物凄く上手くて、特にヒロインの真琴の非常に『表情豊か』で
『ちょっとおバカ』な所が可愛く(といっても『萌え』とか全く狙って無さそうな
キャラがまた良い!!)て、素直に応援したくなります。
(だって、過去へと時間跳躍出来る能力を手に入れたのに、その力を使って行う事が
『妹に食べられたプリンを先に食べ返す』とか『カラオケを時間延長せずに延々と歌う』
とかなんですよ!!)
確かに、どちらかと言うとミニシアター系の作品だけあって、派手な展開も無ければ
大作っぽい凄さも無いですが、『まさに青春映画!!』といった感じのストーリーや、
独特の『突き抜けるような爽やかさ』を感じる視聴感は非常に秀逸で、
観終わった後に素直に『観て良かった!』と言えるような高い満足感を味わえる作品です。
誤解を受けるのを覚悟で言うならば、とにかく『普通』に面白い映画なんだけど…
爽やかで、しっかり笑えて、ハラハラして、ちょっぴりジワっと来るという、
『超極上クラスの普通の青春映画』と言えるでしょう。
上記のように全体的に非常に高いレベルでまとまった作品だと思うのですが、敢えて難点を挙げる
としたら、100分というアニメ映画としては若干長めの尺があるため、終盤の展開は
ちょっとだけ冗長に感じる人も居るかも?
また、ヒロインの声優が一般からのオーディションで選ばれた人だったり、他のキャラも
俳優が声を当ててたりで、いわゆる「声優」が声をあてたアニメではない
ので、その辺に違和感
を感じる人も居るかもしれません。
個人的には、今回のキャスティングは『いかにも主役が素人っぽい青春映画』のテイストを
上手く出せてて良かったと思いますが…
総評としましては、素直に『コレは面白かった!!』と言う以外に評価する言葉を
思いつかないような良質の作品です。
世の男の子や女の子、それに青春映画が好きな人には、
とにかく観ておいて欲しい映画ですね。
やってる劇場が非常に少ないのが難点ですが、もし観に行ける環境にあるならば、是非とも劇場まで
足を運んでおくべき一本ですよ!!
ソウルの中心を南北に分けて流れる大河『漢江』のほとりで小さな売店を営むパク・ヒボンは、
一緒に売店を営む息子のカンドゥが怠け者である事が悩みの種だった。
ある日のうららかな休日、その日も漢江のほとりは遊覧船やらピクニックに訪れた市民たちで
賑わっていたが、そんななか観光客の一人が河の中腹のつり橋の下にぶら下がった巨大な『何か』
を発見し、その『何か』を見るために見物人が次々と集まってくる。
すると、その『何か』は人々に反応したのか河を渡り人々の前に姿を現すが、それは何と
全長数mはある巨大な両生類のような『見た事も無い姿をした怪物(グエムル)』で、その怪物は
河川敷に上陸するや否や近くに集まっていた人々を次々と襲いだし、河川敷はあたかも
地獄のような様相と化してしまい、怪物に追いかけられたカンドゥは娘のヒョンソの手を取り
怪物から必死に逃げようとするが、力およばずに怪物によって娘を目の前でさらわれてしまう…。
彼らは娘を失ったショックから立ち直る間も無く、謎の怪物が未知のウィルスを持っている
事が判明した事から軍によって隔離処置を受けるが、悲嘆にくれるカンドゥの元に
娘のヒョンソから『お父さん、助けて…』という悲痛な叫びの電話が入る。
何とヒョンソは、怪物の『巣』である下水道の奥深くにさらわれて、その場所で
ただ一人で生き残っていたのだった。
韓国で記録的なヒットを飛ばしたという、ソウル市内に巨大な怪物が出現して大暴れするという
モンスターホラー映画。
本作は韓流ホラーとしては珍しいモンスターパニックホラーという事と、
劇場で予告編を観た時から気になっていた訳ですが…
予告編でも描かれていた、物語冒頭の『ソウルの街を舞台に怪物が大暴れする
シーン』がとにかくインパクト抜群で、パワフルで印象的な作品です。
何が印象的と言っても、とにかくモンスターの存在感が圧倒的で…
『足の生えたオタマジャクシ』が巨大化したような両生類風のモンスター
のCGも、ヌメっとしたソリッド感のある気持ち悪さがなかなか良く出ていて良い感じですし…
モンスターのアクションや人物との合成も非常にレベルが高いですので、
モンスターホラー好きならば、この
『序盤のモンスター大暴れのシーン』を観る為だけに劇場まで行っても損は無いでしょう。
ただし、『モンスターの造型と大暴れっぷり』以外に関しては、なんとも微妙な
作品なのも事実で…
この作品、主人公はちょっとアホっぽい所のある冴えない売店の店員で、
展開としては『怪物にさらわれた娘を助けようと一念発起して
「やる時きゃやるぜ!!」みたいな感じでカッコ良く頑張る』という
展開を予想する訳ですが…
この主人公が基本的に『殆ど最期までアホなまま』で全然カッコ良くなりません…
しかも、この主人公のアホっぽい部分がコメディ的な要素となっているのですが、
そのノリも『笑わせようとしているのかどうかが良く分からない微妙さ加減』で、
主人公が単なる『頭の弱い可哀想な人』にしか見えないのは困りもの。
とにかく主人公に魅力が無く、主人公よりも途中で偶然出会った
『単なるホームレスのオッサン』の方がカッコ良い扱いってのは、流石にどういう事よ?
とか思ってしまいます。
主人公の『可哀想な人っぷり』以外にも、ストーリーに関してもグテグテで
とにかく訳が分からない部分が多く…
特に訳が分からなかったのが、この怪物を倒すために米軍が毒ガスみたいのを散布しようとして、
それに反対した市民がデモを起こすってシーンがあるのですが…
物凄く強力な毒ガスみたいな説明があった割に、毒ガスを思いっきり吸っても
『ちょっと耳から血が出る』程度で人間も怪物もピンピンしてるし…
だとしたら市民が何を必死に反対してたのかも、そもそもこの作戦で米軍が
何がやりたかったのかも最期までサッパリ意味不明。
「グエムル」が感染源となっている病原体に関しても、シーンによって『ウィルス』と言ったり
『細菌』と言ったり(まあ、コレは『主人公達に教養が無い』といった意味の演出なのかもしれませんが、
それにしても分かり難すぎ)で、『どっちやねん!?』って感じだったりと
細かい部分のツッコミどころも満載ですし…
作品テーマに関しても『家族で団結して怪物から娘を取り戻そう』という展開な事から、てっきり
『家族の絆』が描きたいのかと思いきや、そういう雰囲気でも無いですし…
オチもかなり唐突で『そんなオチで良いの!?』っていうような終わり方ですし…
正直言って、私はこの作品から『監督が何を描きたかったのか』を1mmたりとも
汲み取る事が出来ませんでしたよ…
総評としましては、モンスターのデザインと迫力以外では、とにかく色んな部分で
中途半端さを感じるなんとも微妙な作品でした。
しかも序盤の迫力ある襲撃シーン以降、どんどん尻すぼみにお話が盛り下がっていく
ような展開だったので、正直言って後半はダレてしまいましたよ…
もうちょっと、物語の要所要所で見せ場があるなり、主人公がマトモにカッコ良くなるなり
すれば楽しめたんでしょうが…
ホントに何で主人公をあんなヘボい描き方をして、中途半端に笑えないコメディみたいなノリを取り
入れたのかが意味不明です。
この映像クオリティなら、もっとコテコテのB級ホラー風展開にするだけで、十分に
面白い作品になってたと思うので、ハッキリ非常に言って惜しい作品でしたよ…
むしろ、ハリウッド辺りに版権を買い取って貰って、コテコテのハリウッド映画のノリで
リメイクでもして欲しい作品だなぁ…
あと、最期に余談ながら…
本作は「機動警察パトレイバー」の劇場版である
『「廃棄物13号」のパクリでは無いか?』
とかって噂が各所で囁かれてたりする訳ですが…
その点に関しては、個人的には『パクリ』と斬って捨てるほどに酷い内容では無いとは思います。
確かに作品の中に結構イメージの重なる点はあり、「廃棄物13号」にインスパイアされたんだろうな
と感じる部分も無くはありません。
モンスターのデザインが全く同じ
だとのツッコミもありますが、むしろ『「グエムル」の方がCGの
完成度が高い分、オリジナルの原画を忠実に再現してるよ!!』とか思えてしまう程なので、
オリジナル
を超えるパクリならば、ソレはソレでOKなのではないかと。(笑)
ただ、それ以外の
ストーリー等の部分では特に「廃棄物13号」と重なる印象は受けなかった
ので、そこまで叩かれる程の物では無いのではないでしょうか?
っていうか、そもそもB級ホラー映画の95%は『何かの映画のパクリ』
(「エイリアン」や
「遊星からの物体X」のパクリとかに到っては、この世の中に何本ある事やら)
なんだし、この程度でツッコんでたらキリが無いですよ…
まあ、中途半端にマイナーなネタをパクった事から話題になって逆に叩かれてる
んでしょうが、コレが逆に『もっとメジャーなホラー映画(例えばエイリアンとか)のパクリ』
だったら誰も文句を付けなかったんじゃないの?とか思うので、ちょっと大げさに騒ぎすぎ
じゃないかなぁ?と思う事ですよ…。
ローズとクリストファーの夫妻は、幼い頃に孤児院から幼女として引き取った
娘のシャロンが酷い夢遊病癖を持っており、その症状が日増しに悪化していく事に
腐心していた。
娘が夢遊病で徘徊する際に「サイレントヒル」という街の名前を告げる事に
気付いたローズは、ウェストバージニア州に「サイレントヒル」という街が
実在している事を突き止めるが、同時にその街は30年前の大火で街全体が焼失し
ゴーストタウンとなっている事を知る。
娘の夢遊病の原因が「サイレントヒル」にあるかも知れないと考えた彼女は、
夫に黙って娘のシャロンを連れ出し、廃墟となった「サイレントヒル」を
訪れようとするが、途中で警察に追跡された彼女は車の運転を誤って
事故を起こして気を失ってしまう。
気絶から目覚め娘が居なくなって居る事に気付いた彼女は、娘の姿を求めて
火災によるガスの立ち込めるゴーストタウンである「サイレントヒル」へと
単身乗り込んで行くが…
KONAMIから発売された同名タイトルの人気ホラーアドベンチャーゲームの
映画化作品です。
ホラーゲームが原作の映画というと「バイオハザード」を思い出しますが、
あちらは『ゲームの設定をベースにした、雰囲気もストーリーも全く異なる
別の話』といった感じだったのに対して、本作はまさに『ゲーム世界をそのまま
映像化した作品』といったイメージで、ゲーム版のファンとしては嬉しい限りの
作品に仕上がっています。
さて本作のゲーム版と言えば、独特なデザインのモンスターや美術デザイン、
スティーブン・キングの「霧」に着想を得たと言われる独特の世界観が特徴的
な作品なのですが、とにかくこのゲーム版の世界観のスクリーンへの再現度が非常に高い!!
特に世界が『裏世界』と入れ替わるシーンや、裏世界の演出などが非常に秀逸で、
有り得ないようなイッちゃってるデザインの超絶不気味なモンスターやら、
観てるだけで陰鬱な気分になるような背景美術、観ている人間にプレッシャーを
感じさせる音響効果…等々。
ゲーム版のテイストを失わないように、徹底して再現されたビジュアルの
連続に驚かされる事ウケアイです。
まあ、モンスターの動きの『いびつさ具合』がいま一歩…とか、ラスボスの迫力が
ちょっと足りないかな…等の細かい不満点はあるものの、原作ファンならば
この映像の迫力は間違いなくスクリーンで観ておく価値がある作品だと思います。
ただ、ストーリーに関しては…もともとのゲーム版からしてイマイチ訳が分からない
部分が多いお話だったのですが、映画ではゲーム版の結構長いお話を無理矢理
2時間にしているせいもあって、更に訳が分からないお話に…
特に謎解きプロセスは、異様に説明的なセリフが延々と続く上に訳が分からなくて
ハッキリ言って退屈。
ラスト付近のお話の展開は、難解な割には『狂信的な邪教集団』が登場したりと、
いかにもゲームっぽくてやたらとチープだったりしますし、
オチも『そんなんで良いの?』って
いうような終わり方ですし、この辺はもうちょっと上手く処理出来んかったもんかなぁ?
ゲームと映画では表現するための『文法』が異なるのですし、ゲームの『悪い部分』まで
忠実に再現する必要は無いと思うのですが…
あと、主人公の娘の子役の人の叫び声が、やたらと甲高くて耳について頭が痛くなりそうに
なったのは私だけ?
アレは十分な音波兵器ですな…
とまれ総評としましては、とにかくゲームの雰囲気の再現度と言う点では相当な
ハイレベルといって良い作品だと思うので、ゲーム版のファンの人ならば、
この映像を観る為だけにでも、とりあえず劇場で観ておいて損は無い作品だと思います。
ただ、ゲームを知らない人が観た場合は…訳が分からなくて、正直言って『何じゃコリャ?』な映画に
なってしまう可能性が高いので、ストーリーにはあまり重きを置かずに、『独特の演出や
美術の秀逸さを堪能する映画』という心構えで鑑賞すれば、それなりに楽しめる映画
と言えるでしょう。
なんにせよ、このビジュアルの凄さは『ホラーファンならば一度は観ておいて損は無い』
と言い切れる作品ではありますよ。
あと割とどうでも良い事ですが、『殺人看護婦』の大量に登場するシーンで、
なんとなくマイケル・ジャクソンの「スリラー」を思い出してしまい、今にも
マイケルが現れて踊りだしそうな気がして、恐いはずのシーンなのに思わず噴き出しそうに
なってしまったのは私だけですか?
駐英アメリカ大使のロバート・ソーンは、2006年6月6日に妊娠中の妻がお産を行う
事となり病院へと駆けつけるが、不幸にも生まれる予定だった彼の子供は死産した事を
知らされる。
不幸に悲嘆する彼は妻を悲しませない為に、偶然にも同じ時刻に生まれたものの、
お産で母親を失い孤児となった赤ん坊を養子として引き取り、彼に「ダミアン」と
名前を付けて育てる事とする。
何の問題も無く健康に成長していくダミアンだったが、5歳の誕生パーティ
に彼のベビーシッターが目の前で首吊り自殺をするという怪事件があってから、
徐々にダミアンの周りでは不気味な事件が起こるようになり…
やがてロバートはカトリック教会の神父からダミアンの出生に関する驚くべき
「秘密」を知らされる事となるのだった。
ホラーファンでこの映画を知らない人は居ないであろう、オカルトホラーの
傑作である「オーメン」シリーズの1作目のリメイク作品。
黙示録に記された悪魔の子である『アンチ・キリスト』の誕生と、その恐怖を
描いた内容で、こけおどしに頼らずに力技で魅せる残虐シーンと、その
物語のスケールのデカさから、
「エクソシスト」と並んで当事の映画界にオカルトブームを
巻き起こした傑作の一本です。
当事まだ子供だった私は、実は自分にも獣の数字が刻まれているんじゃ
ないかとか本気でビビったりした物です…
子供の頃に、こういったホラー映画が沢山公開されたせいも
あって、この手の映画によってホラーの面白さを刷り込まれた事が、
後に私がホラーマニアになる原因を作ったとも言えるので、
今回はその感慨深いホラーの傑作が現代の技術を使ってリメイクされるとの事で
期待もひとしおという感じで観に行った訳ですが…
結論から正直な感想を言ってしまうと、『何かが違うなぁ…』といった感じ
なんですよ…
確かに、オリジナルが『傑作』と言われている作品のリメイクが難しいのは
分かりますが、何と言うかとにかく全体的に『安っぽい』印象が
あるんですよ。
『安っぽさ』の一因としては、撮影技術の進歩により映像があまりに鮮明に
なってしまったため、オリジナルにあった重苦しさや湿っぽさが無くなって
しまった…という事もあるとは思うのですが、先日リメイクされた
「悪魔の棲む家」とかは
この辺で頑張って雰囲気を出していたので、こちらももっと美術や映像に凝る
なりして頑張って欲しかった所…
また、明らかに演出の意図が違ってしまっていると感じるシーンもあり、
特にいただけないと感じたのは、やたらとショッカー映画みたいなビビらせる
だけの演出が多くなってしまった事。
「オーメン」というと、お化け屋敷的な『ビックリさせて怖がらせる』
という瞬発的なショッカー演出よりも、映像と音楽で散々盛り上げまくって、
『さあ死ぬぞ!! 今からコイツが死ぬぞ!!』という感じで、
クドいぐらいに
殺しのシーンを引っ張るのが、『絶対的な悪魔の力による逃れようの無い死』を
上手く演出してオカルト的な怖さを出してて良かったと思うのですが…
リメイク版では、どうにもこの『引っ張る』感覚が薄くて、代わりに
ショッカー演出が増えてしまった事から、どうにも
『安っぽい凡庸なホラー映画』になってしまった
と感じる要因となっているのでは無いかと思います。
これは、リメイクではないですが「エクソシスト ビギニング」を観た
際にも同様の事を感じた記憶があるので、この辺の演出は作品性を
考えてから入れて欲しい所ですよ。
まあ、ショッカー演出の方が分かりやすくて、観客ウケが
良いのかもしれませんが…
不満点は多い…と言うか、不満点しか書いてないような気もしますが、
本作がホラー映画として全然ダメかと言うとそういう訳でも無く、
ホラー映画の完成度としては、まあ及第点を与えても良い程度の
作品だとは思います。
ストーリーなんかは、殆どオリジナルを下敷きにしたそのままの展開で、
序盤は少々冗長な気がするものの…これはオリジナル版からして
そういう話でしたし、謎解きが始まった中盤からの展開はスピーディで
面白いですし…
ただ、オリジナル版が好きな人からすると、とにかくリメイクならではの
見所が感じられず、『内容が一緒なら演出の完成度が高いオリジナルをもう
一回見とけばいいじゃん?』と感じてしまうのも事実。
確かに映像がリアルになったりと進歩している部分もあるものの、
オカルト映画やゴシックホラーに関しては映像がキレイになる事が
必ずしも良い事とは言い切れないですし…
主人公もグレゴリー・ペック程の存在感があるかというと、正直なところ
影が薄いですし…
リメイク版を観る事に何か価値が見出せるか?と言われると、
ハッキリ言ってなんとも微妙な所。
まあ、オリジナルを観た事が無い人が新たに本作に触れる…という
意味では価値がある作品かもしれませんが、オリジナル版が好きだった
人間としては、観終わった後にむしろオリジナル版をもう一度見直して、オリジナルの良さを再確認したく
なるような作品でしたよ…
総評としましては、何といいますか…ハッキリ言って期待外れかなぁ?という
のが正直な感想です。
オリジナルを観た事のある人が観たら、ちょっと物足りないなぁ…と感じで
しまうような内容ですし、オリジナルを知らない人が観たら『凡庸なホラー映画』
と言う以上の感想は抱かないでしょうし…
コレでもまあビデオか何かで観たならば、『まあ、こんなもんかな?』という
感想を抱いたかもしれませんが、少なくとも劇場で観る程の映画じゃ無いですなぁ。
1作目の出来がコレでは、正直言って2作目が作られるのかどうかも怪しい限り
ですが、もし「オーメン2 ダミアン」
がリメイクされたとしても、こんな調子じゃ
次は劇場には行かないかな?
やっぱり、オリジナル版は偉大だった…という事で……
21世紀の初頭、アメリカ合衆国に端を発した第3次世界大戦の敗戦により、
アメリカは他国の植民地と化し、アメリカの同盟国であったイギリスは
厳しい戒厳令のひかれる独裁国家となっていた。
イギリスのTV局に勤めるイヴィーは、ある日仕事の都合で深夜の街に
外出した際に、軍のSPである自警団に見つかり絡まれていた所を仮面を付けた
謎の怪人『V』によって助けられる。
Vは、イヴィーに『演奏会を見せる』と言って彼女を屋上へと連れ出し、
自分の仕掛けた爆弾テロによって政府の建物を爆破したのを見せると、その場から
颯爽と姿を消してしまう。
果たして翌日、Vは偶然にもイヴィーの勤めるTV局を乗っ取り電波ジャックを
行い、自分の犯行声明を放送し『1年後の同じ11/5に議事堂の爆破を行う』事と
自分に賛同する人間を募る事を表明する。
そして、VがTV局で刑事に狙われている所を偶然にもイヴィーが救った事から、
2人はVの隠れ処へと匿われて隠遁生活をする事となるが…
果たして謎の男「V」の正体と、犯行予告を行った彼の本当の狙いとは?
「マトリックス」のウシャオウスキー兄弟が製作と脚本
を手がけた、未来社会を舞台としたSFアクション映画。
元々はDCコミックスのアメコミ作品が原作らしいのですが、
予告やらアメコミ原作って事でてっきりヒーローアクションものっぽい展開を予想してたのですが、
その実態は未来社会SFものにサスペンス+アクション風味といった感じの内容
の映画でした。
設定としては『独裁社会となった未来世界で人民を解放する為にヒーローが
立ち上がる』みたいな感じのお話で、話そのものはあまり目新しさも無いような
内容なのですが、仮面の怪人であるVのキャラクターの怪しさが際立っており、
本作に異色な作品のテイストを与えています。
ストーリーそのものは、Vの過去とその正体といった辺りを中心として、
第3次大戦以降に行われた政策とテロとの間に隠された秘密…とかって
感じで物語が展開していく訳ですが…
かなり凝った謎解きが仕組まれており、物語のテンポも非常に良くて
2時間強という長尺ながらも、全く長さを気にさせずに一気に観る事が
出来る作品に仕上がっています。
ただ、政府の陰謀とかそういった部分が話の中心となって行く事もあって、
ちょっと話が難しい目なのに加えて、個人的に気になったのは、とにかく
メインキャラのセリフが長い事!!
Vもライバルとなる政治家も、政治的なプロパガンダを含めたセリフを
語るシーンが多い為、一度喋りだしたらやたらと話が難しくて恐ッろしく長い!!
更にVはシェイクスピアを始めとした『文学好き』という設定のため、妙に
持って回った
言い回しが多く、非常に難しい単語(というか日本語になっても難しい)の連発。
もう何か『よく噛まずにこんな長いセリフをスラスラと喋れるなぁ…』と
感心するぐらいに長いセリフが多くて、あまりの字幕の多さに字幕を読むだけでも
疲れてしまう程です。
もしこの映画をDVDで観てたら、開始後15分ぐらいに間違いなく日本語吹き替え版に
切り替えて鑑賞していたと思います。
ハッキリ言って画面に集中したいなら、字幕版よりも日本語吹き替え版を探して
観た方が良いかもしれません。
つか、PG-12の作品で日本語吹き替えなんか放映されて無さそうな気もしますが…
あと、予告編だけ観ると「マトリックス」ばりのアクションSFを期待してしまう
ような感じなんですが、ストーリーのノリ的には未来社会を描いた社会派SFサスペンス
映画的なノリが強く、逆にあまりアクションシーンはありません。
ラストの対決シーンとかもやたらとアッサリしてますし…仮面の怪人「V」のアクションが
結構カッコ良いだけに、『もうちょっと見せ場があっても良かったのでは?』とか思って
しまいました。
総評としましては、少々ありきたりな設定の話かな?って感じる部分もあって、
若干の不満の残る内容ではありながらも、作品自体は総じて面白かったので
観て損をするような映画ではありません。
未来社会テーマSFとかのノリが好きな人ならば結構楽しめる作品ではあると
思いますので、そういうノリが好きならば観ておいても良いでしょう。
アメコミとかアクション映画好きな人よりも、SF映画の好きな人にオススメの作品かな?
人類の中で一握りの、特殊な能力を持って生まれてきた”異種”と呼ばれる種族達。
魔女や吸血鬼や狼男と呼ばれるような各々に特殊な能力を持った彼らは、古の時代より
光の軍勢と闇の軍勢に分かれて戦い続けてきた。
しかし激しい戦いの末に光と闇の軍勢の力が全く同じであり、このまま戦いを続けると
疲弊して共倒れになると気付いた彼らは、お互いに休戦協定を結び、光の軍勢は闇の軍勢の行動を
監視する『ナイト・ウォッチ』として、闇の軍勢は光の軍勢の監視をする『デイ・ウォッチ』
として、お互いに協定を破るものが出ないように監視を続ける事でパワーバランスを
保っていた。
そして時は現代。
光の軍勢の予知能力者を持った”異端”であるアントンは、協定違反を犯した闇の軍勢の
ヴァンパイアであるアンドレイを追って戦闘の末に彼を倒すが、アンドレイを追跡中に
頭上で風が渦巻くという奇妙な『呪い』の力を受けた一人の女性に出会う。
光の軍勢のリーダーであるゲッサーは、その女性こそ預言書の『ビサンチウム伝説』
に記された、光と闇の戦いを終結する為の鍵となる人物では無いかと感じ、彼女について
調査を始めるが、彼女にかけられた強力な『呪い』の力によってモスクワに未曾有の
危機が迫っている事を知るのだった…
ロシアにて「マトリックス」を超える大ヒットを記録したという、ロシア製の
ダークファンタジー風アクション映画。
劇場にて上映された予告編を観て、いかにもロシア映画らしい先鋭的で先進的な
映像センスに目を奪われて、思わず気になっていた人も多いと思うのですが…
ぶっちゃけて言ってしまうと、予告編で見れるような『凄い映像』は、映画本編の全体を
通しても『予告編で紹介されている映像だけで全て』なので、ハッキリ言って『映像的な驚き』
を求めてこの映画を観に行くと、ちょっと肩透かしを食らいます。
悪い言い方をするならば、『映像的な驚きを求めるなら予告編を観るだけで十分な映画』とも言えます。
が、先進的な映像が予告編で見れる分で全てだからと言って、映画本編がツマんない
かと言うとコレがそういう訳でも無くて…
本編の方は割と普通に良く出来たアクション映画といった雰囲気で、良くも悪くもとにかく
アメコミチックな内容の映画。
そもそも『あらすじ』を読んだ瞬間に、アクション映画が好きな人なら『どっかで聞いた
ような話だな?』と思ったと思いますが、これまたぶっちゃけた言い方をしてしまうなら、
まるっきり「X-MEN」と「アンダーワールド」を足して2で割ったようなお話です。
実際に映画本編の方も、ストーリーにつけ演出につけ随所にアメコミの影響を受けている
部分が多分に見られて、光の軍勢のリーダーが『プロフェッサーX』風だったりと、特に
「X-MEN」の影響を受けてるなぁ…と感じる部分が多く見られます。
もし、この映画で主人公がロシア語を喋っていなければ、『アメコミの実写化の新作映画だよ。』
と言われたら、殆どの人が素で信じてしまうでしょう。
映画の内容的には、この映画で独特の世界観や設定がありながらも、それに関する説明が
若干不足している事もあり、前半の60分ぐらいはちょっと冗長に感じる部分もあります。
しかし、世界観が理解出来て伏線が活かされて来る後半になると、お話の方も盛り上がって
一挙に面白くなってくるのですが…
本作はなんでも3部作の1作目に当たる作品だそうで、『コレからいよいよ面白くなるぜッ!!』
って感じのところで本編が次回作に続いてしまっているので、観に行く人は一種の心構えが必要かもしれません。
ただ、これから面白くなって行きそうな予感を感じさせながらも、主人公が単なる予知能力者で
特にコレと言った芸を持っておらず、また虎人間や熊人間といった特殊能力者が登場しておきながらも
活躍の機会が全く与えられてない事もあって、アクションシーンが若干地味目なのはちょっと不満かも?
この辺でも妙に「X-MEN」の1作目に通じる所がありますな…
1作目は謎解きに重点が置かれていた事もあるのですが、次回作では光の軍勢と闇の軍勢の
対決に重点が置かれるんじゃないかと思うので、普通に次回作が観てみたいと思わせる映画です。
総評としましては、アメコミ風のアクション映画として評価するならば『ごく普通に面白い映画』
だと思います。
予告編で見せられた映像が凄かったため過剰な期待をしてしまいがちですが、逆に先入観を
捨てて観れば、ちょっとした掘り出し物的なアクション映画と言えるでしょう。
ただ、ロシア映画らしいケレン味の効いた内容を期待してると、ハリウッド映画かと思うような
薄味っぷりにちょっと肩透かしを食らうかも?
良くも悪くも『普通のアクション映画』と感じる部分の多い作品ですので、普通にアクション映画を
観たい人なら観ておいても損は無い作品だと思いますよ。
1970年代のアメリカ、3人の子供を持ちながら若くして夫を失い、
再婚をしたラット夫妻は、子供たちが新たな父親をなかなか受け入れて
くれない事に不安を感じながらも、新たな生活の一歩を踏み出す為に
新居となる物件を探していた。
アミティヴィルという閑静な街に格安の一戸建ての物件を見つけた彼らは
物件をすっかり気に入ってしまうが、あまりの安さに不審に感じた彼らが
不動産業者にその理由を問いただすと、1年前にこの家に住んでいた
一家の長男がある日錯乱を起こし、猟銃で一家全員を惨殺するという
恐るべき事件が起こった場所だと言う事を知らされる。
話を不気味に感じながらも、あまりの物件の条件の良さに諦め切れ
なかった彼らは物件の購入を決意するが、新居での新たな生活を始めて
間もなくして、幼い長女が目に見えない『友達』と会話をするように
なったり、通風孔から奇妙な囁き声が聞こえたりといった不気味な
現象が起こり始めるのだった…
1970年代にアメリカで製作された、同名のタイトルの実話をベースと
した幽霊屋敷もののホラー映画のリメイク作品。
実は私、この映画のオリジナル版は大昔に1度観たきりで
詳しいストーリーとかスッカリ忘れていたのですが、
『「悪魔の棲む家」
とかって言う割には幽霊屋敷物で悪魔なんか出てこないじゃん』とか
思った記憶があるのですが、改めて見てみると幽霊物というよりもオカルト色の
非常に強い内容で、「悪魔の棲む家」ってのも
ズバリ的を得たタイトルなん
だなぁと感心しました。
幽霊屋敷ものと言うと、日本では「呪怨」のように『怨念』という物が
ベースとなっているのが一般的ですが、アメリカの場合はやはり宗教色の濃い
内容になるのだなぁ…と文化性の違いを感じさせます。
映画の内容は結構オリジナル版に忠実な作りで、映像や演出等が
多少は今風になっていますが、いかにも『正統派ゴシックホラー』
と言った感じのテイストを見事に再現しているのは非常に好感触。
CGとかを駆使するのではなく、敢えてちょっと古臭いザラついた感じの
映像を使用する事で70年代のテイストを上手く再現しており、『正統派ゴシック
ホラーのリメイクは、かくあるべき』と言う感じ出来栄えに、旧作の
ファンならずともホラー好きならば満足の行く完成度だと思います。
本編も派手な展開は無いながらも、サイコサスペンス風に精神的に徐々に
追い詰められていく怖さがあり、主人公が次第に狂気へと駆られていく姿や、
次第に明らかになっていく屋敷に秘められた恐るべき秘密…といった
展開が、スローペースながらも中だるみする事なく最後まで見事に
描かれており、非常に上手い作りだなぁと感心する事しきりでした。
ただ地味な内容故に、スラッシャーホラー等の現代風の派手でスピード感の
あるホラーが好きな人が観たら『かったるい映画』と思われてしまう恐れもあり、
特に『投げっぱなし』とも取れるオチに関しては、人によっては受け入れられない
可能性も否定できない所ですが…
そこはまあ、そもそもベースとなる話がそういう話ですので、多目にみると
言う事で…
あと余談ながら、この映画って実話がベースとなっているという話
なんですが…
『不動産屋も、こんな恐っそろしい家を売るなよ!!』
と真剣に思ったのは、私だけでは無いでしょう。
総評としましては、リメイク作品として観ると非常に完成度が高く、
近年稀にみる正統派のゴシックホラーと言えるような良作です。
こけおどしの残虐描写とかではない、じんわりと来るような怖さを
味わいたい人には間違いなくオススメの作品と言えるでしょう。
特に旧作を観た事がある人には、是非とも観ておいて欲しい一本です。
リメイクブームも悪くは無いのですが、コレぐらい完成度の高い作品が
もっと多ければなぁ…と思うことしきりですよ。
昭和45年に群馬県の山中にあるホテルで、一人の大学教授が自分の家族と、ホテルの従業員、
その他の宿泊客の計11人を惨殺し、最後には自分もナイフで自殺を遂げるという大量殺人事件が
発生する。
そして時は35年後の現在、ホラー映画監督の松浦はこの35年前の事件に
焦点を当て、実話を題材としたホラー映画を撮ることを決意しキャスティングを決める
為のオーディションを実施する。
女優の卵である杉浦渚は、このオーディションを受け、見事主役へと抜擢されるが、
オーディション以降、見た事の無い筈の事件現場のホテルの夢を見るようになったり、
誰も居ないはずの場所で物音や人影や見たりと、彼女の周りで不気味な現象が起こるようになる…
「呪怨」で一躍有名になった清水崇監督による新作の心霊ホラー映画です。
この監督、あまりにも「呪怨」シリーズが長く続きすぎたせいもあって、
他の映画をマトモに撮れるんだろうか?と心配していたのですが…
なかなかどうして、『輪廻転生』というアイデアをモチーフとした新しい
切り口と、清水監督らしいドロドロとしたノリとが上手く融合して、
「呪怨」とはまた違った恐さを味あわせてくれる良作となっています。
映画の物語的には、35年前に起こった大量殺人事件をモチーフとしたホラー映画を
撮影する現代のシーンと、主人公が見る夢の中に登場する35年前の惨殺事件の舞台と
なったホテルでの過去の出来事のシーンがオーバーラップしつつお話が展開していく
訳なのですが、少々トリッキーな作りながらも、謎の提示の仕方やミステリ風の仕掛け
が非常に良く出来ており、グイグイと話の中に引き込まれてしまいます。
「呪怨」では、ストーリーに関してはお世辞にも良く出来ているとは言えずに、
話がグチャグチャで整理されてない印象も強かった(ハリウッド版では随分と分かりやすく
修正されていましたが…)のですが、今回はストーリーも非常に良く練られている上に、
「呪怨」に比べると随分と明快。
サスペンス的な要素なんかも含まれており、ごく普通にお話そのものが面白いと
感じました。
ただ、良く練られていると言いつつも、それでもなおツッコミどころが結構残るみたいな
脚本を書いてしまうあたりが、いかにも清水監督って感じでしたが。(笑)
あと清水監督と言えば、定評のある映画の『絵的な恐さ』ですが、コレは
本作でも絶好調と言った感じ。
いやもう、とにかく問答無用に見てるだけで恐い!!
「呪怨」で恐怖演出も出尽くしたかと思っていたのですが、まだまだあんな物では
無かったという事でしょうか?
序盤のトラックのシーンとか、本気でビビりましたよ…
もし、こんな事が現実に自分の身に起こったら、真剣に泣きが入ります。
ショッカー演出やグロい演出を多用する訳でも無いのに、見た目と雰囲気だけでコレだけ
観客を恐がらせる事が出来るのは、ホントに凄い手腕だと思います。
特に女の子の持ってる人形は恐すぎです…。
あと、映画の内容はともかく『主人公役が優香ってどうよ?』とか思っていたのですが、
思いの他の熱演振りを見せてくれて好印象。
他のキャスティングも非常にツボにハマっており、なかなか好感触でした。
ただ、概ね満足な内容だった物の、若干ながら不満点が無い事も無く…
不満点を書いてしまうと、どうしてもネタバレになってしまうので、ここからはちょっと
隠し文字で書きますが…
ここからネタバレ↓
***************
***************
***************
終盤の盛り上がってからの展開は、いくら何でもちょっと強引…というか力技すぎるかな?
と思います。
意外性を突いたオチは悪くは無いとは思うのですが、じゃあ中盤までの謎解きプロセスは一体何の
意味があったんだ?って感じですし、弥生とか余りにも報われなさ過ぎです。
何か『収拾がつかなくなったので、とりあえず強引に終わらせました』的な印象を受けてしまった
ので、多少尺が長くなってでも謎解き以降のプロセスをもうちょっとしっかりと描いてくれた方が
良かった気がします。
***************
***************
***************
以上、ネタバレ終わり。
総評としましては、若干の不満点が無くもないものの全体としては面白かったです。
サスペンスとして見ると、ちょっと肩透かしを食らうかもしれませんが、ホラーとしては
十分に及第点のレベルだと言えるでしょう。
とにかく見た目の恐さは、Jホラー最恐と言っても過言ではないようなインパクトの
ある良作ですので、ホラーファンならとりあえず観ておいて損は無いと思います。
特に「呪怨」シリーズでこの監督のファンになった人なら、是非とも観ておく価値の有る一本
ですよ!!