
1930年代、世界大恐慌時代のアメリカ。
勤めていた劇場が突然に閉鎖され給料も貰えないままに職を失い途方に暮れて
いたアンは、街角で出会った自称・映画監督を名乗るデナムにスカウトされ、
シンガポールで撮影する予定の映画に出演しないかと誘われる。
最初はいかがわしさから出演を断ろうとした彼女だったが、尊敬する脚本家である
ジャック・ドリスコルが脚本を書いていると知り、映画への出演を承諾する。
かくして、外洋小型船であるベンチャー号へと乗り込み、撮影スタッフ達と共に
ニューヨークから一路インド洋を目指した一行だったが、デナムの本当の目的地は
シンガポールではなくインド洋のどこかにあるとされる地図にも無い幻の孤島で、
原住民からは『スカル・アイランド(骸骨島)』と呼ばれ、悪魔が棲むと恐れ
られている島だったのだ…
そして、その場所でアンは自分の運命を変える『出会い』をする事となる。
流石にこの映画のストーリーを全く知らないって人は居ないと思うので、ネタバレとかは
あまり気にしないで感想を書いてしまいますが…
今から70年以上前に製作され既に一度リメイクも行われているので、映画ファン
ならずとも知らない人は居ないであろう、
世界で一番有名と言っても過言では無い程に
超有名なモンスター映画のリメイク作品です。
実は、私が生まれて初めて両親に連れられて劇場に観に行った映画
は、この「キング・コング」
のリメイク版でして、個人的には何かと思い出深い作品だったりします。
っていうか、こんな映画に物心付いたばかりの子供を連れて行く親もどうかと思いますが、
そんな両親の教育の甲斐あって、子供は立派な生物パニック&モンスター映画マニアへと
成長しました。
まあ、それはさておき…
伝説の怪物を今回スクリーンへと蘇らせたのは、「ロード・オブ・ザ・リング」
で一躍メジャーとなったピーター・ジャクソン監督。
撮影はニュージーランドで行ったとの事で、製作スタッフもLORのスタッフが
多数参加しているようで、絵作りやテイスト的にもLORを彷彿(ほうふつ)とさせる
ようなシーンが多くあり、登場するコングやら恐竜やらのデカさもあいまって、
とにかくスケールがデカいお話という印象を受けます。
ただ、個人的には旧作の『どことなくチープな秘境探検もの』といったテイストも嫌い
ではなかったので、この辺は若干好みが別れるところかもしれません。
映画そのものは概ね、オリジナル版の「キング・コング」のストーリーをベースとして
作られた内容で、危機から危機への連続のまさに大冒険活劇といったイメージを上手く
表現しています。
幻の島に棲息する、恐竜を始めとした巨大生物達に次々と襲われている隊員たちと、
そして島の怪物の王者たるキング・コングの大暴れするシーンは、元祖モンスター映画
とも言える「キング・コング」のテイストを最新映像技術を駆使して見事に
スクリーン上に再現しており、モンスター映画好きならばもうそれだけでも感涙もの。
特に、キング・コングが巨大肉食恐竜である3匹のV-REXを相手に大立ち回りを
するシーンは、怪獣映画史上に残る程の大迫力!!
怪獣映画が好きならば、このシーンのためだけにでも劇場の大画面に観ておく
価値ありでしょう。
ただ、ピーター・ジャクソン監督は元々がホラー映画監督たる所以か、怪物に襲われる
シーンでは『ちょっと怖いよ…』と思われるようなシーンも若干あり、
原住民に襲撃される
シーンやら巨大昆虫に襲われるシーンなんかはマジに気持ち悪くて、子供やら家族連れで
観に行くにはちょっと適さない映画かもしれません。
全体的に冒険映画としては非常に良く出来ているのですが、一点不満を上げるとしたら、
とにかく尺が長い事。
映画本編が全体で3時間ぐらいある上に、特に序盤のスカルアイランドに到着するまでの
前振りが異常なほどに長くて、本格的な冒険が始まるまでに優に1時間ぐらいの時間がかかり
ます。
別にそこまでの経緯がツマんないという訳でも無いのですが、ハッキリ言って、この前振り
の長さは大人でも少々ダレてしまうぐらいに長いので、怪獣映画好きな子供とかだととてもじゃない
けど我慢できないかも?
この部分はもうちょっと尺を切り詰めて、20分ぐらいにしても良かったんじゃないかなぁ?
と思わなくも無いです。
ただし尺が長いだけあって、コングやヒロインのキャラクターの描き方は非常に丁寧で
秀逸で、特に凶暴で恐ろしいんだけどどことなく憎めないキング・コングのキャラクターは
非常に良い味を出しており、それが故にラストシーンのコングの痛ましい姿は、可哀想で
可哀想でホントに涙なしには見れませんでしたよ…。
総評としましては…尺の長さや何やらで若干の不満点も無くは無いですが、それを
全て差し引いても、怪獣映画が好きな人ならばとにかく観ておいて損無し!!な1本と
言えるでしょう。
ただし、元々がスカっと爽快な気分になれる冒険活劇という感じの映画でもない
ので、万人にオススメという点では若干弱いかも?
オリジナル版が好きな人とモンスター映画や怪獣映画が好きな人ならば、
この迫力と映像の凄さは一見の価値はあると思われますので、
とりあえず劇場に行ってみる事をオススメしておきます。
ただ。やっぱり序盤のあまりの長さは相当なものなので、劇場でも早送りが使えれば申し分無いのですが…(笑)
今回の感想は一応、大きなネタバレは避ける方向で書いています
が、本作も前作ほどではないにせよサスペンス要素を含む映画ですので…
全く前提知識無しでこの映画を観たいという方は、
この感想は読まないようご注意下さい。
被害者を次々と残忍な手口で死へと導く恐るべき連続殺人鬼『ジグソウキラー』。
ある日、現場を引退した筈の刑事エリックは、ジグソウによる被害者と思われる一人の男の
殺人現場へと来るように鑑識から呼び出される。
殺人事件の担当では無い筈の自分が何故現場に呼ばれたのか不審に思う彼だったが、
殺人現場には何故かジグソウからの彼宛のメッセージが残されていたのだった。
エリックは現場に残された手がかりからジグソウのアジトを付き止め、アジトへと
踏み込むが、その場所で彼は8人の男女が捕らえられた一つの部屋の光景を
モニターで見せられる。
そして、そのモニターに写った捕らえられた男女の中には、彼の息子の姿も
含まれていたのだった…
この手の一発ネタで勝負系の映画は続編は『なんじゃこりゃ?』って事になる場合が多いですが、
本作は比較的ちゃんとした前作からの正統な続編に当たるサスペンス映画。
前作もサスペンスと言いながら、非常にホラー色の強い『怖いサスペンス映画』でしたが、
本作は更にその色に拍車がかかった感じで、ジグソウキラー残酷殺戮ショーとでも
言うようなノリで、ホラー映画と言い切ってしまっても問題ないような内容になっています。
前作では劇中全編に漂う緊張感が秀逸な作品でしたが、本作でも観客の不安を煽るような
演出や観てる方が胃が痛くなりそうな陰湿な仕掛けは健在。
ちょっとエグいシーンも前作よりも増量されており、気の弱い人だと画面を正視出来ない
ようなシーンもあるかも…
なんか仕掛けの陰湿さから、思わずダリオ・アルジェントのホラー映画を連想してしまった
のは私だけでしょうか?
映画の内容に関しては、全く先が読めずに驚きの連続だった前作に比べると、本作では前作の予備知識から、
ある程度最初にネタがバレてる状態から始まってしまうため、新鮮な驚きは余り無く
『割と普通のサスペンス映画になってしまったかな?』と思う部分もあります。
特にストーリーに関しては、前作では多少のツッコミどころはあるものの大筋は
『用意周到に準備された犯罪』という
印象が強かったのですが、本作では少々行き当たりばったり的な部分が多くて、
『そんな都合よく物事は進まんだろ』とツッコミを入れたくなるシーンが多いのはサスペンス
としては考え物かも?
そもそも拉致された8人の登場人物たちも、いくら極限状態とはいえ
自分たちが殺人鬼に拉致された事が分かっている筈なのに、『どう見てもソレはヤバいだろ!!』
って言うようなあからさまなトラップに引っかかりすぎで明らかに危機感が足りてません。
警察の人たちも警戒心が無くホイホイ騙されすぎですし、なんか
『ジグソウが天才的な殺人鬼と
言うよりも、ジグソウ以外が全員アホなだけなんじゃないか?』と思えてしまうような
展開が多いのはいかがな物かと…
とはいいながらも、多少予定調和的なノリはあるとは言いつつもやはり一筋縄では行かない
ストーリー展開は健在で、標準的なサスペンスの水準は十分満たしている内容ではありますので、
まあ逆に前作が良く出来すぎていた上の不満といったレベルでしょう。
うーん、他にも色々と言いたい事はあるんだけど、ネタバレを気にするとあんまり書くことが
無いなぁ…
総評としましては、前作と比べるとどうしてもイマイチ感を感じてしまいますが、
続編としては及第点を満たした作品だと思います。
前作で結構エグいな…と思えてたような部分が更にエグくなって、ある意味『前作よりも
怖くなった』映画ですので、そういった残酷なシーンが好きだった人にはオススメしますが、
逆にそういう部分がダメだったという人には余りオススメ出来ない映画かも?
前作は『ホラー風味サスペンス』だったのに対して、
本作は『サスペンス風味ホラー』と
捕らえて観た方が良いかもしれませんので、そういうノリが好きなら観て置いて損は無い
作品と言えるでしょう。
しかし、もしこの映画に3作目が作られるとしたら、次は間違いなくホラー作品に
なるだろうな…とか思ってみたり。
海外版「死霊の罠」みたいな感じ?
19世紀のドイツがフランス軍の侵略を受けていた時代、民間伝承を利用し怪物退治を自作
自演して町の人々をペテンにかけてお金を儲けていた詐欺師のグリム兄弟は、ある日、詐欺の
嫌疑でフランス軍に逮捕されてしまう。
フランス軍の将軍は自分たちの侵攻中の村で怪物騒ぎがあり、統治に問題が発生している為、
グリム兄弟を逮捕したと言うのだ…
しかし話を聞くに、怪物の騒ぎがあったマルハデンの村は彼らが今まで一度も訪れた事の
無い場所で、彼らにはサッパリ身に覚えのない内容。
しかし、フランス軍に協力しないと詐欺の罪で処刑されると脅されたグリム兄弟は、怪物騒ぎ
の真相を探る為にしぶしぶマハルデンの村へと赴くが、そこで彼らが見た物は詐欺でも何でもない
本当の魔法の世界だった…
いわゆる「赤ずきん」とか「ヘンゼルとグレーテル」等のグリム童話で有名な、
グリム兄弟の奇妙な活躍を描いた冒険ファンタジームービー。
簡単に言ってしまえば、
『本当は恐ろしいグリム童話』ならぬ
『本当はアクション巨編だったグリム童話』みたいなお話。
グリム童話に着想を得たファンタジーって設定はなかなかに面白く、誰もが知っている
童話の世界を、CG等を駆使したファンタジーとして特撮で描いてるのは純粋に
面白く映像センスも非常に良くて、『美しいながらも不気味で残酷な童話の世界』を
上手く表現していると思います。
ただ、「赤ずきん」や「ヘンゼルとグレーテル」といった童話の題材は少々無理矢理
詰め込んだ感じもあったので、その辺はもうちょっと自然な流れで見せれなかったかなぁ?
と思わなくも無いところ…
キャラクターもなかなか面白い個性が付けられており、特に
マット・デイモンの演じる
グリム(兄)は、見た目はカッコ良いんだけど妙にヘタレで可愛らしくて好感が持てます。
「12モンキーズ」のブラピの役もそうだったけど、
ギリアム監督って2枚目俳優に
ちょっと変な役をやらせて、しかもソレが妙にハマってるのが上手い所ですな。
他にもテリー・ギリアム監督の映画らしく、妙な拷問器具が出てきたり、作品全体に
少々変なセンスや、妙に残酷で悪趣味なテイストが含まれている部分もあるのですが、今
回は設定がファンタジーという事もあって多少変な程度ではあまり驚きが無く、
割と普通の映画になってしまっているのが惜しい所です。
ストーリーに関しては、序盤はやや冗長感があるものの全体的にテンポが良くサクサクと
物語が展開していくので、2時間弱という若干長めの尺でありながらも、それ程までには
長さを意識させない作りになっています。
ただ惜しむらくは、作品のテンポ自体は良いもののストーリーに今ひとつ盛り上げ
どころが乏しく、盛り上がってきたかな…と思った所で次のシーンとかって流れが多くて、
全体的にちょっと淡白な印象を受けるシーンが多かったのは辛い所。
尺の都合もあるのでしょうが、もうちょっと集中的に盛り上げるシーンは
徹底的に力を入れて描いて、『コレは!!』と言うような見所となるシーンが欲しかった
かなぁ?
総評としましては、思いの他普通のファンタジー映画だったなぁ…
というのが正直な感想です。
予告編を観た人ならば、
本編はまさにあの通りの内容で、それ以上でもそれ以下でも
ありませんので、普通にファンタジー映画として気になる人は普通に観ておいても良い
ような映画と言えるでしょう。
個人的にはテリー・ギリアム監督って事で、もっと変化球っぽい突き抜けたノリの
映画を期待してたのですが、そういう意味ではちょっと期待外れだったかも?
といった感じですので、そっち方面を期待してる人は、スルーしてビデオ待ちでも良いかも?
あと、本編の中でグリム兄弟は20代前半みたいな設定になってるようなのですが…
いや、マット・デイモンももう一人の人も、どうみてもそんな若くは見えないんですが、
その部分にツッコミを入れてはダメですか?
まあ、トビー・マグワイアが高校生役の「スパイダーマン」に比べると、
全然違和感は無いんですけど。(笑)
憎しみと裏切りが支配する”罪の街=シン・シティ”
引退を目前に控えた正義感の強い熱血刑事・ハーティガン。
仮出所中で保護観察期間中の醜男のタフガイ・マーヴ。
警察に捕まると死刑確実で整形で顔を顔を変えて逃亡中のお尋ね者・ドワイト。
3人の男たちは、この街でそれぞれが愛に出会い、愛する女のために命懸けの戦いを挑む…
フランク・ミラー原作のアメリカンコミックタイトルの映画化にあたる
バイオレンスアクションムービー。
監督は「デスペラード」や「フロム・ダスク・ティル・ドーン」
等で趣味全開のバイオレンス
アクション映画を撮らせたら定評のあるロバート・ロドリゲス監督と、原作コミックの
作者であるフランク・ミラー、そしてゲストとしてこれまた趣味の映画監督として名高い
クエンティン・タランティーノ監督。
こんな3人が監督をしたとなれば、もうパワフルで趣味全開の映画にならない訳がありません。
そしてその期待を裏切らない程に、まあとにかく何もかもが強烈にカッコ良い映画です。
マンガ的な表現を意識したモノトーンの映像に、唇やドレスだけが原色の赤や黄色で色づけされた
恐ろしいぐらいにスタイリッシュな映像。
コミックのコマ割りを意識したカット割りやカメラワーク。
今までもコミック風の演出をした映画作品ってのは良くありましたが、ここまで『明らかに実写で
ありながらコミック的なテイストを表現した映画』ってのは余り無かった気がするので、
まさに卓越したセンスの成せる技といった所でしょう。
また、この独特の映像手法のお陰で、結構残虐なシーンやグロテスクなシーンが
含まれていながらも、あまりエグい印象は受けずに、万人に観やすい映画(ってのはちょっと無理があるか?)になっている
のは、なかなかに上手い見せ方だと思いました。
キャラクターも非常に個性的で面白く、ブルース・ウィリス演じる不器用な正義漢の
ハーティガンも渋くて素敵ですし、ミッキー・ロークの演じる醜男なんだけど
殺しても死なないぐらいにタフすぎるタフガイのマーヴの常識ハズレで人間離れした
パワフルなアクションは、この映画の
最大の見所ですし、クライヴ・オーエンの演じる、自分ではバカと分かりながらも以前の
恋人の為に命懸けで戦うドワイトの漢気もイカします。
私のつたない文章では、このカッコ良さが上手く伝えられなくてもどかしいですが、
もうとにかく全員が超個性的で超カッコ良くて、最高にイカした主人公たち
なのですよ!!
また、敵キャラや脇キャラもメチャクチャ良い味を出してまして、特に
イライジャ・ウッドの演じる
サイコな殺人鬼はカッチョ良すぎ!!
マーヴと殺人鬼の対決シーンは震えが来る程に必見です。
しかし「パラサイト」の頃から思っていましたが、ロドリゲス監督は
こういったマンガ的なキャラクター
の描き方をさせるとホントに天下一品ですな。
3人男達の物語は滑稽なまでに男らしく、愛のために全てを賭けて戦う姿は、もう
『男の生き様の百貨店』状態
で、男なら誰もが心を動かされる事ウケアイでしょう。
ただ唯一の難点を挙げるとすれば作品自体が結構尺のが長い上に、
3人のストーリーが微妙に時間軸が
前後して語られたりするため、ストーリーの繋がりにちょっとだけ分かり難い部分がある
って事でしょうか?
私は最初に見終わった時点では、ロアーク枢機卿とロアーク上院議員の関係とか、
ラストのエレベーターの
シーンで出てきたのが誰だかとかが良く分かりませんでした。
まあ、それが分かり辛いからといって映画が楽しめなくなる訳でも無いので、一向に問題は
無いのですが…
でも、私の側に座ってた人たちは『最後が良くわかんなかった』と会話していた
ので、やっぱ微妙に分かり難いのかも?
総評としましては、使い古された恥ずかしい言い方ですが、
今年一番に『クールでカッコいい映画』
とでもいう表現が、これ以上ふさわしい映画は無いでしょう。
バイオレンスとかアクションとかに抵抗が無ければ、とりあえず観ておく事をオススメ
します。
男臭いお話が好きならば、これだけでおかわり3杯は行けるような映画
ですので、そっち方面が好きならば是非!!
ある日、アーサー・デントが目を覚ますと、彼の家の前にはブルドーザーが何台も並んでおり、
彼の家を訪れた役所の人間から、彼の家はバイパスを建造する為に取り壊されるので立ち退けと
要求される。
困惑したアーサーは取り壊しを止めさせようと抵抗するが、そこへ彼の友人であるフォードが
訪れ、『地球は滅亡するから一緒に来い』と言われる。
訳の分からないままにバーへと連れ込まれたアーサーは、実はフォードはペテルギウス星系出身の
宇宙人で、地球はこれから数分後には破壊されてしまうのだと説明を受ける。
最初はフォードの言葉を信じなかったアーサーだが、やがて地球全土の空を覆う巨大なUFOの
大群が出現し、TVへと現れた宇宙人が「地球のみなさんこんにちは。銀河バイパス建設のため、
今から地球を取り壊します。では、良い一日を…」というメッセージと共に、言葉どおりに
地球は一瞬にして宇宙の塵と化してしまう。
なんとかヒッチハイクに成功たフォードへと連れられて宇宙へと脱出し、運命のイタズラから
『最後の地球人』となってしまったアーサーは、宇宙で驚異に満ちた体験を味わう事となるのだった…
こちらではあまり有名では無いですが、イギリスでは未だに根強い人気を誇り、TVドラマや
ラジオドラマ化もされており、イギリス人で知らない人は居ない
と言われる、ダグラス・アダムス原作のユーモアSF小説の映画化作品。
日本だと原作の小説も絶版となって久しく、まさに『幻の傑作SF小説』
となって
しまった本作ですが、非常に軽妙な語り口と独特のユーモアに満ちた科学理論の設定
が面白く、私も学生時代には相当ハマって2〜3回は読み返した傑作SF小説です。
内容の方は、まあなんと言いますか、頑張ってるなぁ…
というのが正直な感想。
広告の煽り文句に『映像化不可能と言われた原作を完全映像化』
というのがあるのですが、
まあ確かにもともとあまり映像化に向いてない作品
だったりするのですが、原作のテイストを
なるべく崩さないように上手く伝えては居ると思います。
ストーリーに関しては、ほぼ原作ベース。
序盤の地球が破壊されるまでの展開は少々冗長ですが、それ以降は
なかなかテンポも
良く、所々に入る本作らしい『思わずニヤリ』とするような
ユーモアのセンスも盛り込まれてて、なかなか楽しませてくれます。
原作もそうですが、このお話は本編もさることながら、むしろ
途中で挿入される「銀河ヒッチハイクガイド」
を使った小ネタが面白い作品なので、ヒッチハイクガイドからの引用を上手く取り入れた
演出の見せ方は、なかなか良く考えて作られているといえるでしょう。
キャラの設定も個性的で面白く、知能が高すぎて何をする気も起きない『鬱病のロボット』や、
AI搭載で『意味も無く陽気なコンピューター』等といった、
SFには割とありそうだけど何処にも居ないタイプのキャラが、いかにも本作らしいです。
ただ、原作を完全に映画化ってのは尺の長さ的にも辛いのは分かりますが、
『ちょっと説明不足の感が強い部分が多いかな?』って事。
特に、この小説のキモである「無限不可能性ドライブ」の説明は、ちょっとアッサリしすぎかなぁ?
この「無限不可能性ドライブ」を使うと、
『宇宙のあらゆる地点を一瞬にして同時に通過する』
事が出来る代わりに、そのフィールドの範囲内では
『あらゆる可能性の事象が発生する』ため、
どんな事が起こるかは予測不可能(というか『起こらない』はずの事は『必ず起こる』)
というもので、主人公がソファーやニットの人形に姿を変えたり、宇宙船がバラやら毛糸玉
やら様々な物に姿を変えてたのは、そのせいです。
ちなみに、本編に登場する「"黄金の心"号」は宇宙で唯一の
「無限不可能性ドライブ」を
搭載した『宇宙で一番早い宇宙船』で、ゼイフォードがこの船を盗み出したのはその為です。
映画の中じゃこの辺が分かりづらくて、
ゼイフォードが単なる頭の弱い変なキャラみたいに
描かれているのが、ちと可愛そうですな…。
他にも少々分かり辛いネタが多めで、
原作を全く読んだことの無い人がこの映画をイキナリ
観たら、『何だか良く分からない変なノリの映画』
となってしまわないかが、ちょっとだけ心配です。
総評としましては、そこまで傑作という事は無いものの、
ちょっと毛色の変わったSF映画
が好きな人ならば、そこそこに楽しめるレベルの作品ではあると思います。
ただ、アクマで『SF映画』であって『スペースオペラ』では無い
ので、その辺は理解しておかないと肩透かしを食うかも?
あんまり冒険SFとかって感じじゃなくて、意外と地味な内容のお話ですので…
原作ファンから見た場合、『手放しで喜ぶ程では無いけど、まあ許せるかな?』
といった感じの完成度ですね。
原作を頑張って再現しようとしてるなぁ…とは思いました。
最近はあまり作られなくなりましたが、アクションとかじゃない『ちょっと風変わりなSF映画』
を観たいという人には、そこそこオススメ出来る作品かな?
ちなみにラストで出てくる「宇宙の果てのレストラン」は、
この小説の続編に当たる作品のタイトル
だったりするのですが…
果たして、続編は作られるのか!?(っていうか、日本で公開されるのか…)
あと、観に行く予定の人に一言。
本編終わった後のエンドロールの途中にも、ちょっとした小ネタが挿入される
ので、終わった後にスグに席を立たないように注意しましょう。
廃屋同然の傾いた家で、家族6人と一緒に非常に貧しい生活を送るチャーリー・バケット少年は、
毎日キャベツのスープしか食べれないような生活でも、慎ましやかに幸せに暮らしていました。
そんな彼の住む街には巨大なチョコレート工場があり、その工場は常に門が閉ざされたままでありながら、
世界的に大人気の『ウォンカ・チョコレート』を製造するという不思議な工場でした。
この工場は『お菓子作りの天才』であるウォンカ氏によって、建造され経営されている物だったのですが、
ここ20年間誰一人としてウォンカ氏と会った人間は居らず、その工場は全てが謎に包まれたままの秘密に閉ざされた
工場だったのです。
しかしそんなある日、ウォンカ氏は『全世界に出荷するチョコレートの中に、5枚のゴールドチケットを入れ、
そのチケットを手に入れた幸運な子供たちをチョコレート工場の見学ツアーへと招待する』と言うお触れを出します。
偶然にもチケットを手に入れたチャーリー少年は、4人の子供たちと一緒にチョコレート工場で
驚くべき秘密を目にする事となるのですが…
実は私、この映画は何の前知識も無しで観に行ったのですが…
いやぁ、何といいますか…ティム・バートン監督が久々にやってくれました!!
最近では、すっかり大作映画監督のイメージが付いちゃった氏ですが、今回は久々に
氏の趣味全開な感じの映画で、
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」や「マーズ・アタック」
のように、『この監督は、この映画を楽しんで作ってるなぁ…』って言うのが良く分かる作品です。
悪趣味なんだけど、どこかファンタジックで、やっぱどこか怖い感じのする美術デザインや映像センスは
ティム・バートンの本領発揮といった感じ。
結構ブラックなセンスのネタも多くて、
『こんな変な映画を子供向けのファンタジー映画の
ようにTVでCMしてて良いの!?』とか逆にツッコみたくなるような内容。
あんまり書いちゃうとネタバレになってしまい、サプライズが無くなってしまいそうなので
書きませんが、ごく普通のファンタジー映画かと思っていたので相当度肝を抜かれて良い感じでした。
美術や映像のセンスの良さもさることながら、チョコレート工場のオーナーのウォンカ役の
ジョニー・デップの怪演もかなり光ってて良い感じ。
挙動不審でムチャクチャ怪しく奇抜なファッション、そして年齢不詳でそれでも何だかカッコ良い
という『ジョニデじゃ無いとこの役は出来んだろう!!』って感じのハマりっぷりに惚れ直した感じです。
他の子供たちのキャラも、あまり可愛くない…というか『可愛げの無いガキ共』が揃って居る
のですが、物凄い個性的なキャラ&子役揃いでインパクト抜群。
あと、工場で働く小人たちである『ウンパ・ルンパ族』のセンスは最高で、
気持ち悪いんだけど可愛くて、
思わずファンになってしまいました。
もうとにかく、キャラクターの造型センスが最高なのです!!
ストーリーとかに関しては、まあファンタジーの児童文学がベースですので、そんな
驚くような展開も裏切りも無いですが、ファンタジーと言う皮を被った不条理&ブラックな
展開は相当楽しませてくれます。
唯一の不満は、序盤のチャーリーがチケットを手に入れるまでの下りが少々冗長で
退屈な事でしょうか?
しかし、チョコレート工場に入ってからの展開はティム・バートンの変態趣味っぷりが
発揮されまくりで、もうニヤニヤしっぱなしで序盤の不満は解消されましたが…。
やっぱ、この監督は色んな意味で天才だし、こんな役を普通にこなせてしまう
ジョニデも凄い俳優だなぁ…と感心することしきりな映画でしたよ。
総評としましては、この形容しようの無いような突き抜けたセンスは、
ちょっと観る人を選ぶ作品かも
しれませんが、個人的にはティム・バートン監督の久々のスマッシュヒットな快作(怪作)と
言って良い感じの作品でした。
子供向けの普通のファンタジー映画だと思って観ると確実に騙されますが、その『ちょっとブラックなネタ』
を『どうなの?』と戸惑ってしまうか、これは『大人向けのファンタジー映画だ』と思って楽しめるかが、
評価の分かれ目といった所でしょう。
とりあえず、ティム・バートン監督の『変なセンスが好き』と言う人ならば、
1も2も無く劇場にて鑑賞する事をオススメします。
個人的にはティム・バートン監督の作品としては、久々に掛け値なしに楽しめた作品でした。
多分、DVDが出たら買っちゃうと思います。
あと、どうでもいいですけど…ジョニデ扮するウォンカ氏の妙に青白い顔にボブカットっぽい髪型で、
子供たちを工場に招待してやたらと奇矯な行動を繰り返す…という、どうやっても
マイケル・ジャクソンを連想せざるを得ないキャラクターは、やっぱ
ネタとしてやってますか?
もう、劇中で気になって気になって…
謎の死者復活現象がはじまってから、しばらく後の世界。
地上はもはや死者たちによって支配され、生き残った一部の人々は、一部の金持ちが
金の力に任せて作った巨大なハイテクビルの周辺の、高圧電流の柵で囲われた小さなスラム街の中で
ひしめくようにして暮らしていた。
そんな世界で、外部のゾンビに支配された世界でゾンビと戦い物資を補充する事が目的の
傭兵部隊のリーダーを務めるライリーは、ある日、ゾンビ達の様子が今までと『何かが変わりつつある』
という事に気付く。
彼はこの仕事を続けるのは潮時だと考え、彼の片腕であるチョロへて後任を任せてカナダへ
の移住を考えるが、チョロは雇い主であるカウフマンの自分に対する待遇に不満を持ち、
対ゾンビ用の戦闘装甲車である『デッド・レコニング号』を勝手に持ち出して、カウフマンを相手に
脅迫を行う事を画策する…
最初に…今回の感想は、結構ネタバレを含みます。
ネタバレを知ってると致命的と言う程でもありませんが、
これから本作を観に行こうと考えている場合は、
この感想を読まずに映画を鑑賞する事をおすすめします。
エセでもリメイクでもない、本家本元のジョージ・A・ロメロ監督による
「ゾンビ」
シリーズの最新作に当たる作品。
ゾンビ好きとしては「死霊のえじき」以降、
20年間待ち続けた期待の続編となる訳で、
ファンとしてはソレだけでも感涙物だったりします。
既に各所で言われている事ですが、この映画は
否定派と肯定派に評価が真っ二つに割れているようで、すが…
個人的な見解を言わせて貰うと、ズバリ『ゾンビ側の視点に立って映画を観れるか?』
が、この映画の評価の分かれ目かなぁ?と思います。
私は…
『将来は会社を辞めてゾンビになりたい』とまで考えているような人間ですので、
そりゃもう
肯定派に決まっていますとも!!
とまあ、前置きが長くなりましたが、肝心の映画の内容ですが…
最初の20分程度は余りにも予想していたノリやストーリーと違っていた
ので、ちょっと面食らいましたが、
序盤の30分辺りから相変わらずのロメロ節が健在なのを見せてくれる
のは嬉しい所。
今回は、『川で囲まれた一つの巨大な街』といった、今までの
『ショッピングモール』や
『地下シェルター』
に比べると格段にスケールの大きい『閉じられた世界』が舞台なのですが、
高圧電流の柵と武装した兵隊に
よって守られた堅牢なこの世界でさえも、一部の愚かな人間たちの欲望や諍いによって
あっさり崩壊していってしまうという、相変わらずの
お約束と言えばお約束な展開を見せてくれます。
今回の今までのシリーズとの最大の違いは、人間側の主人公以外のもう一人の『ゾンビ側の主人公』とも
言うべき、『知能の高いゾンビ』が登場する事です。
前作でも『バブ』という知能の高いゾンビが登場しましたが、本作は
人間側とは完全に独立してゾンビ側の
行動が描かれており、アクマでサブ的な位置づけながらも
ゾンビ側の視点が描かれている
といった特殊性のため、相当趣が異なる感じです。
特にこの知能の高いゾンビに率いられたゾンビ達が、
大群で徒党を組んでフラフラと歩きながら
押し寄せてくるシーンは圧巻で、本作の中でも群を抜いて怖いシーンでもあります。
また、今までのシリーズと違って非常にアクション性が高い内容
なのも本作の特徴で、ハリウッド映画
らしい一般受けも意識してか、スピード感のあるアクションシーンも多くて
話のテンポもムチャクチャ早いですし、
舞台のスケールも非常に大きいので、あまり今までのような
低予算なB級臭さという物が感じられない
のは、逆にちょっと寂しくもあったり…。
ただ、スケールが大きくなった弊害というべきか、お得意の
人間ドラマの部分が余り深く描かれて無い
のは残念な所。
旧シリーズからのファンとしては、今までのシリーズとノリが違う点に不満を抱く部分もあるかも
しれませんが、しかし
『堕落しきって性根の腐った人間達よりも、体は腐ってても真っ直ぐな心を
持ったゾンビ達の方がよっぽど人間らしく見えてしまう』という、非常にブラックユーモア溢れる
表現や風刺が盛り込まれていたりと、
いかにもなロメロ監督らしいテイストも残している
辺りは流石というところでしょう。
堕落しきった街の裕福な階層の人たちがゾンビに襲われるシーンなんかは、
恐怖シーンであるにも関わらず一種のカタルシスすら覚えてしまう
程で、ゾンビ達が武器を手に持って
人間達の街に攻め入ろうと立ち上がるシーンでは、不謹慎とは分かっていても
『頑張れゾンビ達!!』と
応援したくなる事ウケアイです。
あと、最新作だけあって
ゴア描写のシーンも最新のSFX技術をふんだんに使って、相当
エグい描かれ方をしているのですが、
襲撃シーンの大半が深夜の薄暗いさなかで描かれている
ため、そこまでキツい描写にはなってないように感じました。
まあ、逆に本作レベルのSFXを白昼の太陽の下で堂々と描かれたら、気持ち悪すぎて見て
らんない人も居そうなものなので、そこは敢えて暗闇の中で描いたのかもしれません。
個人的には余り不満を抱くような部分は無かったものの、最大のネックを上げるとすれば、
ストーリーやプロットが前作である「死霊のえじき」
に余りにも酷似していて、新味があまり無いという点でしょうか?
ある意味、ロメロ監督が「死霊のえじき」
で本当に撮りたかった内容を本作で撮ったのだと
取れなくも無いのですが、中盤以降に先の展開が完全に読めてしまう
のは、ちょっと辛い所です。
ただ、オチがいつもの『世界の崩壊』だけでは終わらずに、
『新たな世界と秩序の構築』
(ゾンビも人間も含む)といった部分まで踏み込んで描かれている辺りに、
今までのシリーズの集大成というか、
一つの区切り的な雰囲気を感じたのが印象的でした。
総評としましては、「ゾンビ」のような伝説に残るほどの傑作とは行かないまでも、
そんじょそこらのリメイク映画や粗製濫造ホラーよりも果てしなく面白い、
普通に良く出来たホラー映画だと思います。
お手本的なキャラ造型や、
閉鎖環境を用いた緊張感あるストーリー展開、
いかにもホラーらしい暗喩の込め方等、
『やっぱロメロは凄いな』と素直に感じれるだけの作品ですので、
シリーズのファンならずとも、ホラー映画が好きな人ならば、ごく普通に観ておく
価値のある一本でしょう。
過剰な期待を押し付けなければ、そこそこに楽しめる作品なのは間違いないです。
難しい理屈は抜きにして、ロメロ監督の
『俺はゾンビが好きなんだよ、文句があるか!!』みたいな気概と
漢気溢れる『ゾンビ映画への愛』が伝わってきて、
個人的には十二分に満足の行く内容の映画でした。
昭和20年代の戦後間もない東京。
小説家だがスランプに陥り新作が書けない関口は、生活費を稼ぐ為に三流ゴシップ誌に
猟奇事件の記事の執筆を行うという依頼を引き受ける事となる。
しかし、彼の引き受けた事件は、東京の由緒ある産婦人科医院で一人の医者が密室から
失踪し、その妻は妊娠20ヵ月にもなるのに未だに出産の気配も無いという、あまりにも
奇妙な内容だった。
事件のあまりな異常性から、関口は博学な友人である京極堂に協力を請うが…
京極夏彦原作の超人気ベストセラーのミステリー小説である
「姑獲鳥の夏」の映画化作品。
人気作品であり、熱狂的なファンも多い本作をどのような形で映画化するのか?
と映画化前から非常に注目されていたのですが…
原作の小説を読んだ事がある人なら分かると思うのですが、原作は
非常に長くて分厚い小説で、
『背表紙で人を殴ったら凶器として利用できる』
とまで揶揄されるような、とんでもない長さだったりします。
そんな小説ですので、マトモに映画化してたら
「ロード・オブ・ザ・リング」どころか
「火星年代記」並みの、
とても劇場では上映できないような長さ
になってしまうので、その辺をどのように処理するかが気になるところだったのですが…
いやはや、なかなか大胆なアレンジを施して上手く2時間枠に収めています。
本来は、作品内で語られるストーリーの概略を、紙芝居形式で弁士に語らせてみたり
、キャラクターの掘り下げを行う時間を省略する為に
登場人物をマンガ的な『記号の塊』のような扮装をさせてみたり
と、随所に『作品を2時間枠に収めよう』という工夫を盛り込ん
でいるのは、なかなか面白い所。
猟奇的なテイストを意識しての70年代の『金田一耕助TVドラマシリーズ』のような
チープでサイケデリックな演出や、
キャラに合わせたマンガ的な演出なんかも面白いですし、
この辺は素直に『上手いな』と思いました。
ただ同時に気になった点もかなりあって、原作ではお馴染みの
『京極堂が薀蓄を語るシーン』
とかが序盤に出てくるのですが、『尺を切り詰める為に異様に早口』
だったり、キャラを記号化してるのは良いのですが、
あからさまに原作のイメージと違う人
(特に榎之木津)が居たりと、
どうだろう?と首をかしげるような部分も…
一番気になったのは、中盤の『主人公たちが謎を追っていく部分』が、
かなりバッサリと切り捨てられている所。
そのせいで、本来は『起・承・転・結』の流れで語られるべき話が、
『起・転・結』みたいな
感じになってしまっており、
『事件のあらましが語られたと思ったらイキナリ謎解き』
といったかなり唐突な展開で、ちょっと座りが悪い印象を受けます。
『京極堂は、いつの間に事件の推理とか調査をしてたんだよ!?』とか
ツッコミどころも満載です。
っていうか、原作を読んだ事の無い人には、最後の謎解きは相当意味が
分かり難いんじゃないでしょうか?
あと、妖怪に関する薀蓄があんまり出てこないのもちょっと気になったかなぁ?
ってまあ、ソレをやりだしたら絶対に2時間枠では収まりきらなくなる
ので、致し方ないところですか?
総評としましては、
純粋に映画として評するならば、なかなか良く出来た作品
だと思います。
作品のテンポも非常に良い(っていうか、中盤は飛ばしすぎな気もしますが)ですし、
終盤の盛り上げどころなんかもしっかり押さえています。
が、前述の通り原作を読んでない人には、
『ちょっと話が分かりづらいかな?』と感じる点も少なくない事と、
原作ファンは原作ファンで『作品のイメージに合わない』という
部分が気になって、素直に楽しめない恐れがある
ってのが最大のネックでしょう。
そんな訳で、『原作ファンが原作と別物として楽しむ映画』
といった鑑賞の仕方が、正しい楽しみ方でしょう。
なんか、「AIR・劇場版」でも同じような事を言った気がしますが、
あそこまで豪快なアレンジはされてない物の、
あのぐらいのテイストの違いを想像しておくと、ちょうど良いかも
しれません。
『原作知らないと分かりづらいけど、原作とは別物』
という点で、相当ノリ的には近い物があるかも?
個人的には、『まあコレもアリかな?』
といった感じで、結構楽しむ事が出来ました。
あと余談ですが、近くに座ってた一般のギャルっぽい人たちが映画の鑑賞後に
『コレって、全然ミステリーじゃないよね〜』みたいな会話をしてたのですが…
『いやいや、原作からして全然ミステリーじゃないですから』
とツッコミたくなったのは、私だけでしょうか?
配給会社も、この映画は「妖怪猟奇サスペンス」
として売るべきだよなぁ…
前作の事件より半年後、レイチェルは息子のエイダンと共にシアトルからオレゴンへと
引越し、新しい環境の中で再スタートをはじめていた。
しかしそんなある日、彼女の街で男子高校生が『恐怖に顔をゆがめた表情で突然死を
遂げる』という怪事件が発生する。
いち早く『呪いのビデオ』の存在に気付いたレイチェルは、ビデオテープを見つけ出し
誰にも見られる前に燃やしてしまう事に成功するが、その日以降、彼女の息子のエイダン
の様子がおかしくなり、彼女の身の回りに奇妙な事件が頻発するようになる…
前作である「ザ・リング」の
正統な続編にあたる、オカルトホラー映画。
「ザ・リング」は、日本版「リング」
のリメイク作品という位置づけだったけど、こちらは
日本版の「リング2」とは全く別物の完全な新作のストーリー
になっています。
日本版を日本の監督がハリウッドで製作した
「THE JUON」と違って、ハリウッドのスタッフに
よって製作された「ザ・リング」
は、前作からしていかにも欧米テイストが漂って居たのですが、
「ザ・リング2」は
完全なハリウッド映画になったイメージがあります。
どの辺が、ハリウッドらしいかって…
とにかくまあ、ストーリーの展開が速い事。
事件の起こるのもムチャクチャ早いですし、
主人公のレイチェルの決断や行動も死ぬほど早いですし、
謎の提示や謎解きプロセスも何の迷いも無く、殆ど
「スクリーム」とかみたいな
スラッシャームービーのようなノリになっています。
良く言えば『テンポが良くて無駄が無い』のですが、
悪く言えば『怖さに深みが無い』とも
言えるでしょう。
もし、日本版の「リング」を基準として比較すると、
あまりのノリの違いに愕然とするかもしれませんが、
個人的には『これはハリウッド映画だから、最初からこういう物なんだ』
と割り切って観たら十分に楽しめる内容だと思います。
ただ、お話そのものは前述の通りテンポも良く、謎解きプロセスなんかも結構面白い
んですが、この映画が怖いかと言われると、その点に関しては正直言って微妙な所…
それも、恐怖の基準が日本と欧米ではあまりにも異なっているせい
で、日本版の「リング」では
『貞子のこの世に対する怨念』が呪いの原動力となっていたのですが、
「ザ・リング」ではサマラは
『生まれながらにして邪悪な存在』として描かれており、その
『生まれ持った邪悪パワー』が呪いのビデオの力の源となっている為。
怨恨が幽霊のパワーの源となる『怪談』の本場である日本
と、悪魔が邪悪な事件を引き起こす
『キリスト教的な考え』の欧米とでは、
『呪い』という物の概念にかくも違いがあるものなの
ですね。
特に、本編中で鹿の群れに囲まれて襲撃を受けるシーンなんかは、
「オーメン」を彷彿と
させるイメージがあり、やはり向こうでは
『呪い』といった概念はオカルト(宗教)的な要素が強いのだなぁ…と、妙に感心してしまいました。
他にハリウッドらしい点といえば、普通に
『お金が掛かってるなぁ』と感じる所でしょうか?
日本のホラーも、これぐらいの予算と表現力が使えれば、もっと演出の幅が広がるだろうに…
あと、割とどうでも良いことですが、
貞子に比べるとサマラは随分と饒舌だなぁ…
とか思ってみたり。
総評としましては、ハリウッド式のオカルトホラーとして
観た場合は、ごく普通に楽しめる作品だと思います。
もう、ストーリーも設定も全く違っちゃってるので、
「リング」の事は忘れちゃって楽しむのが吉
でしょう。
ただ注意する点は、本作は「ザ・リング」の続編として作られているため、
前作を観ていないと恐らく訳が分からないという事。
本編の中でも、前作のストーリーに関する説明とかは全くされてない
ですし、日本版の「リング」
しか見ていなかったら、イマイチ意味が分からない部分が多いと思いますので、観る場合は
ハリウッド版の「ザ・リング」を先に観て置く事をお薦めしますよ。
ちなみにオチに関しては、『えっ、それで終わりなの?』
って感じのアッサリ風味に、ちょっと
驚いてしまいましたが、空に浮かぶ『三日月』が暗示的する物を想像して
思わずニヤリ。
また、続編が作られるのかなぁ?
個人的にはこのシリーズは結構好きなので、
日本版とは完全な独立した作品として、また続編を
作って貰いたい物ですよ。
ヴァイオレットとクラウスとサニーの三姉弟妹は、裕福な家庭で優しい両親から愛され、何不自由ない
暮らしを送っていたが、ある日突然、火事で自宅が全焼し両親を失ってしまい突然に孤児となってしまう。
住む場所を失った上に、ヴァイオレットが成長するまで両親の遺産を使うことも出来なくなった彼らは、
遠縁の親戚であるオラフ伯爵の元へと引き取られる事となったが、強欲なオラフ伯爵は彼らの両親の遺産を
横取りしようとして、あの手この手を用いて三姉弟妹を亡き者にしようと画策し始める…。
大人気の児童文学作品である「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」
の映画化作品で、内容的には
三姉弟妹のちょっと不思議な冒険を描いたファンタジー映画といった感じ。
三姉弟妹の命を執拗に狙う悪役・オラフ伯爵に対して、三姉弟妹が力を会わせて立ち向かっていく
といった感じのお話なのですが…
三姉弟妹がそれぞれに…
ヴァイオレットはありあわせの道具を使って何かを作り出す発明の天才で、
クラウスは読書家で本を読んで得た豊富な知識を持っており、
サニーは小さいながらも4本しか無い歯で何にでも噛み付いて壊してしまう
…といった自分たちの特技を用いて、ピンチを脱していくといった冒険のテイストは面白いです。
ただ個人的には、もっとドタバタ風味のコメディを期待していたのですが、
三姉弟妹が思ったよりも常識的な範囲を超えない程度の活躍
しかしないのと、意外と活躍のシーンそのものが少ない事もあって、
全体的にちょっと物足りなくて爽快感に欠ける感はあります。
お話の内容は、もっとほのぼの系の話かと思いきや、
意外にも冒険や謎解きといったテイストが強くて、
冒険映画寄りのイメージの作品です。
といってももともとが児童文学ですのでそこまで難しい内容でも無くて、
基本的には子供向けの分かりやすいお話ではあるのですが、
家族愛を主眼に置いてストレートにテーマ性を描いた
内容は、まあ悪くは無いかな?といった感じ。
児童文学がベースとなっている事を考えると、
『まあ、こんなもんかな?』と思えるような範囲の話
でしょう。
画面から感じられる独特のファンタジー的な雰囲気を持った映像
や、絵作りのセンスは素晴らしく。
そういったテイストが好きならば絵的な部分での見所は結構ありますし、
また三姉弟妹の子役が全員非常に可愛く
て、演技もレベルもなかなか高い点も良い感じなので、その辺が気に入れば
ソレだけでも『そこそこ楽しめる作品』
ではあると思います。
総評としましては、
良くも悪くも『まあ、こんなもんか?』っていった程度のお話です。
とりわけツマんない訳でも無いんだけど、とりわけ面白いといった訳でもなく…別に酷評するような
内容では無いけど、劇場まで観にいく程の映画か?と聞かれると、
正直言って微妙な所でしょう。
全体的なテイストは決して悪くない映画なので、
予告編とかでテイストが気になってるならば、まあ観ておいても良いかな
とは思いますが、正直言ってビデオとかでも十分かも?
全体的に、もう一歩、突き抜けた何かが欲しいと思わせる感じの映画
でした。
考古学者でトレジャーハンターであるベンは、彼の祖父の代から捜し求めていた、
フリーメイソンの手によって隠された『ソロモン王の財宝』の手がかりを、北極の
氷河の中で発見するが、その手がかりとは重要文化財である『合衆国独立宣言書』
の裏に宝の有りかが記されているというとんでもない物であった。
『合衆国独立宣言書』を閲覧することは不可能に近い為、財宝探しの継続を諦めかけた
彼だったが、彼のパトロンである大富豪のイアンは、宣言書を盗み出してでも宝探しを
継続しようとする。
イアンの強硬な手段に反対した彼は、対立の末に北極に置き去りにされてしまう。
なんとか無事に帰還した彼は、イアンの手に宣言書が渡るのを阻止するために、
自分が先に宣言書を盗み出そうと計画を立てるが…
「パイレーツ・オブ・カリビアン」でメガヒットを飛ばした、
ジェリー・ブラッカイマー監督の新作である、
ニコラス・ケイジ主演のトレジャーハント物の冒険アクション映画。
設定だけ聞くと、ニコラス・ケイジ版のインディ=ジョーンズ
かと思いますが、その実態はブラッカイマー監督らしく、
そこまでストレートな内容では無いちょっと捻りの効いた冒険映画
に仕上がっています。
単純に宝物を探して謎を追っていく内容かと思いきや…
重要文化財である『合衆国独立宣言書の裏に財宝の手がかりが隠されている』
とかって、奇想天外な設定のお陰で、主人公がイキナリ
宣言書を盗み出す計画を立てることになったり
と、先の読めない展開で楽しませてくれます。
財宝を探すプロセスの上で次々と解読されていく暗号の謎解きなんかも、
少々ご都合主義的ではあるかな?と思いつつも、テンポが良くて面白い
ですし、次から次へと『意外な場所』
から手がかりが飛び出してくれるため、退屈せずに楽しませてくれます。
ニコラス・ケイジの演じる主人公が、これまた妙にオタクっぽくてカッコ悪い
んだけど、カッコ悪い所がカッコ良いというか、とにかく個性的で良い味を出していまして…
「パイレーツ〜〜」のジャック・スパロウ船長もそうだったけど、この監督って、こういう
『ちょっと変なんだけど味のある主人公』を描かせると凄く良いかも?
敵役であるイアンも、『目的の為には手段を選ばず』的な強硬な一面を見せながらも、
どこか悪役に成りきれないという憎めないキャラですし、
ちょっと抜けた感じの主人公の相棒や、やや
ステロタイプながらツボは押さえてるヒロイン
も良い感じですし、全体的にキャラの描き方が非常に上手い
と感じました。
唯一難点を挙げるとすれば、ラストの展開は
『そんなんで良いの?』とか思わなくも無かったですが…
まあ、ハリウッド映画だしね……
総評としましては、ごく普通に楽しめるごく普通なレベルの娯楽大作映画
と言った感じの映画です。
『娯楽映画として面白いか?』という点では文句無く面白いのですが、
「パイレーツ・オブ・カリビアン」
の様な映画としての驚きが感じられなかったのが、不満と言えば不満
でしょうか?
とまれ、ごく普通にトレジャーハント物の映画が好きな人や、冒険活劇を
楽しみたい人には無条件にお勧め出来る内容ですので、
なんとなく気になるって人はとりあえず観といて損は無い
でしょう。
ちなみに余談ですが、この『ソロモン王の財宝』
ってのは、歴史上でまだ発見されて無いとされる
ありとあらゆる財宝の中でも最大規模の物で、その
財宝の価値は60兆円になるとも言われており、
そりゃ大富豪だって血眼になって探す訳ですな。
でも、初っ端からこんな物凄い財宝を登場させちゃったら、続編とか作る事になったとしたら、
何を出してもスケールダウンしちゃうんですが…
どうするんですかね?
江戸に住む同性愛者のカップルである弥次さんと喜多さんは、江戸での喧騒に満ちた毎日に嫌気が差しつつ
も変わらない毎日の生活を送っていた。
そんなある日、『お伊勢さま参り』のダイレクトメールを受け取った弥次さんは、喜多さんの薬物中毒を治し
『本当の自分』を探すべく、江戸を出て『お伊勢さま参り』を目指して東海道を旅する事を決意する。
しかし、その道中で様々な人と出会い、様々なトラブルへと巻き込まれていくのだった。
そんな訳で、しりあがり寿原作のマンガを元に、
人気脚本家の宮藤官九郎氏が初監督を手がけたという、
まあ原作と監督だけでも十分に異色なんですが、実際にとにかく
異色でブットンだ内容の時代劇コメディ映画。
私、この映画に関しては、前提知識殆ど0の状態で観に行ったのですが…
いや、何がビックリしたって…
上映開始後10分ぐらいで、イキナリ
弥次さんと喜多さんの濃厚な絡みのシーンがある事。
TOKIOの長瀬智也が中村七之助(こっちの人は良く知らないけど人形みたいな美少年風の顔をした人)
を後から抱きしめたと思ったらディープキスキスですよ。
しかも、それを物凄い素で演じるもんだから、そりゃ
劇場から女の子の黄色い歓声も上がりますよ!!
そういう感じの設定だと言うのは知ってたんですが、
そんなシーンがいきなり出てくるとは思わなかった
ので、この時点で既に大爆笑。
速攻で、クドカンマジックにハメられてしまいました。
お話の方はストーリーは有って無いような感じで、基本的には
いつものクドカン作品のノリなんですが、今回は『ストーリーの合間にギャグをやってる』
ってノリではなく、むしろ『ギャグの合間にストーリーをやってる』
って感じ…
とにかく下らない小ネタとギャグの連発
、一つ一つのネタはそんなに面白い訳でも無いのですが、
余りにも下らなくて不条理なネタが絶え間なく連発される
ので、
良い意味で『笑うしかない』って感じです。
しかも、このギャグがイチイチ無駄に力が入ってて、
物凄くバカで無駄に豪華なキャストだったり、
逆にやたらと変なキャストだったり、
意味も無く有名人がカメオ出演してたりと、
悪ノリしすぎの暴走っぷりも楽しいです。
お話の構成も、弥次さん喜多さんが行く先々で
『笑いで全てを解決する』という「笑の宿」や、
『一日中みんなが歌を歌っている』という「歌の宿」や、何故か
『アーサー王がトロロ汁を販売』してる「王の宿」といった
珍妙な宿場を訪問して回るという、ちょっとオムニバスっぽい形式
が取られているおかげで、実際には
2時間超の結構長い映画ながらも、テンポも良く最後まで楽しませて
くれます。
…というか、楽しすぎて疲れます。(笑)
総評としましては、とにかく
バカネタ百連発って感じの『真性バカ映画』でした。
作品テーマなんかも、有るようで無いような
『テーマ性<<<<<<バカ度』って感じの作品なので、
まあ「バカな映画を観て、とりあえず何も考えずに笑っておきたい」
って人にはお勧めの作品です。
バカな映画は数あれど、ここまで『バカに徹してるだけの映画』
は久々(っていうか、他には「TOP SECRET!」って言う洋画ぐらいしか思いつかん)
だったので、色んな意味で楽しめました。
ノリ重視のクドカン節が嫌いじゃ無ければ、観に行っておく価値はあるでしょう。
1945年8月、太平洋戦争末期。
アメリカ軍の新型爆弾である原子爆弾の投下により広島を焦土と化された
日本軍は、2発目の原子爆弾が日本へと投下される準備がされつつ有る事を
察知する。
軍は2発目の原子爆弾の投下を未然に防ぐ為に、アメリカ軍の海上の輸送路
を断つべく、ドイツの協力によって作られた最新鋭潜水艦である『伊507』に
極秘任務を発令する。
それは『ローレライシステム』と呼ばれる、水中を見通す『目』とでも呼ぶべき
驚くべき機能を持った潜水艦だった。
最初にCMを見た時は『割とマジメな戦争映画かな?』
と思って居たのですが、
実際には最新鋭潜水艦である『伊507』の活躍を描いた、
架空戦記物の海洋冒険アクション映画
でした。
この映画を観てて一番最初に感じたのは、とにかく
『尺が足りてないなぁ』
と言うこと。
元々が結構分厚い上下巻の小説で、その内容を2時間強でやろうってんですから、
相当切り詰めないと尺が足りなくなるのも当然の事
なのですが…
特に最初の15分程度がその影響が顕著で、
ひたすらに状況説明や時代背景の説明
に終始した説明的なテロップとセリフとの連発
で、いきなりダルくなりそうでした。
ハッキリ言って、この尺の足りなさは全体的な内容にムチャクチャ響いてくる要素で、
とにかく説明不足な点が多い。
例えば『ローレライシステム』
ってのが、世界の軍事バランスを変えるほどの凄い
システムだって事は劇中で説明されるんだけど、これが
具体的にどう凄いのかの説明は
殆どされていない。
(この時代の戦艦同士の戦は排水量で勝負が決まると言われて居た程で、デカい主砲を
積んでる方が射程も攻撃力も圧倒的優位に立てるというのが常識でした。
また当時は戦争では戦艦というのは非常に大きなファクターで、弩級戦艦が1隻あれば
小さな国家なんかは降伏されられた程で、そんな中で『相手から存在を全く察知されずに
敵の射程外から攻撃力の高い魚雷によって一方的に相手を撃破出来る潜水艦』なんて
物が存在したら、そりゃ世界の軍事バランスを崩すほどの脅威となる訳です。)
歴史的な背景に関してもホントに最低限の部分しか描写も説明も無く、これも
太平洋戦争の戦史を多少は理解してないと少々分かり辛い。
また人物の書き込みも圧倒的に不足している部分が多く
て、戦争映画だけあって途中で
主役級の人物が命を落とすシーンなんかもあるのですが、それに関しても
『ふーん、死んじゃったんだ』って感じで、
なんともイマイチ盛り上がらない。
戦闘シーンに関しても、割と
戦争物が好きな人ならば特に説明が無くても分かるような
ネタやセリフが結構出てくるのですが、
これも本編で全く説明が無い
ので、ハッキリ言って
普通の人が観たら意味が分かり難いシーンが結構有るんでは?
恐らく原作ではこの辺が丁寧に描かれて居る
んだろうからベストセラー小説となったのでしょうが、映画版を観るだけでは
『何か凄く分かりづらい話』
という印象を受けてしまう部分が非常に大きいのは残念なところ。
ただし、じゃあ『全くダメな映画なのか?』
というとそういう訳でも無くて、
適度に切り詰められた内容のおかげでストーリー
のテンポなんかはなかなか良く、
序盤の15分を覗けば退屈するようなシーンも、盛り下がるようなシーンも殆ど無いです。
また、多少ベタベタの熱血チックな内容ではある物の、終盤の
艦長が艦内放送をする
シーンなんかは相当グッとくるものがありますし、
ヒロインの女の子のSFアニメチックな服装
なんかも『ミスマッチだなぁ…』と思いつつも、
素直にカッコ良くて可愛いです。
そして、やはり特筆すべきは
樋口監督お得意のスピーディな戦闘シーン。
序盤の駆逐艦との戦闘もカッコ良いですし、終盤の
アメリカ海軍の大艦隊と死闘を
演じるシーンは超燃える事間違い無し!!
欲を言えば、もう一回ぐらい戦闘シーンがあっても良かったかな?
とは思いますが、これ以上尺を切り詰めると、何がなんだか分からない映画になってしまいそうなので、
まあ多くは望みますまい。
そんな訳で総評としましては、
戦争映画として見ると正直言ってダメダメな映画
なのですが、
海洋冒険映画として見た場合はなかなか楽しめる娯楽作品
だと言って良いでしょう。
実は映画を観る前に、この映画の評価の噂をイロイロと聞いた所、
『結構面白い』って
評価と『全くダメダメ』って評価の
真っ二つに割れていたので、
どうなんだろう?と思っていた
のですが、観終わってみたら
成る程どちらの評価もなんとなく納得の行くような映画
でした。
そんな訳で、戦争映画を観ると言うよりは、アニメ感覚で頭を
からっぽにして観れば、なかなかに楽しめる映画だと思いますよ。
病気がちのため不登校で友達も居ない少女・観鈴は、夏休みの自由研究のテーマ
として、街に古くから伝わる『翼人伝説』を調べる途中で、人形芸をして日銭を
稼ぎ旅を続ける不思議な青年・国崎行人と出会う。
行人と親しくなっていくうちに、観鈴は『翼人伝説』の少女の悲恋物語に自分と
行人の姿を重ねて見るようになり、やがて二人は惹かれあうようになっていく…
美少女ゲーム好きなら知らない人は居ない
と言ってもいい、大ヒットしたアドベンチャーゲームである
「AIR」のアニメ映画化作品。
もともと、奥の深い設定と感動的なストーリー
が話題となった作品で、
実際のゲームのボリュームをそのまま映画化しようと思うと、
どうやっても20時間ぐらいかかってしまう
ような話なんですが、流石にストーリーをそのままトレースするような内容ではなくて、
原作をベースにかなり大胆なアレンジが加えられており…
というか、ぶっちゃけ
『「AIR」のキャラクターと設定を使った、全く別の話』
とでも言った方が違和感が無いかも?
何が違うって、なんつーか観鈴も行人も物凄く普通の性格
なんですよ…
あんまり突飛な行動をするキャラも居ない
し、子供たちも行人の芸を見て素直に
喜んでおひねりくれたり
しますし、翼人伝説の設定も微妙に違いますし、
挙句の果てに美凪や佳乃に関しては登場すらしません。
(まあ、モブシーンでちょっとだけ画面に映ってたりしますが)
この辺は原作を知っていれば知っているほど、物凄い違和感を感じる
と思います。
が、それが原因でツマんない話になっているのか?というと、
決してそういう訳では無く、確かに
最初の内はキャラクターの性格の違いや設定の違いに戸惑いを
感じていましたが、
物語の中盤辺りからグッとストーリーに引き込まれるような感じ
で、あまりその辺は気にならなくなります。
特に、
観鈴と行人がお互いに惹かれあっていくシーンの描写は秀逸
で、この辺に関してはゲーム版よりも良いんじゃないか?
と思った部分。
なんつーか観鈴がもう『普通に可愛い』んですよ。
夏の空気を感じさせる演出や雰囲気も良い感じ
(特に神社や廃校のシーンは良い)
ですし…
ただ、この監督の独自のノリなのか、どうしても違和感の拭えない演出
もあって、途中で何箇所か画面が劇画調の止め絵
になる演出が入ったりするんですが、同監督の
「エースをねらえ」や
「ブラックジャック」
みたいに、劇画調の絵が似合う作品でならそういう演出も良かったんでしょうが、
「AIR」
でそんな演出を使われてもなぁ…
あと、現在放映されている
TV版と比べると、絵があんまり綺麗じゃないって
のもちょっと気になった部分。
まあ、これはTV版のクオリティが凄すぎる
って噂もあるんですが、それでも
劇場用アニメなんだから、絵はもうちょっとガンバって欲しかったなぁ…
それと、どうしても納得いかなかったのは、OPテーマの
「鳥の詩」が
TV版で大不評だった理不尽編集版のまま
だって事。
TV版は尺の都合とかで分からなくも無いんだけど、別に
劇場用アニメなんだから
OPの長さをTVサイズに合わせる必要なんて全く無かっただろうに…
どうしてオリジナルのゲーム版と一緒にしなかったんだろう?
他には、ネタバレになってしまうので隠し文字で書きますが…
最後のオチは、あまりにも唐突でちょっとビックリしました。
まあ「AIR」の屈指の泣けるシーンである、「ゴール」のシーンを持ってくるのは
分かりますが、あれはゲーム版ではあのシーンまでの途轍もなく長い道のりを経るからこそ
感動するシーンなんであって、映画版の90分の枠であんな事をやられても、『えっ、嘘、
もう死んじゃうの!?』って感じにしかなりません…
尺が足らない都合上の説明不足で、『空の上の少女』と観鈴との関係も全然分からない
ままだしね。
でも、あの挿入歌「青空」はズルい、アレ聞いただけで泣けるもん!!(笑)
でも最後の終わり方に関しては、ゲーム版の『何が言いたいんか、よう分からんわ!!』
って感じのオチよりも、分かりやすくて良かったかもしれませんが…
総評としましては、
突っ込みどころや不満点も無くはないですが、総じて悪くは無い
内容だと思います。
この内容であれば
原作を知ってても知らなくても、そこそこに楽しめる
と思いますし…
ただ、『「AIR」の映画版を観にいくぞ!!』と
意気込んで行くと、ちょっと肩透かしを食らうかも
しれませんが…
まあ90分という枠を考えると驚異的に良くまとめてあると思うので、
「AIR」
みたいな別の話
を観るつもりで見れば、結構楽しめるのではないかと?
悪くは無いんだけど、
わざわざ数少ない上映館まで足を運んで見る価値があるかと
言われると微妙なところ
ですな。
個人的には、急がなければビデオでも十分かも?
強い怨念を抱いたまま死んだモノの呪い。
それは死んだモノが生前に棲していた場所に蓄積され、呪いとなる。
その呪いに触れたモノは命を失い、そして新たな呪いがうまれる。
日本で福祉を学ぶ留学生のカレンは、ボランティア活動で東京で寝たきり生活を送る
アメリカ人の老婆のエマの介護に行くために、郊外の一軒家を訪れる。
室内の荒れ果てた様子を不気味に感じつつも介護を始めたカレンだったが、突然、誰も
居ない筈の2階から物音が聞こえてくる。
不審に感じた彼女は、2階に上がり物音のする場所を探すが、それはガムテープで厳重
に目張りされた押入れの中から聞こえてくるのだった。
彼女は、思い切って押入れの扉を開けてみるが…
とまあ、ホラーファンの人にはお馴染みの、日本で公開され
『最も怖い映画』として話題になった
「呪怨」
シリーズのハリウッド化作品。
同じようにジャパニーズホラー作品としては
「THE リング」が既にハリウッド版として
リメイクされましたが、キャストや設定に大胆なアレンジを施していた
「THE リング」
に対してこちらは、
設定やストーリーもオリジナルの物語から殆ど改変されておらず
、舞台までもが全く同じ例の『郊外の一軒屋』
が使われており、ホントに
『外人のキャストを使って「呪怨」を撮り直してみました』
といった感じの作品になっています。
まあ、こちらはオリジナルの
清水監督本人がハリウッドに呼ばれ本人がメガホンを取って映画を作った
という事ですので同じようになるのも当然と言えば当然なんですが、
良くも悪くも「呪怨」は「呪怨」だな…
って感じのお話です。
ストーリーに関しても、オリジナルの
「呪怨」
シリーズ(ビデオ版・劇場版1〜2)の美味しいところ取り
をしたような感じで、
『ああ、こういうシーンあったよね!!』って感じで
面白くはあるんですが目新しさは無い
です。
じゃあ、オリジナルのシリーズを既に観てる人は見る価値が無いのか?
と言うとさもありなん!!
オリジナルのシリーズでは、ストーリーや人間関係の繋がりが非常に分かり辛くて、
観終わった後にはてな?となる事が多かった
のですが、ハリウッド効果なのかサム・ライミ効果なのか
非常に明快で分かりやすいストーリーになっています。
加えて、演出に関しても日本版では低予算からかヤボったい演出も多かった所が、流石に
ハリウッドのスタッフと予算を使える
だけの事はあって、
清水監督お得意のジメジメとした感じを残しつつも随分と
洗練された感じに仕上がって居るのは好感触。
キャスティングに関しても、サラ・ミシェル・ゲラーとかクレア・デュバルとか、
『いかにもホラー映画!!』
って感じのキャストが揃ってるのは個人的には嬉しい所です。
ただ、不満点を上げるとすれば、
怖いシーンまでもがオリジナルシリーズの美味しいところ取り
みたいな部分が多くて、オリジナルを観ている人には
『この次にこういうシーンが来る!!』って言うのが先に予測できてしまう
シーンが多くて、怖さが少々半減してしまう事。
せっかくハリウッドのスタッフと潤沢な予算があるんだから、もっと
度肝を抜くような凄く怖い映像を作って見せて欲しかった
です。
この辺は、もうちょっとサービスして欲しかったなぁ…。
あと割と下らない事なんですが、日本で暮らしている外国人が主人公って設定のせいで、凄く
緊迫したシーンなのに妙にカタコトの日本語で喋る
シーンとかが結構あって、ついつい可笑しくて
笑いそうになってしまったのは私だけですか?
なんか「キル=ビル」の
『ヤッチマイナー!!』
みたいなノリを思い出しましたよ。
総評としましては、凄く怖いとかって言う部分を除いてサスペンス的な要素としても、
ごく普通に面白い映画に仕上がっている
と思います。
正直、日本版の「呪怨」はホラーファンの意外の
人には勧めづらかったのですが、
ハリウッド版なら万人に勧めても問題無いかも?
「呪怨」
とかって気になってたんだけど、なんとなく観て無いんだよなぁ…とかって感じの人は
この機会に観てみておいても良いのではないかと。
あと、オリジナルの「呪怨」シリーズが好きな人や、
『観たけど話が分かり難かったなぁ』とかって感じてる人には、特にお勧めです。
個人的には「呪怨(完全版)」と言っても良いような作品
だと思いますので、その手の話が好きならばチェキしといて損は無い
でしょう。
あと、どうでも良いことなんですが、劇中で
大学教授が自殺したマンションのある神田の町並み
をみると、どうしても「R.O.D THE TV」
を思い出してしまい(というか、そうとしか見えないぐらい凄い再現度だ)、
『きっとこのマンションには紙使いの三姉妹が住んでるんだ』
とかって、しょうもない事を考えてしまったのは俺だけですか?