上井密度弐號が最近観た映画に関するレビューです。
   改めて書くと、何か非常にジャンルが偏ってる気がするなぁ…
   ホラー好きな人は結構参考になるかも?

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  ゴジラ×メガギラス G消滅作戦

 2000年よりはじまった、 ミレニアムゴジラシリーズの第2段です。
 前作が酷評されていた割に、今作は比較的前評判も高かったので、劇場まで 観に行ってみたのですが…
 今作は、ミレニアムゴジラシリーズということで、前作までの平成ゴジラ等 のシリーズとは、また世界観の違った新シリーズって事になっています。
 基本的に昭和ゴジラ、平成ゴジラ、ミレニアムゴジラは 別の時間軸のパラレルワールド的な扱い になっているようで、今作の冒頭でいままでのゴジラ襲撃の 背景が語られるのですが、今作は現在の日本の歴史の流れから結構外れており、 ゴジラの襲撃によって首都が大阪に移転されていたり、日本が原子力発電を 放棄していたり…と、色々と正史と違う展開になっているのですが、 ここまで正史をいじっちゃうと、今後の続編 作る時にも同じ解説しなきゃ、歴史背景が分かり難くなるので、 あんまり良くないのでは? とかチト心配になりました。
 まぁ、それはさておき、今作のゴジラがどんな話かと言うと…

 相次ぐゴジラの襲撃に豪を煮やした対ゴジラ組織「Gグラスパー」は、遂に ゴジラを地上から抹殺すべく最終兵器を投入することを決定した、その最終兵器 とは マイクロブラックホールをゴジラ目掛けて 発射して、ゴジラを重力井戸に閉じ込めてしまう という新兵器「ブラックホール砲」だった。
 かくして開発されたブラックホール砲の実験は首尾よく完了し、後はゴジラ を倒すために実戦配備するのみ、となるはずだった。
 しかし、ブラックホール砲の実験によって 出来た時空の歪みは、思わぬ新たな敵メガギラスを呼び寄せる 事となってしまったのだった…

 とまぁ、だいたいこんな感じの話なのですが、お話全体としてはストーリーは なかなか良くまとまっていると思います。
 ただ、しかし前作もそうだったのですが、ミレニアムゴジラシリーズはどうにも 「お話の前半がタルい」話が盛り上がり出す までの、前準備的な解説部分が長すぎて、盛り上がるまでに眠くなってしまいます。
 前半にメガギラスが登場する部分でサスペンス的な要素を盛り込み、話が展開 していくのですが、この部分がイマイチ冗長で盛り上がらない。メガギラスの 生態に関してや、幼虫(メガヌロン)〜成虫(メガニューラ)に成長するプロセス なんかの描き込みが足りないため、この部分がなんだか良く分からない。
 途中で幼虫が渋谷の町で民間人を襲うワンカットがあるものの、あんな凶暴な 幼虫が渋谷の地下にウジャウジャ居たら、もっと大パニックが発生していると 思うんだけど、その辺が全然描かれていないために、 いつのまにか渋谷が水没して トンボのオバケが一杯発生してました。って感じになってしまっているのが、 どうにも惜しい。
 もう少しこの辺は、丁寧に描きこんで欲しかった ところである。
 それに、前半で少年が渋谷でメガヌロンの卵をこっそり捨てるシーンがあるも のの、このシーンってはっきりいって無駄だと思うんだけど…大体、この少年も 意味ありげに登場した割に、本編に全然絡んでこないし…なんか無駄なキャス ティングだなぁ。

 しかし、前半の冗長な展開さえ我慢すれば、 後半のゴジラ対メガギラスの全面 対決シーンは、なかなか面白くて良し!!
 ゴジラとメガギラスの戦闘を、CGとの合成により実写背景に上手く溶け込ま せて戦いのスケール感を出している演出は、まだまだ荒削りな部分も多いながら もなかなかの迫力だし、お台場を舞台にした戦闘では単に CGに頼り切らずに ミニチュアを用いた名所破壊も、しっかりやってくれる所がなかなか怪獣映画 ファンの心理を良く分かっています。
 新怪獣メガギラスも吊演とCGを合成することで、今までに無いタイプの 「非常に素早い怪獣」ってイメージを、 上手く出しており、スピーディーな対決シーンは斬新で面白いです。
 しかし、今回の監督の特徴か、ゴジラのアクション が妙にコミカルで漫画的な部分が多く、イマイチ重厚感が出ていないのがちょっとマイナス 要素でしょうか?
 ラストのブラックホール砲発射からの「G消滅作戦」 のシーンも、盛り上がり十分で面白かったのです。
 個人的に不満を言うならば、今回のG対策組織の「Gグラスパー」は、 平成ゴジラでは自衛隊の延長だった「G−FORCE」に比べて、完全な 独立組織として描かれているのがチト不満点。
 ウルトラ警備隊的な超兵器を持った組織もいいですが、やっぱ現存の通常 兵器とゴジラの全面衝突を描く、派手なドンパチ のシーンが無いのはどうにも寂しいです。 まぁ、今回は自衛隊の全面協力が取り付けれなかった為に、 このような展開になったのでしょうが、次回以降に期待かなぁ?

 全体的な感想としては、 突っ込みどころや不満点も多いけど、盛り上がる シーンはキチンと盛り上がるし、このところ低迷しているゴジラシリーズの 中では十分及第点の映画なので 怪獣好きなら観といても損は無いでしょう、 といった処です。
 あと、数ある突っ込みどころの中で一番疑問に思ったのは…
 ブラックホール砲の実験の影響でメガギラスが 出現したのは分かってるのに、そんな危険な兵器を何のためらいも無く東京 上空でぶっ放していいのか?
 また変な怪獣が出てきたら、どないするつもりやねん?
 …はっ、もしかしてこれが次回作への伏線? (違)


  ホワット・ライズ・ビニーズ

 さて今正月の注目のサスペンス映画 ですが、モノがサスペンスなだけに に感想を書くとなると、どうしてもある程度ネタバレしなきゃならなくなる のですが…そんな訳で今回のレビューは 若干ネタバレありです。
 出来るだけ話の核心の部分には触れない ように感想を書きますが、これから この映画を観に行く予定の人は、なるべくここから 先は読まないようにご注意ください。

 TVのCMで「たった一度だけの過ちが…」 といった感じのコピーのCMが流れていますが、実は私は殆どあのCMのみ、 といった事前情報無し状態で映画を観に行きました。
 で、大まかにどんなお話かと説明すると…
 娘を大学の寮へと入寮させ、先日まで賑やかだった家で二人で静かに暮らす 主人公夫婦のお隣に、奇妙な学者夫婦が引っ越してきます。
 この夫婦の奥さんは情緒不安定気味、 旦那もどこか不気味な男性でどうにも不審な行動が多い、そしてある日 を境に隣家の奥さんがフッと姿をくらましてしまい、それと同時に主人公夫婦 の家に奇妙な心霊現象のような現象が 起こり始める。
 主人公(主人公夫婦の奥さんの方)は、 殺された隣家の奥さんの幽霊の仕業 だと考え、独自に調査を始めるが…
 といった感じの出だしのストーリーで、この後にサスペンスの定番として 当然の如く物語が二転三転していく訳 なのですが、主人公が一人娘を大学の寮にやった事で 情緒不安定になっていたり、1年前に何か の原因で交通事故を起こして心に傷を負って いたり、主人公と旦那は実は再婚で、 娘は実の娘では無かったり…と言った具合 に、主人公周りだけでも異常なほど謎解きの 手掛かりっぽい事柄が山積みな処に、 旦那や隣夫婦といった連中まで秘密を持ってそう な感じで、それらの情報が物語の序盤で一気に提示されるので、はっ きりいって見てる側は、サスペンスの謎解きを楽しむって言うよりも、 情報の整理だけで頭がパンクしそうになります。

 ストーリーテリングに関しても演出に関しても、結構 ヒッチコックを意識してるなぁ。って感じ の演出 (特に序盤の隣家を覗き見する奥さんは、 なんとなく「裏窓」を彷彿とさせます)が随所に見られるのですが、もともと コメディ系の得意なロバート・ゼメキス監督( 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ロマンシングストーン」が代表作)だけに、 頑張ってはいるんだけどイマイチこなれてない といった感じは否めないところです。
 しかも、前述した謎解きのヒント提示にしても、本編にあまり関係のない 「余分な手掛かり」のせいで、無駄に 尺が長くなってるっぽい部分があり、 コメディ映画では、非常にテンポの良い展開が得意な監督なのに、どうしち まったんだ?って感じです。
 はっきりいって前日寝不足だったせいもあり、 序盤は上映中に寝てしまわないようにするのに必死 でした。

 しかし、文句ばっかり書いてますが 「じゃぁ、面白くなかったのか?」と 聞かれると、そう言う訳でもなく、ストーリーや 後半〜クライマックスでの盛り上げ方は非常に良く出来ており、ラストも なかなか捻りの効いた展開で楽しませてくれます。
 心霊現象をモチーフとしたミステリー といったアイデアも、なかなか斬新 で面白かったので、 もう少し演出がこなれてれば非常に面白くなった だろうと思える部分が多く、非常に惜しい作品 でした。
 どうせなら、 同様のアイデアでデ・パルマ監督辺りに撮って 貰いたかったかも?(って、それじゃ怖くなりすぎるか。(笑))

 総評としては、ミステリーとしては割りと良く出来ているので、その手 の映画が好きなら結構楽しめますが、ちょっと尺が長めで退屈なシーンも 多いので、劇場で観るよりも、お暇な時にビデオ 等で余裕を持って楽しむ事をお薦め。って感じの映画でした。
 ちなみにコノ映画、どういう訳かショッカー映画的にやたらと 「観客を驚かせよう」 とする演出が異常に多くて、私も 2〜3回椅子からノケゾリそうになって しまったので、心臓が弱い人や、その手の演出が苦手な人は 注意して見るようにしましょう。


  ピッチブラック

 恒星間を航行する連絡船で事故が発生し、宇宙船はとある惑星へと不時着する。 その宇宙船が不時着した惑星は3つの太陽を持つ『夜の無い惑星』。
 だが、この惑星は以前に惑星の調査を行っていた調査チームの全員が謎の失踪 を遂げたいわくつきの惑星だった…。
 以前の調査チームに何があったのか?不時着した惑星から彼らが脱出する方法 はあるのか?
 そんな矢先に、その惑星に22年に1度の皆既日食が訪れる。そして闇の中に蠢く 恐るべき影が地上へと姿を表す…。
 とまぁ、そんな感じのお話です。

 概要を見れば分かるとおり、 どっかで見たような設定のオンパレード。 怪物の住む惑星の話は殆ど「エイリアン2&3」 って感じだし、暗闇に乗じて出てくる怪物ってのは何 か「スクワーム」を彷彿とさせる設定だし… って感じで、期待半分で観に行ったのですが…
 なかなかどうして、設定は今までの映画の「寄せ集め」 的ながらも、お話自体は破綻せずになかなか良くまとまった映画でした。
 見所としては、この手のモンスター物の定石パターンとして、前半は怪物の存在 を臭わせつつミステリー的な要素を含んだ展開となるのですが、ここでの登場人物 の設定がなかなか面白く、凶悪脱獄殺人犯と犯人を護送する刑事とか、墜落の際に 自分が助かるために乗客を見殺しにしようとするパイロットとか、密輸業者とか、 巡礼中のイスラム教徒など、なかなか癖のある連中揃い で、怪物の存在に加え人間関係のサスペンスも絡めて、なかなか緊迫したお話が 楽しめます。
 そして、怪物の正体と謎解きが進んでの、いよいよ話の盛り上がる中盤の 「皆既日食」のシーンは、 なかなかのスペクタクル。美術的なセンスの 良さも光るシーンで一見の価値あり!!
 後半はお約束的に「怪物大暴れ」な展開 になるのですが、この怪物が「ジグラと平成ギャオスを 足して変異体クラヴォイス(トレマーズ2)で割った」ようなデザイン (分かり難い表現でスマヌ)なのですが、手にはパイルバンカー装備だっ たり、大きいの小さいの取り揃えてうじゃうじゃいたりで、デザイン的にも結構 カッコ良くて、かつ妙にリアリティがあり、 非常に存在感のある怪物に仕上がって います。
 ただ、モンスターに関して文句を言うとすれば「闇の中を徘徊する怪物」って 設定なので、せっかくのカッコいいデザインながら、あんまりじっくりと見ること が出来ない事でしょうか。
 この辺は、もう少しサービスして怪物との絡みを、 しっかり見せてくれても良かったのでは?とかって思ってしまいます。

 お話に関しては、まぁ「どっかで見たような設定」同様に、 予想どおりの展開 って感じのストーリーなのですが、B級ながら「B+」 程度の評価をあげられる ぐらい内容で、舞台背景の設定から登場人物の描き方、お話の構成まで、全体的 に「しっかり作られてるなぁ」って感じで、 B級マニアとしては好感の持てる作品でした。
 でも、欲を言うとすれば、手堅いんだけどもう少しサービス精神があっても 良かったかな?って感じで、堅実なんだけど盛り上がるべきシーンでの得ら れるカタルシスが少ないのがチト不満。 ラストも少し盛り上がりに欠けるしなぁ…。

 総評としては、不満点はあるものの、それなりに良く出来たB級ホラーでは あるので、その手の作品が好きな人には、劇場まで 行かないまでもビデオで見ておく程度の価値はあると思います。
 小さい画面では、この映画の最大の見所の、 荒涼とした惑星の描写や、皆既日食のシーンのスペクタクル的な描写の迫力が 無くなってしまうのが残念なところですが…


  デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!

 最初は劇場で観たわけでもないので、日記の方に載せようと思ったんだけど、 期せずして長くなってしまったので、こっちにアップします。
 兼ねてから「完成度が高い」とのウワサを 聞いており、デジモンはTVシリーズの頃から結構好きだったので、その内観よう と思いつつ、なかなか観れてなかった本作ですが、先日ようやく観る事が出来まし たので、とりあえず感想を…。
 お話としては、TVシリーズの 「デジモンアドベンチャー(以後デジモン)」から 「デジモンアドベンチャー02(以後02)」 への中間的な時間的背景(デジモンの主人公達がデジモンワールドから帰ってきて、 02の主人公達に出会う前)の位置付け にあたるのが本作品ですが、まず、本作をみて最初に 驚いたのが、お話がTVシリーズと完全にリンクしていること。
 普通、こういったTVシリーズの劇場用アニメというと、本編とは少し切り離され た「番外編」的な位置付け(物によってはパラレルワールド的扱いの物もある)の 作品が多いのですが、ここまで完全に前シリーズと新シリーズの中間といった位置付け で作品が作られているのは珍しく、特にTVシリーズを観ていた人間にとっては嬉しい 限りです。
 本編のストーリーとしては、ある日突然、ネットワーク上に出現した 「謎の新種デジモン」、その謎を究明していく うちに主人公達は人類の命運を左右するほどの大事件へと巻き込まれていく。 と言った、アニメとしてはある意味ありがちなお話 なのですが、何が上手いって、色んな意味で ストーリーテリングや演出が非常に秀逸 です。
 物語の発端として、主人公の一人が「謎のデジモン」を発見するといった下りから の展開が、映画の中の時間と上映中の現実時間とで、ほぼリアルタイムにシンクロ する(映画内での10分が現実でも10分に相当する)ように描かれており、リアルタイム 上で非常にテンポの早い物語を展開する事によって、主人公達の焦りが視聴者側にも ダイレクトに伝わり、本編を全体を通して 非常に緊張感のある作りになっています。
 また、デジモン同士の戦闘シーンでも、3Dで描かれたデジモンのCG画像を2D 的に処理しアニメ映像に合成するといった技術を用いており、通常のセルアニメでは 表現しきれないような、 非常にダイナミックでスピード感のある映像を作り出して います。
 期せずして、同時期に公開されていた 「アイアンジャイアント」でも、同様の3D CGの処理の手法が使われており、ジャイアントではジャイアントの巨大感やダイナ ミックなアクションが表現され、デジモンではスピード感が表現されており、見比べ てみると、なかなか好対照で面白いです。
 また、ファンサービス的な部分も忘れてはおらず、02の新キャラがカメオ的に 出演していたり、お父さん、お母さん層が若い頃に「ティーン向けSF映画」として ヒットした「ウォーゲーム」という映画のパロディ (なるほど、それで「ぼくらのウォーゲーム!」なのか !!と納得)があったり、細かいサービスの盛り込みも楽しいです。
 ストーリーに関しても、子供にとっては多少難解(メールの転送のくだりとか 特に…)な部分もあるかもしれませんが、 王道ながら非常に燃える展開です。また、 全体的に非常に物語のテンポが早く、付加的な状況説明を敢えて省いて話を展開 させているため、TVシリーズを知らない人間でも帰って細かい部分を気にせずに 楽しめるようになっているのも上手いです。
 とにかく本編40分の間に、これでもか!! というくらいの様々な要素が詰め込 まれており、非常に密度が濃く楽しめる作品になっています。

 ただ、不満点を述べるとすれば、やはり 本編の40分といった長さはチト短すぎる 気もします。この本編の非常な短さのせいで、どうにも説明不足な部分もいくつか あります。実際に私は2〜3回繰り返して観るまでは、細かい演出といった部分まで 気が回らなかったので、 劇場で一度観ただけでは本編は楽しみきれないのでは?と 感じました。
 また、尺の短さによる弊害か、活躍する登場人物がTVシリーズの主人公達の内、 3人のみっていうのもチト寂しいところです。やはりファン心理としては、 もう少し尺を長くしてでも、それぞれのキャラクターに少しづつでも見せ場を与えて欲し かった所。 また、ラストの「タイムリミット10分」 のシーンは、もう少し引っ張って盛り上げても良かったのでは?と感じました。
 他に絵柄がTVシリーズと衝撃的なぐらい違う のも、かなり不満だなぁ。

 総評としては、とりあえずいくらか不満はあるものの、ここ数年の SFアニメとしては出色の出来なのは確かです。 TVシリーズを好きだった人は迷わず観て おくべし!!ってところでしょう。 ファン以外でも、SFアニメ好きなら観といても損は無い出来だと思います。

 あと、最後に一言だけ突っ込み…ヤマトよ 「島根にパソコンなんかねーよ。」って、 そりゃいくらなんでも島根の人に失礼だって。(笑) (でも、デジバイスってパソコンのどこのポートに繋ぐんだ?やっぱUSB?)


  最終絶叫計画

 感想をアップしようと思ったんだけど、 さて困った。一体どうやってこの映画の 感想をアップしたものか?
 感想が書けないといっても、この映画の場合は「複雑なストーリーや伏線の為に ネタばれに触れずに感想を書くのが難しい」とかって訳では無くって、この映画 ってホントに「何のストーリーも無い映画」 なので、感想を書くのが困難なんですよ。
 映画ファンであれば、ポスターやらCMやらを観ればある程度見当がつくと思い ますが、この映画は基本的に「スクリーム」の パロディになっています。っていう か冒頭のシーン、ポップコーンを作る女性の元にかかってくる不審な電話。
「クイズをしよう、ホラー映画は好きか?」  って、このシーンだけで、ホラー映画ファンであればニヤリとすることウケアイ ですが、ストーリーから、カメラワーク、台詞、キャスティングまで、まんま 「スクリーム」のパロディになっています。(キャラの名前とかまで、まんま パクっているので、いっそ清々しいです。(笑)ホラーオタクの青年が居ないのは 少し残念ですが…)
 その後のストーリー展開にしても、まったくそのまんま 「スクリーム」「ラストサマー」のパロディ。 カメラワークから台詞回しまで、あまりにもそのままパロディ にしてるので、両作品を見ていれば 「あぁ、こんなシーンあったなぁ。この後、 こういう展開になるんだっけ。」と言う風にニヤニヤしながら、そのシーンが どういう風にパロディとして味付けされているかを楽しめます。
 殺人鬼にしても骸骨マスク(スクリーム)にカギ爪(ラストサマー)を持った怪人、 って念の入り具合です。
 他にも小技的に、あちこちでメジャー作品のパロディとかを取り入れていて、 私が気付いただけでも、 「マトリックス」「シックスセンス」「タイタニック」 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「シャイニング」「エルム街の悪夢」 と言った映画のパロディが見て取れ、そういった元ネタ探しもなかなか楽しい 要素です。
 といった訳で、個人的にはそれなりに笑わせて貰い、楽しむ事が出来たのですが、 やっぱこの手のパロディ映画の最大の欠点として 「元の映画を観てないと、何が 楽しいのか分からない」といった事が上げられるでしょう。
 この作品では特にその傾向が顕著で、 「スクリーム」と「ラストサマー」を観て ない人は、この映画を20%程度しか楽しむ事が出来ないのでは?と思います。  また、パロディの内容にやたらと下ネタが多く、 かなり下品なネタの連発に抵抗の ある人には向いてないでしょう。

 まぁ、総評としては 「ホラーファンなら観ておいていいけど、わざわざ劇場まで 足を運ぶほどの事は無いなぁ」って程度の映画です。
 ちなみに「スクリーム」(出来れば「スクリーム2」も)と「ラストサマー」 を観てない人はホントに訳が分からないと思うので、この映画は観ない方がいいと 思います。
 どうしても観たい場合は予習してから観ましょうね。


  さくや/妖怪伝

 実は私、この映画に関しては「どうせ妖怪映画だし特に話題にもなってない事だ し、大した事はあるまい。」とタカをくくっていました。
 しかし、こいつがとんでもない掘り出し物 でした。少なくとも日本特撮映画としては 「平成ガメラ」以来の快挙かも!!
 お話としては、富士山を噴火させる事によって黄泉の門を開き日本を妖怪の 国にしようとする土蜘蛛の女王と、代々妖怪と闘う事を生業とする妖怪狩りの 一族である榊家の新党首さくやとの闘い、といったお話なのですが、まずキャス ティングが、主人公のさくや役に「ガメラ3」にも出演していた安藤希、土蜘蛛の 女王に松坂慶子、他にも主人公の周りを固めるサブキャラとして、藤岡弘や丹波 哲郎、嶋田久作など特撮ファンならニヤリとする ような配役。
 安藤希のためだけに毎週「おはスタ」を 観ていたオイラ的には、安藤希のアクションシーンが見れるだけでも十分OK な感じです。(^^)
 ストーリー的にも、まぁありがちなお話ではあるのですが、単なる妖怪と人間の 対決といった対決物に収まらずに、短い上映時間の中に 「妖怪と人間との共存」「姉弟の絆」といった部分も上手に取り入れて 描いており、しかも途中で張られた伏線にも実に無駄が無い。
 それでいて特撮としての見所も十分で、子供が見ても十分に楽しめるような お話になっており、まさに 娯楽大作としての素養を備えた映画に仕上 がっています。
 そして、ストーリーもさることながら、とにかく 特撮の完成度が素晴らしい!!
 ラストの巨大化(身長40m)した土蜘蛛の女王とさくやの対決シーンは、 松坂慶子の演技力も手伝って圧倒的な存在感を見せる土蜘蛛の女王が、手から稲妻 を発して画面狭しと大暴れ!! 凄いです!凄すぎます!!松坂慶子!! 土蜘蛛の女王の強さを無闇な特殊メイク等に頼らず(殆ど素顔に派手目のメイクのみ)、 演技力と華麗な動きで演じきっているのが、 かなりカッコいいです!!
 対して等身大ヒロインであるさくやの側の視点で、町の破壊シーンを捉える事で 対決シーンも実にスピード感のある画面構成になっています。普通、こういった 巨大なキャラクターとの絡みってのは、どうしても不自然になりがちですが、この スピード感のある画面構成のお陰で、そういった不自然さが殆ど無いです。
 特撮に関しては、流石に 「平成ガメラ」シリーズを手がけた樋口監督 の手腕によるところが大きく、実に 「ガメラ3」の渋谷炎上シーン以来、久々に震えの来る ような特撮シーンに大満足といった出来栄えでした。

 ただ、不満点を述べるとすれば、ストーリーの前半での妖怪との(河童や猫又) 対決シーンは、そんなに派手な演出がなされておらず、 安藤希自体が「ガメラ3」 の頃に比べ演技は上手くなったとは言え、やはり アクションシーンに関してはイマイチな感じ もあって、ちょっとヘボ目の特撮番組を見ているような感じ。
 画面構成や雰囲気作りは素晴らしく、ストーリー的には後半の対決シーンを語る 上で無駄になるようなシーンでは無いのですが、出来れば もうちょっと派手な演出があっても良かったかな? ってところでした。

 ともあれ、総評としては「数年来の日本特撮としては最高傑作」といっても 過言では無いほどの素晴らしい出来栄えなので、 日本特撮のファンならば「M:I-2」 なんか差し置いてでも速攻で観に行くべし!!
 特撮好きの人で 「どうせヘボ目の美少女アクションを売りにした妖怪 映画でしょ」とかって考えてる人は、その考えを捨てて下さい。
 後半はまるっきり「怪獣映画」ですので。(笑)
 個人的には「猛烈にシリーズ化希望!!」です。 その為にも興行収益を増やすべく、みんな劇場まで今すぐ観に行きましょう!!


  TATARI

 その昔、マッドサイエンティストの院長によって恐るべき人体実験が行われていた 精神病院。火災によって収監者の殆どは死亡し現在は廃墟となっている…
 とある大富豪が、その病院跡を買い取り妻の誕生日パーティーにあるゲームを催す 事となった。ゲームのルールは「この精神病院跡の 廃墟で、一晩無事に過ごせれば1億円進呈」というもの、そして病院には血も 凍るような恐ろしい仕掛けが…
 しかし、いざパーティを始めると集まったのは大富豪の招待していない筈のメンバー だった。大富豪は参加者の意図を探るために、そのまま狂気のパーティーを開始する。
 とまぁ、メインのストーリーは、だいたいこんな感じのストーリーの映画です。
 いわゆる一昔前に流行った「お化け屋敷映画」 的な内容で、実際に白黒時代に作られた「地獄へと続く部屋」って映画のリメイク らしいのですが、最新のCGや特撮技術を用いてホラーの演出がなされており、 ゴシックホラー的な雰囲気でありながら、 視覚的な怖さもなかなかのものです。
 同じようなコンセプトで作られた、ヤン=デポンの「ホーンティング」に対して、 こちらは純粋にホラーとしての演出の強化としてCG技術 が用いられており、こっちの監督の方がホラーの事を 良く分かっているなぁ、って感じでした。
 ストーリーに関しては、単なるお化けの登場するホラー映画って話ではなくって、 元々仕掛けを作って参加者を驚かそうとしていた大富豪と、その大富豪と離婚寸前の 不仲の妻、その他の登場人物の思惑が絡み合って、 2転3転とするストーリー展開サスペンス的な仕立てになっており、 先の読めない展開で楽しませてくれます。
 しかし、逆にこの複雑なストーリーのせいで、物語の終盤まで お話を追う事に 夢中になってしまって、純粋に怖さを堪能する事が出来ないのがマイナス といえばマイナス点。廃墟となった精神病院の雰囲気や、 モノクロ映像の中から抜け出してきたような不気味な 医者の幽霊の存在など、 怖がらせる要素も結構良く出来ていた だけに、もう少しこの辺をしっかり描いてくれれば、 怖さが倍増していたと思えるだけに少し残念なところでした。

 総評としては、「ホラー好きなら見る価値あり」 だと思うのですが、どちら かって言うと劇場で観るよりも、 ビデオで借りてきて夜中に一人で部屋の電気を 消して見るのが正しい観かたかも?
 ゴシックホラー的な雰囲気が好きな人なら、結構楽しめると思います。


  ミッションインポッシブル2

 2000年夏一番の話題作である「M:I-2」を見てまいりました。
 前作はサスペンスの巨匠デ・パルマ監督だったのに対し、今回はどっちかって 言うとアクション畑のジョン・ウー監督って事で、どんな続編になってるのかと 期待していたのですが…。
 さて、今回のレビューは若干のネタバレが含まれます。 映画を楽しむ上では問題 ないレベルだと思いますが、純粋に映画を楽しみたい人は読まない様にして下さい。

 「おはようハントくん、さて今回の君の任務だが…」 っていつもながらのフレーズ で、主人公であるイーサン・ハント(トム・クルーズ)が任務の説明を受ける冒頭か らお話が始まります。
 今回のお話は、とある製薬会社の研究所で偶然作り出された感染した人間を20時間 で死亡させる、恐怖の殺人ウィルス「キメラ」
 この「キメラ」を盗み出し、それを武器に無差別テロを行い製薬会社を恐喝しよう とするテロ組織と、それを阻止しようとするIMFの対決を描いた、 まぁスパイ映画には なんともありがちなストーリーのお話です。

 ストーリー的な仕掛けも若干あるのですが、基本的にはそこまで凝った話では無い ので、殆ど気にする程のものでもありません。
 この映画の見所は、前作に比べて当社比400%ぐらいワ イルドになったイーサン・ ハントをにより、ひたすらスピーディーに展開されるアクションシーン!!これにつ きます。
 とにかくアクションが派手派手「振り向いて銃を撃つ」といったアクションや 「敵の銃撃の中を走り抜ける」といった、 比較的普通のアクションのシーンでも、 やたらとオーバーアクト&カメラワークの派手さで、ひたすらカッコよく見せます。  しかも、それが嫌味にならず、イチイチきまっているトム・クルーズのカッコ良い 事!!
 もちろんメインのアクションシーンである、銃撃戦や格闘シーンは恐ろしく力が 入っており、アメリカ映画にしてカンフー映画並の スピード感があります。
 特にストーリー後半の、製薬会社潜入〜バイク アクションのシーンは、とにかく凄い!! 1カットで日本の刑事ドラマ1クール分ぐらいの派手 さ加減で「これぞアクション映画」って感じ の内容でした。

 ただ欲を言えば、映画本編が2時間ぐらいあるのですが、 前半の1時間程度の展開がちょっと冗長 で、個人的には思わず眠くなってしまいました。(まぁ、前作ほど じゃないけど。(笑))どうせなら前半をもう少し簡潔にまとめて、90分程度にテンポ よく収めてくれた方が良かったです。
 あと、新世代の007とかってウワサもされてるようですが、007的な スパイの 小道具や、秘密兵器が今回は無かったのがチト不満でした。 (前作では爆発するチューインガムとかあったのに。)
 「スパイ大作戦」といえば…的に、「変装」シーンは腐るほど出てくるのですが。

 総評としては、ありがちながら 「アクション映画好きなら劇場で見ておくべし!!」 ってレベルの映画でしょう。アクション映画はやっぱデッカイ画面で見ないとね。
 ちなみに見終わった後、思わず意味も無く「側転」 とか「回し蹴り」とかしたくなるかもしれませんが、劇場内で暴れるとそのまま IMFのエージェントに取り押さえられる恐れがあるので、注意しましょう。
 って、そんな単純に感化されるの俺だけだって?(^^;


  ブレア・ウィッチ・プロジェクト

 この映画でネタばれしちゃうのは問題ありだと思うので、今回はなるべく ネタばれ無しで行きます。
 いつもは、劇場公開にて観た映画のレビューのみを書くようにしてるのですが、 今回は珍しく、レンタルビデオで観てからのレビュー です。
 あちこちで結構話題になっており、レンタルビデオでも結構人気の高い当作品 ですが、これから観ようとしてる人に、まず一言。 「必ず予習してから観てください!!」
 この作品を予習無しで見た場合、作品の50%も楽しめないと思います。これから観よう って人は、今すぐインターネットで情報を検索するなり、予習用のビデオ(店によっては 無料で貸し出しされてます)を観て予習をしておきましょう。

 さて、映画の大まかなストーリーですが、卒業研究の課題としてドキュメンタリー 映画のフィルムを撮影することになった大学生の3人が 行方不明となった。懸命な捜索にもかかわらず大学生3名の行方は知れず、 それから1年後、その3人が撮影したと思 われるテープが偶然発見された。
 その3人の学生が撮影に赴いた先が「ブレアの森」 で、ドキュメンタリーの題材として選んだものが 「ブレア魔女伝説」、そして今回発見されたテープが、この映画 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」そのもの といった背景になっています。
 ところが映画の本編は、このドキュメンタリーフィルムそのものが公開されたといった 設定となっているため、そういった背景に関しては映画の中ではまったく語られません。
 しかも映画本編は、学生の手持ちカメラの映像のみで地味なことこの上なく、背景を 理解していれば「リアリティのある映像」として受け入れる余地があると思うのですが、 知らなければヘボい映像の映画と思われる事うけあいです。
 ただし、その辺の背景を理解してから映画を見た場合、ストーリーの中での演技や 撮影の素人臭さが、登場人物達の森で遭難してからの焦燥感や疲労感、森の中で遭遇する ある「存在」に対する恐怖といった部分を演出する事に一役買っており、 リアルな緊迫感を醸し出して居ます。
 とか言いながら、途中まで全体に漂う素人臭さがどうしても鼻について「あんまり 怖くないなぁ」とか思いながら観ていたのですが、ラストの「判断は視聴者に委ねます」 的な作りが、かなり不気味で久々に思わず背筋がゾッとする 映画でした。
 このラストは、はっきりいって怖いです。

 この映画はレンタルでも結構人気があるようで、回転率が高い作品のようなのですが、 借りてる人間の何割の人が、きちんと予習してから見てるかって事が結構不安だったり します。
 日本の映画会社の広告展開では、この映画の「怖い」 って事と、「アメリカで大ヒット」 って事のみが上げられており、その背景にあった、インターネットやTVの特番を利用 した巧みなマルチメディア展開といった部分が殆ど語られておらず、何にも知らない人が 「話題になってるから」と言うだけで予習をせずに映画を観たら 「何だコリャ?」となってしまうでしょう。
 はっきり言って劇場公開の際はともかくとしても、ビデオ化の時には、頭に15分程度 で背景を説明する「予習用」のフィルムを入れといても良かったのでは?とかと思うの ですが、それは我侭って物でしょうか。(いや、やっぱ 映画会社の気が利かないだけだと思うぞ。)

 総評としては、ホラー好きな人と「ツインピークス」 的な「自分で色々考える作品」が好きな人には 結構お薦めです。(なるほど、アメリカ人はそう いった自分なりに考えるタイプのミステリードラマが大好きなので、アメリカでウケる訳だ。)
 ただし観る前にはくれぐれも、きちんと「予習」を しておくことをお忘れなく!!


  グリーンマイル

 今回の映画はストーリー上での秘密の謎解きって言った部分がメインとなる 作品なのでネタばれは無しです。

 スティーブン・キング原作で、お話のテーマとしては 「死刑囚と電気椅子」って言う内容を扱ったヒューマンドラマになります。
 刑務所でキングって言うと、映画「ショーシャンクの空に」を思い出される方も 多いと思いますが、今回のお話も系列的には同じような内容です。まぁ、監督も同じ 人だしね。

 ストーリーとしては、老人ホームで暮らす元刑務所の看守であった主人公の回想 シーンからお話が始まります。
 主人公が刑務所の看守をやっていた1935年の夏のある日、ジョン・コーフィーと 言う名の黒人の大男の死刑囚が刑務所へと送られて来るのですが、実はこのコーフィー と言う男にはある不思議な能力が…

 ネタばれをしないで感想を書くとは言いましたが、まぁ、もともと原作のある映画 なので、原作読んだ事のある人にとっては、秘密でもなんでもないので書きますが、 ストーリーは「原作とほぼ同じ」だと考えて良い です。(キング作品ではコレが満たされてるだけでも珍しい(^^;)
 安易なストーリーの変更とかはされてないので、「キングの映画化作品はなぁ…」 とお思いの原作派の方にも安心してお薦め出来ます。

 個人的にこの映画で、一番凄いと思った点は「キャス ティングの上手さ」です。
 とにかく原作のイメージにピッタリのキャスティングがなされており、この監督の センスの良さと原作への思い入れを窺い知れます。コーフィー役の黒人なんかいったい 何処から連れてきたんだ?と思いたくなるぐらいのハマリ役。(実際には役者本人が 原作を読んだときに「この役は俺しか居ない」と思い、自分から志願したらしいですが)
 他のキャラに関しても恐ろしく役柄にピッタリなイメージで、このキャスティングの 妙のお陰で、無理なく感情移入して作品を楽しむ事が出来ました。

 ただ不満点をあげると、原作に比べるとやはり各登場 人物のキャラクターの描き込みが少し甘いところ。
 まぁ、元々小説で5分冊の結構長い話なので3時間という長尺の上映時間を 持ってしても、全部を描ききるのは難しいとは思うのですが、せめて端役でも重要な役 どころに当たる、所長の奥さん(メリンダ)や、2人目の死刑囚(ドラクロア)に関し ては、もうちょっと突っ込んだ人物描写が欲しかった所。
 あと、重要なエピソードである「コーフィーと靴紐」の話が端折られてしまったため に、上の人物描写の件と合わせて説得力が20%ダウン って感じで非常に勿体無く感じました。
 この辺が補足された「完全版」でも、ビデオとかで供給されれば買っちゃうかも…

 さて「泣ける」と評判の今作ですが「泣けたか?」と聞かれると、「感動はしたけど 泣ける程では無かった」って所でしょうか。
 本編の最大の問題点として「とにかく長い」この 一言に尽きます。
 前半の殆どの時間が人物描写に費やされているため、原作を知っている場合はちょっ と冗長に感じてしまうし、かといって原作を知らない場合は、ここで人物描写とかを キチンと把握しておかなければ、後半の展開についていけなくなります。
 私はこの前半部分で疲れてしまい、後半の盛り上がるべき場所ではイマイチ盛り上が り切れませんでした。
 まぁ、長いとはいっても、内容的には濃い作品なので映画を観てる最中はそこまで 時間は気にならずに「2時間ぐらいかな」と思って観ていたところ、実際には3時間 以上経過しており驚いたぐらいなのですが…

 総評としては、全体的に後一歩な感じで「非常に惜しい」 映画だと感じたので、劇場での長い上映時間に内容が見合うと感じるかどうかで、評価が 割れると思います。
 そんな訳で「劇場で3時間以上集中力を維持出来る根性の ある人にはお薦め」な映画でしょう。
 そうでなければ、ビデオ化されてからノンビリと家で観た方が無難かな?
 他には「あんまりにも臭い展開」が好きじゃない人は見ないほうがイイかも…(^^;

 あと余談ですが、ネズミのミスタージングルスは、「お利巧で可愛いネズミ」に なっており原作とは少し扱いが違うかも…まぁ、可愛いからイイけどね。


  U.M.A. レイクプラシッド

 今回のレビューも結構ネタばれしてます。 ネタばれが嫌な人は、読まないようにご注意下さい!!

 タイトルにU.M.A.とかって付いてて、ポスターにもソレっぽい事が書かれているので、 ネッシーとかの未確認生物の出てくる映画と思ったら大間違い、実は単なる 巨大なワニの登場する動物パニック物映画 です。私は雑誌で事前情報とかを見ていたので気にならなかったのですが、何も知らない 人が見たらちょっと肩透かしをくらうかも?
 ちなみに原題は単に「レイクプラシッド」ってタイトルで、何のために邦題化の際に U.M.A.とかってタイトルに付けたのかは、ちょっと謎です。
 まぁ、タイトルに肩透かしをされるからといって、本編の出来には関係ない事なので すが…。

 映画のストーリーは、巨大生物パニック物にはありがちな感じで、最初に潜水作 業中のダイバーが何者かに襲われて、原因を調査する為に生物学者が派遣されて…といっ たお約束な幕開けです。
 で、調査をしていく内に犯人は巨大なワニであるといった事が分かって、中盤からは いよいよワニ退治に…ってここまではありがちな展開ですが、ここからのストーリーが なかなか凝っていて、実はこの湖の湖畔に住んでいる婆さんがワニに餌付けを行ってい て…といった意外な展開で、結構予想を裏切ってくれて、なかなか楽しませてくれます。
 ラストのオチも(ベタといえばベタなのですが)なか なかヒネリが効いててポイントが高かったです。
 全体的に登場人物のキャラの書き分けとかも良く出来ていて。最初は嫌な奴だと思っ ていたキャラも最後には(巨大ワニも含めて)感情移入できるような「憎めない奴」 と思えるお話になっており、作品全体にあふれる妙なユーモアのセンスも含めて、 なかなか侮れない佳作でした。

 さて巨大生物ものと言えば、やっぱ最大の見所であるクリーチャーの出来はどうよ? ってポイントになるのですが、コレはなかなかどうして結構凄いです。凄いって言って もただのワニでしょ?とかって思うかも知れませんが(実は私自身が映画見るまで、 こう思ってました。(^^;)とにかく、このワニが デカい。素早い。凶暴。と3拍子揃った怖さ!!、地響きを立てて突進して くるさまは、 生き物というよりは殆ど重戦車のような迫力です。  私の観に行った劇場(川崎シネチッタ)は、画面とかも小さく音響もイマイチな感じ の劇場だったのですが、出来ればもっと設備の良い劇場で見たかったと思う所しきりで した。
 巨大ワニっていうと、やっぱ往年の名作「アリゲータ」と、どうしても比較してし まいますが、流石にアレほどストーリーのギミック的に優れている訳ではなく、本作 では巨大ワニ(アジア種のクロコダイル)が何故アメリカのメイン州に出現したのか 等の理由とかが一切語られてない辺りは、ちょっと減点でした。

 総評としては、巨大生物ものが好きな人は劇場まで 行く価値あり。(ただし、なるべく大画面で見ること)って感じでしょうか。
 そうでなければ、まぁビデオでも十分でしょう。しかし、久々に 「良く出来たB級ホラー映画」だったとは 思うので、ホラー好きなら要チェックかな?


  コモド

コモド
 今回のレビューも結構ネタばれを含んでいますので、 ネタばれが嫌な人は、読まないようにご注意下さい!!
 って言っても、ネタがバレて困るような、高尚な映画でも無いですが。(笑)

 タイトルを見れば、大体どんな内容か見当がつくかもしれませんが、巨大なコモド オオトカゲが集団で人を襲うって言う、お約束的な内容の動物パニック物 ホラー映画です。
 今時、そんな映画が劇場でいつ公開されてたんだ?と疑問を抱く方もおられるかも しれませんが、銀座のミニシアター系の劇場で、ひっそり3週間程度公開されていた ので、普通は知らなくて当然かも…
 私もたまたま地方情報誌でタイトルを見かけて、設定のダメっぽさがやB級っぽさ が気になったので、「やっぱB級ホラーファンとしては、 コレを見逃す手は無いでしょ」 って感じで、思わず劇場まで観に行ってしまいました。

 映画の内容に関しては、実にお約束なストーリー展開で、アメリカのとある片田舎の 離島で動物密輸業者の手によってコモドドラゴンのタマゴが投棄されるって前振りから 物語が始まります。
 その19年後に、その島にバカンスに訪れたある家族が原因不明の死を遂げ、少年のみ 生き残るけど、少年は極度のショックから自閉症に陥り、原因は謎のまま。
 で、その少年の心の治療を施す為に、ショックの原因を探るべく (よせばいいのに) ヒロインであるカウンセラーは少年を連れて、再びその島を訪れるって展開です。
 ちなみにポスターに大写しになっている怖い顔のオバサンは本編のヒロインでは無い です。念のため。

 で、映画が始まってしばらくすると、画面にあわせて座席が揺れるような凄い地響き が…コレが噂の「コモドサウンドか!?」(雑誌で この映画の独自の音響システムの事が、こう紹介されていた。)とかと思って感心して いると、単に劇場の下に地下鉄の線路が通っているだけでした…紛らわしいって。(^^; (ちなみに、このコモドサウンドが、映画にどんな効果をもたらしたかは不明。もっと 音響設備の整った劇場ならそれなりの効果があったのかもと思うと、少し残念?)
 ストーリーに関しては前振りからラストまで、予想に違わぬ展開で、コモドドラゴン を退治するために生物学者が派遣されてたり、企業利益を追求するあまり被害者の事を 隠蔽しようとする、悪の企業の社長が登場したり…とまぁ、なんともお約束な物語が展開 されます。
 ただ、お約束と言いながらも、普段は比較的おとなしいコモドドラゴンが凶暴化した 原因(島にある石油採掘プラントの影響)は語られているものの、実際には3M程度の 大きさの筈のコモドドラゴンが6M近くに巨大化してる原因が語られてないのは、ちょ っと片手落ちな感じ。
 ラストもイマイチ納得いかないって言うか、ハッピーエンドではあるのですがちょっ と爽快感の薄いオチだったのが、少しマイナスポイントでした。
 ちなみにこの映画の最大の見所は、コモドドラゴンに家族を殺された少年のやたらと 強い事!!他の登場人物が次々とコモドドラゴンに殺られていく中、ランボーばりに ブービートラップを利用して、コモドドラゴンを退治したりしてしまいます。
 はっきしいってカッコいいです。(笑)
 しかしこの少年もルックスも結構イケルから、こんな映画では無くてもう少しマトモ な作品に出てればメジャーになれたかもしれないのに…まぁ、ディカプリオも昔 は「クイック&デッド」とか出てた事だしね。

 この手の映画は「アナコンダ」以降に主流となった手法で、最近のCG技術の進歩 のお陰で怪物が画面上に堂々と大写しで登場します。暗がりの中から一瞬しか怪物の 姿が見えなかった様な時代に比べれば、怪物物のホラー映画好きには良い時代になった 物です。
 ただ、この映画の場合はアナコンダ程は怪物としてのトカゲが恐ろしく描けておら ず。リアルさゆえかモッサリとした動きで、イマイチ怖さが伝わりきらない点がちょ っと残念でした。でもCGに頼り切る訳ではなく、アニマトロニクスとCGを組み合 わせる事によるモンスターと人間とのカラミを含めた点に関しては及第点って所。

 映画自体の総評としては、生物パニックものが好きならばとりあえず見ておいても イイかもしれないけど、劇場じゃなくってビデオでも十分でしょう。って所でしょうか。
 3度の飯よりコモドドラゴンが好きって人以外にはお 薦め出来ないなぁ…。
 次は、もっとマトモな映画を観に行こう。(^^;


  スリーピーホロウ

 今回のレビューは結構ストーリー的な部分とかにも触れているので、 ネタばれが嫌な人は、読まないように ご注意下さい!!

 「マーズアタック」とか「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」で有名なティム・バートン 監督の最新作です。
 時代は1799年のアメリカ、犯罪の解決に科学的捜査を取り入れるべきだと主張する 主人公がその実力を試されるべく、とある田舎町で起こった連続首切り殺人事件の捜査 へと派遣される…ってのが出だしのストーリー。
 こんな出だしだから、てっきり「幽霊の仕業に見せられた連続殺人事件の謎を追う」 って感じのミステリーを予想するのですが…。
 ストーリーの中盤で、捜査を進めるうちに本当に「首なし騎士」の幽霊が登場し、 主人公もそれを目撃したとたんに、いままでの科学捜査は何処へやら、突然「犯人は 首なし騎士の幽霊で、その幽霊を影で操っている奴が真犯人だ」と主張しだす始末。
 私は最初の前振りからミステリー物だと思って見ていたものだから、思わず混乱して しまい、結末まで?マークが頭に浮かんだままでした。
 実際には、この「首なし騎士」が登場した辺りから、ストーリーは何でも有りなダーク ファンタジー物へとノリが変わって行き、そのままラストまでストーリーが進み、一応 幽霊騒動の黒幕をやっつけて事件解決といったお決まりの展開になるのですが…
 最初の変な前振りがあったお陰で、どうにも結末を迎えても釈然としません。って言 うか主人公の「殺人犯をつきとめる」って第一目的は全然達成されてないと思うのです が…(まぁ、「首なし騎士」が犯人なんだけど。)
 この変なストーリー展開のお陰で、見終わった後も、どうにも中途半端な映画って 気分が拭い去れませんでした。こんな展開ならどうして最初からミステリーっぽい前振 りなんかせずに、ダークファンタジー色を前面に押し出してストーリーを構成しなかっ たのでしょうか?
 他にも主人公の過去のトラウマっぽい話とか出てくるのですが、こっちも結局本編と は一切ストーリー的に繋がりが無く、何が言いたいのか意味不明で消化不良な感じだし… もともと、この監督はストーリーテリングの巧みな方では無いにしても、どうしちまっ たんだティム・バートン!?って感じの映画でした。

 とまぁ文句ばっかり書いてしまいましたが、全然ダメな映画だったかというとそうで はなく誉める部分も結構多い映画で、最大の見所は、まずなんといってもティム・バー トン監督の美術センスの良さ。
 全体的に色合いが抑えられた絵画的な色調の画面作りは、ダークファンタジーを描く 要素としては、非常に雰囲気にマッチしており画面だけでファンタジー世界にグイグイ 引きこまれるだけの力があります。
 「首なし騎士」も抜群にカッコ良いです。 (但し、首が有る時はイマイチ(笑))  「ナイトメア〜」もそうでしたが、ホントにこの監督はダークファンタジー系の話を 作るのに向いてるなぁと、改めて感心させられました。
 ストーリーも全体として悪くは無いのですが、先に述べたような理由で、すんなり 楽しめないのがちょっと残念。最初から何でも有りのダークファンタジーってのが 分かってて割り切れて見れたなら、もっと素直に楽しめただろうにって事が残念で なりません。

 総評としては、ダークファンタジー系の話(特にこの 監督の映画)が好きなら、見といても損は無いと思います。そうでなければ ビデオでも十分かも?

 あと、個人的な話ですが、本編のジョニー・デップ扮する主人公の名前の イカボーンってのが、響き的にはともかく字幕で 見ると妙に可笑しくって、名前が呼ばれるたびに意味も無くウケそうになるのを堪え るのが大変な映画でした。(^^;


  シックスセンス

 TVとかでCMを見ていて、「ホラー映画?」と思って見に行ったのですが、 全然ホラーじゃありませんでした。どっちかって言うと「奇跡体験アンビリー バボー」の感動シリーズみたいな感じ。そういった話が好きなら、かなりお薦 めです。
 内容に関しては良い意味で期待を裏切られた感じで、99年一番の掘り出し 物映画でした。
 この映画については色々と語りたいのですが、ある「秘密」 (と言っても、広末涼子主演ではない)が有るために、多くは語れません。
 ただ、未見の人はとりあえず見ておく価値はあるので、誰かに「秘密」を知 らされる前に早目に見ておきましょう。
 総評は『ヤラレタ』って感じ?


  マトリックス

 何かとビジュアル的な凄さが取り上げられる本作ですが、私の感想も正にその 通りで、とにかく理屈抜きに「見て楽しい映画」です。
 色々と話題になるCGエフェクトもさることながら、体を張ったワイヤースタ ントとかも凄い!!
 現在の日本で作られているハイクオリティなアニメのアクションシーンを、ひ たすら真面目に実写で撮ったら、こんな風になりましたって感じの映画です。
 ただ、若干不満点を上げるとすれば、敵となる巨大昆虫型メカとかのデザイン が今一つな感じな事と、主役のキアヌ・リーブスがどう見てもあんまり強くなさ そうな所でしょうか。(笑)
 とまれ、上井の99年イチオシの映画です。
 特にアニメファンの人とかには見て欲しいところか。


  ホーンティング

 ヤン・デポン監督って事で、いつものジェットコースター的なノリで、今回は お化け屋敷を描いてくれるのかと期待して見に行ったのですが…前半は、話の展開 のあんまりのタルさに、思わず寝そうになってしまいました。
 で、いざ蓋を開けてみると、ホラーだと期待して見に行ったのに、なんつーか 全然ホラーじゃなくってダークファンタジーって感じの内容で、とにかくやたらと 美麗で滑らかな幽霊の動きに加えて、敵役として登場する「悪い幽霊」が「美女と 野獣」の野獣にクリソツ(死語)だったので、なんかディズニー映画を見てるよう な気分になりました。
 ただ、ストーリーに関しては「トホホだ」と聞かされていたのですが、意外とキ チンとしたストーリーがあって思いのほか楽しめたので、ちょっと得した気分。 …って、どういうつもりで見に行ったんだ。<俺
 総評としては「ホラーとしては駄目だけど、ファンタジーなら有りなんじゃ無い」 って感じで、「狼の血族」とかのダークファンタジー系の話が好きなら、それなり に楽しめるのではないでしょうか?


  ディープブルー

 最新のCGを使って、昔からの定番の「ジョーズ」系の海洋パニック映画を作って みました…的な映画です。
 やっぱこういった、モンスターパニック物の映画ってのは、怪物をいかに怖く描く かがポイントだと思うのですが、この映画の最大の欠点として、怪物である「高い知 能を備えた人食いザメ」が、とにかく作り物臭くてちっとも怖くない。
 ストーリーも悪くないし設定もソコソコ良い所を突いているのですが、如何せんさ っぱり盛りあがりに欠けるのは、やはり妙にテカテカして作り物ッポイ鮫のせい?
 きっとこの映画作った監督は鮫があんまし好きじゃないんだろうなぁ、とかって思 わず考えてしまいました。
 ただ、本編に登場して主人公より目立ってて、最後に鮫まで倒してしまう謎のラップ の黒人は何者!?主題歌まで歌ってるし…。
 とりあえず、感想としては全体的に惜しい感じの映画でした。
 L・L・COOL・Jとかって黒人のラッパーが好きなら、見てもイイかもね…。


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