問題の存在
取締りの問題は規制がその道路の交通の実態に適合しているか否かと必ずセットで議論されなければならない。交通の実態より規制が低く設定されているのであれば取締りは緩和すべきであり、交通実態にあった速度規制であれば多少厳しい取締りであったとしてもドライバーに批判されることはないだろう。
日本の交通行政の問題のひとつは、それが明らかに厳しく設定された規制であっても厳しい取締りを実施していることにあるといえる。
もし当局が『違反は違反』の姿勢を強力に貫くのであれば、交通の実態と比較して著しく乖離している規制は見直さなければならない。その可能性がないならドライバーら自らが乖離していることを実証していく他はないだろう。
問題解決の方法
道府県警察が行う交通行政は法令の範囲内で各都道府県毎にそれを行うことになっている。問題点は、各都道府県で制定される道路交通法に関連する条例や取締りの大まかな方針が警察庁の意向によって全国一律のものとなっており、地域性や都道府県の意見が全く反映されていない点にある。
警察の実施する交通行政において、全国を一律にまとめて議論をする前に各都道府県毎に道路事情、交通の実態、自動車に対する意識などを議論し、問題が法令の範囲内で都道府県警察が行い得るものであれば都道府県警察への働きかけを行う方が現実的であると考える。厳しい規制も取締りの運営次第で多くのドライバーの納得する規制になり得る可能性はある。
例えば警視庁は一時停止規制の厳密な取締りに力を入れているが、北海道では一時停止規制の取締りは全く行われていない。このように各都道府県警察の裁量で実施されているのか、それとも全国的な傾向なのかを知ることによって陳情の仕方も変えていくべきだろう。
現在私は北海道に住んでいるので、特に速度規制については強烈な違和感を感じるが、もし私が沖縄に住んでいたら速度規制への疑問は感じないかもしれない。
道路交通を中心とした各都道府県警察の権限で行い得る法令・条例を抽出してあるので参照して欲しい。(条例は北海道条例であるがおそらく全都道府県が同じだろう)
問題は速度規制である。速度規制は道交法施行令で定められた時速60kmを頂点として、逓減方式で決められている。つまり都道府県に時速60kmが交通の実態と比較して非合理な道路(誰もが速度違反している道路)があったとしても、その道路は時速60kmというシーリングのために、例え都道府県警察が緩和しようにもできないからだ。
|
逓減方式の速度規制
逓減方式とは、まず頂点を定めて頂点との相対性において速度を低く設定していく方式である。極端に簡単に例えれば、2車線で中央分離帯があれば時速60km、中央分離帯がなくなれば時速50km、1車線になれば40kmという具合だ。通行人が多ければ10km減らし、カーブがきつければ20km減らすという設定方法を基本としているのだ。もちろんある程度の根拠を持った設定も存在するが、道路の多くはこのように決められている。
|
制限時速時速50kmを時速60kmに緩和したら、「制限60kmの道路をもっと高く設定してくれ」との意見が発生する。しかし時速60kmを超過した速度を認めることは都道府県警察の権限を越えてしまうのでできない。だから時速50kmの道路も時速40kmの道路も交通の実態を無視したまま据え置かれることとなるのだ。
速度規制と速度取締りの問題を解決するには、警察庁の速度規制の方針を変えてもらうほかに手段はないだろう。
注)速度規制に関する記述は私独自の調査結果であり、警察の見解とは異なります。