囲碁


 「君は打つ資格がないね。人が打つのを見ていて。」
 ルールだけは知っていたんですが、大学2年の春にふとブラリと碁会所に入ってみました。初めての人は腕前を見るために、席亭(=碁会所を仕切っている人のこと)とまず対局するわけです。で、得点を記入したカードを作って1勝すると1点もらい1敗すると1点奪われて、得点の上下でその人の級や段が表されるわけです。碁会所というところは、金を払って碁を打ちにくる所ですから、普通はある程度の腕前の人が来るわけです。私は席亭による「診断」でボロボロにされ「資格がない」と言われたわけです。しょうがないと言えばしょうがないんですが、800円も払ってるのにひどい仕打ちです。
 「このまま引き下がれるか!」ということで、私はその日のうちに入門書を買い読破するわけです。昼は碁会所、夕方から深夜までバイト、その後碁の本を読んでまた翌日、というのを繰り返し1週間で5級になりました。

 4月に大学が始まると、私は囲碁部に入部し3ヶ月で初段になり、6ヶ月で2段になりました。碁会所にも通いつめ、知り合いのじいさんが異様に増えました。

 <ルール その1>
 黒白交互に石を置いていくんですが、簡単に言うと陣取り合戦です。線の交点を「1」と数えますので、画像で言ったら黒は3×4で12の陣地を取ったわけです。

 <ルール その2>
 敵の石を囲むと殺すことができます。殺すと相手の石を盤上から取り上げて、残った場所は自分の陣地となります。さらに、取り上げた敵の石1個につき、自分の陣地1個分とカウントします。
 画像の場合、黒は4の陣地を入手し、かつ4陣地分となる敵石をゲットしたわけです。つまり、8陣地を手に入れたことと同じになるわけです。
 ここで考えて下さい。
・同じ手数で(右の画像で考えて)
 ただ囲んだ場合→10手で4陣地
 殺した場合   →10手で8陣地分

 殺すことはただ囲むこと2倍の能率なわけです。囲碁は「いかに殺すか」がポイントとなる、攻撃的なゲームなのです。将棋に比べてかなりアツクなります。
 

 大学の囲碁部に入ると彼女がいました。NHK「囲碁の時間」でアシスタント(=聞き手進行のお姉さん)をしていました。
 これは囲碁部合宿での写真撮影です。テニス出撃前の朝でメガネをしていますが、いつもはコンタクトで写真よりももっとチャーミングな人です。彼女は3段で私より強かったです。
 優しく可愛らしいのですが、いざ対局をすると容赦なく、メチャクチャ負けず嫌いです。私が初段でしたから、普通はハンディキャップとして2個石を置かせてもらって碁を始めるんですが、彼女は「1個でいいよー」とハンディを減らそう減らそうとするわけです。

これは夜の対局の図。角刈り?が私です。 

 「碁を打つと性格が出る」といいます。普段は大人しいのに碁を打つとメチャクチャ攻撃的な時によく使われる表現です。局面によりいろいろな手があるのですが、「陣地を囲いにいく」「イジメ」「妥協」「殺しにいく」とそれぞれの手の意味があり、相手が何をしようとしているかわかるわけです。手で会話をしているわけです。
 碁を打つ人は「気が強い」「負けず嫌い」というのが共通特性だと思います。
 2段になったあたりで「1日中囲碁」という生活からは足を洗いましたが、その後もNHK「囲碁対局」は毎週見たり碁会所にもたまーに通っていました。ただ、ここ数年は忙しすぎて囲碁からも遠ざかっています。

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