エスケン


 前橋で小6だった時、大流行(うちのクラスだけ)した遊びである。放課後はクラスの男子がほぼ全員残って、毎日これにあけくれた。
 こんなの地方の遊びだと思っていたが、2年前池袋の生徒に聞いたら知っていたので、大ビックリであった。

 

<ルール>

  1. 2つのチームに分ける。
  2. 自分の陣地では寝転んでもよい。
  3. 陣地以外(=Sの外の世界)は、ケンケンでなくてはいけない。両足をついたら「死人」となる。
  4. 敵の陣地では両足をついてもよいが、足以外が地についたら「死人」となる。つまり、相撲と同じである。
  5. 陣地から外の世界に出されても「死人」である。これも相撲と同じ。これは敵の陣地でも自分の陣地でも同様。つまり、敵の陣地内で敵を殺すには「押し出し」しかない
  6. 安全地帯では両足をついてよい。安全地帯に片足をついて両足で立つのもOKである。
  7. 敵の宝物(=雑巾)を奪ってきて、自分の陣地の宝物の場所に置けば勝利である。


<進行>
 チーム分け:体格勝負のところがあるので、まず最も強い2人をそれぞれのチームのキャプテンとし、ジャンケンで1人ずつキャプテンが選んでいく。強そうな人から順に選ばれていくことになるが、すでに小6であるので最後に残った人物を「こいつ、いらねえ」とか、場の空気を悪くする発言はない。ウケをねらって意外なところで意外な人物を指名したりもする。放課後のエスケンを面白くするために、クラス男子の半分くらいが「いかに全員参加させるか」を考えているので、イジメはタブーであった。弱そうな人がいればいるほどエスケンは盛りあがるのである。力ずくで参加を強制するところもなかった。
 1回ごとでチームを分けるのは面倒なので、その日に決めたチームは変えずに日暮れまで遊ぶ。
 序盤戦:自分の陣地から相手を野次る。手頃な相手を外の世界に誘って、ケンケンでの一騎打ちをする。何人かで外の世界の「安全地帯」を制圧する。遠くまでケンケンで行ってブランコに腰掛けたりする。
 中盤戦:敵陣地の入り口(安全地帯)に片足をかけて集合する。
 終盤戦:突撃! 相撲の集団戦である。ここが一番面白い。手をついていい分、守備側が若干有利である。
 決着:敵を全滅させるまで戦い続けてもいいし、戦いの最中で宝物を奪い自陣に持ち返り「トライ」を決めても良い。展開によってはタッチの差で勝負が決まる。宝物を奪われても、トライさえされなければいいので、敵陣で待ち構えて倒しても良い。とにかく、生き残っている兵力でどうすれば勝てるかで行動する。

 死人:復活はないので、一度死んだらゲームが終わるまで体育すわりかなんかして見ている。または野次る。
 どんでん返し:突撃後の集団戦を有利に進めていても、守備側の1人が隙をついて自陣を抜け出し、もぬけの空の敵陣から宝物を持ち帰って集団戦中の自陣にこっそり戻りトライを決めることもある。これが決まると、「エッ」とみんな一瞬驚く。
 作戦:自チーム内で弱い者2〜3人で組んで、敵の大将を倒す。チームの勝ち負けよりも、そういうところに楽しみを見出したりすることもある。
 リンチ:敵陣で1人を残して全滅させた後、4〜5人で敵の最後の1人の両手両足を持ってブ-ラブラさせ「イッセ-ノセ、ヨイショー」で陣地の外に放り投げる。当然ホコリまみれになるし、この上ない屈辱である。
 自殺:上のことから、最後の1人(または2人)になった時に自ら陣地を飛び出し自殺を図ることもある。


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