渡辺 玲
「誰も知らないインド料理」 (いんど・いんどシリーズ 2)
出帆新社 1997

「この本を知らずして、インド料理通というなかれ」と言いたいほど、インド料理好きの人々の間で愛読されている書だ。
インド料理店の裏話から本場の料理人直伝のレシピなど、既存のインド料理本とは一味変わった構成となっている。
北・南インド料理のレシピも紹介されているが、どれも手軽で美味しいものばかりだ。一度は作るだけの価値はある。



渡辺 玲
「ごちそうはバナナの葉の上に」 (いんど・いんどシリーズ 3)
出帆新社 1999

前作に比べ、南インド料理とその文化について、より詳しく書かれた一冊。
南インド、ことにタミル・ナードゥを知るには絶好の書だ。レシピもイラストの解説付きで、より見やすい工夫がされている。





ミラ・メータ
「初めてのインド料理」
文化出版局 1996

東京・西麻布の「ビンディ」を経営するメータさんによる、インド料理紹介。「初めての…」というわりには、たくさんのカレーと野菜のいためもの(サブジ)、サラダなどが載っている。
彼女のお父さんがグジャラート出身なので、グジャラート風の調理法が多い。
油が驚くほど少なく、スパイスもあまり多量に使わないので、あっさりとした仕上がりになる。これなら、毎日でも食べられそうだ。
ただこってりしたムガル風の料理に慣れている方には、少し物足りないかもしれないが、低カロリーインド食は万人の健康には非常に良いだろう。

インドの食習慣、キッチン道具、スパイスを使った家庭療法などの紹介も楽しい。


ミラ・メータ
「もっと食べたいインド料理」
文化出版局
1998

上記がカレーやサブジが中心だったのに比べると、カバーブ類やスナック、ライタなどのレシピが多い。今や常識になりつつあるものの、インド料理が単にカレーだけでないことをあらためて痛感する。
冒頭のスパイスの紹介も、アーユルヴェーダ的な観点から紹介したり、後半のインドの食文化に関する解説書も参考になる。英文も付いていて良心的だ。

著者のメータさんは、ボンベイ大学の化学科を卒業した方だ。彼女の知性が著作のいたるところで光っている。料理自体が決して日本人受けするものばかりではないが、実際に作っていくうちに、インド料理の本当の美味しさに気付きはじめる一冊であることは間違いない。



平松洋子 編
「3:00PMはアジアのおやつで」
雄鶏社 1997

タイ・中国・朝鮮(?)・インド・ベトナムのお菓子を紹介したもの。インド編はミラ・メータさんが執筆、ハルワ、バルフィー、チャーエなどが載っている。
同じ雄鶏社シリーズで「5:30PMはアジアのおつまみで」というのもある。インド料理に初挑戦する方は、このあたりからアプローチしたほうが作りやすいかもしれない。


食紀行の会
「各国大使館発 世界の食卓 アジア・アフリカ・中南米編」
家の光協会 1996

各国大使館員の奥方たちによる、郷土料理紹介本。インドのみならずベトナム・タイ・韓国・スリスランカ・トルコ・エジプト・ケニア・エチオピア・メキシコ・ブラジル・アルゼンチンと、大変幅の広い料理を扱っている。
インド編ではムリギ・カレー、バラック・パニール、チャナ・マサラ(本に掲載されたままの表記)などが紹介されていて盛りだくさん。
ただ間口が広すぎるので、通り一遍の解説しかされていないのが残念だ。スパイスの説明もちょっと簡単すぎる。
だが、世界の料理を知る上では、百科全書のような役割を果たしているので、知的好奇心を満足させるには楽しい一冊だ。