私がドイツ管吹きになったわけ

または余ハ如何ニシテ独逸教徒ト成リシ哉)

この頁はほんとに文字ばっかりです、ごめんなさい。m(_ _)m

 

私がなんでドイツ管を吹くようになったかということなんですが、話はちょっと昔にさかのぼります。

それは高校に入った年のことですから、そうですねえ、もう5年以上前のことになりますか・・・。(注1)

実は私は中学時代喇叭を吹いていましたので、高校でもかっちょよく喇叭を吹き続けたいという希望に燃えて吹奏楽部に入部しました。(注2)

 

LxIxVxE放送終了後はまた吹奏楽部入部者も減っているようですが、このころはまだ活気があった時代で、喇叭希望者は私だけではありませんでした。で、早速顧問のW先生の前で喇叭を吹かされたのですが、まあ要するにその・・・、実力を買われて(注3)急遽クラリネットに移籍することになってしまったわけです。

 

それから毎日何事もなかったようにクラリネットを練習する日々が続いたのですが、内心面白くないところがあったりするわけで(そのせいか、初めて楽器を持ってから音が出るまで1週間もかかってしまいました)、その後「楽器買えよ」という声をずっと無視し続けて、音楽準備室をあさって壊れた楽器を探し出し、ニコイチだかサンコイチで組み立てた(おかげでクラリネットは吹くことより先に分解組立を覚えてしまった)楽器を吹いていました(注4)。 (^^ゞ

 

そんなある日、町内のレコード屋で私はなぜかクラシックの棚の前に立っていました。たしか先輩に『少しはプロ奏者の音でも聞いたらどうだ』かなんか言われてクラリネットのレコードを探していたのだったと思います。しかしなにしろど田舎のことですから、クラリネットのレコードはその時2枚しか置いてありませんでした。今でもはっきり覚えていますが、その2枚というのは、モーツァルトとウェーバーの協奏曲(演奏:ライスター)¥1500と、モーツァルトとブラームスの五重奏曲(演奏:ランスロ)¥2500でした(注5)。どっちを買ったかはみなさんご想像の通りで、迷わず値段だけで決めてライスターのレコードを買って帰りました。当時の高校生が(あ、しつこいようですが5年以上前の話です)そんなにレコード買うお金持ってませんので、それからしばらくの間はこの1枚だけを繰り返し繰り返し聴くことになります(刷り込み、ですね)。

 

ちなみに、この時汚れを知らない少年であった私はまだクラリネットにはドイツ式とフランス式があることなんて思いも及ばず、ただただ『この人なんだかいい音してるな〜』と、このレコードを愛聴していました。結局ランスロの五重奏もその後買ったのですが、漠然と『こっちは普通の音だよな〜』としか感じませんでした(注6)。ライスターという人は特別ですごいんだ、というイメージが頭の中で次第にできあがって行ったのです。 思えば、この時ライスターのレコードが廉価盤でさえなければ、こんなにドイツクラにはまることもなかったでしょうに・・・、運命とは時に過酷です、ひゅう〜(木枯らしの音)。

 

1年もするとさすがにクラリネットが面白くなり、そろそろ自分の楽器が欲しくなってきたりもしたのですが、ちょうどその頃、ボンビーなわが部に、降って湧いたようなEbクラ購入の話が・・・。で、当時いちばんヒドい楽器(自分で組み上げたので愛着はあったんですが)を吹いていた私に白羽の矢が立ったのでした。結局高校3年間は自分の楽器を持たずに終わることになります。思えば、この時Ebクラさえなければ当然のようにヤマハのプロモデルでも買ってもらって平和な生涯を送ることができたものを・・・、運命とは時に過酷です、ひゅう〜(木枯らしの音)。

 

そしてついに運命の時が訪れます・・・。

いつだったかは忘れてしまいましたが、それはたまたま吹奏楽部の練習が早く終わった土曜の午後でした。帰宅するなり、なんの気なしにテレビをつけると、なぜかチャンネルが教育TVになっていました。しばらくはぼんやり見るともなくテレビをつけていたのですが、いきなりクラシックの演奏会の番組が始まりました。それはなんと『ベルリン・フィル木管アンサンブル来日公演』!!ついにライスターが吹いている姿を目にする日が来てしまったのです。思えば、この日練習が早く終わりさえしなければ、今みたいにビョーキ(猟奇?)な人生を送ることもなかったでしょうに・・・、運命とは時に過酷です、ひゅう〜(う〜、さすがにしつこいですかねー)。 

以下次号

 

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(注1)誓ってウソは申しません。(^_^)  (本文へ戻る)

(注2)これが実は伏線だったりする・・・。  (本文へ戻る)

(注3)買われたのが、あくまで喇叭の実力であることは言うまでもない。  (本文へ戻る)

(注4)一応同じモデル同士だったんですが、ジョイントがゆるくて、当時の写真を見ると楽器が上管と下管の間で曲がっている(バセットホルンの古楽器みたい)。  (本文へ戻る)

(注5)どちらの録音もCD化されています。ライスターの協奏曲はベルリンフィル、クーベリック指揮の演奏。  (本文へ戻る)

(注6)教則本やクランポンの宣伝でランスロの名前はみんな知っていたのに対し、当時はむしろライスターの方が『誰それ』っていう感じだったんですがね〜。  (本文へ戻る)

 

(31.Dec.'99 初版、9.Jan.'00 修正)