ニュー・カレドニアの礁湖:サンゴ礁多様性と関連する生態系
Lagoons of New Caledonia: Reef Diversity and Associated Ecosystems


国名 フランス
分類 自然遺産
所在地 太平洋にあるフランス領ニューカレドニア



審議年と結果
2003年 審議延期 ・・・2002年の時点で申請内容が不完全であるとされ、2003年には審議が見送られた。なお、推薦名はフランス語表記による「ヌーヴェル=カレドニーのサンゴ礁と生態系」(Le massif corallien et les ecosystems associes de Nouvelle-Caledonie)
2008年 世界遺産登録!!


 


 ▲ザントステモン
 画像提供:BAPさん(地球放浪
CHEZ BAP しぇ・ばっぷ II
   
遺産略説(執筆収斂さん、BAPさん)
  南太平洋に浮かぶフランス領ニューカレドニアのサンゴの山塊と生態系は、 オーストラリアのグレートバリアリーフに次ぐ世界第2位の規模で、 その長さは1600キロメートル、 面積24000平方キロメートルにもなり、 ラグーン(礁湖)の面積では世界最大である。 このリーフ(堡礁)とラグーンの中には 1659種の魚類、 250種の造礁サンゴ、 240種の棘皮動物(ウニ類、ヒトデ類、ナマコ類など)、 約6,500種の軟体動物(カタツムリ類、イカ類、タコ類)など、 22000種以上もの多種多様な生物が生息しているといわれている。 特にニューカレドニア・ホットスポットには、 淡水魚類全体の実に59%が生息しており、 その他にも8千〜2万もの昆虫種や200種のカタツムリ種が存在している。
  また、
ニューカレドニアには大小多くの島があるが、 総面積の4分の1が森林面積であり、 動植物相は海洋生態系に劣らず貴重で、 固有種の割合も非常に高い。 島の原生林の森林面積は3500平方キロメートルである。 中でもグランドテール島は、 長さ約400キロ、幅50キロ、総面積は19,110平方キロメートルの大きな島で、 標高約1000 メートルの山脈が島の中央を走っているため、 島の東は雨量が多く熱帯雨林が広がるが、 島の西方は乾燥し、 土壌が剥き出しになっている場所も多く、 独特の地形が複雑で多様な生態系を育んでいる。

  地上の動物では、
両生類ではニューカレドニア・オオサンショウウオが貴重種として有名である。 爬虫類ではスナトカゲなど15種類の陸生爬虫類と、 タイマイなど17種の海生爬虫類が生息し、 爬虫類の固有種の割合は68%以上とされている。 鳥類は 148種が確認されていて、 うち21種が固有種である。 特に独自の進化をした飛べない鳥カグー(Cagou)や、 巨大なハトの仲間であるノトゥーのような貴重な鳥類が生息している。 陸生哺乳類は全てコウモリ類であり、 9種類が確認されている。
  植物に関しては生息植物の3000種以上、
80%が固有種である。 特に生きた化石として知られる古代からの種が多く見られる。 その中には固有種や絶滅危惧種も多い。


<リビエール・ブルー州立自然公園:Parc Provincial de La Riviere Bleue>
  1980年にニューカレドニア南部州政府によって指定された
90平方キロメートルにおよぶ自然保護地区で、 熱帯雨林を形成している。 またカグーの保護地区でもあり、 繁殖が行われている。


<サンゴ礁に生息する海洋生物>
  ウミガメ :世界には7種のウミガメが存在するが、
ニューカレドニア周辺の海域には、 アオウミガメ(Chelonia mydas)、 タイマイ(Eretmochelys imbricata)、 アカウミガメ(Caretta caretta)の3種が生息している。

  ジュゴン :おとなしい草食性の海産哺乳類動物で、
ニューカレドニアのほか、 アフリカ東部からバヌアツまで熱帯性海域に生息している。 繁殖の周期は遅く、 現在絶滅危機に瀕している。

  オオベソオウムガイ :ニューカレドニア近海の深海に生息するノーチラスの一種で、「生きる化石」と呼ばれている。


  オニイトマキエイ :マンタのこと。
ニューカレドニアでは比較的遭遇率が高く、 ダイバーにとっては憧れの場所である。 またブラックマンタ(Black manta)という、 腹部が黒く白いまだらに散った紋様のある種類も多く見られる。

  そのほかにサンゴ礁にすむ魚類は以下のようなものが一般的である。
ブラックバタフライフィッシュ(Black bettrflyfish)、 ブルーデビルフィッシュ(Blue devilfish:体長は3〜5センチ位で岩陰やサンゴの陰の暗がりに腹を上に向けた逆さまの状態で泳ぐ)、 コンスピキュアス(Conspicuous angelfish:体長約25センチで目の周りが黄色と青で縁取られている珍しい種類の魚)、 ニラミハナダイ(Longfin anthias:水深30〜70mと深場に生息している鮮やかな体色の魚)、 ハナゴンベ(Hawk anthias:水深15〜70mに生息する色鮮やかなハタ科の魚。 腹を上に向けた逆さまの状態で泳ぐ)、 トラフザメ(Leopard shark)、 ペインテッド・アンティアス(Painted anthias:ハナダイの仲間)、 ポリネシアン・デムワーゼル(Polynesian demoiselle:水深3〜10mに生息)、 ロイヤル・ドゥティーバック(Royal dottyback:体長約4〜6センチでサンゴの割れ目に単独で生息)、 ローランズ・デムワーゼル(Rolland's demoiselle)など。


<地上の希少動物>
  カグー :ニューカレドニアを象徴する鳥で、
ワシントン条約によっても保護されている。 天敵のいないニューカレドニアで独自の進化をしたため飛ぶ能力が退化しており、 外来種によって絶滅の危機に瀕している。 リビエール・ブルー州立自然公園やヌメア自然公園などでは野生のカグーが保護されている。

  トリコ・レイエ :天然記念物に指定されているウミヘビで、
猛毒がある。 アメデ島などに多い。

  カレドニア・カラス :さまざまな道具を駆使して、
エサを採取する独特の習性があることで知られる。 1996年に学術雑誌ネイチャーで紹介されて有名になった。 人里に来ることはない。

  オオサンショウウオ :ニューカレドニアのサンショウウオは15種すべてが固有種である。
夜行性で湿った森林の木の中に生息し、 果実や昆虫をエサにしている。 最大種はRachodactylus leachianu で、 森林の面積の減少とともに危機に瀕しており、 ヌメア自然公園では飼育されている。 野生種の数は極端に少ない。

  ウベア・インコ :ウベア島に生息しているインコ。
外来種による脅威で生息数が激減し、 現在、 保護の対象となっている。




 ▲カグー
画像提供:BAPさん(地球放浪
CHEZ BAP しぇ・ばっぷ II



<植物に関する特徴>
  ニューカレドニア地域に見られる 1800種類の植物種の約9割は、
この地域のみに生息する固有種である。 特に裸子植物は43種すべてが固有種である。 中でも、 世界で唯一の寄生針葉植物のParasitaxus ustus や、 世界にたった24種しか存在しない古代ゴンドワナ大陸(Gondowanaland)時代の生き残りの裸子植物のうち、 19種がこのニューカレドニア地域で見られる。 特にイル・デ・パンやオロで見られる南洋杉の仲間は、 世界の針葉樹のなかでも最も古くから生息する種類である。 また大木に成長するCodia Obcordita や、 モンコギにある高さ20mの樹木性のシダは、恐竜時代の生きた化石である。 ほかにも、ヌメアの火炎樹(フランボワイヤン)、 淡水域に生育するボワ・ブッション、 花が美しいザントステモンの仲間(Xanthostemon anurantiacumt)などが見られる。
  さらにニューカレドニア地域は、
世界中で絶滅が危惧されている原始的な植物の地衣類が多く見られる貴重な場所であり、 リビエール・ブルー州立自然公園などが保護区になっている。
  そのほかニューカレドニアは野生のランが多いことで有名である。
現在215種類のランが確認されていて、 半数以上が固有種である。 観光のために移入されたランも多いが、11月頃が開花の盛期で、 森林や湿地帯、 川のほとりや鉱石採掘跡などで見られる。 例えば、 エリアクシス・リジダ(Eriaxis rigida :ニューカレドニアの固有種の野性蘭で潅木地帯に広く群生)、 メガスティリス・ジガス(Megastylis gigas :ニューカレドニアとバヌアツに生育)、 カランテ・トリプリカタ(Calanthe triplicata :太平洋地域全体に生育)などが有名である。
  また外来種であるが、
ブーゲンビリアやプルメリア(アメリカ原産)などの各植物も知られている。


<ニューカレドニアの問題点>
  ニューカレドニアの総面積は 18,575平方キロメートルで人口は約21万人であるが、
ニューカレドニアは良質のニッケルの産地としても有名で、 その埋蔵量は世界第1位といわれている。 そのため、 ニッケル採掘による人的影響が貴重な生態系を脅かしている。 また原住民の山焼きや伐木による森林破壊、 外来動植物種の持ち込み、 ノトゥバト(Notou pigeon)のような絶滅危惧種を対象とした狩猟、 海洋種の乱獲、 サンゴ礁破壊など事態は深刻である。


参考サイト

http://www.conservation.or.jp/Strategies/Hotspots/New_caledonia.htm





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