コンドアの岩石芸術遺跡群
Kondoa Rock Art Sites


国名 タンザニア
分類 文化遺産
所在地 首都ダル・エス・サラームの西北西およそ400km



審議年と結果
2005年 審議延期 ・・・タンザニア政府は文化遺産の基準(2)(3)(6)に該当するとして登録推薦した。しかし世界遺産委員会は、遺跡の記録体制や保全計画などの準備、バッファ・ゾーンの設定、地元民が用いる薪の代わりになる資源の供給計画などの諸問題を指摘し、登録を見送った。
2006年 世界遺産登録!!


遺産略説(執筆:収斂さん)
  アフリカ南部には未だ調査されていない旧石器時代の岩壁画(Palaeolithic rock paintings)が多く存在しているが、
その文化的・芸術的な評価はごく最近までほとんどなされることはなかった。 アフリカの岩壁画はその種類の多さや多様性の豊かさにおいて、 フランスやスペインの壁画に並ぶ珠玉の傑作であり、 近年そうした岩壁画の認知度を高めるために世界遺産登録する運動が本格化している。 中でもタンザニアのコンドアの岩石芸術遺跡群はその代表的なものの一つである。

  タンザニアの岩壁画の多くは、
コンドア地域とそれに隣接するエヤシ盆地(Lake Eyasi basin)に集中している。 コンドア地域の壁画の特徴は、 種類の多さもさることながら、 渓谷全体を見渡せる急峻な岩面など、 極めて印象的で象徴的な場所に好んで描かれる壁画が少なくないことが挙げられる。 これらの岩壁画は1908年に欧米人によって最初に報告されたが、 当時は全く注目されなかった。 この岩壁画を最初に注目したのは、 1935年にこの地を訪れたメアリー・D・リーキー(Mary D. Leakey)が、 タンザニアのコンドア・イランギ地域(Kondoa-Irangi)の美術を紹介する本を出版してからある。 この本は写真や挿絵入りの分かりやすい解説書であった。 その後、1950年代初頭に、 フィデリス・マサオ(Fidelis Masao)博士を中心とする研究チームはシンギダ地域(Singida)に140個、 エヤシ湖盆地に35個の新たな岩壁画を発見した。 彼らは、地元の人しか知らないような岩壁画の聞き取り調査するなど地道な調査をし、 その業績は今日、高く評価されている。 また、タンザニアの岩壁画を最初に世界に知らしめたメアリー・D・リーキーも高く評価されている。

  現在、タンザニアの岩壁画の多くは保護がなされておらず、
1950年代初頭と比べ、 ひどく破損したり崩壊したものも少なくない。 岩壁画の保存運動は最近になってようやく本格的に始動し、 国際的な援助も本格化しつつある。 なかでも、これまで国や地域で独自に行っていた保存運動を一元化する目的で、 TARA(Trust for African Rock Art:アフリカ岩石芸術のためのトラスト)という組織が1996年に設立された。 TARAはアフリカ芸術の認知度向上を目指す目的で活動しており、 岩壁画の保存にむけた活動も積極的に行っている。 世界遺産登録の運動もこのTARAが主導的に行っている。

  なおタンザニアにはコンドア地域のほかにも、
オルドゥヴァイ峡谷(Olduvai Gorge)で見つかった人類の祖先の痕跡や、 ラエトリ(Laetoli)で見つかった人の足跡の化石、 テンダグル(Tendaguru)の恐竜化石発掘地など、 太古の考古遺跡や化石発掘地がたくさん発見されている。

(参考)
南部アフリカの岩壁画を世界遺産登録するための候補地一覧
http://www.icomos.org/studies/sarockart.htm
遺跡 重要性 現状(2002年時点)
タンザニア Kondoa-Irangi District 岩壁画と珍しい技術や遺物 保護管理計画書を作成中
マラウイ Dedza-Chongoni District 壁画と興味深い民族誌学的遺物 申請準備中
モザンビーク Manica Province 保存状態が良好な壁画 遺跡の詳細を調査中遺跡の詳細を調査中
ザンビア Kasama District 民族誌学的に興味深い遺物を伴う保存状態が良好な壁画 遺跡の詳細を調査中、保護管理計画書を作成中
ジンバブエ Matopos National Park 保存状態が良好な壁画と文化的景観. 保護管理計画書と申請書を準備中 *
ボツワナ Tsodilo 多数の保存状態が良好な壁画と文化的景観. 2000年6月に登録申請、2001年12月に登録
ナミビア Brandberg 多数の保存状態が良好な岩壁画と文化的景観 遺跡調査は終了し、保護管理計画書を作成中
ナミビア Twyfelfontein 多数の保存状態が良好な岩彫刻と文化的景観. 部分的な調査を実施中、保護管理計画書を準備中
南アフリカ uKhahlamba Drakensberg Park 多数の保存状態が良好な岩壁画と文化的景観 1999年6月に登録申請、2001年12月に登録
南アフリカ Xam Heartland 優れた民族誌学的景観と保存状態が良好な岩彫刻 遺跡詳細を調査中、保護管理計画書を準備中
* ジンバブエのMatoposは2003年、世界遺産に登録された


参考サイト
http://www.photographersdirect.com/stockimages/k/kondoa.asp
http://www.bradshawfoundation.com/tanzania/forward.html





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