ピコ島のブドウ畑文化の景観 Landscape of the Pico Island Vineyard Culture
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| 遺産略説(執筆:収斂さん) ピコ島はポルトガルの西の大西洋上にあるアゾレス諸島では2番目に大きな島である。 ピコ島は火山などの造山活動できたため島全体が急峻な地形であり、 ポルトガル最高峰のピコ山(標高2351m)もそびえている。 島は、 面積447平方キロメートル、 長さ約42キロメートル、 幅15.2キロメートルと細長い。 人口はたったの2万人しかおらず、 ラージェス(Lajes)、サン・ロッケ(Sao Roque)、マダレナ(Madalena)の3つの村に人口が集中している。 この島は過疎の島ではあるが、 島独特の習慣や豊かな自然が残り、 美しい海はもちろん、 洞窟観光やラグーン、 登山なども観光客に人気である。 特に最近は、 美しいブドウ畑と、 黒い溶岩を積み上げて建てられた18世紀の民家群の景観を観光に利用しようと、 積極的な宣伝が行われている。 この島に人が住むようになった正確な時期はわからないが、 1460年頃には既にポルトガル北部の人たちがこの島を発見していたらしい。 島で最初の村はサン・ロッケで、 1542年に建設された。 島では小麦のほかに、 フランダース地方に輸出された染色用の植物が栽培されていた。 これは、 チョークとともにゴムに入れて練って、 パステル(pastel)という塗料の原料になった。 さらに痩せた土地でも生育する利点を生かし、 ワインも栽培された。 こうしてピコ島はポルトガルにとって重要な商品作物の産地へと発展したが、 化学染料が開発されると、 この島の染料の生産は下火になっていった。 一方、 ワインの生産はそういった影響をほとんど受けなかったので、 ピコ島の重要な伝統産業として今に伝わっている。 ただし18世紀の中頃に、 ピコ島のワイン生産は戦争によって一時、 破壊されたことがあった。 そのとき、 ワイン畑の立ち直りは遅々として進まず、 その間に、 ブドウの栽培方法もそれまでの方法からすっかり変わってしまったという。 つまりピコ島のワイン醸造は、 細々と続けられてきた産業といってよい。 現在の島のワインのほとんどは、 アメリカ原産の赤ワイン用のブドウであるアンジェリカ(angelica)と、 ピコ島で栽培されたブドウを使って仕込んでいる。 ピコ島のワインは、 ポルトガル政府の公式な品質保証書である VLQPRD (Offcial Portuguese certification meaning Quality Liquor Wine Produced in a Denominated Region)が与えられ、 品質は優れている。 ワインは、白、赤のほかに、 vinho de cheiroというこの島独特のものも生産されている。 また島のあちこちには、 ワイン組合によって建てられた共同体ワインセラー(Cooperative Winecellar)という観光客用の貯蔵室があり、 有名な地元ワインのヴェルデーリョ(verdelho wine)も観光客には無料で試飲させてくれる。 このワインは主にイギリスやアメリカ、ロシアに向けて輸出されている。 それから、アゾレス諸島周辺には18世紀後半から、 アメリカの捕鯨船が多く来るようになった、 当時、 ピコ島は捕鯨船の重要な寄港地であり、 漁業の町として活気に満ちていた。 島には現在、 捕鯨博物館(the Whaling Museum)が建設されている。 また、 鯨の骨や歯を利用した工芸品が今でも島の特産品となっている。 ピコ島にはサン・ロッケのフェスティバル(Festivals of Sao Roque)、 捕鯨船フェスティバル(Whalers Festivals)、 ワイン畑フェスティバル(Vineyard Festivals)という有名なお祭りがある。 サン・ロッケのフェスティバルはポルトガル移民を祝うお祭りで、 6月の最終週に行われる。 捕鯨船フェスティバルはルルドの聖母(Our Lady of Lurdes)を記念して、 8月の最終週にラージェスで開催される。 このお祭りの呼び物として、 1998年から2年に1回、 アゾレス諸島の鯨の観察会も行われている。 ワイン畑フェスティバル(Vineyard Festivals)は9月の第2週に開催される。 裏世界遺産バックナンバー目次へ |