ドレスデンのエルベ川流域
Dresden Elbe Valley


国名 ドイツ
分類 文化遺産
所在地 首都ベルリンの南およそ160km



審議年と結果
1990年 申請の辞退 ・・・ビューロー会議にて、サイトの重要性は認められるが、登録基準を満たしていないので登録されないと思われると評価されたのち、最終評価が出る前に東ドイツ当局(当時)は申請を辞退した。なおこの時はドレスデン(バロック様式建築群)Dresden (Baroque ensemble))の名で登録申請された。
2004年 世界遺産登録!! ・・・ドレスデン市街だけでなく、エルベ川の流域18キロを範囲として登録された。


 



▲ツヴィンガー宮殿

画像提供:guckmal さん
エルベのほとりで...
   
遺産略説(執筆:収斂さん)
  ドレスデンはドイツ東部のザクセン州中東部、 エルベ川に沿って広がるドイツ屈指の古都である。 街の歴史は13世紀までさかのぼる。 当時はヴェッティン家が所有したマイセン辺境伯領の一部で、 エルベ川右岸に小さな街があったにすぎなかった。 1206年、 エルベ川左岸にドイツ人街が建設され、 以後エルベ川右岸をアルテン・ドレスデン、 エルベ川左岸をノイエ・ドレスデンと呼ぶようになった。 その後1423年、 ヴェッティン家のマイセン辺境伯フリードリヒがザクセン選帝侯になるが、 ほどなくヴェッティン家の家督相続問題の内紛から、 1485年にヴェッティン家がエルンスト家とアルブレヒト家に分裂し、 ドレスデンはアルブレヒト侯国の中心都市になる。
  そして1547年アルブレヒト侯モーリッツがザクセン選帝侯になり、
ヴェッティン家の内紛は終焉するが、 以来ドレスデンはザクセン選帝侯国の首都として発展していく。 1694年にザクセン選帝侯に即位したフリードリヒ・アウグスト一世の時代に、 ドレスデンは最も栄華を極める。 北のフィレンツェとまで賞賛された壮麗豪華な建築には、 この頃造られた物が多い。
  1871年にドイツ帝国が建国されると、
ドレスデンは重工業が発達してくる。 そのため第二次世界大戦末期に大空襲に襲われ、 街のほとんどが壊滅する。 現在の歴史的建造物は、 そのほとんどが戦後復元された物である。
  代表的な建造物には以下のような物がある。

ツヴィンガー宮殿
  1711年から
28年かけて建設されたフリードリヒ・アウグスト一世の離宮である。 建築家ペッペルマンが設計し、 彫刻家ペルモーザーが装飾した壮大なバロック風建築物で、 ドレスデンを象徴する建造物である。 左右対称で要所に形式的な城楼風の塔を配置しているため ツヴィンガー(城塔)の名で呼ばれる。 第2次世界大戦で著しく損壊したが、 市民の熱意で復元された。 現在は、 ラファエロ、ルーベンス、ファン・ダイク兄弟などの名作を収蔵している古典巨匠博物館、 マイセンをはじめとする陶磁器博物館、 世界の甲冑博物館など、 5つの博物館の展示室として一般に公開されている。

ゼンパーオペラ王立歌劇場
  1841年に開幕したドイツ有数の王立歌劇場。
ここの声楽合唱アカデミーはバッハ、 メンデルスゾーンが指導を行っていた。 またワグナー自身が指揮した「タンホイザー」の初演が行われた場所でもある。

アルバーティヌム
  16世紀に、
エルベ川のほとりに建設された武器庫で、 その後フリードリヒ・アウグスト一世が城館に大きく改築した建造物。 現在は19世紀から20世紀までの印象派、 新古典派の作品を展示する近代巨匠博物館など、 いくつかの博物館として利用されている。

カトリック派ホーフキルヒェ教会
  アウグストゥス橋を渡ってすぐの王宮広場に面して建つバロック様式の教会。
彫刻家ペルモーザーのロココ様式の説教台や壮麗なパイプオルガンが有名である。

王宮
  カトリック派ホーフキルヒェ教会の南側にある。
現在のものは1630年に起工されたものである。 中央に立つ巨大な鐘楼と、 門のそばに巨人像が立つゲオルグの館(ゲオルゲン・バウ)は特に有名である。 ここはもともとザクセン選帝侯ゲオルグ・デア・ベルティゲの館だったものだが、 他の建築同様、 第2次世界大戦で著しく破壊され、 現在も完全復旧に向けて修復が続いている。

君主の行列
  カトリック派ホーフキルヒェ教会から東へのびるアウグストゥス通りに沿って、
長さ101mにわたって、 マイセン産の磁器タイルで描かれた壮大な壁画。 ヴェッティン家の歴代のザクセン王の乗馬行進を表しており、 ツヴィンガー宮殿と並ぶドレスデンの象徴。

旧マルクト広場
  500年以上の歴史を持つ古い広場。
しかし戦争で周辺のバロック建築群はほとんど失われ、 現在のものは戦後復元された物である。 今でもドレスデンの目抜通りである。

ブリュエールシェ・テラス
  エルベ川に沿って建つ要塞の一部を、
1739年から9年がかりでブリュエール男爵が庭園に改築し、 1814年に市民へ寄贈、 公開された遊歩道。 ゲーテがヨーロッパ第一のバルコニーと絶賛した。 歩道の随所に美しい彫像がある。 また周辺には旧ザクセン州議会など歴史的建造物も多い。

モリッツ城
  18世紀前半にドレスデンの北郊に建てられたザクセン侯の離宮で、
狩猟のための館であった。 湖に囲まれ、 ピンク色の城館が湖水に映える姿は特に美しいとして、 有名である。





裏世界遺産バックナンバー目次へ