エンジン







エンジンの変遷もまた、ひとつの物語だ。
95年 腰上オーバーホール
メーカー純正1@オーバーのピストンを組み込む
(作業は東京都大田区のハヤシカスタム)
97年 ドレンボルト新設
整備中に誤って破損してしまったドレンボルトを、新たに作り直して貰う。
(作業は東京都小金井市のGPクラフトに依頼)
98年 軽補修
電装系の換装と同時に、カムチェーンまわりの
リファインを行う
(作業は東京都大田区のハヤシカスタム)
99年 腰下を含む完全オーバーホール
知人にエンジンを一機譲ってもらい、腰下とミッション部分を含む大幅な補修作業を行う
(作業は東京都大田区のハヤシカスタム)
という経緯を経ている。





エンジン
1:オーバーピストンについて
上記の通りに、現状は0.5mmオーバーの純正ピストンが入り、総排気量は410ccとなっている。ただ、別段410だからといって、速いとか、力強いとか感じたことはない。ぼくも、このオーバーホール(そもそもはシリンダーの<穴を広げる>という意味)を行って初めて知ったことだが、ピストンリングがシリンダー内の余分なオイルを常にかき落としてゆくため、シリンダーの内壁は摩耗してゆく。つまり、シリンダーは消耗品なのである。そのため、メーカーではピストンの径が.5mm大きな交換用部品を常にストックしておく。設定値を超えたピストンは、ボーリングマシンで内径を拡大された上で、この純正ピストンを使用し、新たな歴史を刻んでゆくことが出来るのである。

2:カムチェーンについて
カムチェーンは、このOHC-400FOURシリーズの最大の弱点といわれ、非常にしばしば緩み、テンショナーそれ自体も疲弊しやすい。結果としてエンジンから異音がする、という状態が良くある。ものの本によれば、このOHC-CBシリーズのカムチェーンは現行のヤマハFZ750やFZR1000の219というサイズのものと同一であるため、リプレイスが効くらしい。『伸びが少なく、強化カムチェーン仕様に出来る』とは、エンスー雑誌『クラブマン』誌の受け売り。
後に知り合いになった東京のこおさんによれば、これはホンダが経費削減のためカムチェーンをいわゆるそれようのものでなく、農作業器具などの汎用の小型チェーンで代用してしまったためであることが判明。219サイズと呼ばれるこのチェーンは、上記の通りにFZシリーズなどで使用されている219hのチェーンに交換することをお勧めする。なお、400FOURのカムチェーンはエンドレスであるため、カシメタイプの219hに交換するときは、一度ノーマルのチェーンを切断し、カシメタイプの一端と針金等で結合した上で、ノーマルの逆端を引っ張って上げることで交換可能。この作業はシリンダーヘッドカバーを脱帽するだけで出来る。
また、カムチェーンの鳴きについての軽作業がここに掲載されているので、参照してください。

3:今後のチューニングについて
エンジンに関しては、もはやこれ以上のチューンナップは考えていない。最近ヨシムラから復刻版のカム(ステージ1)も出されたらしいが、CRのセッティングさえ会えば最高の走りを見せてくれる400FOURを、これ以上チューンすると「ぶっこわれ」そうで怖いのである。そもそも350FOURのエンジンユニットのボアを拡大しただけのモノで、冷却効率が悪いから、宗一郎が「フィンを一枚増やしゃーえーずら」といって出来上がったエンジンなだけに、耐久性はイマイチ悪いのではないか、というのがぼくの本音。そういえば、昔聞いた話だけど、こいつが現役の頃に乗り回していた高校生ライダーが、エンジンをブン回し過ぎて『ロアーケ−スからコンロッドが飛び出ちゃった』という空恐ろしい話を聞いたことがある(噂でなく、本人談)。ま、それは極端な話だとしても、古いエンジンで、これからも長く乗っていこうと思うならば、そして更に、一度乗っちゃうと我慢して大人しく走れません、というならば、やみくもに改造するのではなく、マシンの実力に見合ったチューニングを施すべきではないであろうか?



オイル
上の話の続きになるけど、オイルを選ぶ、というのも大切なチューンナップだと思う。ぼくは今1500キロ目安でオイルを交換し、フィルターは2回に1回は交換するようにしている。いま('99)使っているオイルはフランスの『シルコリン』というもので、ワインレッドの色の良いオイルだ(都内ではNAPS練馬店で販売してます。電話:03-5905-1171・4リットル入りで10620円。1リットル入りもあります。通販もします。/宣伝しといたぞ、牧野!)。
ま、別にどんなオイルを使っても良いのだけど、要はこまめに交換し、出来れば常にオイルの色を見る癖をつけた方が良いと思う。オイルの色、交換するときの状態(鉄粉が入ってないか、異物は紛れ込んでないか)等をきちんきちんとチェックしてゆくことが、結局はエンジンの健康につながるのだ。
ついでに書くと、オイル・クーラーもつける気はない。あんなモノはストリートではただのハッタリパーツに過ぎない。オイルクーラーをつければ、オイルの経路がそれだけ長くなるわけだし、オイル・ポンプにかかる負担だって増す。車重だって増えるし、そもそも、エンジンに風が来ないようにチンタラ走ってンじゃねーよ、と、思うのはぼくだけですかねぇ?
オイルが劣化してくると、ミッションの入りが悪くなって、最近はギア抜けも起こるようになってきた。また、当然のことながら吹け上がりは悪いし、加速感もイマイチとなる。
早めのオイル交換。旧車乗りの第一歩です。
【2001年現在では、左図の安価なオイルを使用】
後日談
このオイルクーラー装着の是非については、オフ会で話題になった。
現在これを装着している人からすると、オイルポンプの吐出力にさほどの問題はない、とのこと。さらに、ボアの拡大やカムの交換などのチューニングエンジンには、やはりノーマルのままでの冷却機構ではとてもエンジンを正しいコンディションに保っていくことは厳しいらしい。オイルポンプにも強化パーツが出ているらしいので、必要があればオイルクーラーを装着することもまた正しいのかもしれない。
CBR400Fなどの空冷DOHCインラインフォア400ccレベルの純正オイルクーラーは割と小ぶりで、400FOURの求める潤滑油冷却力に丁度良いのではないか、という話も聞かれた。

オイル交換についての実践は、こちらをご覧ください

【ドレンボルト再設】

破壊されたドレンボルト

実はドレンボルトを壊しちゃいましてね。
自分でオイル交換をやろうとしたんですが、右に回しても左に回しても、ウンともスンとも言わないんですな。そこでドレンを思いっきり逆向き(締め方向)に廻しちゃったんですわ。柄の長いレンチで。見事にオイルパンにヒビが入りましてね(写真溶接痕の部分)。オイルがそりゃもうドバーッと…。
いろんなバイク屋に相談して、東京都小金井市のGPクラフトさんが『持ってくれば何とかするよ』とおっしゃっていただいたんですわ。
で、オイルパンを外して、新聞紙にくるんで持っていったところ、一週間後にこのような姿で戻ってこられた、というわけ。
新品パーツは高いし、熱変形している可能性のあるエンジンパーツは別のロットナンバーのものと組み替えない方がいい、と言われ、あるものを何とか修理することになったんです。ヒビの入った部分には無理矢理溶接し(表裏ともに)、ヤマの欠けたドレンボルト受け穴には同経のスチールパイプを継ぎ足して、そこにタップで新たにネジヤマを作って貰ってあります。
『ドレンボルトの締めトルクはそんなに高くなくて良い。手で締め込んで、あとはそっとレンチで締めてやるだけで大丈夫。熱膨張であとはカッチリ締まるから』、とハヤシカスタムの社長も後に笑っておられました。
『気をつけよう、暗い夜道とドレンボルト』。









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