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車体解説(フレームナンバーより)
ぼくのオートバイ、『CB400F-2000308』は、HONDAのカタログから語れば、CB400FOURという形式に当たり、対米輸出モデルの408ccのエンジンを積んだ、フラットハンドルのオートバイだ、ということが出来る。この車両はバブル期に絶頂を迎えた第二次ヨンフォアブームの直後、1992年に日本に逆輸入され、逆輸入後は一人のオーナーのもとで、空を飛び、地を這ったりと、オートバイ本来ではない使われかたを度々される、第二の過酷な人生を送っている。そもそもは日本で生まれ、カリフォルニアの乾いた風の中で青春を過ごした彼にとって、この日本の高湿度の空気は如何様なものか、口に出して語ることはないが、表面に浮かぶ錆や傷の腐食の進行具合が思ったほどでもないことを見れば、彼がこの土地に馴染んでいる様が見て取れる。
そもそもこのオートバイは、1973年にデビューし、バックオーダーを抱えるほどの大人気を博した。『カフェーレーサーブーム』を巻き起こしたそのスタイリングは、タンクから直線的に続くシートレールや、それに平行するマフラーのデザインなど、古き良き時代の欧州車、それもイタリアの名車達のシルエットを色濃く残す外観に、世界を驚愕させたCB750のOHCインラインフォアというエンジンユニットを継承した、日本独自のカフェ・レーサーである。大体レーシングマシンでもないのに、このやたらと豪華なエンジンといい、細部まで作り込まれた外観といい、HONDA インラインフォア第一期シリーズの末弟にふさわしい華麗なプロダクトに世間の若者が熱中したのはごく自然なことだと思える。しかしながら、当時のHONDAが主張したかった部分はこれだけにとどまらず、排気音や排気ガスに対する様々な機構は、環境問題や安全面に気を配った設計となっており、日本に次いで大きな市場である自動車先進国アメリカを充分に視野に入れた設計となっている。
ヨンフォアを語るときどううしても避けて通れない問題が、例の'75年の免許制度改正だ。これにより、世間には大型車と中型車という概念が生まれることとなり、その狭間に立たされたCB400FOURは、翌'76年、ストロークダウンした398ccのエンジンを搭載した400FOUR F-1、F-2をラインナップに加えた。しかし、販売価格は初代モデルに据え置きとなり、HONDAの英断が忍ばれる。
この車両はそんな背景の中、デビューからたったの4年後、'77年には後輩のHAWKにその座を譲り、生産ラインから去ることとなる。その理由については、生産コスト高・過剰性能をあげるのが妥当だろう。実際『ヤカン』と揶揄される後身のHAWKを見れば、デザイン的にCBシリーズからそのまま引き継がれている数多くの部品(それはつまり、工場の生産ラインを変更せずにすむもの)があり、いうまでもなくインライン・フォアの超高性能エンジンユニットがそのフレームにのっかっている訳はなかった。
公道で、しかも中型二輪免許で乗ることの出来る『4気筒』のために、ユーザーは'79年まで指をくわえて待つより他無く、華々しく登場したKAWASAKI Z-400FXは既に、DOHCユニットを搭載した、現代的なモデルとなっていたのである。
結局、OHCのインラインフォアという(今にしてみれば)特殊なエンジンを積んだこのカフェ・レーサーは、世界でも類を見ない造形美でファンの心に残り、いまは名車として語り継がれる存在となったわけである。
魅力
でも、このオートバイは伝説などではない。そんな埃をかぶった表現をされては困る、とこいつに心血を注いできたぼくは思うのである。名車だろうがなんだろうが、『オートバイは走ってナンボ』のものであり、更に『スピード』こそがその存在理由なのである。『スピードだ。オートバイはスピードを失えば、直立していることすら出来ないのだ(山川健一)』。
今のオートバイ業界の中でヨンフォアといえば、格好いいけど停まらない、鈍愚なマシンだが、一部の熱狂的なファンが故に高値で取引の出来る良いバイク、という見方をされる傾向がある。冗談ではない。たしかにノーマルではその通りかもしれない。しかし、それなりに整備され、然るべきモディファイを施したこいつは、今でも立派なストリート・ファイターに生まれ変わる素質を持っている。
ぼくにとって、このオートバイの魅力はスタイリングだった。オートバイのことを碌に知らなかった17の頃、いかにもオートバイらしい形を持ったこいつに、ぼくは心を奪われた。そして何年かの月日が流れ、手許にやってきたときぼくは、愚かにも『大事にしよう』と決意した。アクセルはブン回さない。急制動を掛けない。だって旧車なんだもん、無理をさせちゃいけないよ、と当時のぼくは思っていた。それはそれで、正しい接し方なのかもしれない。そもそも現行車にかなわないオートバイに、信号のスタートダッシュで勝利を得ようとするほうが間違っているのだ。それは判っている。
しかし、二輪のシートにまたがったとき、ぼくはぼくでなくなる。大袈裟な話しをするつもりはないが、邪念を排してオートバイに乗るとき、早さ以外の何を求めたらいいのか、よく判らないときがある。早さとは言い換えれば、乗り味のことであり、オートバイで走る快感のことである。だって、オートバイで走っているとき、ぼくにはその機械のスタイリングは見えないのだから。
だからZ400-FXよ、RZサンパンよ、いつでもかかって来いや。勝負してやるぜ。
購入方法
今、これを読んでいる人は必ずしもこのオートバイのオゥナーだけではないと思う。今からこいつを手に入れようとする人もいるだろうから、その人達にむけて、こいつの買い方を経験をふまえて少し、語ろうと思う。
まず第一は、雑誌を読むこと。座学、である。上記の通り、このバイクはいわゆる名車として、少なからず市場に出回っている車両である。しかしデビューから既に四半世紀。今まで何度かのヨンフォアブームがあった。現行車で同じ名前を持つ車両がラインナップに乗っているのも、その結果といえるのではなかろうか(ま、あれはナナハンのコピーだけどね)。そのブームによって、ヨンフォアの標準価格というのは常に動いてきた。ピーク時にはまともな車両は70万をくだらない、下手をしたら80万出さないと危ない、といった時期があった。はっきりいって無茶苦茶な話しだ。ぼくがいうのも何だけど、こんなもんに80万も出す馬鹿が何処にいるっつーんだよ? (あ、イケネ、オレ数百万かけてるんだった…)
とにかく、雑誌を見て市場価格を知ること。自分の財布と相談して、出せる範囲をまず、きちっと設定すること。その上で、お店に足を運んで下さい。チェックポイントはいくつかあるけど、まずは雑誌の文句は信用しないこと。一番怪しいのが「完全整備済み」というヒトコト。はっきりいって、こんなもんは100%嘘です。こんな旧車にいちいち完全整備など施していたら、バイク屋は商売上がったり、というものだ。だから、お店の人にまず訊いて下さい。この車両は何処まで整備されているのか、と。その時その条項が多いに越したことはないけど、どだいそんなものもホラかもしれないので、次の6点だけはきっちりと訊くこと。
1 購入時に新品のオイルとフィルターそしてプラグを入れて貰えるのか
2 ブレーキフルード・パッドは新品に変えて貰えるか
3 エアクリーナーも新品にして下さい
4 バッテリーも新品を積んで欲しい
5 ひょっとしてシリンダーヘッドのパッキンも新品を入れて貰えないか
6 ついでにカムチェーンの張りも見といて下さい
例えば購入価格が60万だとして、上の6つの作業を足してあと10万プラスの70万で乗り出せるなら、これは良心的なお店だと思う。
また同じように、車両の程度を見極める上でのチェック条項というのもある。1 転倒ダメージのチェック
シートに座ってハンドルを左に一杯に切る。そしてバイクから降り、ハンドルの開いている側を見る。フロントフォークや電装ケーブルに隠れて見えにくいが、トリプルツリー(ハンドルとフロントフォークを合体させる三つ又の部品)の付け根の所に、ハンドルの切れ角を制限するハンドルストッパーという小さな爪が溶接されているはずだ。こいつの辺りが不思議な方向に曲がっていないかどうか確かめる。
これは、転倒のダメージをチェックする作業である。どんな車両でも、タイアが二個しかないのだから、オートバイというのは全て転倒する。それ自体に問題はない。しかしその転倒がひどい時、衝撃はフレームに伝わり、外見からは判らなくとも、微妙なフレームの歪みが高速安定性を著しく損なう。だから、その程度を調べるのだ。ハンドルストッパーは黒いペイントで塗られているが、ここが一部でも剥げて錆が浮いているときは要注意。それは、転倒のショックでそれ自体の変形はしなかったものの、塗装がこそげ落ちた結果なのである。その程度が明らかに目で見ても異常なとき、その車両は絶対に購入してはならない。と、いうよりもそんなものを売り物にしている店を信用してはならない。
転倒のあとはここだけでなく、車両の各部に残る。まずはハンドルの両端、ブレーキ/クラッチレバー(この先端に「玉」がついてないのは立ちゴケした証拠。あ、オレのもねーや)。ウインカーサイド。そして4本のエキゾーストパイプの一番外側(4番)。フットブレーキサイドや左右ステップ〔ま、これは普通に走っていても、地面を擦るほど車体を倒してカーブする人がいるから当てにはならないが〕。マフラーの最後端の外側。ナンバーの左右。2 タンク内の錆
タンクの中を見てみること。よく、店頭展示車両でタンクのフューエルホースにフィルターを噛ましているものを見かけることがあるが、あれはつまり、タンクの中身が錆びていますよ、といっているようなもの。そりゃ古いモノだから、中身が錆びるのはしょうがない。しかし、タンクの蓋を開けて、見える範囲に錆が浮いているものは話しにならない。エンジンをかける度に錆びて剥がれ落ちた鉄粉は、キャブレターの中に溜まり、目詰まりを起こしてゆくものなのだから。こういうのも絶対駄目。3 エンジンまわり
エンジン周辺のオイル漏れをチェック。これを第一にやるべきだろう。エンジンの一番上(シリンダーヘッド)のいろんなボルトの辺りにオイルの汚れがこびりついていないか。このヘッドという蓋と、フィンのついているシリンダーブロック、そしてその下のクランクケースの接合部やフィンの間などに、黒い固まりが見えるようなら、その車両はオイル漏れをしている、ということになる。特にシリンダーヘッドは車両によって・乗り方によってはボルトが緩みやすく、またパッキンも劣化しやすい。だからここからオイルが漏れている時は、気をつけるべきだ。店が良心的なら、これは修繕してから展示するだろうし、さもなければクレームとして販売価格内で修理してくれるはずだ。オイル漏れはエンジンの外観を損ねるだけでなく、内部オイルの消耗を激しくし、エンジンの疲労につながる。乗り始めてからならいざ知らず、購入前にそのような状況にあることだけは、必ず避けたい。
次に、店の許しがあれば、エンジンに火を入れよう。いや、エンジンに点火も許されないような店なら、購入はその場でやめよう。エンジンは生き物だ。火を入れて、呼吸をさせて初めてその鮮度が確認できるのだ。
エンジンを始動させて、一発で目覚めないもの。これは、様々な原因が考えられるが、まずバッテリーがヘタっている・プラグがかぶっている・オイルが劣化しているなどの理由がある。例えばカワサキ車などは、セルの力不足なのか、一発始動というのなかなか難しかったりするが、このヨンフォアに限っては、完調のものはセルボタンに一瞬触れただけで、エンジンは小気味よく目覚める。もちろん展示車両というのは毎日エンジンに火を入れてもらっているものではないから、そんなに快調というのはないかもしれない。しかし、何度やっても点火しない、点火しても元気がない、等の車両は、あとでお金がかかることを覚悟しなくてはならない。
また、エンジン音を聴くという作業も大事だ。
アイドリングしているエンジンの中から「チャラチャラ」というような自転車のチェーンをひきずるような音が聞こえたら、これはカムチェーンかプライマリーチェーンに緩みが生じている証拠。特にカムチェーンはヘタリやすいので、これもクレームとして調整し直してもらうこと。「いやこんなもんだよ」とお店の人が言ったら、「じゃあ、いいです」と言って別の店を探そう。カムチェーンの調整なんて、5分で出来る作業だ。それをめんどくさがるような店とはつきあわない方がいい。
エンジンを始動させ、音を確認したら、空吹かしをしてみよう。くんくん臭いをかいで、ガス臭いと思うかもしれないが、これはそういうものだ(ま、ぼくのとかは異常に臭いけど、それはブロパーバイガス機構を殺しているせい)。見るべきものは、排気の色。無色透明な排気が、マフラーから出ているはずだ。もしかして若干白い排気が出ているかもしれないが、これは久しぶりに始動した車両によく見られる現象。マフラーの中に溜まった水蒸気が熱によって蒸発しているのだ。だからこれは数分で消えるはずだ。いつまでたっても排気が白い場合は、エンジン内部の異常が考えられる。特にオイルが不足していたり、点火時期がずれていたり、キャブレターからのガソリンの濃度調整が適正でなかったりと、様々な要因で、排気の色は白くなったり黒くなったりする。もちろん古い車両だから、多少の排気色は出るかもしれない。しかし、真っ白や真っ黒の排気がいつまでたっても出るような車両は、絶対購入してはならない。と、いうか、そういうものを展示販売している店の良識を疑う。
また、排気漏れにも気を配ろう。エンジンとエキゾーストパイプをつなぐ菊の花のような形をしたフランジに手を近づけ、風が来ないことを確認する。ここにはエンジンとエキパイを密閉するガスケットが封入されているが、これが変形したり耐久年数を超えることがあり、その結果として排気ガスがあらぬ所から漏れることになる。同様のことは(逆輸入車の場合)、エキパイの集合部後端(俗に烏賊の頭や手袋、と言うらしい。なるほど…)とサイレンサーの接合部に、上の方から手を近づけ、ここの排気漏れもチェック。ただし、下からやらないこと。サイレンサーの下には先ほどの内部結露した水蒸気を排出する穴がもうけられており、ここから多少の排気は出るようになっているから。4 各パッキンの状態を確認
車両にまたがって、ハンドルをぐいぐい地面に押しつけてみる。そして車両から降り、光り輝くフロントフォークを見てみよう。いまストロークした分だけ、フォークの表面は埃もとれ、ぴかぴかに輝いているはずだ。ここで注意すべきは、フォークに縦方向の細かな傷が入っていないかどうか。これはフロントフォークが伸縮する際に、それが挿入されるボトムケースの最上段に内蔵されている、ダストシールという異物除去フィルターが変形していたり、ボトムケース内に満たされているオイルを密閉するオイルシールが傷ついていたりする証拠。フォークそれ自体に傷が付いてしまうと、いくらオイルシールを新品に交換しても、ボトムケース内のオイルはフォークの微かな縦傷ににじんで、外に漏れてきてしまう。こういう車両はやはり、購入を諦めたほうが賢明だ。
しかし、ただ単純にオイルが漏れてきているだけなら(こういう車両のほうが圧倒的に多い)、パッキンやシールを交換するだけで話しは終わる。特にこういったゴム製品は時代の流れの中でひび割れたりする劣化が激しいものだから、購入時に異常が見あたらないとしても、店は新品を入れるべきだと思う。5 タイアの状態の確認
ゴム製品の劣化は、いうまでもなくタイアにいちばん現れる。タイアサイドにひび割れのような跡があれば、即交換。四半世紀前のタイアを履いている車両がごろごろしているこの車種の場合、とりあえずタイアを変える、というのは結構大事なことではなかろうか? 現代のタイアのグリップ力は昔のそれとは格段の差があるものだ。脚まわりがどうのという前に、まともなタイアを履け、という話しだろう。また、空気圧の問題も、基本だ。自転車と違って、タイアを手で押してみても適正な空気圧など判らないのだから、バイク屋できちんとゲージで計ってもらい、本来の圧力で走り出すべきだろう。停まる、曲がる、走り出す。バイクに関わる全ての運動のみならず、燃費までもを左右するタイアの空気圧をあなどるなかれ。6 クラッチ・アクセルの重さ
車両にまたがって、左右のレバーを引いてみよう。アクセルだってひねってみよう。もしあなたが初めてこういった旧車に乗るのならば、その圧倒的な重さ、鈍さに驚くだろう。この車両に慣れたぼくが現行車にのってショックを受けるのは、やはりクラッチやアクセルの軽さだ。特にいまレーシングキャブが入っているから、ぼくのCBのアクセルはハンパなく重い。
しかし、旧車の操作系は、いまのものに比べればたしかに重いが、それも調整次第で相当な軽さを実現することが出来る。アクセルワイヤーやブレーキワイヤーが錆びておらず、潤滑油を必要なところにきちんと差されている車両の操作系は、重いといっても必要充分な重さだ。だから、「旧車だから操作系が重い」という思いこみは排除した方がいい。何だったら、現行車の同寸ワイアーをリプレイスすることだって出来るのだ。頭から重いものと決めてかからずに、変に動きが渋かったり、異様に重いようなら店の人にそのことを言うこと。そしてもし、各部に異常が認められないならば、購入後に自分で可能な限り調整を施してやること(クラッチもスロットルも調整次第で相当軽くすることが出来る)。7 クッションユニットの動作
動きが渋くなるのは、そういったハンドルまわりだけではない。オートバイの各部には様々な動作を行う箇所がある。ハンドル、サスペンション、ステップだって折り畳めるし、サイドとセンタースタンドは当然。スイングアームやリアサスペンションなど、各部の動作に異常がないことも確かめたい。まず各部を動作させてみて、キーキー音がしないこと。当然といえば当然の話だが、何せ古いバイクだから、どんなことがあるか判らない。異常音がして店の人が青い顔をしたら、そこはきっちりクレームを付けておこう。
特にフロントのサスとリアショックは、工場からロールアウトして以降常に荷重がかかっているわけで、それが四半世紀を過ぎていれば動作が渋くなって当然、というものだ。フロントフォークはオイルを交換し、必要なら中のスプリングを入れ替えればいいが、このオートバイの場合、リアショックは交換しか道がない。オリジナルに拘るのなら話は別だが、ほぼ同じ設計のショックユニットはホンダの現行車の中で結構使われているから、いっそのこと交換してしまう、というのひとつの手かもしれない。8 いざ、試乗
ぼくは未だかつて、オートバイを買うときに試乗をしたことがないが、これはさせて貰えるものなのだろうか?
でも、数十万からのものを買うわけだし、このぐらいの我が儘をきいてもらっても何の問題もないと思う。上記のチェック事項に異常が認められなかったとしても、やはり乗って初めて見えてくるもの、というのは存在する。遠慮することなどないのだ。発売から25年も経っている車両なのだから、異常がないことのほうがおかしい。殊更に異常箇所を探す必要はないが、購入時の選定がどれだけ緻密にされるか、どんな程度の車両を選ぶかによって、その後のあなたの旧車生活は驚くほど変化する(つまりかかるお金の桁が変わってくる、ということ)。
だから、いざ、試乗。そして思ったことを率直にお店の人にぶつけてみよう。購入店がそのまま今後の旧車生活の避難場所になることがしばしばあるのだから、お店の人がどれだけ親身に対応してくれるか、というのも実は重要な車両選びのチェック事項なのだ。
ショップとのつきあい方
上で書いたとおりだが、前段では店の粗を探すようなネガティブチェックが多かったのに対し、こちら=自分のことについて考えてみよう。
バイク屋につとめている友人がいる。都内でも最大手のオートバイ用品販売店だ。彼曰く、雑誌や噂で聞いた話をしたり顔でして、わかりもしない用語を振りかざして些末な質問をしてくる若者が多い、とのこと。思い当たるフシは、ぼく自身にもある。
このペイジを読んだオートバイプロの方はぼくの知識の生半可な点や間違っている箇所がありありと判るだろう。ぼく自身も、特にこんな旧車に乗っていると、雑誌から受ける様々な情報を有り難く思っていた時期も長かった。しかし、最近になって、雑誌というのもいい加減なのだなぁと気づき始めた。オートバイは個人的な乗り物で、その使用程度や使用環境によってさまざまなトラブルや故障を経験する。その時に雑誌に書かれた一般的な概論は役に立たない。結局は自分でばらして、組み上げるしかないのだ。自分で転んで、傷をつくって覚えるしかないのだ。だからこのペイジもなるべく、ぼく個人の経験に基づいた、ある意味では狭義のレポートを作っていくつもりだ。
話がそれちゃったけど、ショップとはどうつきあっていけばいいのだろう?
ひとつはこちらの態度として、「基本的に素人なんでよく判らない」というのをオープンに言っちゃうことだ、と思う。相手はプロなのだから、それ相当の敬意を持って接する必要はあると思うし、変にしったかぶって難解な用語を並べ立てても意味はない。しかし、店も、こちらは高い買い物をする顧客なのだから、それなりの扱いをして欲しい。その時に、こちらも「客だから」といったような振る舞いは論外だし、あちらも「プロだから」と権威を振りかざされても困る。結局は人と人のつながりなのだなぁ、と年寄りみたいなことを言ってしまうけど、「ショップとのつきあい方」にノウ・ハウなどない。ただ、店と客が互いに率直な考えを交換できる関係であればいいのだ。オートバイを購入した店が、長年のつきあいにならなかったことはぼくには何度も経験がある。いま行きつけの店はバイクでも30分かかる距離にあるが、もう他の店を探そうとは思わない。そこにはぼく専用のCBパーツリストがあるのだから…。
保管法・防犯対策
はっきり言おう。ヨンフォアを族車だ。ぼくの知り合いにも「昔よくこれ盗んで、タレ風竹槍つけて走ったわー」というお方がいる。
はっきり言おう。ぼくのCBは2代目だ。汗水たらしてバイトしてやっとの思いで購入した初代は買って一ヶ月しない間に、住んでたアパートの駐車スペースから盗まれた。いまでは家に帰ったらすぐに雨よけの幌をかぶせて前後輪にロックをして、更に風でめくれないように、幌は洗濯バサミでワイアーロックに前後止めている。要はそこにあることを気づかれないこと。これが盗難を防ぐ第一。街になどもちろん乗っていかない。こんなバイクを街角に停めていたら、おちおち映画も見られない。最近ではカスタムパーツだけをかっぱらっていく馬鹿野郎もいると聞く。冗談じゃないぞ。
前の時は目を付けられていたのだと思う。長さ1メートルぐらいのバールでキーシリンダーを破壊され、イグニションを直結して盗難された。それから1年して、また同じバイクを買ったが、そいつもやはり、アパートの同じ駐車スペースで盗まれる寸前までいった。今度は鋼鉄のU字ロックを前後輪につけていたが、盗難者の馬鹿野郎は、サンダー(電動回転ノコギリ)もってきやがった。110番通報して危うく難を逃れたが、まったく盗むほうも何を考えている判らないのだから、対策として盗難保険にはいる、というのは現実的な手かもしれないなぁ。