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Mutsumi Inoue

 もう5年位前になるのかな ?、Space Shower TVに "BUM" という音楽情報番組があった。当時渋谷のクアトロにあったWAVEのサテライトスタジオから放送していたので、レコードを買いに行くついでによくチラチラのぞいたものです。そこで毎週土曜日、加藤賢崇と共にパーソナリティーを務めていたのが、井上睦都実だった。いつも明るくて元気が良くて、美人でスタイルが良くって、服のセンスもなかなかカッコ良くって、ステキな女のコ(といっても僕より年上ですが)だなと思っていたら、元モデルでした。やっぱり。

l'amour est bleu 僕は普段邦楽アーティストの曲をあまり熱心に聴く方ではないのだけれど、たまにはこんなさっぱりした女のコのCDもいいかなと思い(タイトルに惹かれたということもあるのだけど)、デビューアルバムの "l'amour est bleu"(恋は水色)を買ってみた。いいですよ、これ。いや、「いいですよ、これ」なんて軽く流しちゃいけないな。すごぉぉぉぉぉく良いアルバムです。小西康陽、田島貴男、米米CLUBといった豪華な作曲陣も凄いし、あのクレモンティーヌもデビューアルバムでカバーしていた "Girl Talk" を微笑ましく歌っていたりと聴きどころは多いのですが、なんといっても素晴らしいのは、彼女の書く詞。全9曲中6曲で彼女自身が作詞を担当していますが、どうしてこんな詞を書けるのだろう。よくある「ストレートな」表現とも違うし、かといってレトリックを凝らしているわけでもない。彼女の気持ちをそのまま綴ったようなラブソングが中心なので詞の視点は女のコのそれですが、甘過ぎることもなく飾り過ぎることもなく、シンプルで、だけど瑞々しい。まるで井上睦都実そのもののような、文字通り本人の分身のような詞はいつ聴いてもドキドキする。

 その後、片寄明人作曲の名曲『わかるはずなのに』を収録した『夢で逢いましょう』、区麗情と(バクハツする前の)五島良子がゲスト・ヴォーカルで参加している『幸せなデニム』、『君に、胸キュン』のカバー(YMO!)も入っている『Green Fingers』このアルバムは今の季節に最高ですをリリースし、レコード会社をSONYからPUNCH IN RECORDSに移籍。昨年の春に4曲入りミニ・アルバムの『FRUIT AGE』をリリース。ちょっと大人の女になって、シックでクールな睦都実ちゃんもステキです。もちろん、シックでクールになっても彼女のナチュラルさは変わらない。最近、音楽に限らず、シンプルでナチュラルでということを声高に叫びながらゴタゴタと飾りたてる人やモノを目にすることが(特に日本で……僕も含めて)多いのだけど、彼女の歌を聴く度にシンプルでナチュラルってこういうことを言うんだなって再認識する。ホント、学ぶところは大きいです。1度でいいから実際に会ってじっくり話を聞いてみたいものです。

 そう言えば、FRUIT AGEをリリースした際HMV横浜店でインストア・イベントがあったらしいのですが、横浜に住んでいながら僕は全く知らなかった、ああ……。まだまだチェックが足りないのかしらん ? それにしても、最近の邦楽アーティストにしてはめずらしいくらい情報が少ないので、彼女が今何をしているかは知る由もないのですが、とにかく次のアルバムが待ち遠しいです。睦都実ちゃん、期待してるよ !

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