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Jane Birkin

Je t'aime moi non plus ゲンズブール時代の彼女の作品でやはり取り上げなければならないのは "Je t'aime moi non plus" と "Baby Alone in Babylone" の2つ。
 公開当時はさっぱりだったらしい "Je t'aime〜"、最近ではリバイバル上映、ビデオ再発、アナログ復刻と、すっかり定番の仲間入り。主題歌はもちろん、ゲンズブールがB.B.と試みて日の目を見なかった(86年にようやくリリース、"B" 参照)タイトルナンバーの、ジェーン&ゲンズブール・バージョン。B.B.バージョンも素敵だけど、どちらかと言えば僕はジェーンの歌の方が好き。この曲自体は映画が公開される数年前にレコーディング、リリースされたものだけど、今まさにスターの座へ駆け上がろうとするジェーンの、ゲンズブールとの出合いで歓びに満ちているその喘ぎは、エロティックを超えて本当に美しい。

Baby Alone In Babylone そして "Baby Alone In Babylone"。1983年にリリースされACCディスク大賞を受賞したこのアルバム、ブラームスをモチーフにしたタイトル曲(邦題『バビロンの妖精』)、セルジュが彼女に宛てた電報の文面を用いた "Overseas Telegram"(『国際電報』、ドヌーヴも歌ってます)、そしてバーキンがどうしても歌いたかったイザベル・アジャーニの "Pull Marine" の代わりにゲンズブールが書いた "Fuir Le Bonheur De Peur Qu'il Ne Se Sauve"(『虹の彼方』)等を収録。ウィスパー・シンガーとしての彼女を決定付けた作品。名作です。

a la legere ゲンズブールの死後も精力的にアルバムを発表し続けている彼女。特に96年からは "Versions Jane" "Concert Integral A L'Olympia" "The Best Of" "A La Legere" と文字通りのリリース・ラッシュ。特に去年の秋に発表された"A La Legere" は久しぶりのオリジナル・スタジオ版 ということもあって歓喜した人も多かったと思う。M.C.Solaar、E.Daho、F.Hardyと参加アーティストも豪華。大物振りを発揮してます。でも、もちろんキュートな歌いっぷりは健在。ゲンズブール時代のバーキンしか知らないという人にもお勧めできます。ただし、虫嫌いの僕にはちょっとジャケがエグすぎる。何も羽まで生やさなくたって……。

 最近は映画『恋するシャンソン』(On Connait La Chanson)にも出演しているし、ホント、がんばってるバーキン。あの華奢な身体のいったいどこにこんなパワーがあるのか、全く不思議。
 不思議といえば、彼女の魅力の所在も実は良く分からない。確かに、ここで取り上げたようにバーキンは好きだし、事実彼女の出ている映画は何本も観たしレコードもたくさん持っているけれど、いったい彼女のどこが好きなのかと聞かれると、答えに窮してしまう。その容姿も、スタイルも、ウィスパー・ボイスで歌う歌い方も、すべてが魅力的なのはもちろんだが、その1つひとつを取り上げてみると、彼女を上回る女性は大勢いる。かといって、ジェーンがこれらの魅力を総合した、いわゆる「万遍ない」女性だというわけでもない。話題に事欠かない彼女だが、話題性だけで売っている訳ではもちろんない。誤解を恐れずに言うなら、彼女の魅力はやはり「変わっている」ことだろうか。フランスでのバーキンの評価も両極端に別れるようだが、そのどちらにも共通する意見はやはり「彼女は少し違う」ということらしい。まあ、変わっていようが人と違おうが、素敵な作品に触れられればファンとしてそれだけで嬉しいのは言うまでもないのだけど。

 

 

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