ここ3年程、冬になると決まってパトリス・ルコントの新作が公開されますね。嬉しいかぎり。というわけで、さっそく観てきました。『フェリックスとローラ』。主演は、そう、シャルロット・ゲンズブール !
ある日突然目の前に現れる1人の女性、ローラ。素顔を覆い隠す濃いメイク。哀しみを増長するような暗いアイライン。不可解で理解し難い言動。こんな女のコに恋をしたらそう易々と幸せになれないのは分かっている。それでも好きになってしまうのは、彼女のその謎のせい。
謎の多い女性を好きになった男の常、彼もまた、彼女のその謎を解き明かそうとし、彼女への理解を深めようとする。が、彼女は自分からは何も話さない。話しても全てを語らない。そんなローラに愛情と疑心感を同時に募らせていくフェリックス。
こんな書き方をすると身も蓋もない気もするのだけれど、いくら恋人同士とはいえ、所詮は違う2人の人間。そう容易くお互いを手に取るように理解できるはずなんてない。それは肉親でも、親友でも、同僚でも、どんな人間関係でもそうだと思うけれど、人の心ってそんなに簡単に全てを他人に曝け出せる程軽々しいものではないはずだし、曲がりなりにも1人の人間が幾年かかけて育て上げたその人となりは、他の人間がそんなに簡単に理解できるものではないはず。
でも、だからこそ、人を愛すれば自分が苦しんでさえも相手のことを理解しようとする。愛するが故の苦しみ。愛するが故の不安。それはとても人間らしい感情だと思う。この映画を観ながら、ずっとそんな考えが頭の片隅にあった。
そして、この映画の見どころは、なんといってもシャルロット・ゲンズブール。『ブッシュ・ド・ノエル』から1年ぶりにスクリーンで観た彼女、前作の時はあまり感じなかったのだけれど、ちょっとした表情の変化や仕種で十二分に感情を表現できるその様は、もういっぱしの大女優。大人の女。映画の途中、あの『なまいきシャルロット』を思い起こさせるシーンが出てくるのだけれど、いつまでも『なまいき〜』のイメージで彼女を観ていちゃいけないなと思わされた。でも、そりゃそうだよね。僕より1つ年上だから、彼女はもう三十路を迎えたはず。歳相応に大人になったというところか。僕もきちんと大人にならないと。
『フェリックスとローラ』official site
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