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1. 設計の基本 ここでは主に箱の設計について書きます。箱やバスレフポートの最適値は以下のティールスモールパラメータ(以下TSパラメータ)によって計算できます。
ヨーロッパ系ユニットメーカーのホームページをアクセスすれば、これらの数値を知ることが出来ます。このウェブページにも自作に使えそうなユニットをピックアップして計算値を載せておきますから参考にしてください。 ちなみに元ねたは を参照してください。ここは英語のサイトなので、迷子にならないよう道案内しておきます。 このページには以下のような項目別に設計法が書かれています。 Sealed systems :密閉型 Ported systems :バスレフ型 4th order bandpass systems :ネッシーみたいなの(-_-;)長岡派は判りますね。 Transmission line systems :PMCがよく使ってるやつ。 SealedとPortedには周波数特性が計算できる式も載っていますので、スプレッドシートを持ってる人はF特を書かせて遊べます。EXCELのファイルがダウンロードできますので、EXCELユーザーはF特を書くことができます。親切ですね。 http://www.hi-fi.com/speaker/boxes/ ここにも同様の方程式が書かれています。こちらに載っている参考図書リストは便利ですが、当然すべて英語です。日本語でTSパラメータの解説をしている文献をご存知の方は是非紹介してください。 設計を行うとき注意が必要なのはQtsで、この数値はダンピングファクターによって変化します。ダンピングが低いとQtsが高くなり、低域の共振周波数付近が上昇したF特(周波数特性)になります。ダンピングファクターはディバイディングネットワーク(ウーハーならコイルのリアクタンスや直列抵抗Rs)によっても低下しますから、これらを考慮した設計を行う必要があります。すなわち、ネットワークとスピーカーユニットが決まって始めて箱の設計が開始できるわけです。 クロスオーバー周波数が2000Hz以上であることが多い2waysystemではQtsの上昇はせいぜい10%ですが、500Hz以下の3wayでは箱の設計はかなり変わります。ヨーロッパユニットのQtsの低さには始め疑問を抱きますが、これらを考慮してバスレフの設計をしてみると、多くのユニットの設計は適切であることが分ります。たまに変なのもありますが。 ところで、市販3way ported systemのネットワークをはずしてマルチアンプ駆動するなんてことは、これらの理由からする気が起きません。郡遅延特性がぼろぼろのシステムになるからです。真空管アンプ時代の3〜4waysystemのネットワークをはずしてChannel Divider + 最新パワーアンプでドライブするのは最もハズした使い方です。もしもそう言う組み合わせを進めるSHOPがあったら....アンプをたくさん売りたいSHOPであることは確かですが、それ以外は謎です。 箱のプロポーションですが、定在波が発生しにくい比率にするほうがいいでしょう。立方体の箱なんかはよろしくないようです。作ったことはありませんが。辺の比が3:4:5というのが有名ですね。内法が30x40x50cmなら60リットルの大きめの箱が出来ます。15x20x25なら7.5リットルです。当然ですね。ところで容積は内部の補強やバスレフポート、ユニットの占める体積を差し引いて求めます。当然でしたか? hi-fi.com のチュートリアルでは、0.62:1:1.62 や0.8:1:1.25の比率が紹介されています。 バッフル(ユニットを取り付けてある面)を傾けて平行な面を少なくすることも行われますが定量的にはよくわかりません。といいつつ自分で作るのは傾いた箱が多いなー。実は正四面体でも定在波は発生するようです。吸音材の併用は必要ですね。ちなみに100Hz以下を扱うサブウーハーなんかでは、定在波は気にする必要がありません。なんでか解りますか?音速を340m/sとすると100Hzのλ/2(1/2波長)は? 2. Closed Box:密閉型 スピーカーシステム初心者にお薦めなのが密閉型です。ほかの箱は理屈が難しいし、自分で設計できたとしてもインピーダンス測定なしで使うのは気持ち悪いです。どうしてもカットアンドトライが必要になりますね。バスレフならまだしも、バックロードとかトランスミッションラインなんて修正利かないしなー。 というわけで、まずはムズかしいことは抜きにして、このWebpageで紹介するお薦めユニットを使って、楽しいスピーカー自作に手を染めましょう。(日本語の使い方正しいかな?) 長所
(郡遅延特性が悪いとどうなるの?>なんとなく正しくない音になるでしょう。(-_-;) 密閉箱のQtc(システムのQ)と郡遅延についてhttp://www.feist.com/~nihil/groupdelay.htmlに解説があるので参照してください。)
短所
箱の設計ですが、箱の容積をパラメータとして、システムのQが変化します。これが1/√2になるとき、最もF-3dB(周波数特性が-3dBになる周波数)が低くなります。密閉箱の場合はこれだけです。 3. Ported Box:バスレフ型 バスレフ型の設計手順は、 1)アンプに合ったユニットを選ぶ。 2)ネットワークを設計する。 3)箱を設計する。 の順です。アンプに合ったというのは、ダンピングファクターが10以下の真空管アンプユーザーに向けての言葉です。100以上ある固体素子(FET,バイポーラ)のアンプなら、ネットワークの影響が支配的なので2)から考えれば良いです。 設計上の注意ですが、計算で求めた最適容量より大きい箱はやめたほうがいいです。郡遅延特性が悪化します。 バスレフポートの形状は丸が多いですが、断面積が同じならどんな形でもかまいません。ただ、あまり横長だったりすると実効的な断面積は減少するようです。ポートの位置ですが、定在波を拾う可能性があるため、あんまり端にはつけないほうが良いようです。低音は指向性があまり無いため、ポートが後ろについてるシステムも多いです。 さっきも書きましたが、バスレフは作ってインピーダンスを測定してポート長を微調整するという作業が必要です。ちょっと敷居は高いですが、市販のシステムはほとんどがバスレフ型であることを見ても、効果的な手法であることがわかります。最近のユニットはほとんどがバスレフで使うことを前提に作られていますし。密閉箱で32Hz出すのはたいへんだよ−。 バスレフ型に合ったユニットの選択ですが、Qtsが1/√3 (約0.57)より大きいとF特はフラットになりません。また、Qtsが大きいとポートの共振周波数と箱の共振周波数が離れるのでシステムのチューニングは難しくなりそうです。計算上はQtsが大きいほうがF-3dBは下がりますが、そのほうがいいと結論付けるには試作と試聴を繰り返し、聴感上の特徴をつかむ必要がありそうです。 4. 吸音材 吸音材はなんのために入れるか。ひとつは定在波の吸収のため、もうひとつはQをダンプするためです。 定在波が存在すると特定の周波数が強調されることになり、望ましくありません。箱のプロポーションを工夫することと合わせて吸音処理を行います。直方体の6面のうち、向かい合わせのどちらか一方、計3面に貼り付けるとか、箱の真ん中につるすとか、ユニットの後方に張るとかの方法があります。 Qをダンプするとは、低域の周波数が平坦で無く共振周波数付近で強調されている場合に行われます。F特はフラットになりますが、つまらない音になるという人もいます。バスレフ型ではQをダンプすると郡遅延特性も変化するので定在波を抑える最小限の吸音処理を用いることになるでしょう。 吸音材の種類はグラスウール、粗毛フェルト、ミクロンウール、トリテックの白い吸音材などいろいろあります。最近はユニウエーブで使っている硬いフェルトとか、カーボンフェルトなどもあるようです。効果のほどはよくわかりませんが、硬いフェルトは低域での吸収率が高いとか、カーボンフェルトは全域で効果が高いとか言われているようです。値段と好みに合わせて使えばいいと思いますが、個人的にはミクロンウールやトリテックなど、値段が手ごろでゴミが出ない吸音材を好みます。よくわからない場合は、上記の2つか、手に入りやすいと思われる粗毛フェルトが良いでしょう。 吸音を科学したい人は http://www.feist.com/~nihil/stuffing.html に飛びましょう。 最後に吸音処理について記憶に残っている言葉を。 「吸音処理はノウハウに属する問題でして、皆さんなかなかおっしゃらないと思うんですが、私も話しません。(一同爆笑)」 20年前の無線と実験誌 オーディオメーカー座談会スピーカー編にて、ソニーのエンジニア氏語る。 |