シュノーケリング
はじめに
スノーケリング(Snorkeling)というのは、マスク、スノーケル、フィンの3点セットをつけて、泳いだり潜ったりしながら、さかなや海中の景色を見てまわることをいいます。3点セットさえあれば気軽に始められるので、はじめてのマリーンスポーツとしてお薦めです。こどもに海への興味を持たせるためにもとても良いと思います。このページでは、こどもにスノーケリングを教えるときのポイントや注意点などを紹介したいと思います。
子供用3点セット
水泳用のゴーグルだけでもコーラルフィッシュなどを見ることはできますが、長い時間、楽にさかなを追いつづけるためには、マスク、スノーケル、フィンの3点セットを用意して行ったほうが良いです。
マスク
ダイビング用のマスクは、鼻まで覆われたタイプで(マスク内の気圧を調整するため)、マスククリア(マスク内に入った水を鼻から息を吐いて出すこと)をしやすくするために、マスク内の容積を小さくしたニ眼タイプ(右写真上)が一般的ですが、小学校低学年くらいまでのこどもならば楕円形をしたいわゆる水中眼鏡(右写真下)や水泳用のゴーグルで十分です。
小学校の中・高学年以上であれば、マスクの鼻の部分が鼻にフィットする形になっていて、マスクの上から鼻をつまんで耳抜きができるタイプをお薦めします。
幼稚園児用の小さなマスクは、よほど品揃えの良い専門ショップに行かないと売っていません。この年齢ならば、脱着しやすくずれにくい水泳用のゴーグルをお薦めします。我が家でも5歳の次女はまだ水泳用のゴーグルで潜っています。
いずれにしても、マスクを購入するときは必ず顔につけてみて、フィットするかどうかを確かめることが大切です。髪の毛を挟まないようにマスクを顔につけたら、鼻から息を吸わせてみて、手を離しても落ちないようなら大丈夫です。
スノーケル
スノーケルは構造が単純なようですが、やはりいくつかのタイプがあります。こどもはスノーケルクリア(スノーケルに入った水を出すこと)が苦手なので、排水弁付きのものをお薦めします。スノーケルの下端にゴム製の弁がついていて、外から水は入ってこないけど、内側からは空気や水を出せるようにしたものです。
排水弁の付いたスノーケルにも、形状がかなり違うものがあります。マウスピースの部分を実際に口にくわえるように水平にして持ってみて、マウスピースへつながる管全体が、排水弁への分岐部分よりも上側にあるものが良いです(右下写真)。左下写真のようなタイプでは完全に水をクリアするのは難しく、管の下部に水が残ってしまいます。こうなると、息を吸うたびに水がジュルジュル音をたてるし、口の周りに海水がいつもあって気持ち悪いらしく、こどもはすごく嫌がります。

フィン
推進力が格段に違うので、フィンもあったほうが良いです。長くて硬いほうが推進力は高くなりますが、子供は脚力があまりないので、硬すぎたり長すぎると逆に疲れてしまいます。はじめは、子供用として売っている短め・柔らかめのものを選びましょう。
足を入れる部分が靴のように足型になっているものもありますが、右写真のような、スリッパのように足を入れて後ろをゴムバンドで止めるものがお薦めです。
このようなタイプだと、岩場などで裸足では歩きにくいようなところは厚手の靴下を履かせて、その上からフィンを付けるができます。それに、こどもが成長して多少足が大きくなっても使うことができます。
でも、あまり大きめのものを買うのは禁物です。中で足が踊ってしまいます。わが家でもついつい長く使おうと思って大きめを買ってしまいよく失敗しますが・・・。
はじめての練習
スノーケルで呼吸
口だけで呼吸を続けるというのは、慣れないと意外に苦しいものです。まずは、スノーケルを使って口だけで呼吸をすることに慣れさせましょう。はじめは水に入らないでやったほうが良いです。マウスピース(口にくわえる部分)全体を口の中に入れ、歯で噛むチップの部分を軽く噛みます。それから口唇の内側でマウスピースの外側を押さえつけるようにくわえます。ここでは、呼吸することがメインなので、きちんとくわえられているかは、あとで水に入ったときにチェックします。
マスクを付ける
新しいマスクはガラスの両面を石鹸液などできれいに洗っておきます。マスクストラップも適当な長さに調節しておきます。
- 右手(利き手)を開いて、親指以外の指をくっつけたロボットの手のような形を作ります
- 左手でマスクストラップを持ち、上の形にした右手の親指と人差し指の上にかけます。(腕に近い方にストラップをかけると、ストラップを頭にかけたあとで右手が抜けにくくなってしまいます。)
- 指にかかったストラップがずれないようにしながら、右手の親指から人差し指をおでこにあてて、髪の毛を持ちあげます。
- 左手でマスクを持ち、顔にフィットさせます。
- 左手でマスクがずれないように押さえながら、右手を頭の後ろへ廻してストラップを頭にかけます。
髪の毛を一本挟んでしまっただけで、水が入ってきてしまうことがあります。髪の毛の長い女の子は、水泳用の帽子を被るか、ゴムで髪を結わえたほうが良いです。
マスクストラップはけっこう硬いので、はじめのうちはひとりでマスクを被るのはかなり難しいです。小さい子は手伝ってあげましょう。できるだけ右手の親指と人差し指の先端のほうにストラップをかけて被ることがポイントです。
お風呂で練習
スノーケルの呼吸に慣れてきたら、マスクとスノーケルをつけてお風呂で実際に水に入ってみましょう。あらかじめ、(1)スノーケルの先端が沈むと水が入ってくること、(2)だから、水が入ってきてもいきなり飲んでしまわないように、ストローでジュースを飲むときのようにゆっくり息を吸うようにすることを教えておきます。
はじめはスノーケルの先が水中に潜らないようにして、水の中で呼吸をする練習をさせます。スノーケルの中に水が入ってこないかを聞いてみましょう。もし、水が入ってくるようなら、先ほどの(1)マウスピースのチップ部分を歯で噛んでいるか、(2)口唇でマウスピースの外側を押さえているかを確認します。逆にチップを強く噛みすぎてしまう子も多いので、噛みすぎであごが痛くないか聞いてみたり、チップに付く歯型などでチェックします。あまり強く噛んでいると、チップ部分を噛み切ってしまいます。うちの子も一度やりました。
スノーケルクリア
スノーケリングをするためには、息を強く吐いてスノーケルの中に入っている水を外に出すスノーケルクリアをマスターしておく必要があります。水の中に潜ったときだけでなく、水面に浮かんでいる場合でも、波を被ったときなどにはスノーケルの中に水が入ってしまいます。水の中で呼吸するのに慣れてきたら、お風呂の中でスノーケルクリアの練習をしましょう。
はじめは水に潜らずに、親がスノーケルの先端からわざと水を入れてクリアさせる練習をします。排水弁の付いたスノーケルでは、水を入れても排水弁から自然に水が抜けてしまうので、排水弁が水中に潜っているように口から下のあたりまで水に浸かって練習します。スノーケルクリアするときには、口で「シュッ」と言いながら、息を強く吐きます。息を吐いたらストローでジュースを飲むときのような感じで恐る恐る息を吸ってみます。息が吸えたら、もう一度クリアを繰り返して完全に水を排出します。もし息を吸えず水が入ってきたら、スノーケルを口から外して、水を出してからもう一度やりなおしましょう。
水の外でクリアができるようになってきたら、水中に潜ってクリアの練習をしましょう。我が家ではお風呂に水を溜めて、お風呂の底に何秒潜っていられるかに挑戦したり、電気を消して真っ暗な中を、水中用の懐中電灯を持たせて、「ナイトダイビングだ!」などといながら練習しました。遊びながら練習すると上達も早いと思います。
プールで練習
3点セットを付けて泳がせてくれるプールはなかなかありません。リゾートホテルのプールくらいでしょうか。どうしても見つからなければ、波の穏やかそうな日を選んで海に行ってしまいましょう。ここで、スノーケルで呼吸をしながら、フィンで進む練習をします。慣れてきたら、泳ぎながら頭をちょっと沈めてスノーケルクリアの練習をしましょう。
小学校中・高学年以上なら、ヘッドファーストダイブ(ジャックナイフダイブ)で1〜2mくらい潜り、スノーケルクリアする練習をします。幼稚園児や小学校低学年ではちょっと難しいと思います。
ヘッドファーストダイブ(ジャックナイフダイブ)
ヘッドファーストダイブというのは、水面にふし浮きした状態から素早く潜る方法です。これと耳抜きができるようになると、5m以上のスキンダイビングができるようになります。ヘッドファーストダイブ自体は3点セットをつけなくても練習できるので、普段プールに行ったときに練習しておくと良いです。
- 水面にふし浮きします。
- 手を水中に伸ばしながら腰を直角に折り曲げて、上半身だけを垂直に水中に潜らせます。
- その反動を利用して、腰をまっすぐに伸ばして、逆立ちするように足を水上に垂直に持ち上げます。
- 足の重さで自然に潜り始めるので、前に伸ばした手を大きく横にひとかきして一気に潜ります。
- 足が水中に入ったら、フィンを軽く動かして潜っていきます。
スノーケリング
いよいよ海でスノーケリングをしてみましょう。まずは、マスクの曇り止めです。つばをマスクの内側に吐いて指でこすりつけてから海水で軽く流します。海草などをこすりつけても効果があります。慣れてきたら、マスククリアや耳抜きなども教えてあげましょう。
マスククリア
水中で体を垂直にして、マスクの上側のフレームを手で押さえながら、鼻からゆっくり息を吐きます。息を吐きながら顔を後ろにのけぞるようにすると、水がきれいに抜けやすいです。マスクがきちんと着けられていれば、それほど水が入ってくることはないので、マスククリアを練習するのはかなり潜れるようになってからで良いと思います。
耳抜き
水深2mくらいより深く潜ろうとすると耳が痛くなってきます。これに対処するのが耳抜きです。耳が痛くなるのは、水圧で鼓膜が中耳側に押し込まれるためです。そこで、中耳側にも空気を送り込んで鼓膜を元に戻すわけです。これが耳抜きです。
口を閉じて、鼻をつまんで、強く息むと、「ビーン」という音とともに中耳に空気が抜けて耳の痛みがなくなります。耳抜きは慣れないと(慣れても?)難しいので、普段から練習しておいたほうが良いです。スキューバダイビングなら、比較的ゆっくりと耳抜きする時間がありますが、それでも、体験ダイビングなどで耳抜きができないためにリタイアしてしまう人を何人も見ました。
素潜りの場合は素早く耳抜きしながら潜っていかなければならないので、一瞬で耳抜きできるようになっていないと深くは潜れません。5mくらい潜るのに3回くらい耳抜きをする必要があります。痛さを感じる前に早め早めに耳抜きしたほうが抜けやすいようです。かくいう私も、いまだに素潜りのタイミングではほとんど耳抜きができません。夫と長女はスイスイ潜って行きますが・・・。
今でも忘れられない耳抜きの話・・・・。
新婚旅行、明日はグレーバリアリーフで体験ダイビングというある夜・・・。その夜は耳抜きのできない私に特訓が始まりました。なかなかできなくて、もう泣く泣くけんかごしで、それはもう大変でした。苦労の甲斐あってどうにかできて、やっと寝られました。そして本番、耳抜きができなくて、水中3mくらいでリタイヤしたカップルがいて、あの試練に耐えて本当よかったと旦那さまに感謝しました。
あとがき
沖縄やモルディブなどきれいな海に行ければ最高ですが、伊豆などの近場でもけっこういろいろなコーラルフィッシュを見ることができます。伊豆近辺ではフィリピン辺りから海流に乗ってコーラルフィッシュが流れつきますが、越冬はできないので、9〜11月くらいがもっともコーラルフィッシュを見られる時期のようです。9月ならウエットスーツがなくても我慢できます。みんなででかけましょう。
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