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トップページヘ戻る 屋久島旅行2日目 −縄文杉登山−

2005.11.1(Tue)

縄文杉登山
早朝4時起床。フロントで昨日頼んでおいた朝食と昼食用の弁当を受け取り、あらかじめ記入しておいた登山届けを提出して5時に出発。縄文杉登山出発点、荒川登山口へ向かう。 真っ暗なくねくね道が延々と続く。運転するのがかなり怖い。

ホテルから50分かかって6:58に荒川登山口到着。 駐車場はもうほぼ満車に近い、やっと一台停められるスペースを見つける。 車の中で朝食をとる。

他のグループが続々と歩き始めていく。ガイドさんと一緒に登る人達が多いようだ。 大集団の後をついて行くのはいやなので、 ほとんど噛まず流し込むようにおにぎりを食べていざ出発。6:10、東の空はやや明るくなってきたが山はまだ暗い。

ルートマップ

コース標高


※本頁のルーマップ・標高図は『カシミール3D Ver8.6.8』を用いて作成しています。          

タイムテーブル

チェックポイント 到着時刻 出発時刻 徒歩時間 休憩時間
荒川登山口   6:10    
小杉谷集落跡 6:50 6:50 40
楠川分かれ 7:08 7:08 18
大株歩道入口 8:04 8:07 56
ウイルソン株 8:20 8:25 13
大王杉 9:00 9:05 35
縄文杉 9:33 10:05 28 32(昼食)
大王杉 10:30 10:30 25
ウイルソン株 11:10 11:17 40
大株歩道入口 11:44 11:50 27
楠川分かれ 12:43 12:53 53 10
小杉谷集落跡 13:13 13:26 20 13
荒川登山口 14:10   44  

所要時間

  私の所要時間 ガイド等による所要時間
往路 3時間23分 5時間10分
昼食 32分  
復路 4時間05分 4時間00分
合計 8時間00分 9時間10分

トロッコ軌道
コースの前半はトロッコ軌道を歩く。屋久杉搬出のために大正時代に施設されたものらしい。 大株歩道入口まで延々とこのトロッコ軌道が8km近く続く。 トンネルを通りいくつか橋を渡る。周りが徐々に明るくなってくる。 欄干がない橋は朝露に濡れた滑りやすい枕木と相まって歩くのがかなり怖い。 途中で先に出発した数組のパーティをパスする。 自分は一人だったのでみんな道を空けてくれたが、 一列になって線路の中を歩くので沢山のグループがいると自分のペースで歩けない。やっぱりできるだけ早めに出発した方が良いかも。
40分程歩くと小杉谷集落跡に到着。休憩所に先行した何組かが休憩していたので立ち止まって少し休んで先に行く。 屋久杉伐採の最盛期にはこの地区に500人を超える人々が住んでいたらしい。

トロッコ軌道を歩き続ける。20分ほどで白谷雲水峡への分岐点楠川分かれ、さの先にこのコース最初の巨杉三代杉が現れる。 三代杉は三代がかりで育った巨大な杉。大きすぎて鬱蒼とした上部はよく見えない。 一代目の倒木(今は朽ちて空洞)の上に二代目が成長、その二代目が伐採された切り株の上に現在の三代目が育ったもの。 屋久島ではこのような倒木や切り株の上で次の世代が成長した木々がたくさんある。それぞれ「倒木更新」、「切株更新」と呼ばれる杉の成長形態で、 最初はなんでわざわざ倒木や切り株の上を選んで育つのか疑問だったが、 木々が密集した森では倒木や伐採などにより陽射しが入るスペースが空かないと次の世代が育つチャンスが生まれないらしい。 だから「更新」っていうんだね。
小杉谷小・中学校跡 三代杉

大株歩道
翁 岳 大株歩道入口

三代杉から50分ほど歩くと左手の眺望が突然開ける。山の向こうに奥岳方面が望める。 写真は二つに割れた巨大な岩塔の山頂がとても印象的な翁岳。

その先が大株歩道入口だ。出発してから約2時間、ここでやっとトロッコ軌道が終わる。 大株歩道入口でトイレ休憩。コース中最後のトイレだそうだ。 歩道入口横の看板には次のような注意書き。

 縄文杉(日帰り)登山者の方へ
  ・ここを遅くとも午前10時までには出発してください。
   (縄文杉まで往復で4時間程度かかります。)
  ・縄文杉から遅くとも午後1時までに引き返してください。
  ・体調が悪い時、悪天候時には、早めに引き返してください。


はるばる屋久島まで縄文杉を見にやってきて、無理をして帰れなくなってしまう人もかなり居るのでしょう。

大株歩道からは本格的な登山道になる。岩が露出した急な上り坂を歩く。
15分ほどで翁杉に到着。翁杉は推定樹齢2500年の老木。 幹が苔やいろいろな植物に覆われて一見青々としているが、内部は空洞化してかなり弱っているらしい。
翁 杉
 

ウイルソン株
翁杉から少し登っていくと、木道が整備された開けた場所に出る。 そこにウイルソン株がある。

ウイルソン株は京都方広寺大仏殿建立の際に豊臣秀吉が島津氏に命じて伐採したとされる切り株。 この登山の中でも縄文杉とともに見るのを楽しみにしていたものだ。 伐採時の推定樹齢3000年といわれる切り株内部は10畳程度の大空洞になっていて、一説によると200人は入れるとか。 石の上を飛び走って自動シャッタで撮影した写真。人がいると大きさがよく分かる。

中には木魂神社が祭られ、隅には水が流れている。 天井からは朝の柔らかな光が差し込んで何とも厳かな雰囲気が漂っている。 下は誰もが撮影するという切り株の中から森を撮ったお約束の写真。
天 井 入 口

大王杉・夫婦杉
ウイルソン株からはしばらく急な登りが続く。 黙々と登っていくと右手に大王杉が現れる。樹齢3000年の巨大な屋久杉だ。 縄文杉が見つかるまでは屋久島最大といわれていた杉。 枝張りも旺盛で緑の葉が美しいその名の通り堂々とした見栄えのする杉だ。 見栄えの良さは数ある屋久杉の中でも一番だと思う。

大王杉を過ぎると奥深い森になる。苔に覆われた木々や杉の巨木、 大木にからみつくヤマグルマなど太古のままのような原生林が荒々しくまた美しい。 一見する価値ある森だ。

この辺りは湧き水も多く、美味しい水で喉を潤しながら歩く。 本当に深い森だ。ふと気がつくとしばらく誰にも出会っていない。 人の気配のない静寂な太古の森を歩き、その中にぽつんと佇む。 これだよこれ。この寂寥感・清涼感を味わってみたかったのだ。

大王杉から少し歩くと夫婦杉。地上10メートルくらいのところで2本の屋久杉が枝で繋がっている。 伸びた枝が幹に当たって擦れているうちに癒着したものらしい。 本当に仲良く手を繋いでいるように見える。
大王杉
苔に覆われた森(大王杉周辺) 夫婦杉

縄文杉
夫婦杉から更に上がっていくと前方に大きな木の階段が見えてくる。 いよいよ縄文杉と対面だ。 階段を上りきると縄文杉が目の前に立っている。 縄文杉の周りは根を踏まれないように柵が作られて近づけないようになっていて、 観光客は木で作られた展望デッキの上から縄文杉を眺める。 遠くから眺められるようにするためか縄文杉の周りの木々は伐採されて広い空間になっている。

やっぱり大きい。 一番乗りだったのか周りには誰もいない。 シーンと静まりかえった森の中に立っている巨大な木。 周りに木々が無いせいか森から浮き出たように聳えている。

推定樹齢は2000年から7200年。 諸説あるようだけどやっぱり7200年という可能性を聞くだけでも衝撃的だ。 7200年前といえば教科書で習ったメソポタミア文明よりもっと以前。 ひとつの生命が数千年を超えて今ここに一緒に生きている・・・。凄いことです。 2000年前、3000年前にこの木が何を見てきたのか・・・、考えるだけでくらくらしてくる。

柵があって近づけなくて残念という声もあるようだけど、 やっぱり少しでも長生きして欲しいと切に思う。それにまるで舞台のように縄文杉の凄さが際だってこれはこれで良い感じだった。


縄文杉の幹肌 縄文杉の上部

縄文杉前での昼食は禁止と書かれていたので少し先にある休憩所で昼食をとる。 最後にもう一度縄文杉を眺めて帰路につく。帰る時には展望デッキに10人くらいの人が来ていた。

自然観察路
帰りはちょっと寄り道して大王杉の先から自然観察路を歩く。 ウイルソン株までの迂回ルートだ。 あまり人が通らないらしく踏み跡がはっきりしていないが、 ピンク色の目印が頻繁にあって迷うことはない。

こちらは更に奥深い巨木の森。一面緑の中でなめらかな褐色の樹皮のヒメシャラがとても目立つ。 ヒメシャラは我が家のシンボルツリーなのだが、こんな森の中でこんなに大きく聳えている木だとは知らなかった。ビックリ。
ヒメシャラ 杉 林

帰路
ウイルソン株、翁杉を経て大株歩道入口に到着。まだ12時前だ。 当初の予定とはかなり違う。あまり急いでも甲斐ないので帰りはゆっくりトロッコ軌道を歩く。
途中ベンチで休憩していたらすぐ後ろの触れそうなところにヤクジカが来ていた。 三代杉、楠川分かれ、小杉谷集落跡まで1時間余り。延々とトロッコ軌道を歩く。 小杉谷で河原まで降りてちょっと休憩。

ヤクジカ 小杉谷橋

朝は薄暗くてよく分からずとても怖かった欄干の無い橋。明るいところでみてもやっぱり怖い。 トンネルを通るとゴールはもうすぐ。ここまで来ればもう余裕。トンネルから見える森がきれいだ。 午後2時過ぎ荒川登山口到着。 休憩も入れてトータル8時間。予定より大分早くついてしまった。

車で安房に下りてから携帯電話で屋久島警察署に下山連絡。 これで本日の登山完了。
想像していたより起伏も少なく登山道としては楽な方だと思う。 でもトロッコ軌道はやっぱり単調かな。2回目歩いたら嫌になるかも。
欄干の無い橋 トンネル

屋久島環境文化村センター
予定より早く帰ってきたので、帰りに宮之浦にある屋久島環境文化村センターに寄る。 屋久島のいろいろな自然がパネルや模型で紹介されていてとても参考になった。
中でもお奨めは高さ14m×幅20mの大スクリーンで上映される屋久島の自然を紹介する映像。 空撮や定置カメラを駆使したダイナミックで素晴らしい映像でした。阿部寛のナレーションもGood!
@亜熱帯というロケーションとA高温多湿をもたらす黒潮とB2000mという標高の組み合わせがあって 初めて生まれる垂直方向に変化する幅広い気候帯と植生分布。 屋久島の自然環境とそれによって育まれた自然が如何に希有で貴重かということがよく分かった。来て良かったと思える資料館でした。