最近、ゴーストライターのアルバイトをしています。以前も頼まれたことがあったんですが、そのときはとある数学の参考書の一節を書いただけでした。
何と今回は本をほぼまるまる一冊。「おいおい、ふざけてんの??」と言いたくなりそうなところを、10万円という高額な報酬に押さえ込まれ、ついつい引き受けてしまいました。
今回のお仕事もやはり数学の参考書。なんでも10年前に書いた本を改訂して出したいらしく、「元ネタはあるから多少は楽だ」という“名目上の著者”からのお言葉。あんまり暇じゃないんだけど、まあ元ネタがあるならいいかと思っていたわけですが。
10年前って全然違うんですよ。問題の出題範囲もさることながら、まず解答の書き方が洗練されていない! 実は参考書業界というのは非常に競争と進歩が激しいところで、“少しでも読みやすく、もっとわかりやすく”ということへの飽くなき挑戦が繰り返されています。私は高校生の頃は受験生として、大学進学後は塾講師として参考書と接してきたので、その進歩には驚いていました。
でも今、まさかその進歩の煽りを受けることになるなんて。結局、ほとんどを大改訂する羽目になってしまいました。薄い参考書を目指している、というのが唯一の救いだったり。「これは10万円でも安いんじゃないか……」なんて思い始めていたところでした。
そこに追い打ちをかけるような非情な事実が!!
私は普段もとあるベンチャー企業でアルバイトしています。そこの社員さんに、以前ビジネス書の編集に関わったことがある人がいるんです。「原稿書くのってかなり面倒だよね」などと話しているうちに、原稿料の話になりました。
「えーと、あの時は8000部くらい売って原稿料は200万円くらいだったかなぁ」
ちょっと待って。ちょっと待って。200万円って。
私が今書いている本、以前は10000部以上売れたようですし、今回も同じようなジャンルの本から推定するとやはり10000部以上売れそうです。参考書はビジネス書より印税が安いことを考えても、絶対に“名目上の著者”は100万円以上は稼ぐはず……。
はい問題です。私は一杯食わされたか否か。
あのオッサン(名目上の著者)には、後でたっぷりたかってあげようと思います。 |