第一章 劇場運動の歴史とその理念

2.自主活動(資料F・G参照)

ともすれば受け身になりがちな鑑賞活動に対して、自分たちの住む地域における文化創造の実践として位置づけられているのが自主活動である。鑑賞活動と自主活動とはそれぞれが別個にあるのではなく、「子どもの成長のための豊かな環境づくり」や「すぐれた地域文化の創造」のために、それぞれが互いに欠かす事のできないものとして位置づけられている。ここで言う「文化」とは単に芸術文化一般を示すのではなく、広く子どもの成育環境全般を視野に入れたものであり、目指すものは「異年齢の子ども集団づくり」であるとか、「子どもの自発的な自己表現の場づくり」といった言葉で表されている。具体的には、「子どもまつり」や「子どもキャンプ」といった活動がある。
ここで大きな役割を果すのが「青年」である。「青年」とは劇場内の言葉で「高校生、学生、勤労青年、フリーターといった、子どもでもなく、子どもをもつ親でもない立場で劇場に関わっている若者」を指す言葉だが、彼/彼女らを中心として、子ども自身が主体的に取り組むことを目指した活動が地域で定期的におこなわれている。新入生歓迎会・ハイキング・子どもキャンプ・屋外遊び・クリスマス会・成人式・中学生の集いなどである。こうした活動を通じて子どもから、中学生、高校生、青年、親へと劇場のなかでその年齢に応じた役割を果たしつつそだってゆくサイクルがあり、「うちの子は劇場に育ててもらった」という実感をもつ会員も多い。
青年による活動以外にも「子育てを考える母親の集い」や、鑑賞活動に触発されての「児童劇団」「民謡、太鼓といった地域の伝統文化の継承」「ドラマシアター」「手作り市」「フリーマーケット」などいちいち挙げていればきりがないが、地域によって、劇場によって非常に多様で数多くの活動がおこなわれている。具体例として茨木おやこ劇場北部の「子どもキャンプ」と大阪府下の劇場の高校生による「高校生交流会」を見てみたい。


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