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子ども劇場・おやこ劇場運動の現状と可能性
はじめに 子ども劇場、おやこ劇場運動とは「すぐれた児童文化を鑑賞し、その創造・発展のために努力すること、それを通して子どもたちの友情と自主性、創造性をはぐくみ、健全な成長を図ること」を目的として、1966年に福岡で生まれた運動である。文化団体“福岡子ども劇場”の設立(初年度会員192人)という形で始まったこの運動は、以来その理念に賛同する人々の手によって、各地に「劇場」が設立されることで全国各地に広がり、1997年5月現在で北海道から沖縄までの全国に739劇場、合わせて334855人の会員がいる。活動としては演劇・人形劇・音楽・伝統芸能などの舞台芸術の「鑑賞活動」と地域での子どもの自発的な取り組みを中心とした「子どもまつり」「子どもキャンプ」などの「自主活動」を二本の柱とし、「児童・青少年のための舞台芸術」の創造と普及、地域での自主活動を通じた豊かな人間関係づくり、文化環境づくりに大きな成果を上げてきた。 今回子ども劇場・おやこ劇場運動を取り上げる理由としては、全国的な市民による文化団体としては、比較的歴史がありさまざまな先駆的な取り組みが行われていること、文化の創造と地域づくりが一体となった非常にユニークな活動を展開してきたこと、私自身が茨木のおやこ劇場の会員でもあり、資料等が集めやすく、現在活動している人々の声も直接聞くことができるということ、が挙げられる。ここではこれまでの劇場運動の成果と社会的意義、これからの劇場運動が社会に果たしうる役割・可能性について考えてみたい。 第一章で劇場運動の大まかな歴史と、その理念、実際の活動について概観する。第二章では、子どもの減少にともない、全国的にも会員数を減らしている劇場運動の今日的課題について考察し、第三章ではそうした課題や時代の流れを受けて、新たな活動展開を始めている劇場の取り組みについて取り上げる。最後の第四章では、第三章で取り上げたような新たな実践の成果も見据えつつ、あらためてその理念、組織・活動のあり方について考察し、劇場運動がこれからの社会の中でどのような役割を果たしうるかということを論じたい。 |