![]() 祭りの後。明かりが消される。満天の星空。そして、月夜野伝説が説き明かされる。ちょうど今夜、闇の力が強くなる時であること。 再び闇がおしよせようとしていること。月夜野の光のとりでで私たちが闇を倒すことが求められていることが告げられたのだ。 二日目夜。Mさん(当時19才)が橋の上で突然悲鳴をあげた。彼女は、ちょうど指導員会議を終え、バンガローに帰る途中であった。 おどろいて近くにいた指導員がかけつけると、彼女は暗闇の中に、黒く動くものを見たのだと告げた。 三日目朝。月夜野TVで昨日のMさんの事件が告げられると、隊員の中に動揺がみられた。夜中、不思議な音を聞いた女の子、歯をみがいていたら、川面がキラキラ輝くのを見た中学生(こわくて秘密にしていた)、Mさんの声を聞いた人など次々現れる。 三日目。出発。私たちが作った月夜野水上公園をあとにして、三つに別れ光の沢へとのぼりはじめる。 石碑に出会う。私たちのことを予言したかのようである。 黒々と深くうずまく龍の胃ぶくろ。小さな滝のような龍の口をぬけるとそこは、龍神の沢である。龍の動きまわった跡があり、今でも龍の精霊が動めいているというこの沢。 足をすくわれそうになりながらも、私たちは手をとりあい協力して沢をわたる。 鮎が淵をすぎると、やがて視野が開け、水面が銀色の光で輝いている沢に出る。 光の沢である。この沢をわたると光の国の入口である。闇がこの向こうにまちうけているかもしれない、ケルンを積み、入口を通過すると力の沢。 水の力が強く、流れそうになるが、ここにもみんなの協力でのりきる。 光の沢には不思議な巨岩が多い。犬のような岩、人の顔、一つ目の石人・・・。 「あっ」ひとりの女子隊員S(小4)が叫んだ。左の大きな山の上の方にふたつの光る目のようなものが見える。目はこちらを見ているようだった。いったい何がいたのだろうか。 ささやきの沢に入ると、さらに不思議な巨岩が見えてくる。 沢の向こう岸の岩を指し、T隊員(小5)が呟いた。 「あれ、お母さんが子どもを抱いているように見える・・・」確かにそうである。 「ここで何か大きなことがおこって、石になってしまった人々が ここに集まっていて、その人々がここでささやいているから、 この沢がささやきの沢っていうんじゃないの」など、解釈も生まれてくる。 うしろを見ると頭巾をかぶった女の子の石なども見え、 女子隊員の中からは「こわい。」の声も出てくる。 大岩を回ると、岩の上にいる大男が視界に飛び込んでくる。月夜野原人である。そう、そこは光の神殿なのだ。原人の傍らには光の聖人の巨像が立っている。 「おまえたちどこへ行く!」原人がきく。 「光のとりでへ闇を倒しに行くのだ。」「聖なる力を求めに行くのだ。」「魔法陣を完成させるのだ。」隊員が思い思いに答える。 「それでは、これを持って行け。」原人が弓を射る。矢には手紙が付いていた。これが闇を倒す魔方陣の手がかりになるのだ。 光のとりでをすぎ、英知の滝の前にまなこ石が発見される。 その横に暗闇の淵が見える。「なんだあれは」、男子隊員が叫んだ。 突然、草かげから闇の使者たちが現れたのだ。何かを投げる者、水の中を歩き回る者、岩の上から奇妙な声をあげるもの。 「危ない、みんな離れるな。誘いにのるな。」「魔法陣を完成させるのだ。」 それを邪魔しようとする闇の使者。そのうち、別れていた三つのグループが集まり、魔法陣の詳しい手がかりがつかめてくる。 近づいてくる闇。大自然の神、呪師が一緒に魔法陣の中に座し、「大自然」とよぶ木に火をつける。煙が起こる。「そんなもの、なんともない。」 闇が叫ぶ。しかし、私たちが月夜野原人から伝えられた言葉を唱えると、煙がもうもうと立ち昇り、闇は悲鳴をあげる。 「あー、助けてくれ・・・。」そして、闇は消え去ったのだ。 私たちはほっとして、お昼を食べるのである。 |