心のリハビリ

前回は、人づきあいが苦手な方に向けての話をしました。
その続きです。

あなたがもし、職場や近所での人間関係に悩んでいて
一人で働く道を模索しているのなら、
仕事を始める前に、自分の気持ちを確認してください。

もしも一人で(家族以外の)誰とも会わずに暮らしていけることになったとして、
ずっとそのままでこの一生を終わりたいのでしょうか?
それとも、やはりこのままではいけない、
いつかは何とか自分を変えたいと思っているのでしょうか?

どういう自分になりたいかということは、
やはり自分自身が決めることなのです。
あなたがもしこのままでいいと思っているのだったら、
それはもう他人には、決して変えられません。
あなたは、思ったとおりの自分になっていくのですから。

もしも自分を変えたい、
もう少し人とうまくコミュニケーションができるようになりたい  と思っている方は、
ついつい「もっと外に出なければ」「もっと友だちをつくらなければ」と
どんどん自分を追いつめてしまいがちです。

ちょっと行き詰まっている方は、
ネットでの交流に参加してみてはどうでしょう。
これは、あなたにとっては、リハビリです。
あなたのコミュニケーション力をさまたげているもの、
つまり、コンプレックスや他人への嫉妬、うらやみ、
それらのものを一旦排除した世界で、
少しずつリハビリをするのです。

リハビリというのは、いつかは退院して社会に復帰することが目標なのですから、
ネットの世界がいくら居心地がよいからといって、
そこで一生暮らそうなどと思わないように。
(でも、そういう選択をするのも、もちろんあなたの自由なのですが。)



現実社会でよい人間関係が築けなかった人が
なぜインターネットというバーチャルな世界では、コミュニケーションがとれるのかというと、
それは、自分と同じ関心を持った人、同じ考え方の人たちだけと
つきあっていけばいいからなのです。
趣味や仕事のメーリングリストに参加して、たくさんの友だちができるのは、
自分と共通点がある、話が合う、自分のことを理解してくれるからなのです。

「ネットでのコミュニケーションはリハビリだ」と言った意味が、
少しわかってきたでしょうか?

自分と同じ考えの人を理解するのは、簡単なことです。
自分を理解してくれる人を愛するのも、子どもでもできることです。
もしあなたが、さらに人格を磨きたい、心を強くしたいと思うのであれば、
その次には自分と異なるタイプの人をも理解することに、踏み出してみてください。
ネットで心を開けたあなたであるならば、
決して不可能なことではないと思います。
なぜネット上では心を開けたのか、そこにあなたの心の扉をあける鍵があります。

現実の世界には、自分とちがう考え、価値観の人がたくさんいます。
興味や関心も、異なります。
あなたは、彼らの中では浮いた存在になっていたのではないでしょうか。
話す言葉が出てこない、自分はどう思われているのかということが
気になってしかたがないのではないでしょうか。

なぜみんなの中に入っていけないのでしょう。
人に知られたくないことがありますか?
周囲の話題についていけないのではないですか?
話題が合わないということでもって、他人を見下げてはいませんでしたか?
人生観が合わないのではなくて、他人の気持ちを理解できなかったのではないですか?
他人が理解できない、価値観が合わないというのは、
結局のところ、他の人の中にあるすばらしいものを見いだす能力に
欠けているということではないのしょうか?

ネットでのコミュニケーションを通じて、
他人のすばらしさを発見してください。
その次には、
今度は現実社会であなたのまわりにいる人たちにも
目を向けてみましょう。
今まで「話が合わない」「どうも好きになれない」と思って遠ざけていた人たちの中にも
同じように、必ずすばらしいものが光っているはずなのです。
何も、自分に無理してその人とつきあうことはありません。
何か話しかけなければ…なんて思うこともありません。
まず最初は、相手の中のすばらしさを探すことだけでいいのです。

相手のすばらしさを探そうと心がけているだけで、
少しずつ「自分を守りたい」という自己保身の殻が パキパキッ と音をたて
割れはじめるのです。
嫉妬は祝福に変わります。
気が付いたら、いつのまにか自然に話ができるようになっていることもあります。


2000.11.16






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