このコーナーは、@nifty内のフォーラム「日本在宅ワークコミュニティ」(FZAICOM)においてよく寄せられる質問について、私(たんぽぽ)自身が直接回答した文章をもとに編集しています。
私たち在宅ワーカーの仕事というものは、ひな鳥のようにただ口をあけて待っていて得られるようなものではありません。たとえ中間業者相手の仕事であっても、自分で積極的に動いて、仕事相手を探して、売り込んでいく積極性が必要です。外に出ることのできない方でも、メールや郵便を駆使して営業活動をすることは充分できるはずです。まちがってもお金でその苦労を買うようなことはしないでください。
SOHOに関する何冊かのすぐれた書籍を執筆した笠松ゆみ氏は、自らの講演の中で開業準備をラーメン屋にたとえています。私も人に話をするときに、よくこの喩えを引用させていただいています。
どんなにおいしいラーメンをつくれるようになっても、それだけではお客を呼ぶことはできません。お店を開くためには、まず器(パソコン)をそろえ、メニュー(営業案内、料金表)をつくり、お店の宣伝(営業活動)もしなくてはならないのです。しかし、実際には、ラーメンがつくれるようになっただけで何もしていない、それでいて「お客が来ない。なぜだろう…」と言っているラーメン屋さんが多いのです。ラーメンがつくれるというだけで、ほかに何の努力も準備もしていないのですから、お客が来ないのも当然です。
さあ、そこへ見知らぬ客が入ってきました。突然やってきたこの客は、こんなことを言います。
「私に50万円払ってくれたら、あなたにチャーハンの作り方を教えてあげましょう。そして、この店に毎日お客を連れてきてあげましょう。」
あなたはもうおいしいラーメンがつくれるのですから、本当はチャーハンの作り方なんて教わらなくても店を開くことはできたのですが、「お客さんを連れてきてあげよう」というその一言に心が揺れて、見ず知らずのその客に50万円を払ってしまいました。その客が帰ったあとで、あなたは急に不安になります。
「ところで、今の人は見たことのない顔だが、一体誰だったのだろう」と。
本当にお客さんを連れてきてくれるのかどうか、何の保証もありません。
たとえ本当にお客さんを連れて来てくれたとしても、50万円も払ってたった1人しか連れて来てくれないのかもしれません。「悪いけど、10万円あげるから、1回だけあそこのラーメン屋に言って食べてきてくれないか」と頼まれただけのお客さんだったら、1度きたら2度とは来てくれないでしょう。
もしもお客さんが1人も来なかったら…
もしもそのお客が1度しか来てくれなかったら…
食べにきても、料金を踏み倒して帰ってしまったら…
さあ、どうしましょう。あなたは、またお客さんが来ない来ないと、頭を悩ませなければなりませんね。前と同じです。どうしてお客さんが来ないのか、その理由がわからないからです。
もしも私がラーメン屋の主人だったら、その50万円を使ってまず器を買い、メニューをつくり、厳選した材料を仕入れ、店をここにオープンしたことを宣伝するために使うでしょう。見ず知らずの誰かに頼むよりも、ずっと確実で安心で堅実な方法です。おいしいラーメン屋が開店したことは口コミで広がり、どんどん店は繁盛していくことでしょう。
50万という資金をどこの誰に渡してお客をつれてきてもらうかということばかり考えていては、自分の力で何かをすることはできません。あなたのするべきことは、見ず知らずの男の言いなりになって50万円でチャーハンのつくりかたを勉強することではなくて、その50万を使って自分の力でどう店を切り盛りしていくか、それを考えることです。それが初期投資ということです。
だまされやすい人、通信教育や資格という言葉がどうしても気になって仕方がないという方は、自分の心の中に「誰かを頼りたい」「今の自分にない何かを探したい」という気持ちがないか、確かめてください。
今の私の環境では、今の私の能力では、今の私の力ではとても無理だけれど、
資格さえあれば、勉強さえすれば、登録さえすれば、何かが変わるのではないか。世界が開けるのではないか。新しい何かが始まるのではないか…
今の自分の姿や能力、環境を受け入れることができない人、現在の状況に行き詰まってしまった人は、何かのきっかけがあれば自分は変わることができるのだと思ってしまうようです。自己変革というものは、自分自身の心が変わること、それ以外にはあり得ないのですが、自分自身の心のもちようを変えるのではなくて、何かの外的なきっかけがあれば自分は変われる、自分の環境も変わるのだと思っていろいろなものに手を出してしまうようです。
何かに頼らずにはいられない依存体質が、内職商法や悪質な詐欺を呼び寄せてしまうのです。