在宅ワーカーに向いている性格、向いていない性格というのはあるのでしょうか?

在宅ワーカーに求められる精神的な資質は

(1)自己管理能力

(2)自分を好きになること

(3)細やかな神経

だと思います。

(1)自己管理能力


たった1人で何もかもやっていく在宅ワーカーは、すべてのことを自分で管理しなくてはなりません。専門的な部分は専門家に委託することもできますが、
どうしても人に頼めないこと、それが自己管理です。時間を管理すること、健康を管理すること、仕事を管理すること…

自宅で仕事をすると、ついついテレビを見ながら夢中になってしまって、仕事に身が入らない…
仕事をしようと思っても、家の中のことがいろいろと気になって、結局何もできないで終わってしまう…

これでは仕事になりません。周囲の環境に流されないで、気持ちの切り替えをすることが大切です。

自宅で仕事をする在宅ワークでは、自分の好きなときに好きな服装で自由に働くことができます。クライアントとのビジネス上のおつきあいはありますが、会社で働くような煩わしい人間関係はありません。通勤地獄からも解放されます。

しかし、決していいことばかりではありません。
思い出してみてください。会社という場所で働くていたころには、ある意味で気持ちの切り替えが容易にできました。ビジネスの現場に身を置くことによって、どんな人でも自然に気持ちを引き締めることができます。通勤というステップを踏むことで、仕事に向かうときには徐々に気持ちはビジネス感覚を取り戻します。逆に家路につくときには、電車の中で少しずつリラックスして気持ちの切り替えをしていたのです。

家の中で家庭用品や子供に囲まれて仕事をする場合は、周囲の環境に影響されずに自分の気持ちだけをビジネス感覚に切り替えなくてはなりません。「自宅でも仕事ができる」ということは、言い換えるならば「自宅にいるのに仕事をしなくてはならない」という苦痛を伴う状況でもあります。

お気に入りの雑誌や、テレビや、場合によっては目の話せない小さな子供が走りまわっているそんな環境の中で、気持ちを瞬時に切り替えて仕事に集中することができますか?くつろぎの場であるリビングでビジネス感覚を保ちつづけることができますか?自分自身の心をコントロールする自信のない方は、会社という環境に身をおいて外で働いたほうがいいのかもしれません。

在宅ワーカーに求められる自己管理能力を、私は次のように考えています。

  • 自分自身を客観的に見つめる分析能力
  • 周囲の環境に流されない強い意志
  • 上手な気分転換の方法を心得ていること
  • 柔軟な精神
  • 働きやすい環境や条件を自力で構築する創意工夫
  • アクシデントに遭遇しても、自分で対処できる冷静な判断力
  • 自らの心をコントロールする能力

(2)自分自身を好きになること

あなたは、自分自身が好きですか?
あなた自身のいいところも、悪いところも、全部ひっくるめて受け入れることができますか?
あなたは、自分自身のことをどれだけ理解し、冷静に分析することができますか?

在宅ワーカーにとっては、あなた自身が看板であり、社長でもあり、腕のいい職人でもあり、宣伝マンでもあり、そしてあなた自身が商品でもあり、あなたの生み出す作品が、あなたのお店のお勧め商品になるのです。

「私はこんなことができます」
「私はこんなことであなたのお役に立つことができます」

このように自分自身の長所やメリットを相手に売り込まなくてはなりません。

自分自身が売り物であり、自らが自らを律する在宅ワークという生き方を選ぼうと思ったら、まずあなた自身のありのままの姿をよく見つめることからスタートしてください。自分の嫌な面も、弱い部分にも決して目をそむけないで、認めてあげることからスタートです。決して強いあなたになる必要はないのです。そんなに強い人間なんていませんからね。

これからはあなた自身が自分の生活リズムをつくり、自分自身を律する生活になります。その意味でも、自分の弱い部分、苦手な部分を認めて把握しておく必要がでてくるのです。強いあなたになるのではなくて、自分自身の心の傾向性を知ることです。弱い部分をカバーする智恵をもちましょう。

(3)細やかな神経

3つ目に必要な能力は、細やかな神経ではないかと思います。

細やかな神経には、2とおりあると思います。
1つは、どんな状況にあっても周囲のことを考えることができる能力。
つまり、広い視野をもって外へ外へと注意を向ける能力です。
もう1つは、小さなことにもよく気がつく能力。つまり、内へ向かう注意力です。

1つのことに夢中になると、まわりが見えなくなってしまう人がいます。
独立した仕事場をもって職人的な仕事や専門的な高度な職業についている人はそれなりにやっていけるでしょうが、家庭という場所で働く在宅ワーカーは家族との関係を良好に保ちながら仕事を進めていかなければなりません。そのためにも、自分のことだけで手一杯になってまわりが見えなくなってしまうようでは、家庭の中の人間関係が滅茶苦茶になってしまうのです。

自宅で仕事をするということは、家事や育児をこなしながら収入を得られると思っている方が多いと思いますが、それまでどおりに家事をこなしながら仕事をすることなど、絶対にできません。これははっきりと断言できると思います。仕事の量や種類にかかわりなく、家事へのしわよせは必ずどこかにくるものです。

そういう意味で、家の中がきちんと片付いていないと気がすまないような完璧主義の方は、仕事を始めると非常に苦労されるだろうと思います。

仕事の上では、どんな小さなミスも絶対に許されません。ですから、ありったけの神経をつかって小さなミスも見逃さずに仕事をしてください。
しかし、何もかも完璧にこなそうとするとどうしても精神的に行き詰まってしまうものです。仕事に最大限の神経を使う分、家事や育児などは完璧にはこなせなくなるでしょうが、
おおらかな気持ちをもってゆったり構えるほうがいいように思います。ある意味ですぼらな主婦になってしまったほうが、精神的にはらくになります。

これからは家の中のこまごまとしたことにかけるエネルギーを、どうか家族のために使ってください。どんなに仕事が忙しくても、家族の様子を気にかけて、あなたのすべきこと、できることを考えながら仕事をするようにしましょう。日々の家事や主婦としての仕事は、ほかの家族にかわってもらうこともできますし、工夫によって負担を軽減することもできます。

家事をできるだけスリム化して生まれたエネルギーを、半分はあなたの仕事のために。そしてあと半分は、今まで以上に家族への精神的なフォローに費やしてください。