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【中国英雄伝】創刊号 2004年6月23日発行
「第4話 伍子胥伝4 〜呉王暗殺〜」
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「この伍子胥は、父と兄を楚のために殺された者です。王に楚を討つようにす
すめるのは、自らのあだを報いたいだけです。今、楚を討つことはできても、
まだ破ることはできないでしょう」
(これは、まずいことを話したな。どうやら公子光様は、謀反をし、王を殺し
て自立されるつもりだ。ここで外征のことなど話すのではなかった)
公子光が、楚の国攻略を嫌がる理由を推測した子胥は、翌日、ひそかに光のも
とを訪れた。
「昨日は、愚見を述べ申し訳ございませんでした」
「いや、こちらこそ。あまり気にされないでください」
「今回のことで、私は反省の意もかねて、身を引き、田野でも耕そうと思いま
す。つきましては、光様にご推薦したい者がございます」
「それは誰ですか?」
「専諸という男です。きっとお役に立つ日がくるでしょう」
「ありがとう。その者を召抱えましょう」
これから五年後、楚の平王は亡くなり、その子、軫が跡を継いだ。
そして、昭王と名乗った。
「今、楚の国は喪中で、兵の士気も低いだろう。攻めるなら今だと思うが、ど
うだ?」
「まさに好機だと思います」
「それでは、そなたたちを将軍に任ず。見事楚の国を滅ぼすのだぞ」
「かしこまりました」
二人の公子が、呉王僚の命で、楚の国を襲撃した。
しかし、楚はすぐに出兵し、呉軍の背後を絶ったため、二公子は引き返そうに
も帰れなくなってしまった。
「申し上げます! 楚軍、喪中にもかかわらず、すばやく出兵し、我が軍の背
後にまわり、二公子は進むも戻ることもできない状態に陥ってしまいまし
た!」
(しめた! 今が好機である)
呉軍危うしという軍議が行われた夜。
「専諸よ、そなたに折り入って頼みがある」
「…何なりと申してください。この日にために伍子胥様から命じられています」
「それはありがたい。実は…」
こうして、公子光は、軍が出払った国内の手薄に乗じ、専諸に呉王僚を殺害さ
せ、自立した。
これが、呉王闔盧(こうろ)である。
かれは自立して王になると、さっそく呉子胥を呼び戻し、家臣にした。
「申し上げます! 呉王僚様、公子光に襲われ死去! 公子光は新たに呉王に
なりました!」
「何だと! 光め、我々を出し抜き追ったな」
「これでは、我々は本当に戻る国がなくなってしまったぞ」
「こうなったら仕方ない。楚の国に投降いたそう」
こうして、二公子は、楚に帰順し、楚の領土をもらった。
しかし、呉王闔盧は3年後にはこの領土を奪い、二公子を虜にした。
さらに楚の国へ進軍しようとする王に対し、孫武が進言した。
「王よ、民は疲れています。まだ、楚を攻める時期ではございません。今しば
らくご辛抱を」
孫武の進言を入れ、呉軍は一旦引き下がった。