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一日一考 第43号 2004年3月9日発行(96部発行)
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<自殺と殺人>
8日、浅田農産の会長夫妻が自殺した。
一連の鳥インフルエンザで苦悩していたという。
もしかしたら自殺するかもしれないと思っていたが、実際に亡くなられて驚い
た。
見方を変えれば、彼も被害者なのである。
ただ、通報しなかったことで、ここまでマスコミに叩かれてしまった。
状況が分からないが、自分だったらどうしただろうと考えた。
もし、鳥インフルエンザならば、20万羽の鶏全てが処分されてしまう。
その損失額はいかばかりか?
しかし、もし、その損失を惜しんだあまりに、命を絶たなければならなくな
ったとすれば、損失額など惜しまなかったかもしれない。
問題の本質は、事の重要性を分からなかったからなのか。
それとも正しい情報が入らなかったのか。
今となっては全て手遅れだが、正しい判断をくだすのがいかに難しいのか、
改めて考えさせてしまう。
人間だから誰もが間違う。
会長も発覚してからのマスコミの騒動を見て、動揺してしまったのかもしれな
い。
マスコミが一方的に非難する報道しかしなかったならば、彼を自殺に追いやっ
た責任の一端を担った気がしてならない。
通報しないことで死刑になったようなものだ。
しかし、同時に今回の一件で、ウイルスが全国に飛び火して、死者が出てしま
った場合は、大惨事になっていたかもしれない。
そのときの責任は誰にあるのか。
誰かを非難するのは簡単だが、今回の事件で、もっと政府がイニシアチブをと
って、問題の解決に乗り出したら、会長夫妻が死ぬこともなかったのではと悔
やまれてならない。
もし、鳥インフルエンザが収束して、そのとき誰も死者がでなかった場合には、
インフルエンザでなく、自殺だけが唯一の死者だったことになる。
すでに起こったことを責めるのではなく、これからどうしたらいいのか考える。
今後は、自殺に追い込んでしまう報道のあり方は見直してもらいたいと心から
思う。
会長夫妻のご冥福を心よりお祈りしたいと思う。
これ以上、残された家族をさらに責めるのもやめて欲しいと思う。
もしかしたら、自分も犠牲者になるかもしれないのだから。