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世界最小パソコン?

 

ChipCard TC-100

 僕が以前手に入れたパソコン、MSXと同じぐらいの性能のCPUを持ち、より多くのメモリ領域を持ちながら、大きさはなんとテレホンカードという、とてつもないパソコン(と言っていいのだろうか?)が日本IBMから発売された。その名はChipCard。すぐに購入した。が、そのままでは何もできない。外見はただの計算機で、計算機とアドレス、時計が表示できるだけ。

 しかしこれをあえて「パソコン」というのにはわけがある。なんと、このテレホンカード大の計算機で、自分の作ったプログラムが動かせるのだ。だが、このChipCard一つでプログラミングができるわけではない。自分の作ったプログラムを動かすには、ごく普通のパソコン(IBM PC/AT…PCとかDOS/Vマシンとか言う)が必要。その上PCMCIA用のスロットも必要。

 

PCカード

scp55.jpg (6059 バイト) このPCMCIA用のスロットは、最近では98やIBM PC/ATのノート型パソコンでは標準装備となっているもので、モデムやMIDI音源やHDD(←なんとこれらもテレホンカード大)やCD-ROM、スキャナやMOやデジタルカメラなどを電源を入れたまま(Windows95の場合)抜き差しできる最先端のスロットである。

 僕はこのカード型MIDI音源(GS音源)とパソコン、キーボードを接続して作曲にはげんでいた(今では自分の趣味に割く時間がほとんど無く、1年以上中断している)。

 左の図は、スロットにSCSIカードを差し込んだところ。この先に、CD-ROM、ハードディスク、MO、スキャナ等がつけられる。ノートパソコンはいままで拡張性が無いといわれてきたが、このPCMCIAカードによって、もうそうとも言えなくなってきた。で、そのスロットに、世界最小パソコンとも言うべきChipCardを差し込むのである。パソコンにパソコンを入れるというのもなかなか妙な気分だ。


 

ChipCardプログラムコンテスト

 とまぁ、そういうことで、わざわざ高いお金を出して、ChipCardのためにPC用のPCMCIAスロットを買うことになったわけだ。なぜそんな事をしたかというと、ちゃんとわけがある。もちろん、自分で作ったプログラムをそのChipCardで動かしたい、Card型MIDI音源をつかってみたい、ということもあったが、他にそれよりも大きな理由があったのだ。それは、ASCII DOS/V ISSUEと言う雑誌で行われる、「ChipCardプログラムコンテスト」に応募するためである。

 大賞は、IBM ThinkPad701C。俗に「バタフライ」と呼ばれるノートパソコンで、液晶を開くと、徐々に中から斜めに二つに分離していたキーボードが互いに奇妙な動きをしてスライドし、本体のわくからはみ出して広がり、フルサイズのキーボードになる。液晶を閉じようとすると、自動的にそれに連動してキーボードがまた中央から二つに別れてうまくスライドし、パソコン本体の枠の内に収まる。つまり、液晶を閉じて持ち運ぶときはとても小さくなっていて(なんと横幅は、B5のノートの縦幅よりも短い)、使うときには打ちやすいデスクトップと同じ大きさのキーボードで打つことができるという優れものだ。

 しかし当時、75万もするそのパソコンは、一般庶民の買うものではなかった。そのパソコンがそのコンテストの大賞の賞品だったのである。しかし、そんなもの取れるわけがないと思って、その下の優秀賞の、SHARPの液晶テレビを狙って、プログラムを作りはじめた。時は高校三年夏休み。試験勉強で忙しい身のはずだった。

 僕がそのChipCard用に作ろうと思っていたプログラムは、とにかく日常生活でいろいろと役に立ちそうなものを一つにまとめたものであった。まず授業をサボるために、テトリスもどきを作る。これがChipCardの一番いい使い方だろう。(^_^; もちろん、レベルが高くなると落ちる速度が速くなるように作った。そうじゃなきゃつまらない。授業中にテトリスして遊んでいた事など、先生は知る由もなかったであろう。あ、最近になってキーホルダー型のテトリスから始まって、いろんなゲームができるのが出てきたけど、もしかしてこれを見た人が「これはいけるかも!」と思って真似したのかな?

 まぁそんなことはどうでもいいんだけど、その他には予定表とかメモとか時間割とかシステム手帳には一通りありそうな機能を作って、もう一つダンジョンゲームらしきモノも作り、それらを一つにまとめ、ToolPackと言う名で投稿した。

 

大賞の受賞

 さて、結果。なんと大賞。さすがに驚いた。アスキーからあまりにも突飛に、電話で「大賞に決まりました」と言われたので、「あっ、そうですか…」と答えてしまった。担当の方には申し訳ない。電話を切ったあとに、その実感が徐々にわいてきたのであった。

 そしてASCIIから例の賞品、ThinkPad701Cが送られてきた。いまでもそのパソコンは大事に使いつづけている。

 著作権は全て小出 俊夫にあります。KID's World © 1996-2003 Toshio Koide.

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