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さて、先ほどの続きですが、商売は鳥料理屋、メニューはかしわ(関西では鶏肉のことを“かしわ”といいますが、これは御所の女房言葉からきているとか、“かしわ鳥”という、鳥の品種からきているとか、いわれております。)の水だき・すき焼きの2コースしかありません。
水だきは、ご承知の通り、骨付きの鶏肉をメインに、野菜などを入れて食べる鍋料理であります。鶏肉の産地は、ほとんど決まってはおりますが、季節によっても、多少異なり、近郊のものを使わせていただいております。鍋のスープは、鳥の骨(いわゆる“鶏がら”)から取り、おくどさん(関西では、かまどを、“おくどさん”とか“へっついさん”などと呼びます)で薪をくべて、炊いております。いわゆるところの、つけ汁であるポン酢は、冬に和歌山から買いつけた橙を絞り、その果汁をもとにして作っています。大根おろしにそのポン酢をかけて、食べて頂くのであります。
鍋に入れる野菜は白菜に椎茸、それに青物(主として、夏は三ツ葉・冬は菊菜)であります。白菜や椎茸も季節によって産地が異なりますが、なるべく分の厚い、食べ応えのあるものを探しています。三ツ葉・菊菜は共にほとんどが近江の産ですが、特に真冬の菊菜は、葉の丸い、いわゆる“京菊菜”(“おたふく”などともいわれますが、一般に出回っている、葉がギザギザの春菊は、古くは関西で“大阪菊菜”といわれておりました)を使うようにしています。
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その他に鍋に入るのが、豆腐・湯葉・春雨・お餅であります。豆腐や湯葉は京の名物であり、それぞれ味わい深いものがあります。春雨は中国産のものであります。エッ、と驚かれるかもしれませんが、いわゆるマロニーやくずきりと違い、中国産の緑豆春雨は、いくら炊いても溶けることがありません。お餅は、福井県・敦賀産のもち米を使い、搗いて作っております。
その他、水だきの最後をしめる雑炊のお米は、お餅と同様、敦賀産のものであります。福井県はコシヒカリの故郷であり、福井の風土に合わせて作られたコシヒカリを、定期的に直接買いに行っております。その後に出てくるフルーツも季節によって違ってきます。いちご、メロン、パイナップル、柿、梨など、さて何が出てきますやら?最後に飲んでいただくお茶は、近江は信楽・朝宮の産であります。食事の後のほうじ茶は格別の趣きで、これも定期的に直接買いに出向いております。
| また、すき焼きは骨のついていない鶏肉を先ほどの野菜などと鉄鍋で炊く(焼く)もので、おなじみの砂糖としょうゆの甘辛い味となります。ちょっと違うのが、そこに先ほどのスープが入る点で、普段の牛肉のすき焼きとはまた違った趣となっています。 特に夏場のすき焼きは、暑気払い・夏バテ防止に効果的で、ご好評を頂いております。 |
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| 御所の御用を勤めていた頃の看板 | ||
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