※屋久島在住の女性の文章です。

このチラシは、私がつくりました

屋久島に住んで3年目、結婚した夫は地元のトビウオ猟師、ごく普通の生活でした。
2月3日の藤田祐幸氏による講演を聴き、種子島に核施設をつくる動きがあると知るまでは・・・。 その夜から、私の、私たちの生活は変わったのです。

核という恐ろしいものと隣り合わせになるかもしれない、そう思った瞬間から原子力が
対岸の火事ではなくなりました。
屋久町民の署名をもらって歩きました。 もちろん反対だという人、まったく知らないと
いう人、何だか分からないがヘンな人が来たという顔をする人、がんばって下さいとタンカンを手渡してくれた人・・・。

署名の意味が伝わっただろうか、現状を知ってもらえたのだろうか。
私は、あの講演を聴いて「反対」だと声をあげた。
でも寝耳に水の人も多くいる――講演を聴く前の私がそうだったように。
まず 、同じ島に住む者として知ってもらいたい、その思いからこのチラシを作りました。

ここには、『中間貯蔵施設』、『使用済み燃料』 という言葉を初めて聞いてから1か月 にも満たない主婦が見聞きした情報を、思い入れ、思い込みも含めて書かれています。
読んで下さった方、ありがとうございます。
どうぞ皆さんで、自分なりの読み方をして下さい。

ただ、私が一番恐いと思うのは、 「ウワサだ、デマだ」で済ませてしまい、目をつぶってしまう事・・・。もしデマで終わってしまえば、バンバンザイです。
でも本当だったら、目をつぶっている間に事が決まってしまうのです。

しっかりと目を見開き、何が起きているのか自分で見極めたい。
種子島に核施設ができるのが本当でも、デマであっても 私は反対、と言い続けます。

 2000年2月
                                   (屋久町・安房) S・S



(蛇足)

2月3日、「講演会があります」という町内放送をポカンと聞いていた私に、「行くぞっ」
と先導してくれたのは、夫Mでした。
屋久島で生まれ育ち、<山学校>専門で、外に出たけれど屋久島に帰る事ばかり考え
帰ってきて猟師になった、そんな夫は、私の知る限り、屋久島一の屋久島好きです。
これからも協力し合い、この生命の島と向きあっていきたいと思っています。


おとなり
 種子島に核施設

■広島の原爆1万5千発分の放射能が種子島へ
種子島にできる 核施設は『中間貯蔵施設』といい、原子力発電所から「使用済み燃料」が 運ばれます。その放射能は 年間5百トンで広島の原爆の1万5千発以上になります。

中間貯蔵施設 ――  原子力発電所(現在52基、これからも増やす計画)から
「使用済み核燃  料を運び込む(運び出す)施設。  
使用済み核燃料―― 

使用済みといっても薪ならまだくすぶっている状態。
人が近づくだけで即死する<高レベル廃棄物>。


種子島の核施設とは中間貯蔵施設で、使用済み燃料を年500トン(国内の原発から出る約半分)10年間運び込まれる計画です。

500トンX10年=5000トン――  この量の核物質は広島に落とされた原爆の
15万以上の放射能を持っています。  

事故や天災が起きた時、運搬中・管理中に放射能がもれたら、爆発したら・・・。
誰にも想像がつかない被害に誰が責任をとるのでしょうか。


■屋久島のポンカン、トビウオ、観光業は、暮らしはどうなるか
おとなりの種子島に核施設ができれば、屋久島への影響もはかりしれません。
農作物は大丈夫なのか、観光業や暮らしに変化はないのでしょうか。

屋久島は、恵み豊かな自然を生かし、生かされ暮らしています。
世界自然遺産登録地となり、世界的に注目され、観光客も増えました。
<屋久島産> というブランドは、ポンカンなど農産物の勲章となりました。
日本一の水揚げを誇るトビウオをはじめとする海産物も知名度を高めました。

それが海をへだてた核施設と、おとなりになる・・・。
そこでとれたもの、できたものを買って食べたいと思うでしょうか。
屋久島に住む私たちの暮らしはどうなるのでしょう。
目に見えない放射能、あらゆるものを突き抜けて広がり、とどまって浸透し続ける放射能。

その危険性と、となり合わせで今と同じ、または今まで以上の生活を送れるのでしょうか。


■本当に核施設はできるのか
単なるウワサだ、デマだ、という声もあります。核施設の計画は表に出にくいため、初めはこう言われることが多いのです。しかし、火のない所に煙は立たない。
誰もが火元を確認できた時 ―― それは核施設ができた時なのです。

煙が立ち始めたのは昨年。
種子島の住民400人が<無料見学ツアー>で福島の原子力発電所へ視察に行きました。
日本で核施設がつくられる時、まずこのような見学会が行われます。

何もないのに、種子島住民だけを4千万円もかけて核施設へ招待するでしょうか。
核施設をつくりたいから視察という名の接待旅行に連れ出した、と見る方がずっと考えやすいでしょう。この見学会は一般の主婦等を対象に賛成署名とセットで再開されています。
煙は早い段階で消す、情報の届きにくい私たちにできる自衛手段です。