<大人のための催眠術>
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ここでは主に催眠を扱ったアダルトな小説を紹介していきます。小説の場合、あらすじだけを紹介しても雰囲気が伝わりにくいので、私が「ここぞ」と思う場面もあわせて掲示しようと思っています。絶版本などで手に入りにくいものもあるかと思いますが、一部分から思いっきり妄想と想像を膨らませてください(笑)。そのほうが原文を読むより楽しめるかもしれません。催眠小説と言っても本ホームページの創作ルームの作品ほどhypnofetishなものはまずないので、実際読むとがっかりしてしまうことが大半だったりします。また「こんな小説あったよ」という情報がありましたら、ぜひTMまでお知らせください。

注:文中の「・・・」は中略をあらわしています。出版情報は私の手元にある本にもどついていますが、再編・再録などがありましたら教えてください。

■夢魔(長編)
著者:戸川昌子
初出:同題
出版:講談社・ロマンブックス
初版:昭和45年

あらすじ:主人公渋谷の周囲に“夢魔”にあやつられた女たちが続々と登場する。女は鍵言葉で易々とその白い肉体を開き、没我と欲望に狂うのだった。・・深層催眠を利用して女体を弄ぶこの“夢魔”の正体を渋谷は追う・・・。(カバーより抜粋)
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「だいだい、あなたは暗示にかかりやすいタイプなんですよ。嘘なら試してみましょうか。ぼくにだって簡単にあなたを催眠状態にすることが出来ますよ。ほら、目を閉じてじっと心を落ち着けて・・・とても静かでいい気持ちでしょう。周りに白いミルクのような霧がかかってきました。深く息を吸いましょう。冷たい霧を充分に吸いましたね。霧の中のあなたの足もとに黄色い野花が咲き乱れています・・・」
 渋谷は冗談半分に、低い声で囁いた。左手に持っていたライターで、無意識のうちに鉄の鎖を一定の間隔で叩いている。
「ほうら、もう何も見えなくなったでしょう。あなたは、ぼくの腕に掴まらないと歩けませんよ」
 渋谷はそう言いながら田浦友実のほうを見て驚いた。彼女が、完全に催眠状態になっていたのである。(同書159Pより)


解説と評価:テレビドラマにもなった、戸川昌子先生の大作(新書版2段組で300Pぐらい)。かなり本格的に催眠そのものをテーマとして扱っています。暗示や誘導シーンもいっぱい詰まっています。ただし大衆小説なんで、あんまりHなシーンはありませんが。出版年次からいっても催眠小説の原点といえ、このホームページのファンの方でしたら、ぜひ一読されるとよいでしょう。

■見えない鎖(短編)
著者:蘭光生
初出:蝕まれた薔薇
出版:黒田出版興文社
初版:昭和58年

あらすじ:新入女子大生、宇田川美紀は、上級生黒星由利子に、黒ミサ研究会に誘われる。初めての会で美紀は由利子に催眠術にかけられ、見えない鎖で縛り上げられる。
 *

「・・・私の目をじっと見てちょうだい。目ばたきしちゃあだめ」由利子は縁なし眼鏡の奥から黒目がちの目でじっと美紀の目をのぞくようにしながら、彼女の両手に手を軽く置き、
「そう、それでいいの、肩から力を抜いて・・・もっともっとリラックスしましょうね。そう。目をもっと開いて・・・。そう。そのままじっとして・・・。いい?これから私のいう言葉をそっくりくり返していいましょうね。わかった?」
 美紀は大きくコックリした。もう催眠状態に入っている証拠である。・・・
「ドミネ、デウス メウス イン テ スペラヴィ」
 美紀が意味もわからず復唱する。
「ドミネ、デウス メウス イン テ スペラヴィ」
・・・・
 美紀の呂律が急にあやしくなり、あとを続けられなくなった。焦点の合わない目をうすぼんやり見開いたまま、体がゆらゆらゆれている。完全な催眠状態に入っていた。言語中枢はぼんやりしているが、聴覚は正常に働いている。
「そう、そのままじっと座っていなさい。これからは私の言う通りににするんですよ。わかりましたね。わかったらコックリうなづきなさい。さあ、私のいう通りにしますね。
 美紀は操り人形のように、うなづく。・・・(同書171Pより)


解説:この後、美紀はタイトル通り見えない鎖で縛り上げられたり、ストリッパーにさせられたり、はては由利子とレズ関係になったりする運命に。上記誘導シーンはなかなか雰囲気たっぷりで、私のお気に入りの1本です。

■レオタードは引き裂かれ〜いけにえたちの牝市場〜(短編)
著者:麻耶十郎
初出:女医監禁
出版:マドンナ社・マドンナメイト文庫
初版:昭和61年
あらすじ:エステティックサロン「ヘルシークィーン」。そこは会員のタレントやニュースキャスター、人妻に後催眠暗示を与えて操る「愛奴クラブ」だった・・・。
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 男はそれを誇るようにブラブラと左右にふりたてた。緋沙子の目が血走ってそれを追った。左右に・・何度も・・・
 目で追ううちに眠くなってきた。まぶたが重く落ちてきた。緋沙子は官能を極限までたかぶらせた状態で催眠に落ちていった。そして強い暗示を与えられていった。(同書214Pより)

解説:抜粋はエステに訪れた女性アイドルが暗示をかけられる場面ですが、何しろ男性性器で催眠をかける、という珍品。確かに振り子の代わりにはなりそうですが。このほか人妻は何度も暗示をかけられて調教されたり、ニュースキャスターは逆に催眠状態と通常状態を交互にかけられて錯乱したりと、短編小説とはいえ、なかなか中身が濃い小説に仕上がっています。

■凌辱の鍵言葉(短編)
著者:麻耶十郎
初出:犯された教室
出版:二見書房サラブレッド・ブックス261(新書)
初版:昭和57年
あらすじ:主人公は偶然の出来事から、「どんな女でも、ことばひとつで自由に犯せる」秘密のグループを知る・・・。
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「それに秋野めぐみの日常がまったくふつうの、いやふつう以上に優秀な問題のない生徒であることはよくわかるのです。彼女は自分のしたことをなにも覚えていないのです。彼女は一種の催眠術によって動かされているのです」
 女教師の美しい表情が凍りついたように思えた。それが、いっそうこの高木という女教師の美貌をひきたたせるものとなっている。
「彼女は、あるひとつのことばで催眠状態にはいるようインプットされている。条件反射ですよ、一種の。そのことばはたとえばフランスの自動車の名前で規定されているのです。たとえば秋野めぐみのついこのあいだまでの鍵言葉は・・・」
「いわないで」
女教師はテーブルの上にのっていた俺の手の甲をふいにやわらかく握った。形のいい細指がこまかくふるえていた。
「なぜ・・・です?」
俺はあることに気づき、その想像で熱くなった。
この女教師もまた言語催眠の術者の犠牲者なのではないのか・・・。
俺は小さな声であのフランス車の名前をいった。
女教師の美しい顔が一瞬絶望の色を浮かべ、つぎの瞬間には、あの深い湖のような瞳をした被術者特有の静かでわずかに熱ぽい表情に戻っていった。(同書112Pより)

解説:意外と珍しい後催眠暗示をメインテーマにした作品。残念ながら直接催眠暗示をかけるくだりは省かれています。短編小説なので秘密のグループというのも「仄めかし」程度にしか書かれていないのですが、結局、主人公はこのグループの秘密をさぐるうちに、ミイラとりがミイラになって、グループの仲間になってしまいます(そりゃそうだ、僕だってそうすると思いますよ)。麻耶先生は上記の作品といい、催眠もの・操りものを、このほかにもよく書かれています。

■催淫責め 兄と妹(長編)
著者:館 淳一
初出:同題
出版:マドンナ社・マドンナメイト文庫
初版:1992年
あらすじ:欲望刺激のサブリミナル映像を使って、15歳の妹の処女を奪う!(カバーより)
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「だったら、これを少し眺めてろよ。そうするとすごく気分がよくなって、精神的にリラックスできるぞ」
「本当? 信じられないな」
 そう言いながらも好奇心をそそられて、パソコンの前に座ってしまった。
 画面の中央から色のついた環が生成し、ぐんぐん大きくなり、画面の外へと広がってゆく。そうすると次の環が生まれ・・・。リズムとかハーモニーとかを無視したような不思議な電子音楽が心地よい。彼女は無限に続くトンネルを落下していった。(同書208Pより)

解説:催眠というよりはサブリミナルメッセージという作品。このパソコンの画面を見ているうちに妹はトランス状態になり、パソコンの映像や音楽の中に隠された識域化のメッセージが脳裏に刻み込まれ、お兄ちゃんを誘惑してしまう、というあらすじです。実際には、タイトルのような催淫責めというのは、後半のほんのちょっとで出てくるぐらいで、SMシーンのほうが多いぐらい。しかし、サブリミナルってホントに効くんでしょうかね?

■眠れる白雪姫(短編)
著者:蘭光生
初出:凌辱教室
出版:駿河台書房・駿河台文庫
初版:昭和59年
あらすじ:人気ナンバーワンのタレント歌手天知ジュンは、診療に訪れた長岡クリニックで催眠術をかけられ老経営者の慰みもにになってしまう。
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「さあ、この私の指先から、安らかな眠りの精があなたの脳神経にはいっていいます。そうら少しずつ浸み透っていきますよ。だんだん脳に浸みこんで眠くなってくる。・・・  さあ、もう頭は空っぽになった、あなたはいま無の世界にいる。・・・・」  天知ジュンは深い眠りにおちた。・・・
(同書109P)

解説:天知ジュンという名前が時代を感じさせます。この後、彼女はいいようにされた上に、それでも物足りなくなった老経営者のために催眠から覚醒されて素面のまま慰み者になってしまうという運命に。芸能人ネタでこの設定をもっと発展させたら、結構娯楽小説にできるかもしれませんね。


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