EFTビギナーとの会話

 

ビギナー(以下):こんにちは、今日は先日の説明会に参加出来なかったので、こうしてお話を伺いに来ました。宜しくお願いします。

EFTプラクティショナー(以下EFT):ようこそ、いらっしゃいました。こちらこそ、宜しくお願い致します。



:早速ですが、私は先日TV放映されたニュース番組『ニュースの森』で、つぼ押しをして引きこもりやアルコール依存などから解放された夫婦のリポートを見て、TFT療法というのを知りました。HPを拝見した印象だと、このEFTはとてもTFTと似ていますね。

EFT:全くおっしゃる通りです。EFTはTFTを開発したロジャー・キャラハン博士に学んだ、エンジニアのゲアリー・クレイグが研究開発したものです。

:違いはどういう点なのでしょう?TVでやっていたように、引きこもりやアルコール依存なども治せるのでしょうか?

EFT:まず最初に、私個人の立場では治療という事を致しません。私は臨床心理士でも精神科医でもないからです。只、ヨガ教室の先生がヨガを生徒に教えて、それでその生徒が腰痛が治った、肩こりが治ったというのと同様に、EFTという道具を興味のある方にお教えします。それを使った結果、その方が持っていた心理的なあるいは肉体的な悩みから解放されるという事です。1回のセッションはカウンセリングのように見えますが、その人の事情に合わせた使い方を指導する、うまく使えるようにお手伝いをするという事です。

その事を前提に踏まえて戴いて、ご質問にお答えしますと、TVを見た方はお分かりのように、一般的にはつぼを押すというより、軽く叩きます。(人によっては指を当てるだけ、軽くさする等も用います)これを「タップする」「タッピング」と言います。TFTと違う点は、TFTは臨床心理学者が開発したものですから、診断をします。この人には、どういう順序でどのツボ(ポイント)をタップしたら良いか等。EFTでは診断をしません。治療法ではないからです。只、「心理的、肉体的な苦痛の背後には身体のエネルギーの流れの滞りが存在する」という前提はTFTと同じですが、ゲアリー・クレイグはエンジニアの視点で、最低限のポイントをタップすればほぼ全身のエネルギーの流れを整えることが出来るという一定の手順を開発しました。これがEFTベーシック・レシピ(基本手順)です。

しかし、高度に熟練されたEFTプラクティショナーは、基本手順よりも少ないポイントを使ってエネルギー停滞を解放する事が出来ます。これは何の分野でもそうですが、経験からくる直観力のようなものです。相談の内容を聞いていて、どういうフレーズを言いながら、どこをタップすれば良いというのが一瞬で判断出来るのです。

:今、フレーズを言いながらとおっしゃいましたけど、これもお聞きしようと思っていた事なんです。どうして言葉を口にしながらタップするんでしょうか?

EFT:おっと、その説明をもっと前にすべきでしたね。大変重要な質問です。ありがとうございます。これは悩み、あるいは解放したいと思っている事柄に心身の波長を合わせる意味があります。勿論、セミナーなどで、周囲の人に内容を聞かれたくない場合はハミングしながら行なっても構わないのですが、自分一人でやる時、セッションの場でやる時は声に出していいます。

:なるほど。ところで、EFTの効果というのはどれ位続くものなのでしょうか?

EFT:これは人によってマチマチです。「ワン・ミニッツ・ワンダー」と言って、文字通り1分間前後で長年の悩みが消失する例があるのですが、完全に消失したといえるのは、その問題の核になっている原因についての身体のエネルギーバランスが整った時です。内容が複雑であれば、時間がかかる事もありますが、ある程度慣れれば自分一人でも出来ますので、従来の方法と較べると遥かに短時間で解放されます。

:一度、解放されたら再び問題が生じる事はないという事ですか?

EFT:それには例を持ってお答えしましょう。アメリカのソーシャルワーカーでレイプ被害者の方達のケアーをEFTを使ってされている方がいます。被害者の方の中には、その時の出来事がトラウマとなって、男性不信に陥ったり、現場となった場所の近くへ行ったり、場所は全く違くても、シチュエーションが現場と似ている所へ行くと気分が悪くなったりする方がいます。EFTで問題が消失したという場合、レイプという過去の出来事は消せませんが、それに伴って生じた様々な悩みから解放されるという事です。一度、そうなったら、もう現場の近くへ行っても気分が悪くなったりしないでしょう。何年か後に突然再び気分の悪さに襲われるというような例はまだ報告されていません。

:そういう方面でも使用されているんですか。素晴らしいですね。

EFT:全くおっしゃる通りです。

:ところでEFTの副作用、又は誤って使われた場合に起こる障害などはありますか?

EFT:現在の所、報告されていません。EFTが的はずれな使われ方をしたとしましょう。結果は何も変化が起こらないという事です。ただ、非常に副作用と間違われやすい事があります。例えば、一見簡単に解放出来ると思っている悩みに対してEFTを何ラウンドか行なうと、忘れていたような酷い記憶が浮上してきて、つらくなる事があります。これはその悩みに関連して意識の奥に存在しているものが意識のレベルまで浮上してきたという事ですから、歓迎すべき事なのです。どうして歓迎すべき事かと言いますと、今まで無意識下に抑圧していたその出来事に関するエネルギーをEFTで解放すれば、心身はより自由になるからです。

ああ、一つだけ副作用といえるかどうか分かりませんが、報告があったことを思い出しました。長年の鬱病と病院で診断された女性がEFTを何ラウンドか行なった後、ひどい眠気に襲われ、そのカウンセラーの待合室で横になって寝てしまいました。30分くらい寝た後、クリニックの終了時間という事で起こされて、その女性は自分で運転してきた車で帰宅したのですが、帰りに居眠り運転をしてしまい、ガードレールにぶつかってしまって、軽い打撲傷を負ったという事です。これは副作用とはいえないかも知れませんが、我々指導する側の立場としては、尋常な眠気ではないと分かった時点で、車の運転はさせないようにするとか言っておく必要があるでしょう。

:何だか東洋医学で言う好転反応みたいですね、それは。

EFT:まあ、TFTやEFTは東洋医学の理論から成り立っていると言っても過言ではないですからね。鍼の代りに指でタップする、そして鍼灸よりも心の働き方に対してアプローチする立場をとっているという事ですね。

:さて、もう一つ私が非常に気になる事があります。それは心理的逆転という言葉です。一体、これは何を意味するのでしょう?

EFT:心理的逆転、英語ではサイコロジカル・リバーサルと言い、頭文字をとってPRと略されています。この現象をTFTの創始者キャラハン博士が発見した時のお話をさせて下さい。この逸話をお聞きになるとどういうものかお分かりになると思います。

博士は、あるダイエット問題に悩む女性と面接をしていました。その女性は、どんなに食事制限をしても体重を理想の体重に減らす事が出来ませんでした。博士は筋力テストを用いて検査をしてみました。TFTでは診断に筋力テストを行ないます。身体、潜在意識からの反応を筋力の反射テストで判断するのです。博士はまず、彼女に理想の体型になっている自分をイメージさせテストしました。結果はネガティブでした。これはどういう事かというと、筋力が弱くなるという事です。博士は驚き、次に、今よりも更に重い体重になっている自分を彼女にイメージさせ、テストをした所、何と筋力は強くなったのです。今度は更に直接的に「私は減量したい」と彼女に言葉に出して言ってもらいテストをした所、筋力は弱くなりました。これは、この言明が彼女にとって真実を言っていないという事を意味します。(これは彼女は減量したいと思っているとしても、彼女の身体システムや無意識はそれに反対している事を意味します)

この事に気付いた博士は他にもダイエットに失敗してきた6人のクライアントに同様のテストを行なったところ、皆始めの彼女と同じ結果が出ました。博士は、このような自分でも意識していない心の奥底での抵抗がある現象を心理的逆転と呼ぶ事にしました。

これがあると何としても進歩がみられないものです。そこでTFTでは最初にPRが存在するかどうかテストします。EFTでは必ず最初にPRが存在してもしなくても、PRの処理を行なう手順を行ないます。

:・・・・。幼い頃から「お前は本当に役立たずだね」と両親に言われて育った友人がいますが、仕事でも恋愛でも、いつも大事なところで失敗するそうです。

EFT:でも、あなたのお友達は、意識上では自分が役立たずとは思っていないでしょう?

:そうなんです。両親にそう言われて来たから見返してやろうと頑張ってきたそうです。

EFT:うーん、それは心理的逆転がある可能性大ですね。しかし、まだ判断を下すのは早いです。単に大事な所で失敗した事が重なったというだけかも知れませんからね。只、人間って何にでも意味を与えやすい生き物ですから、偶然も2度3度繰り返されると、無意識に「私はいつも大事な所で失敗してしまう!」という観念を確立してしまう場合が多々あるんですね。

 まあ自分の意識ではアクセルを踏んでいても、無意識の領域ではブレーキを踏んでいるというのが、心理的逆転の一番わかりやすい比喩ではないかと思います。

:ところで、EFTではどうしてTFTで行なうようにPRがあるかどうか調べないのでしょうか?別にPRは病名という訳ではないし、テストを行なっても問題はないと思うのですが・・。

EFT:先に申し上げたように、TFTでは筋力テストを行なうのですが、これはとても熟練を要する技術なんです。そして、検査する側の主観に左右される場合も少なくないので、EFTでは採用していないのです。PRは約40%の人に存在すると言われていますので、EFTでは最初からPRが存在すると仮定して、その処理方法が手順に含まれているのです。PRの処理法といっても、チャートを見ていただけば分かるように、セットアップフレーズを3回言いながら、胸の圧痛点を擦るか、空手チョップポイントをタップするだけですから、1分もかかりませんよ。(笑)

:分かりました。これなら専門家でなくても一般の人でもやりやすいという訳ですね。

EFT:勿論、自分で行なっても進展が見られない場合は、経験を積んだ人の助けがいります。EFTはツボ(ポイント)も10前後と決まっているし、身体の上から順に下がりながらタップするので、場所を間違えたり、順序を間違えたりという事は何回か経験すれば無くなりますが、うまく問題に波長を合わせるフレーズを言うことに慣れていないという場合があるからです。

:具体的に例を話して戴けませんか?

EFT:そうですね。あなたがクモの恐怖症の人とワークをしたとしましょう。その人はクモを見ると足がブルブル震えて動けなくなってしまうと訴えているとします。セット・アップ・フレーズをどういう言葉で言ってもらいますか?

:「私はクモ恐怖症という問題を持っているけれども、自分自身を深く完全に受け入れます」。これで宜しいでしょうか?

EFT:いいですねえ。しかし、2、3ラウンド行なっても、その人の主観的な感情指標(SUD)が下がらない場合はどうしたらいいでしょう?

:うーん、どうしようかなあ・・。「私はクモを見ると足がブルブル震えるけれども、自分自身を深く完全に受け入れます」。

EFT:素晴らしい!出来るだけその人の主観にぴったり来る表現をそのまま使うのというのが基本です。
他にも、その問題を扱っている最中に、一見関係のないような事が何度も脳裏に浮かぶことがあります。それもアスペクトと言って、問題のある側面かも知れませんので、扱う必要があります。経験を積むとそういう事が分かってきますが、ワークショップで時間をかけて身につけずに、HPを見て自分で行なっている場合は、そういう点は不慣れですので経験者に相談するといいでしょう。

:分かりました。分からない所があったらメールします。

EFT:そうですね。その時は出来るだけ具体的にお願いします。

:はい。今日は、ありがとうございました。

EFT:こちらこそ。EFTは私達が思っている以上に応用範囲が広いですから、創始者のゲアリーが言うように、どんな事にでもEFTを使ってみて下さい。




執筆:Kuni