2002年

1月29日

都響Bシリーズ定期を聴く(サントリーホール)。都響の1月定期は毎年、1人の日本人作曲家の個展であり、今日の作曲家は新実徳英。ちなみに24日のAシリーズは吉松隆だったが、フロートの練習と重なって行けなかった(本当は練習は前日23日の予定で見学者も来ていたのだが、とめちゃん師が仕事にハマってさあ大変、ってなもんでドタンバで順延になってしまったのだった。見学者の皆さんには申し訳ないことをした)。
指揮は矢崎彦太郎

この人のオーケストラ曲というのは初耳だ(合唱曲のいくつかしか聴いたことがない)。分かりやすい旋律というのはほぼ皆無で、高音方面に偏った繊細な音響効果を器用に駆使している。印象としては西村朗に似ているが、西村朗みたいな鬱陶しさや粘りがないので率直に聴ける。最後の林英哲さんがとにかく!カッコよくて、終わってみたらほとんどその印象しか残っていない、って感じだった。ヒナ壇上の最上段の中央、普段はティンパニがいる位置に後ろ向きに据えられた巨大な大太鼓を、上半身はだけた姿で気合一閃叩き込む。オルガンソロとの掛け合いのカデンツァもあり、圧倒的な熱演。終演後は盛大なブラボーに包まれた。現代音楽の演奏会にしては客入りがずいぶん良かったが、どうも林英哲の追っかけの方々が大挙来場していたらしい。まあ、良いことだ。

16年間、32回に及んだ都響1月の「日本の作曲家シリーズ」もとりあえず今回で終わりとのこと。特別演奏会ではない、定期公演の機会に日本人の現代作品を、言葉は悪いが「むりやり」まとめて聴かせてしまおうというこの試みは大変に意義あることだった。なかなかこのテの音楽って、よほど好きでなければわざわざ聴きに出ようという気分にはならないからね。児童合唱が歌う「かごめかごめ」をオーケストラの壮絶な不協和音が引き裂く三善晃の『響紋』、合唱団員たちが「方丈記」の一節を歌いながら東京文化会館の客席内をねり歩いた柴田南雄の『ゆく河の流れは絶えずして』をはじめ、一柳慧『ベルリン連詩』、最近では尾高尚忠や早坂文雄の作品など、こういう機会でもなければ触れることは決してなかっただろうと思われる傑作の数々を知ることができたのは本当に大きな収穫だった。

1月27日

アンサンブルコンテスト東関東大会本番(千葉・東金文化会館)。行ってきました。往路は横風40km/h規制、大荒れの海を渡る東京湾アクアライン経由、帰りは月夜の首都高経由。

われらがフロートは銀賞。サックスアンサンブルに金賞のなかった厳しい結果だった。サックス吹きの審査員がいないという時点で厳しい審査になるのは予期していたけど、案の定か。デザンクロの3楽章はコンテストやら演奏会やら過去に何度も吹いたけれど、今回ほど深いレベルまで突っ込んだ練習が出来たことはかつてなかったので個人的には満足しているが、まあ、結果は結果ですね。金管吹きの審査員2人は絶賛の講評と最高に近い点数を付けてくれたのだが。
代表は去年も全国大会に行ったF-Clefというバリテューバ軍団。なかなか突拍子もなく巧い連中で、いったい何者なんだろうか。

最近、サクソフォン四重奏でアンサンブルコンテストに出て最高の評価をもらうということがとみに難しくなってきている気がする。多くのチームがある程度のレベルまでは到達するようにはなってきたが、その先になかなか進めない。その点、金管アンサンブルや木管五重奏は上手下手がすぐに分かるから、ちょっとでも上手い団体は率直に評価される。同じレベルの上手さのサクソフォン四重奏と木管五重奏を、いろいろな楽器の審査員がよってたかって審査したら、総合点は絶対木五のほうが上に行くだろう。
そもそもは、「ある程度のレベル」と「その先」の区別がつけられない審査員の存在が一番の問題なのだが、それが現実である以上致し方ない。アンサンブルコンテストの草創期には、サックスのアンサンブルというだけで良い点がついたという時代もあったけれど、それというのも(当時の)審査員の先生たちが、サックスがいかに合いやすい楽器かということを知らなかったからであって、問題の本質は変わっていない(Sax吹きは昔いい思いをしたから今は受難の時代なのかもね)。

「その先」のSax吹きとしては、どんな楽器、どんな価値観を持つ人にも受け入れられるような、普遍的な巧さと音楽性を追求すべき時が来ている、のかもしれない…

1月26日

朝10時から、ひと気のない宮前平中学校(今日は第4土曜日のため学校は休み)の音楽室にて、フロートの最終練習。
フロートで演奏するデザンクロは、日々その様相を変えていてとどまることがない。誰が何かを言い出すともなく、演奏中に新しいアイディアが提示されると、皆が自然にそれについて行って演奏の質ががらっと変わってしまう。今日も、序奏に出てくるアウフタクトの16分音符の吹き方を誰からともなく変えたことに始まって、みるみるうちに序奏部分全体に今まで感じられなかったドラマが立ちあがってきた、ということがあった。自分で吹いていながら「お見事!」と唸ってしまった。
これって、ある「お手本」というか、確定的な状態を目指して少しずつ細部を仕上げていく、アマチュア的な「おさらい」の世界とはずいぶん違う境地のような気がする。

解散後は急いで次の目的地、幸市民館での「音の輪」練習に向かう。着いた頃にはもう合奏が始まっていた。ひ、人が少ない(^_^;。7時頃まで合奏したけど、まだ皆さん全然おさらいが出来ていませんね。自分も含めてだけど。なんだか、午前中とのあまりの落差に呆然となってしまった。やっていることが、同じ「音楽」だとは到底思えない、つうか。まあ、頑張りましょう。

明日は早いので、寄り道をせずまっすぐ帰る。雨が降り出した。明日は嵐だと。

1月25日

東京フィル定期を聴く(サントリーホール)。チョン・ミョンフン指揮のブラームスプロ(ドッペル、4番)。
チョン・ミョンフン、人気のある指揮者だが(今日もsold outだった。それにしては結構席が空いていたが)、私にはどうもピンとこないのだった。尋常でないカリスマ性の持ち主であるということは明らかに見て取れるし、たしかに迫力のあるドラマティックな音が出てくるから文句はないのだけど。編成が大きすぎて(交響曲は木管は倍管、弦は増量18型でコントラバス12本という特大編成)、本来現れるべき鋭敏さが大音量の中に埋もれてしまうのだとしたらちょっと残念だな。何年か前にN響を振ったチャイコフスキーの4番を聴いた時は(その時は勿論通常編成)、本当にすべての音にエッジが立ったようなものすごい演奏だっただけに。

1月19日

今日は「なめら〜か」団員Y嬢(私がソロを吹く時の常任伴奏者でもある)の結婚パーティ(人前式&披露宴)。集合時刻の4時に会場のフレンチレストラン「東京John Bull」に到着。

東京駅の目の前の28階建てビル最上階だった。控室からの眺めはこんな感じ。

新郎がEuphonium吹きなので、そちらの関係のバリテューバ軍団と一緒に音出しをする。
30分くらい、準備中の会場でざーっと練習。司会者と簡単な打ち合わせをし、スタンバイして開宴を待つ。
6時ちょうど開始。『王宮の花火の音楽』の序曲で新郎新婦入場。厳かな感じの選曲は好評だったが、曲が長くて練習に手間がかかった割に実際吹いたのは曲のほんの一部分だった(まあ、仕方ない)。続いて結婚式。人前式に立ち会うのは初めてに近いが、結構あっけない。というか、演出と進行に関しては司会役の力量にかなり依存するものがあるなあと思ったことだ。

式の後は祝辞と乾杯・歓談。少し経ってから余興演奏。曲は「なめら〜か」十八番?の『クラーケン』。練習の時とは全然違うノリで楽しく吹けた。お客さんも結構熱心に聴いてくれていたようで嬉しい。

夜景がきれいでした。
新郎新婦の写った写真はブレてしまい公開できず、残念!

準備が直前までドタバタしていて(我々もそうだし、式そのものの準備もそうだった)、どうなることかと思っていたが、フタを開けてみたら手づくりでシンプルな感じの、しかも華やかさにも欠けていない良いパーティとなったと思う。

Y嬢とは知り合って10年近くになるけど(お互いトシとったな〜)、昨年のアルフレッド・リード新作の初演という大舞台にも一緒に乗ったし、ピアニストとしても私の何度かの修羅場のようなソロの機会に付き合ってくれた。サックスも上手でよく知っていて、難しいオリジナル曲の伴奏も嫌な顔をせず引き受けてくれる得難い友達だった。ブートリーのディヴェルティメントみたいなとんでもない難曲を吹くことができたのは彼女がいたからこそだ。感謝してます。どうか、お幸せに。これからもよろしく。

終わって会場を出てから、少しお茶でもするかと店を探したのだが、土曜日夜の東京駅近辺って開いてる店が本当に全然ないのね。座れる店を探して八重洲地下街を30分近く歩き回ってしまった。疲れた…

1月18日

N響定期を聴く(NHKホール)。今年最初にナマで聴くオーケストラだ。いつものように1520円の当日券を買って3階自由席に座る。

指揮はN響初登場のパーヴォ・ヤルヴィ。ネーメ・ヤルヴィの息子。弟のクリスチャン・ヤルヴィも指揮者だそうだ。しかしすごい一家だな。家でみんな集まった時はどんな話をしてるんだろうか(つまらん疑問)。
1962年生まれということは私と全く同じ歳だが、極めて手際がよく分かりやすい指揮ぶりで、振りは結構大きいのだが無駄な感じが全然ない。すごく良い指揮者だと思った。ソリストは代役だそうだが、スケール大きく思いっきり歌い上げる人で、ちょっとサン=サーンスにしては大柄すぎる感じもあるけどこれはこれで良い。最後のシベリウスも充実した響きを堪能した。このNHKホールの天井桟敷というのは時々どうしようもなく演奏が他人事に聞こえる時があるけれど、今日は全くそういうことがない。

終演後は塔に寄ったが、収穫はあんまりなかった。とりあえず買ったのはアレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud)がラモーの新クラヴサン組曲をピアノで弾いたCD(Harmonia Mundi)。私の個人的考えだが、ラモーの和声の美しさはチェンバロよりピアノで弾いたほうがよく聴きとれるような気がする。最後のトラックにドビュッシーの『ラモー賛』が入っているのがお洒落。

ここ数日ずっと作業していた、マルセル・ミュールとダニエル・デファイエのページの改訂作業がやっと一段落したので、アップロードを実行。昨夜とりあえず終わったのだが、今日になって更新されたページを読み返しているといろいろ直したいところや書き足りない部分が出てくるので、ちょこちょこと修正しては何度も転送を繰り返す。

1月16日

HMV銀座店に寄る。今年のCD初買いは、巷で評判のルドルフ・バルシャイ/ケルン放送響によるショスタコーヴィチ交響曲全集(Brilliant Classics)という大物。11枚組で3,000円台の激安、しかも最新録音(1992〜98年)。こんな音源がいったいどこに眠っていたんだろうか。

5月から始まる、東京シティフィルのフランス音楽シリーズの会員券を申込む。オペラシティの3階1列め(A席)を取った。4回で11,200円。矢崎彦太郎という指揮者はそんなによくは知らない存在だが、シティフィルというオケ自体は上り調子だし、曲目はなかなか面白そうだし、安いし。

1月12日

「なめら〜か」初練習。今度の土曜日に団員Y嬢の結婚式での演奏を控えているので、そのための練習に追われる。出演者がラージ編成としては最小人数以下(S2A2T1B3)なので、ほとんど編成上の穴埋め作業に終始。う〜む、やばいぞ。

練習終了後は新年会(参加者は5人だったけれど)。タクシーで日ノ出町に移動して、なめら〜か公式宴会場(にこのほど認定)「なりた」へ。カウンターとちゃぶ台3つ程度の小さな飲み屋だが、さすがとめちゃん師御用達の店だけあって旨い。どじょう鍋、川海老、鯨ステーキ、等々。忘年会の日とは違い(^_^;、ほのぼのとした話題で盛り上がってなかなか良かった。
二次会はやはりとめちゃん師行きつけの近くのスナック「アトラス」で。酒の飲めない私としては、ああいうカウンターだけのスナックというのは滅多に行く機会がないですね。数年ぶり?でカラオケまで歌った。ちなみに曲は「大きな玉ねぎの下で」。なんか、10年くらいこれしかレパートリーがないような気もするが。

1月10日

夜、フロートの今年初練習。昨日急遽(というか、やっと)連絡が入って、いきなり決まった。
休憩時の会話から。題目:フロートの練習で面白いもの。
Tセンセ 「Mサンととめちゃんのけなし合いが、目クソ鼻クソって感じで面白い」
とめちゃん 「…どっちが目クソだよ」
私 「それを言ったら、とめちゃんとTセンセのボケとツッコミもなかなか面白いよ」
M山氏 「…中野さんのそのいつもの冷静な一言が面白い」 チャンチャン。
一応、ちゃんと練習もしました。

明日は今年の初聴き、調布に佐藤尚美(Sax)のニューイヤーコンサートに行く予定。
前にも書いたような気がするが、彼女が高校生の頃、東京シティウィンドアンサンブルというカルテットで一緒に吹いていたことがある。カザルスホールACFでデザンクロ全曲吹いたよな〜。当時、彼女は16で、最年長の私は30。先生と生徒みたいな歳の差なので「師弟ウィンドアンサンブル」とか言ってたような(寒)。どんなふうに成長しているか、いつものことながら楽しみ。

ここのところ、とあるクラシック系掲示板上で見かけた
「(朝比奈隆の指揮する演奏会の)チケットが発売即完売するようになった頃と、日本の戦後の息の根を止めたバブルの崩壊期はシンクロしている」
という一言が妙に頭に引っかかっている。
世のいわゆる「朝比奈現象」というものは実は、音楽上の出来事ではなく、たまたま音楽を題材とした別の社会的カテゴリーに属する現象だったということを端的に示唆しているように思う。このことを敷衍すると、客席を埋めつくした「朝比奈教徒」という人たちにとってはそこに流れている音楽なんか関係なく…いや、そこまで言ってはさすがに失礼なので言わないが(^_^;。
あの恒例の「一般参賀」(終演してオケのメンバーが全員引っ込んだ後も拍手が止まらず、朝比奈一人をステージに呼び出して拍手を浴びせる)ってやつが私はどうも苦手だった。1995年のこと、一度だけ新日本フィルの定期公演で朝比奈を聴いたとき(曲目はモーツァルトの39番とシューマンの『ライン』だった。CDにもなっている)、演奏そのものは朝比奈さんのスタイルを非常によく出していてなかなか良かったが「一般参賀」はなく、あっさりと終わった。ちょっと拍子抜けしたけれど、逆に新日本フィルの定期会員の見識に感心したことを覚えている。
(新日本フィルの定期では最近でも一般参賀はなかったそうだ。そのへんのことを理由に、新日本フィルの客は朝比奈さんに冷たい、と言う人もいるそうだが、それこそとんでもない勘違いだと思う。)

1月6日

今年も始まった、2002年の楽器吹き初め、「音の輪コンサート」結成式に出席する。

「音の輪」という団体は毎年、新年のこの時期に新たに結成され、ただ1回の演奏会とともに解散する。演奏しているその瞬間は二度と再びやってこない、という「音楽」そのものの本質を体現したような潔さが好きで、毎年本番が終わる度に次回の参加申込みをし続け、14回目になった。

Saxパートは全11名。「なめら〜か」仲間のとめちゃん、Jくん、おがさん等々馴染みのメンバーも多いが、今年は新しい顔や若い衆が例年になく多い。高校生は2人いるし、10年ぶり久々の参加という人もいる(10年前は高校生で、現在は横浜のインターコンチネンタルホテル勤務だそうだ。「なめら〜か」演奏会の後に泊まった話で盛り上がった)。
夜7時まで、演奏曲目の初見合奏。それにしても『第3交響曲』は本当に難物だ。第2回(1990年)のとき演奏したことがあって、とにかく苦労した!という記憶があるんだけど、あれからリードの曲は難曲大曲、数多くこなしてきたから、当時よりは少しはましに吹けるようになっているかと思っていたら甘い甘い。爆裂轟沈玉砕、金管木管枕を並べて討ち死に、でした。特に1楽章がとんでもない。難しめのソロ曲並みの譜面の黒さで、こんなに難しい吹奏楽オリジナル曲のパート譜というのは、吹いたことがある中では『ディオニュソス』くらいしか思い当たらない。こりゃマジでさらわんと。

練習終了後はJくんの発案で蒲田に出て、「鳥良」という鶏料理店で新人歓迎を兼ねてSaxパート新年会を開催。参加者7人。とめちゃん氏は近所のビジネスホテルに車を突っ込んでチェックインしてから現れるという、完全に「飲むぞ〜」モードだった。あちこちに店舗のあるわりと有名な店らしいが、なかなか美味しい。どんどん頼んでばくばく食べる。今年もなかなか楽しい始まりかただぞ。

1月3日

夏からの懸案だった、真空管ステレオアンプキットを2日かけて組みあげた。

真空管。左は出力管300B(中国製)、右は前段管6SN7(ロシア製)。迫力があります。比較はリード箱(バンドレンA.Sax)。
上は6SN7の箱。「鎌とハンマー」は渋すぎる!
完成したアンプ(Elekit/TU873)。
右は7月に組み立てたTU870。

今回作ったのはエレキットのTU873という、「オーディオ用真空管の王者」300Bを使ったキットで、現在出回っている300Bアンプ(キット)の中では破格に安く、プリント基板を使った組み立てやすいものだが、それでもそれなりに作業量は多く、1日で作るのは厳しそうだったので余裕を見て2日かけた。おかげで音出しテストは一発合格。ヤッタ〜!
夏に作ったTU870と比べるとさすがに低域の充実した、いかにも真空管らしい暖かい音が出てくる。大音量でも全然うるさくない。正直なところ、今までの6BM8シングル(TU870)では「真空管アンプを聴いてます」と言うのは恥ずかしいものがあったが、これで少しはまともなオーディオに近づいた、かな? しばらくまた手持ちのCDをあれこれ聴き返す日々が始まりそうだ。

それにしても自分で作ったアンプでCDを聴くのは気分がいい。エレキットのアンプは作りやすいし、説明書通りにやれば誰がどんなふうに組み立ててもちゃんと動くようになっているのがすごい。スイッチやボリューム、入出力端子を基板に実装したり、入力系の配線をパソコンみたいな15ピンコネクターケーブルにまとめたり、極力手間がかからないように設計も工夫されている。
この300Bアンプは限定生産品なのでもう手に入りづらいけど、エレキットから同じく限定生産で出力管にKT88を使ったキットが発売されたようだ。なかなか良さそうかも。

1月1日

2002年が明けた。
去年はちょっと忙しすぎたな。今年は少しは余裕を持ちたいものだ。

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの指揮台には、われらが小澤征爾が登場。格別に小澤ファンでなくとも、日本の音楽愛好家たるもの観るしかないでしょ。放送開始と同時にテレビの前に陣取る。
ヘルメスベルガーの「悪魔の踊り」などというのは珍しい曲だが、全体にはとてもオーソドックスな選曲とスタイルで、新年を祝うコンサートの気分にふさわしいものだった。雰囲気で流さず、かなり細かくしかも精力的に振っているが、小澤ならではのリズムの切れ味と勢いのある祝祭的な音楽の運びがよく似合っている。まずは成功なんじゃないか。
アンコール『美しく青きドナウ』の前には、各国出身?の楽員による各国語での新年あいさつ。コンマスのキュッヒル氏の日本語が巧い。奥さん(日本人)に特訓を受けたか? 小澤は中国語だった。

テレビを観終わった後、急に聴きたくなって久々に取り出したCDは、小澤/ボストン響の「パリの喜び」(DG)。シャブリエの『スペイン』、ファウストのバレエ音楽、『ミニヨン』序曲、オッフェンバック=ロザンタール『パリの喜び』抜粋。いやあ、いい演奏だ。この雰囲気ですよこれ。「小澤ならではの勢いのある祝祭的な音楽の運び」の精華、とでもいうか。曲目が軽いせいか発売当時もあんまり話題にならなかったけど、小澤のスタイルとボストン響のフランス物の演奏の伝統が最良の形で結びついた名盤だと思う。