「心療内科へ行こう!」



2003年4〜5月 記


 鬱ですかー!ストレス感じてますかー!はいぃ、そんなアナタには心療内科がオススメです。


 ◎心療内科ってなに?

 心療内科とは、ココロが原因のカラダの病気(=心身症)を診るところです。簡単に言えば「内科+精神科」みたいなところですか。ストレスがたまりまくって身体がおかしなってしまった人がいく科ですな。でも、それは一応原則であって、ほんとはもっと柔軟なんです。結構色々診てくれます。たとえば軽い鬱病とかね。鬱病は精神の病ですから、精神科へ直行すべきなのですが、軽いものについては心療内科でも診てくれます。特に仕事などのストレスからきている鬱などは、心療内科の守備範囲の中に入りますね。まぁそのヘンについてはあまり深く考えず、とりあえずなんかココロがヘンだと思ったら、ちょっと行ってみればいい、それが心療内科ですね。一応「内科」ですが、「プチ精神科」みたいに捉えていいと思います。


 ◎「精神科」とはどう違うの?

 似たような名前で「精神科」「神経科」「精神神経科」「神経内科」などなどとありますが、心療内科はこれのどれとも違う科になります。精神科は精神病を診る科です。鬱病・統合失調症(分裂病)・てんかん等々。ってゆーかこれだけじゃなくて心の病は全般的に診てくれますがね。心の病って種類がいっぱいありますから。人格障害とか〜障害とかね。アメリカの精神医学会が出している本で、「DSM」という”診断書”があるのですが、これは心の病に対して症状ごとに分類して、「これこれこういう症状がいくついくつあればこの病気」というような感じで、医者が診断する手引き書みたいなものなのです。一番新しい版は「DSM-W」というやつで4版出てるんですね。これみれば、ここやま(=心の病)は色々あるんだなぁというのがよくわかります。(かくいう私は見たことありませんが。。)

 で、精神科は精神の病を全般的に診る科です。そして神経科というのは実は精神科と同じものです。そして精神神経科も実は同じものです。呼び方が違うだけなのですね。多分「精神科」ってのがなんかイメージ悪いからとか、そんなんじゃないんでしょうか。違うかな。
 で、神経内科はちょっと違います。これは精神・神経・精神神経科が「ソフトウェア」を診る科だとすれば、神経内科は「ハードウェア」を診る科なのです。要するに脳みそそのものとか、神経系そのものとかね。詳しいことは知りませんが。(おい!)

 で、前項で言い忘れたのでここで書きますが、「心療内科」ってのは、名前の由来が「心理療法もやる内科」なのだそうで。そうなんです。心療内科は精神科と同様、心理療法=カウンセリングもやるんです。このことについてはまたあとで話します。


 ◎「プライマリ・ケア」としての心療内科

 プライマリ・ケアというのは、「初期治療」「初期診断」とでも訳すべきでしょうか、要は最初の一歩という意味です。近所の内科医院と一緒です。どんな病気かわからないけど、とりあえず行って診てもらおう、そんな時の診療のことを「プライマリ・ケア」というのですね。んで、心療内科は、ココロとカラダと両方を診る科なわけですから、自然とこの「プライマリ・ケア」の役割を担うことが多くなるのです。ここやまかと思って心療内科に来ましたが、検査の結果、実は身体の病気だったとか、身体の病気だと思って来てみたら実はここやまだったとか。心療内科の先生は、その科目の性格上、そういう心身両面からアプローチするのが得意なので、プライマリ・ケア医としてはとても適しているのです。多くの心療内科医自身が、そのようなことを自ら言っております。

 また、精神科への橋渡し役も担うことが多いようです。やはりここやまでくる患者さんが圧倒的に多いわけですが、中には心療内科では診きれない本格的な精神病の域の人もいるわけです。そういう人は、ここやまの専門科である精神科へ紹介されます。その為に常日頃から心療内科医は精神医学領域の勉強も怠らずにやっていくべきなのだそうです。これは心療内科でやるべきか、はたまた精神科か、あるいは他の身体系の専門科なのか判断せねばならないからです。なかなか勉強が大変ですね、心療内科の先生は。
 でも、いまどきの医療ってのは、専門化=細分化が進みすぎてるから、やっぱこういう心療内科みたいな、ココロもカラダも、人間全体をみてくれる=全人的医療をしてくれるお医者さんってのは、貴重ですね。ココロもカラダも、生活もその人をとりまく社会・環境も、すべてを考慮に入れた上で診療をする、それが本来の医療の姿であるべき「全人的医療」というものなのです。心療内科は、細分化した現代医療に対する”アンチテーゼ”としての場でもあるわけです。


 ◎心療内科での治療

 病気の種類にもよりますが、まずは投薬治療です。ヤクです、ヤク。自律神経失調症だろうが軽鬱だろうがパニック障害だろうが、まずはその悪い状態を正常な域にまで戻さねば話になりません。心理療法はそのあとです。要は、足が折れてる状態で歩行のリハビリなんてできますかいなということです。まずは足を治せと。それからリハビリやろと。それと一緒で、まずはココロの乱れた状態をクスリで正常化するのです。決して性格を変えるとか人格を操作するとか、そんなんじゃありません。本来の自分の、病気でないココロの状態に戻すのです(現にここにクスリ飲んでピンピンしてる人がいます。性格・人格・心理はクスリでは変わりません。心身がちょっと疲れにくくなったかなぐらいのもんです。逆に言えばクスリ飲んでも心の問題はすぐには解決しないということです。クスリ飲んでてもキズつく時は飲んでないときと同じようにキズつきます。グッッサリとね。いやなことがつづけばユウウツになるし。)。ココロを一旦補強して正常な状態に戻して、それから再発防止のために心理療法するわけです。最初から心理療法するとなると、エライ手間かかって、治るもんも治らんそうです。
 クスリでちゃちゃっとやっちゃうのがまず一番よいのだと。今は研究・開発が進み、副作用や依存性などの少ない良いクスリが多く出ています。だから専門化である医師を信頼して、その指示に素直に従いましょう。疑問があればすぐに先生に相談すればいいのです。どんな本を読んでみても、なにか疑問があればすぐに医師に相談してくださいと書いてあります。ここやま系の医者の仕事の中で、患者の話を聴くというのはかなり大事な部分ですよね。それができない医者であれば、それは多分ヤブですので、すぐに他の先生に替えればいいのです。

 クスリで調子を整えて、それから心理療法ですわ。主に「認知療法」というやつがあるそうです。「認知」ってのは物事の捉え方・感じ取り方・考え方ってなことですな。だいたいここやまになるような人ってのは、結構偏ったものの考え方してる人が多いようで、ネガティブ思考が上手な人が多いみたいです。「〜に決まっている」とか「〜しかない」とか、「あの人があんな顔したのは、僕のことを嫌ってるからだ」とか「あれがダメだったから、もうこれもどれも全部ダメだ」とかとか。そういうゆがんだ認知を正すのが認知療法というものなのだそうです。ま、こんなのを中心に、色々やるんだそうですわ。(←適当)
 ただまぁ、診察時間の関係等もあり、なかなか心理療法まではやれないところが多いみたいですね。仕方のないことです。だから別料金で別時間で、臨床心理士とカウンセリングを行うというやり方をしているところも多いみたいです。


 ◎心療内科のかかり方

 やっぱまず予約でしょう。TEL連絡は欠かせませんね。なぜなら、心療内科は(精神科もそうでしょうが)初診が大事だからです。色々話を聞きます。体のことから心のことから、生活習慣、社会環境、家族状況等々。なにしろ「全人的医療」ですから、色々聞いたうえで、色んな観点から患者さんをみて判断・診断を下すわけです。だから初診は時間かかります。だから予約制なんです。その後は各医療機関によって様々でしょう。まぁ、かかろうと思う人は、自分の都合にとって良いところを探して調べて行ってみることですな。通院が痛院になっちゃしょうがないし…(オヤジギャグっぽくてヤだな…。。)

 ここやま通院については、気軽にやりましょう。最初はちょっと相談に行くというぐらいの気持ちでいいのです。軽く戸を叩いてみましょう。はっきりした病気じゃなくても、ちょっと最近調子が悪いとか、なんか前から気になってたことがあってとか、そんな感じでいいのです。先生はきっと相談に乗ってくれることでしょう。乗ってくれなかったら乗ってくれる先生を探して他へ行けばいいのです。
 また一旦通院し始めれば、おそらく長くなるでしょう。クスリを飲むとなると、ここやま系のクスリは服用期間が長いですから。抗鬱剤なんて半年とか1〜2年は飲み続けますからね。だから気軽に気長に付き合っていきましょう。


 ここやま万歳!!



 シーユーッ!



 〔追記ッ!っつーかここからが大事かも!〕

 何を隠そう、実は実は、わたくし自身が立派な心療内科の患者なのであります(注:「立派な」は「心療内科」にではなく「患者」にかけてください)。病状は、軽い鬱&プチ・パニック障害(or不安神経症かな)。鬱は前からあるとして、パニック発作=不安発作が起こったのが2003年の2月初。2月中に2回、発作をくらいました。そして内科→循環器内科を経て心療内科へと到達したのであります。
 そもそも発作のきっかけは、思いっきり心理的ストレスっ。これはもう、明らかな心理的きっかけがありましたのです。ある親密な人々との別れ、であります。これが明らかになってから、まず中度の鬱になり、それが1ヶ月ほど続いてから、2月のある日の夕食時、急に不安発作が出たのでありました。これは怖かった。死ぬと思った。突如息ができない、なんか気が遠のいてく感じ、そして一瞬気を失うような感じになって、その後動機がドキドキして手足が急速に冷たくなったのです。そしてしばらく10分間ぐらい、「死ぬかもしれない…」「ヤバいかもしれない…」という不安にさいなまれる状態が続きました。すぐに病院行って、血圧を測ったらものすごく高くなってました。初日は点滴打って終わり。

 その1週間後、またもや発作が。翌日でっかい病院行って検査してもらったけれども、異常なし。そして心療内科受診とあいなったわけであります。まぁ最初から心的なものだろうとは思っていたけれどもね。
 ただその心療内科ってとこが混んでるらしく、電話で予約取ったら10日近く先の3月中旬に初診となったのです。それまでが大変でした。内科の方で頓服薬として安定剤もらってたんですけど、なんかもう、普段なんでもない時から「あぁ、またあの発作がくるんじゃないだろうか…」とか「ヤバい…、なんかまたきちゃうかも…」みたいな感じで、いわゆる”予期不安”っていうやつに襲われてました。朝から晩まで緊張しっぱなし。ビクビクオドオドしてました。ある時なんざ、床屋に行くのも怖かったぐらいですよ。床屋って30〜40分ぐらい拘束されるじゃないですか。その間に発作が起きやしないかと不安になっちゃったのざます。安定剤飲んで効いてきてから行ったざますよん。つらい症状やね。

 でも段々調子もよくなってきて、3月に入った頃にはかなり落ち着いてきました。心療内科受診はその後でした。だけども初診時にはつらかった頃のことを事細かに先生に話し、プラスして前々から気になっていた鬱のことも話してみたのです。そしたら発作に対しては安定剤を、鬱に対しては抗鬱剤を出してくれました(不安に効く抗鬱剤ってのもあります)。クスリを飲むようになってからは、かなりラクになりました。日中の不安・緊張がほぼなくなり、特に夜よく眠れるようになったというのがイチバンよかった。ちゃんと睡眠がとれれば、それだけで体調というものはよくなるものです。これはほんとに思い知りましたね。
 それからプチ発作が何度かあり、鬱の波も少しばかりあったので、その度に先生に話し、クスリを何度か変えてもらいました。そして今に至っております。今(2003年5月現在)も2週に1度、通院中であります。やっぱり神経系のクスリは長期間飲むみたいですね。脳の状態を正常な状態に長い期間保つということ自体が治療として大事みたいなんです。

 まぁ何より、つらくなったらラクになる為に専門家のところへ早々とGOすることです。それに勝るものなし。



 今度こそほんとにシーユーっ!!


 参考文献:
 江花昭一『心療内科の時代』ちくま新書
 大野裕『「うつ」を治す』PHP新書