アニメーション版概略

まだまだ工事中。作品の解説のつもりが私情入りまくり。画像のアップも途中だし…

こんな奥地のHPに来る人に今更ストーリーの解説は不要だとは思いますが…一応ということで。

その1.
「海がきこえる」の主人公(何か抵抗あるな、野郎を主人公とするのは:笑)杜崎拓は高知の中高一貫の名門である土佐高校から日本大学芸術学部に入学した年のある日、吉祥寺駅の反対側のホームに武藤里伽子(に似た女性とするのが、先人の研究によればより正確であるらしい)を見かけるもののなすすべもなく反対方向の電車に引き裂かれるところからアニメーションは始まる

※左の画像はビデオ・販促用ポスター・CD等に用いられた最も代表的な武藤里伽子像。

問1:なぜ吉祥寺なのか?
これはいわば永遠の疑問だ。拓のアパートは西武線石神井公園駅(だから吉祥寺からバスで行けないこともないだろうが)、里伽子のアパートは小田急線豪徳寺駅(だからこれも小田急線→井の頭線から来れないこともないが)、なぜ二人が出会う街が吉祥寺なのかというのは偉大な先達が幾人も壁にぶち当たった難問でなのある。ドラマの舞台としては吉祥寺は確かにいい街なんだけど。

P.S.極めて個人的な視点から説明を図れば、TV版の作成者が原作をよく読まずに里伽子が通う女子大を西荻窪の東京女子大学(最寄駅:中央線・京王井の頭線吉祥寺駅もしくは西荻窪駅と設定したからではなかろうか……と私は考えた。でも拓は説明できない。日大は日大でも文理学部(最寄駅:京王線桜上水駅)と設定したのかなぁ(でも、原作もUに入らないと大学学部の特定は難しいことを考えると…)。いずれにしてもちょっと苦しい。

大学一年の夏休み、同窓会のために高知に帰省するための準備する拓。その通知を取ろうとし壁掛けからハワイの修学旅行の際の水着姿の里伽子の写真が舞い下りて、彼の里伽子への想いが改めてが喚起されることとなる。

問2:なぜ水着のデザインが変わったのか?
アニメージュ版・原作ハードカバー(文庫も)を通して何度も白黒の「水玉模様の水着」が強調されているのに、なぜアニメではオレンジ色の水着になったのであろうか、謎である。単に鮮やかな色を用いることで放映上の効果を狙っただけかもしれないが。

その2
機上の人となった拓の回想はは高等部2年生(原作では5年生)の夏休みから始まる。帯屋町の料理屋でバイトに勤しむ彼のもとに親友の松野から電話がかかってきた。 東京の高校からの転校生、しかも「特上の美少女」に一目惚れしてぞっこんとなる松野、何となく釈然としない拓。物語の展開はこの三人を軸として進むことになる。なお、この状況を評して、アニメージュ版(1991年12月号)では「あなたたち三人、高校のとき三角やってたのね」という津村知沙の言葉印象的である。

拓の回想は松野と始めて出会った中等部3年の「修学旅行中止事件」に溯る。大学の現役合格率で県立第一(高知追手前がモデルか、但し高知県は私立優位で現実に土佐高校が抜かれる事態はほとんどありえないだろう…と思いきや、大学の「格」を伴わないとにかくの「現役合格率」ではありえない話とは言いきれない。なお、デザイン上の高知大手前高校は拓らが通う高校のアニメーションの上でのモデルにもなっている)に差を付けられた学校当局が、PTAやOBからの突き上げもあって(この辺がいかにも地方してて私にはよく肌で認識できる。「近頃の○○高生は…」とOBの75歳・無職老人が地元紙に投書を寄せるような創立100年を越える地方、おっとこれは誤植で痴呆とすべきだろう、もっとはっきりいってしまえばどどどどど(以下「ど」を6.02×10^23省略)田舎の「自称」名門高校に私も在学していたからだ。なお、この話を、やはり中部九州の名門高校出身(ここは「他称」名門だと思う)の友人に話したら目茶ウけた)、中等部の修学旅行を高等部の2年の修学旅行と1本化すると一方的に決定し一片の通告だけで済ませたことであった(修学旅行というのはある種の象徴にすぎないが私にとってはこの辺の事情もやはり「積年の恨み」という言葉で表現できる、地方の教育の閉鎖性と独善性は構造的にもうどうにもならんよ、おっとっと私情が:苦笑)。

納得できない拓は担任のサヤマ先生に抗議、話はどんどん大きくなって事態は全校集会に至る。 「不満を持つ生徒は挙手するように」 との学校側の威嚇に脅えつつも屈せずやっとのことで手を上げる拓。その時、拓よりも先に手を上げたのが松野だった。更に美術室で説明会が開催されるという事に及ぶが、仲間たちは次々に転向しもはやそこには松野と拓しか残っていなかった…これもよくある話である。本当に内申書を怖がらない中学生は私のガッコにも何人もいなかった。余談だが、私の中学時代の一番の想い出とは、全校集会と称する新興宗教まがいの集団主義訓練場で、教員免許を持っていて人間の顔をしているが犬としか思えないイキモノ(好気呼吸をしとったようだからイキモノはイキモノだが、犬と言い切ってしまったらヤマモト君ちのミニチュアダックスフントのさくらちゃんにとっても失礼だ!)校則について何か人間の言葉らしきもの(無論良く聞いていないから詳細は不明だが)を吠えていた時に隣の生徒と仲良く引っつかみあいフザケあい大騒ぎしていたのを1200人の全校生徒の前で「大事な話をしていているのに時間いっぱいフザケていた生徒がいる。2年B組のあめ学住人君とC組のミカミ君だ」と告発され学校当局から政治犯の認定を受けたことであった。その集会の後でクラスに帰るのはまさにアラブに凱旋する岡本容疑者のように最高の気分であったといってよいだろう(笑)。いつものことなので担任は笑ってたけれど。

※右上の画像は「海がきこえる フィルムブック」徳間書店(1993年)で最も基本的なデーター集。

魂の叫び1
「中止のやり方は一方的で、納得できません。ぼくはこの学校を卒業してから十年後、二十年後にこのことを思い出して、やっぱり先生たちのやり方は不当だったと思いとおもいます」松野君の抗議文です。このシーンをみて私の心は思わず立ち止まった(何じゃそりゃあ?)。このHPはあくまでも趣味のページであって内部告発のページではないので敢えて触れませんが、保守的な痴呆都市の中学校の状況といったら、卒業後10余年を経てなお「いつかコ○ボのように空爆してやる!!!」という深甚な恨みを私の心に残してくれたからである。私の中学時代は学校当局との紛争に費やされたといっても過言ではない。まこと有難い限りである。別にいじめられていたわけではないけれど(笑)。

その3
閑話休題。当時ハタチを超えていた私でさえ感動したのだから、拓が彼の文章に感銘を受けたのも無理なからぬことだろう。修学旅行中止のことなどどうでもいい世界の話に昇華させてしまう二人であった。六年の間にこのような友人を得ることが出来るのは中高一貫の最大の利点だろうなぁ…うらやましい(涙)

更に回想は里伽子と初めて会った日のことに及ぶ。なお、原作によれば拓の里伽子の第一印象は「一にも二にもまっ黒な髪」であったと書かれている(原作にあたったのがアニメ版を見た後だったので、個人的にはハードカバーの「薄情そうな薄い唇」という部分がむしろ印象に残って思わずプッと吹き出してしまった自分であった(「そうなというよりは「そのもの」といったほうが…以下自主規制)。ぢつは彼女は薄情の女(ひと)であると同時にその上激情の女でもあったのだが)。里伽子に一目惚れした松野を複雑な感情で見つめる拓。「女は、見てくれで決めるきな」とハードカバー版では拓のぼやきが描かれている(なお、アニメージュ版では、もっと詳細に解説が加えられている:後述)。

里伽子は、松野のクラスに編入された。里伽子は体育の授業ではテニス部の子(芹)をたやすく撃破、実力テストではゴボウ抜きの12番、しかもとびきりの美少女ときては男子の羨望と女子の嫉妬を浴びずにはいられない。「あの武藤って子、目立ち過ぎや」という訳だ。しかし、里伽子は男子生徒の注目株となる一方、クラスでは浮きっぱなしで女友達ができない(しかも、アニメ版によれば「男子がね、口も聞いてくれないの」ともあるから、いきなり違う文化圏に放り込まれた彼女の孤独たるや、想像を絶するものであったろう)。成績発表の際に廊下ですれ違った里伽子の後ろ姿に 「幸せそうでない」と 拓は感じる(原作では「いそいで制服をつくったせいか、肩のあたりがぶかぶかで、そのせいで肩が薄そうにみえた」と記載されている)

問3:里伽子の転校前の高校とは?
データーが極めて少なく難問である。当初共学の附属高校ということで青山学院高等部を想定したが、原作でジャニーズ岡田君が「(前略)あ、杜崎くんもさ、同じ受験だろ?頑張ろうな。(後略)」とあるから、附属高校ではなく、むしろ都立の上位高校であろうと考えられる(東京には一部の国立高校を除き私立でかつ共学の進学校はほとんど存在しない)。里伽子の居住地が世田谷区成城であることから、都立戸山高校か、都立青山高校と推定した。やはりジャニーズ岡田君がいそうだという点で地理的にもこっちのほうがより適切ではなかろうか?

その4
翌年3月、拓たちはハワイの修学旅行に出発する。「因縁」の「ハワイは最後まで、ぼくに祟ったわけ」である。明日は高知という日のホテルで、拓は突然里伽子に声をかけられ、物語は一気に加速する。

「杜崎君、お金かしてくれない」松野から拓がバイトで稼いでいるのを聞いたいたというのだ。中学の時の反抗劇の話も聞かされていたと知るに至って、親友にガールフレンドが出来ていたのを当の本人から聞かされたと早とちりした拓はちょっと落ち込む。そんな拓の様子など気にもとめずに拓の日本円の所持金のほとんど全てを貸してほしいという里伽子。あきれ戸惑う拓であったが、里伽子の屈託の無い表情に意外な彼女の一面を発見し、驚きの収まらないまま結局里伽子の言うがままに有り金叩いてしまう(あーあ)。しかし、里伽子は金を手にするや礼も言わずぱっと姿を消すは、そのシーンの一部始終を松野に見られるは、口止めしたにもかかわらず松野に喋ってしまったことを里伽子に糾弾されるは…という訳で拓の不幸は続くのである。原作にある、「ぼくは今でも、里伽子がぼくに声を掛けてきたことを、心のどこかで恨んでいる気がする」というのが彼の心情を過不足なく表現している。

ひとり言1:中島さん、ハワイのロケ地探してください。お願いします。

その5
高等部3年生になって 拓は幸か不幸かクラス替えで里伽子と同じクラスになってしまう。一方里伽子にも友達ができた。小浜裕実というはにかんだ少女である。 ゴールデンウイークの初日、その小浜から突然電話を受ける拓。大阪に行くつもりが、空港で突然里伽子に一緒に東京に行って欲しいと言われ困惑しきっているというのだ。里伽子を止めて欲しいという。拓が貸したお金は実は母親に黙って東京へ行く為の原資だったのだ。怒って説教の一つでもしてやるつもりだったのが、体調を崩した里伽子の姿とパパにどうしても会いたいというシチュエーションですっかり情にほだされてしまった拓はうやむやのうちに裕実にかわって里伽子に付き添って東京まで行くことになってしまう。言ってしまえば借金の件に続いてまたもやハメラれたわけである。彼女の有名な殺し文句「私、生理の初日が重いの」はここで生れる。私事で恐縮だが、小生がさすらいの塾講師として日銭を稼いでいたとき、「海がきこえる」って知ってるかと教え子に聞いてみたら、まずこの台詞が出てきて苦笑した。これを放送前の予告に使った日テレとコピーライターもなかなかのものであろう。

父親に会って パパと一緒に東京で暮らしたいと言うつもりだと里伽子は、羽田に向かう機上で拓に話す。 成城の並木道を里伽子を追って東京を歩く二人の光景はとても鮮明だ(5月の成城はとても緑がきれいですよ:成城は自転車で20分位の所に棲み家を構える作成者)。しかし成城のマンションを訪ねた里伽子はそこで父親が既に愛人の美香さんと事実婚に入っていることを知る。マンションに里伽子を残し、父親に紹介されたホテルにはやばやと撤収すべく電車に乗った拓は、 里伽子のこと「あいつ、かわいそうだな」と心から思うのである。

里伽子は行き場を失って突然ホテルに押しかけてくる。入るや否や泣きながらしがみついてくる里伽子と、その肩を恐る恐る抱く拓。 ひとしきり泣いた里伽子自棄酒をあおりながら感情を爆発させる。「私、グリーンって大嫌いっ」「お鍋なんか全部ホーローなのよ」坊主憎けりゃ袈裟まで憎しの法則に従って壁紙や鍋にまでケチをつける彼女の姿は妙にリアルである。力尽きた里伽子は結局そのままベッドに崩れ落ちるように寝てしまう(これがホントの泣き寝入り!?)。 拓がお風呂で寝ることになるのはアニメ版のファンには今更語るまでもないことだ(笑)。

翌朝、里伽子は無情にもヤツれ果てた拓を叩き起こして部屋から追い出すやボーイフレンドのジャーニーズ岡田君と会う準備を始める。拓が半死半生であった一方よく寝たせいか里伽子の肌はつやつやしていたそうな。しかし既に友は昔の友ならず(?)岡田はすでに 里伽子の親友のリョーコと付き合っていたのである。 里伽子の見栄とプライドたるや拓を部屋から強引に呼び出しボーイフレンドだと岡田に紹介せずにはいられない。しかし、高知では堂々としている里伽子がつまらないことに見栄をはるのを見て拓はがっかりして先に部屋に戻る。小生にとって、拓のこの気持ちもよくわかる。なぜなら、これは、痴呆(ママ)と中央の「文明の衝突」であるからだ(?)いうなれば、これは生粋の日本人には毅然としてべらべら自己主張する帰国女が白人オトコにはうって変わってイチャイチャベタベタしているかのごとき光景であろう。はっきりいって、これは、不快だ(爆)。

「下らない」と捨てぜりふを残して立ち去る拓。しかし里伽子は、楽しげに振る舞っていた外見とは異なり、自分のことしかしゃべらない岡田が他人のように思えたと素直な胸の内を打ち明け、今晩はおばさんのところに泊まると言ってホテルを去る準備を始める。そして、「ひどい東京旅行になっちゃったわねと言い残して部屋を出ていった。

その6
連休が終わり高知に戻った里伽子は、また何事もなかったかのように 拓を無視しあいかわらず小浜裕美とだけは仲が良かった(より正確には、良いフリをしていた)。そんな惰性的に過ぎゆこうとしていた夏休み前のある暑い日の昼休み、拓は、松野から里伽子が拓と二人で泊りがけで東京に行ったことが噂になっていたこと聞かされる。親友と里伽子との心ない噂に居ても立ってもいられず、里伽子に東京旅行の真相を問い質さずにはいられない松野。逆ギレした里伽子は松野に対し「それがあなたにどういう関係があるの!?」というツッコミを浴びせる。松野はその絶望的な状況下で思わず里伽子に自分の思いを打ち明ける形になり、手ひどく里伽子にふられてしまったことを拓に話す。

「恋より友情」という訳!?で里伽子の松野に対する仕打ちに怒りを爆発させた拓は教室に戻り強気で里伽子を呼び出す。帝国陸海軍は米英両国と戦闘状態に入り…という訳(意味不明)で里伽子との口論は次第にエスカレートし、平手打ちの応酬にまで至る。拓の「最低じゃおまえは」の台詞に思わず手が出てしまう里伽子と、手加減もせずに平手打ちを返してしまう拓。里伽子はよろめきながらも、「ずいぶん友達おもいじゃない」「もういいでしょ」と捨てぜりふを吐いてその場を立ち去ってしまう。そして和解への道は閉ざされてしまったかのようであった。拓は、あの東京旅行は里伽子にとってもぼくにとっても、いいことなしの結果であったと回想…

その7
更に、高校時代に聞いた里伽子の「最後の言葉」を思い出す拓…

高等部3年の11月、あいかわらずクラスで浮きっぱなし里伽子は、学園祭もみごとにエスケープする。 これに怒ったクラスの女子軍団から学校へ呼び出された里伽子はつるし上げを喰らう。しかし 里伽子はうろたえるわけでも哀願するわけでもなく、いつものように堂々とした態度で一歩も引かずクラスの女子軍団の言いがかりを見事なまでに粉砕する。 拓は偶然その場に通りかかるが 物陰から見ているだけであった(「ホントは助けてあげたかったのに…」という彼の心の叫びのエコーが聞こえてきそうである、合掌)。

吊るし上げに参加していた女子軍団が立ち去った後、のこのこ現れた拓(そこに出て行く彼も彼だな:笑)に気付いた里伽子は、原作によれば「噛みつきそう」な表情でいつからそこにいたのか拓を詰問する。後ろめたさにイヤミっぽい口調になってしまった拓に里伽子の怒り(つーか、完全に八つ当たりだよな、これは)が再び火を噴いた。拓の頬を思い切り平手打ちし「ばかっ、あんたなんて最低よ」と捨てぜりふ(これもキメ台詞かも)を吐き捨てるも、思わず涙をこぼしてしまい、それを拭いもせずに里伽子は逃げるようにその場を去っていった(素直に「どうして助けてくれなかったのよっ」と糾弾すればいいのに…そうすれば拓もちーとは考えるところがあるだろうに。でもそう言えないところがいかにも里伽子である:笑)。

余談1
まるでときメモの藤崎詩織だ(時間的には海が…がずっと先だが)!!!。一緒に帰ろうと誘うと「友達に噂されると恥ずかしい」と断り、面倒だから放っておくと爆弾を破裂させる。あんたはいったい俺にどうして欲しいの構って欲しいの放っておいて欲しいの、いい加減に答えんか!というシチュエーションである。……なお、私も藤崎詩織にはあの性格の悪さもとい素直になれないところゆえに目茶苦茶ハマッてしまった(自爆)

状況を理解できず茫然とその場に立ち尽くす拓。 結局それが里伽子と高校時代にかわした最後の言葉になってしまった。更に、偶然その場に通りかかった松野に里伽子が泣いていた訳を問い詰められ、つるし上げのことを面白おかしく話してしまう拓(彼もそんな所がかなり強情だ。さすが土佐のいごっそ。なお、「ぶっせん」という小生の愛読する漫画で、「日本の三大頑固な人」は「津軽のじょっぱり」「肥後のもっこす」「土佐のいごっそ」であるというのが出てきて、純粋な浜っ子の友人に意味を問われ「全部同じ」と答えた私は間違っていただろうか?)。 拓は、まだこの時自分が自分の死刑執行文書に署名したことを知らない。松野は拓の説明を聞くや表情も変えずに拓を殴り飛ばす。「おまえ…ばかや」 それもまた高校時代に拓が耳にした松野の最後の言葉になってしまった。

そして時は流れ、卒業後拓は東京へ、松野は京都の大学へ、里伽子も地元の高知大学へと別れ別れとなり、人生の軌跡は二度と交差しないかに見えたが……

その8
高知空港に着いた拓は、そこで先に帰省していた松野の意外な出迎えを受ける。「友情復活」という訳だ。高知の海を背景に、車から降りた松野は、拓が里伽子を好きだったことに気付いていたということを初めて口にした。松野は、拓が学園祭のとき里伽子を助けなかったことで、拓が里伽子のことを好きなことがわかり、自分に遠慮して里伽子を助けなかったことに腹を立てて殴ったのだと言う…。

その夜の 同窓会(客観的にはあれは相当大荒れだったのではないだろうか?ちなみに、小生、中学1年の時に小学校の同窓会に一回参加したきりで、中学・高校・大学とただの一度も同窓会なるものに参加したことがない)。 拓と松野は清水明子からその日の昼、里伽子と高知の繁華街で会ったことを聞かされる。 清水は里伽子のことは嫌っていたのだが 久しぶりに里伽子と会ってすっかり打ち解けてしまったのだという。

清水は、里伽子が高校の時、松野にすまないことをした、謝りたいと語っていたことも伝える。これはアニメージュ版がステキであった(はぁと)。ハードカバー以降では基本的に読者の想像力に委ねる展開になっている(なお、ハードカバーでは拓が直接里伽子から聞くという形をとっている)。更に、母親に内緒で、東京の大学も受けて合格し、現在東京に住んでいて今日東京に帰ったということも拓に伝える。

問4:里伽子の進学した女子大とは
「海がきこえるUアイがあるから」によれば所在地が品川の泉岳寺ということで、比較的近所にあるお嬢様学校として聖心と清泉が候補に上がりましたたが(白百合は調布市仙川、フェリスは横浜市)、2月25、26日を軸とした国立大学前期日程(里伽子は高知大を受けている)の後で3月入試を行っているのが清泉女子大のみであったのでほぼそれ特定できました。なお高知学芸高校出身の女性の話では、高知の私立の上位層から地元の高知大学にはほとんど進学しないそうです(ちなみに、彼女も高地学芸のトップクラスでお茶の水女子大・日本女子大・津田塾大を制覇していました)。全統模試(原作による)で私立文系でランクインンしていたレベルですから、他に障害がなければ津田塾位には進めたのでしょうけれど。小浜の行った(つーか親の許しそうな)女子大は99%神戸女学院大学でしょう。清水が一番のナゾ。大阪だけでは特定できん(笑)、土佐高校・現役・女子から推定して関西学院大か大阪市立大くらいかなぁ。松野は志望が「京都の国立」で志望大学に合格したという記載があるので当然京大でしょうね(京都府立医大もレベル的にはあっているが「公立」。残るは京都教育大と京都工芸繊維大だがこれは恐らく違うでしょう。なお、志望を変更して同志社説も有力です)。

同窓会の後、海がきこえるのオールスターキャスト(除く里伽子)と ライトアップされた高知城を見上げて高校時代を回想する拓。ここの部分が一番好きなのでそのまま引用しますと、


ライトアップでうかびあがった高知城は、ひとりで見ても電気のムダにしか思えなかったけれど、もし里伽子とふたりだったらきっと綺麗に見えるに違いなかった。ぼくは、高校の頃に、里伽子といろんなムダ話をしたかったんだ。里伽子とこんなふうにして城を見上げたかったんだ


スタジオジブリ資料集のキャッチコピーを用いれば、「残像は、彼方へと去っていった…」


魂の叫び2
きぃぃぃぃぃ!!!怨念が呼び覚まされるぜ。私があの「高校」に戻って一番やりたいことは言うでもなく「退学届け」を叩き付けること、である。「高校時代」なら、「親や教師に取り潰されたAFSでのアメリカ留学」である(それにしても別な高校行かん限り無理。田舎の自称「進学校」の教師は面倒な手続きとかが大嫌いだからね)。なお、参考までに、一番楽しかった高校時代の思い出は議論の余地無く「駿台予備校主催」の合宿形式の「箱根セミナー」……この蓄積された怨念がほんの僅かでも浄化されたのは、大学3年生の時すんごい瞳のきれいな女子高生(所属は当然当時のもの:なお、教え子関係とかじゃないよ)に某茗荷谷のお嬢様学校の文化祭に招待してもらった時であった(笑)。「抽象概念としての女子高」の文化祭には行きたかったのだが、私の地元にはヤンキー娘(死語)の行くような女子高しかなかった(涙)…。

その9
再び東京での生活が始まった残暑の頃、拓は再び吉祥寺の駅の反対側のホームで里伽子の姿を見付け階段を駆け上る。一瞬姿を見失うも、そこには涼しげな青いワンピース(原作では麻の生地)を着た里伽子が立っていた。「ああ やっぱりぼくは 好きなんや」ぺこりと頭を下げる里伽子を目の当たりにしてそうつぶやく拓、物語はここで幕を閉じるのである。

ひとり言2:あのお辞儀にはどのような意味がこめられていると思いますか?是非意見を聞かせてください。

余談2
これで印象深いのはやはり何といっても「お風呂で寝る人」論争でしょう。

アニメ版の「きめ台詞」である、「誰かっていうとぉ、その人はね、お風呂で寝る人なんだよ」は、社会学(ブルセラの巨匠?)の宮台御大初め、原作派のファンの皆様にはかなり違和感をもって受け止められているようです(よーするに「あんな台詞、ゼッテーいわねえよ」だそうだ:笑)。私といえばアニメ版から入っていったクチなので違和感なく受け止めましたが(つーか、率直にゲロすると、「その一言に壊れました」という方が正しいかも)、原作を読んでみると、確かにうーんと唸りました、確かに「あんなんリカちゃんと違うぞ、その時熱が42℃以上あったのと違うのか?」(熱の話も原作を読んだ人には何のことかこれまた説明するまでも無いでしょうが)という訳でございます。貴方は如何お考えでしょうか?掲示板にでも投稿いただければ幸いです。



小生の駄文かつ長文を最後までお読みいただきまことにありがとうございました。もっと有意義な時間の使い途が貴方にもたらされんことを衷心よりお祈り申し上げます(爆)。