41.奥・野津・黒木の三軍が 力あわせて乗り取りし
遼陽市街の
遠近に 残るは敵のの
角面堡
42.関谷・橘二勇士が 天晴れ名誉の戦死せし
首山堡すぎて
海城の 右には
牛荘紅瓦塞
43.
海城すぎて
大石橋 石より堅き敵塁も
攻め砕きたる奥軍の 苦戦何かに
譬ふべき
44.右に分かれて
営口を 過ぐれば
遼河の渡りあり
北京に
赴く旅人は 是に乗るこそ便利なれ
45.それより
錦州山海関 山海関を中にして
こなたを関外かなたをば 関内線と名づけたり
46.又立ち戻る
大石橋 東に行けば
柝木城
続きて
岫厳大弧山 下車して地理や探らまし
47.生糸の市場と聞こえたる
蓋平すぎて
熊岳城
城外四面に波立てて 起き伏す丘ぞ望まるる
48.十六門の速射砲 得たりし戦利の
得利寺は
左右に高く聳えたる 山の間を行く処
49.
貔子窩を上りし我軍の 魂こめたる弾丸を
始めて敵に贈りたる 記念の土地は
普蘭店
50.鉄条網の激戦に 其名も高き南山の
麓にそいて行く道の 右に見ゆるは
錦州湾
51.進みも早く行く汽車の 窓より左にながめやる
風景佳絶の
和尚島 貿易繁華の
大連湾
52.
大連湾の湾頭に 露軍の手により作られし
規模壮大の
青泥窪は 今の
大連市街なり
53.
双溝台も
土城子も 過ぎて左にながめゆく
松樹・二龍の二砲台 あれかや二百三高地
54.朝日にきらめく日の御旗 山又山にさし立てて
凱歌うたいし我軍の 当時の心ぞ思はるる
55.
乃木将軍が苦戦せし 名誉の陸はここなるぞ
広瀬中佐が戦死せし 名誉の海はここなるぞ
56.港の口を封鎖して
功をたてし決死の士
朽ちぬ
誉は
千代八千代 老鉄山と諸共に
57.苦戦の
旅順も我は見つ 平和の
旅順も我は見つ
之を旅路の土産にて 行きて語らん見ぬ人に
58.
大連湾を出港の 定期の船は何丸ぞ
名残は残る
満州の 地を踏む事も今日ばかり
59.分かれて久しき
故郷の 空をく何とながむれば
煙水万里の海の上 日は暮れそめて月高し
60.ああ
清国も
韓国も 共に親しき隣国ぞ
互いに近く行きかひて 研かん問題数多し
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