51. 潜りつ抜けつ過ぎにけり 八つのトンネル出つ入りつ
忽ち闇となれるかと 思えばはやも茜さす
52. 海の面のまばゆさに 背きて走る東には
高く峙つ
米山の 薬師如来は名にたかし
53. 海と別るる
柏崎 東と西の
渋海川
来りむかえる来迎寺 小千谷片貝与板など
54. 絹織物の産地へは ゆきかう人の跡絶えず
信濃川辺の
長岡や 景色すずしき遠見台
55. 齢を祝う
長生橋 高くかかりて虹に似て
下を走れる蒸気船 吐ける煙は雲と見ゆ
56.
戊辰の役にたたかいし 高安寺坂かしこぞと
指さしつつも
三条に やがて車はとどまりぬ
57. 古来つたえし七不思議 その一つにぞ数えたる
如法寺村の燃ゆる井戸 名は
遠近に聞こえたり
58. ひらけ行く世ともろともに
瓦斯てふ燃ゆるものなれど
理せめていみじくも 知らぬ人こそなかりけり
59.
加茂・矢代田も夢の間に
新津の彼方
秋葉山
その
巓に噴き沸ける 池の
汀は冬知らず
60.
信濃川なる此方にぞ 駅を据えたる
沼垂と
水を隔つる
新潟市 此処は五港の一なり
61. 出つ入りつの百船は ゆきかう様も勇ましく
川の
繞れる白山の 常磐が岡の公園地
62. 晴るる眺の日和山 沖をはしれる真帆片帆
淡くかすめる佐渡島 あかぬ景色ぞうれしけり
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