和紙

1.真珠

挿絵1-1 これは真珠といって、宝の石なの。これは、海の貝からとれるの。宝の石だから、とても高いの。貧乏の人には買えないね。ところが、これよりも、ずっと、ずっと、素晴らしい真珠があるの。それは、海から採れるんじゃないの。天から、あそこから来るの。それは、見えない真珠なの。ここにいるみんなも、そういう真珠を、ここに、おなかの中に、持ってるの。神さまからいただいたの。
 ほうら、この人も、そういう真珠を持ってるの。だから、にこにこ、にこにこ、してるでしょう。持ってる人は、その顔を見ればわかるよ。そういう人は、とても、心がやさしいの。神さまの心を持ってるの。そして、いつも、楽しいの。悪いことが出来なくなるの。みんなもそうでしょう。
 この真珠を持ってる人は、ある国のあることが、ちゃんと分かるの。そのお国というのは、とてもすてきなお国なの。そこの国の人は、みんなやさしいの。喧嘩なんかする人は、いないの。そして、そこには、病気もないし、だれも死んだりしない。その真珠を持ってる人は、今に、そのお国へ行けるの。それが、ちゃんとわかるの。だから、楽しくて、楽しくて、たまらないの。この国って、どこのことでしょうね。
 それから、この真珠を持ってると、そのお国の人の声が聞こえるの。耳にじゃないよ。心に聞こえるの。それは、先にその国に行ったお友達が、呼んでる声なの。
『早く、あなたもいらっしゃいな。ここは、とても、とても、いいところよ。みんなで、あなたを待ってるね。』って、呼んでるの。だから、楽しくて、楽しくて、たまらないの。もうすぐ、いまに行けるんだものね。挿絵1-2
 この人は、こんなすてきな真珠を、一人で持っていては、悪いと思ったの。それで、町へ行ったの。みんなにあげようと思った。町には、お店がたくさんあって、いろんなものを売ってるの。商売の人が、大きな声で、上手なことを言って、お客を集めている。でも、この人は、うまいことが言えないの。とても、恥ずかしがりやなの。だから、黙って立っていたの。でも、こんなすてきな真珠なんだもの、うまいことを言って宣伝しなくても、きっと、みんなが目を付けて、欲しがるだろうと思ったの。
 ところが、だれも、この真珠を下さいと言わないの。それはね、この人たちには、真珠の値打ちが分からないの。ほら、こんなに、ピカピカ光っているね。ところが、みんなには、光っているのが見えないの。だから、つまらないものだと思っているの。そして、おもちゃだの、お菓子だの、お洋服だのばかり、欲しがるの。そんなものの方が、ずっと、つまらないのにね。
挿絵1-3  でも、この男の人は、辛抱して立ってたの。そしたら、男の子とその妹がきたの。2人とも貧乏なの。お金がないの。店のものは、何も買えないの。貧乏な子は真珠を見付けたの。そうしたら、ピカピカ光っていたの。ほら、この貧乏な子には、真珠の値打ちがちゃんと分かったんだね。
 『おじちゃん。ぼくたちに、その真珠を下さい。』
 そういって、二人は、世界一の宝を貰ったの。貧乏でよかったね。それを、持ってると、天国の人になれるの。この人は、一つきりの真珠を、人にあげてしまったの。それじゃ、あと、困るかな。いいえ、人にあげてしまって無くなると、すぐまた別のが、出てくるの。これは、そういう真珠なの。あげればあげるほど、増えていくの。神さまのものは、みんなそうよ。神さまは、とても優しい方なの。
 今度は、病気の小父さんが、よろよろ歩いてきたの。このかわいそうな人は、もう死にそうなの。病気でお金もないし、何にもないの。そして、何を見ても、つまらないの。もうすぐ死ぬんだものね。そしたら、天国の真珠が見えたの。それは、ピカピカ、光ってたの。ほら、このかわいそうな人も、真珠の値打ちが分かったのね。挿絵1-4
 『私にも、それ、一ついただけますか。』
 『はい、どうぞ。』
 そう言って、渡したの。病気の人は、喜んで喜んで、もらって行った。病気で得をしたね。
 これを持ってると、死なない人になれるの。
 今度は、悪い人が来たの。この人は、悪い人なの。泥棒のなの。だから、みんなに、悪口を言われているの。でも、自分が悪いということが、よくわかっているの。そして、自分は死んだら、地獄へ行くと思っていたの。そしたら、それを持っていれば、天国へ行ける真珠があったの。それは、ピカピカ、光ってたの。ほら、この悪い人にも、真珠の値打ちが分かったのね。
 『私は、悪い奴ですけれど、その宝の石を頂けますか。』
 『どうぞ、どうぞ。』
挿絵1-5、悪い人は、大喜びで、宝の石を貰って行ったの。
 真珠を貰って行った人たちは、どんなにすてきな宝物を、貰っったかということが、だんだん、わかってくるの。顔まで、真珠のように、光ってくるの。そして、どうかして、他の人にも、こんなすてきなものを、分けてあげたいと、一生けんめいになるの。けれど、神さまの子供にしか、この真珠の値打ちは、分からないの、だから、誰にでも分けてあげたいと思っても、なかなか、分けてあげられないの。あなた方の中にも、おなかの中に、この真珠を持っている人が、きっと、いるでしょう。それを大事にするのよ。そして、できるだけ、他の人にも、分けてあげましょうね。見えない天国の真珠よ。
(ヨハネ14の17)


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