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ベニチオ・デル・トロ
ベニー 本名:Benicio Del Toro
生年:1967,2,19
生地:プエルトリコ


アカデミー賞
2003年 ○ 助演男優賞 21グラム
2000年 ● 助演男優賞 トラフィック

ゴールデン・グローブ賞
2000年 ● 助演男優賞 トラフィック

ベルリン国際映画祭
2001年 ● 銀熊賞(男優賞) トラフィック

全米批評家協会賞
2000年 ● 助演男優賞 トラフィック

NY批評家協会賞
2000年 ● 助演男優賞 トラフィック

インディペンデント・スピリット賞
1997年 ● 助演男優賞 バスキア
1996年 ● 助演男優賞 ユージュアル・サスペクツ

●受賞、○ノミネート
主演作が続いたとしてもあくまでも助演にこだわる味のあるベニー。
時には主演を食ってしまう強烈な存在感は、女を見つめるだけで妊娠させてしまうほどの力があると言われています。
いつまでもこぎれいにまとまらない、熱い男でいて欲しいですね。

関連作品
2005 Sin City
Che
The Rum Diary
出演
出演/製作
出演
2003 21グラム
ハンテッド
出演
出演
2002 Lucky Star
プレッジ
ブレッド&ローズ
出演
出演
出演
2001 スナッチ
出演
2000 誘拐犯
トラフィック
出演
出演
1998 ラスベガスをやっつけろ
出演
1997 エクセス・バゲッジ/シュガーな気持ち
出演
1996 バスキア
ザ・ファン
フューネラル
ザ・カンヌ・プレーヤー
出演
出演
出演
出演
1995 ユージュアル・サスペクツ
ザ・プロデューサー
出演
出演
1994 チャイナ・ムーン
出演
1993 ゴールデン・ボールズ
ビッグ・マネー・ブルース
フィアレス
出演
出演
出演
1992 コロンブス
出演
1991 インディアン・ランナー
出演
1989 007/消されたライセンス
出演
1988 ピーウィー・ハーマンの空飛ぶサーカス
出演


【ハンテッド】 −−THE HUNTED−−
2003(アクション/サスペンス)
監督:ウィリアム・フリードキン
製作:ジェームズ・ジャックス、リカルド・メストレス
製作総指揮:ショーン・ダニエル、、デヴィッド・グリフィス、ピーター・グリフィス、マーカス・ヴィシディ
脚本:デヴィッド・グリフィス、ピーター・グリフィス、アート・モンテラステリ
出演:
○トミー・リー・ジョーンズ
L.T.(戦場での戦い方を指導する教官)
●ベニチオ・デル・トロ
アーロン・ハラム(コソボ戦線で活躍した元特殊部隊の兵士)
○コニー・ニールセン
アビー・ダレル(猟奇殺人の犯人を追う女刑事)
○レスリー・ステファンソン
アイリーン(アーロンの心の支えである恋人)

■全体の感想
男くさい映画は数多くありますが、この映画は完全に2人の男の関係だけ描かれて、 2人のディープな世界に浸ることができます。
しかし、この2人だけと言うのが曲者で、 本当に2人だけが描かれているため、他の出演者のイメージはなく、 更にそれらの背景は随分と雑に描かれています。
冒頭のコソボ戦線のシーンも目を背けたくはなりますが、 さほどリアルでない(骸骨とかが余計)ため、 主人公の異常心理を紐解くには物足りないものです。
ただ、この2人の熾烈は戦いが、追って追われて、刺して刺されて、 という感じでなかなか強烈です。銃撃戦よりも肉体の戦いなので、 ショックの度合いが強いですね。女性には厳しいシーンが続きます。
その戦いは、自分を救って欲しくて殺人鬼となった男が、 自分を止めることができる男である元教官に、 救いを求めた結果、形を変えてしまったというのが伝わって、 仁義的な男の世界を垣間見ることができます。
やっぱり、女にはわからない世界ですね。

■物語
初老の男L.T.は、野生動物保護官としてひっそりと暮らしていた。 そこへある日、FBI捜査官が訪ねてくる。特殊部隊の元教官でサバイバル術と 追跡のエキスパートであるL.T.にオレゴンの連続殺人事件の協力を要請に来たのだった。 早速現場へ飛んだL.T.は、残されたわずかな痕跡からそれが自分の教え子によるものであることを察知する。 一人森に消えたL.T.は、やがて犯人のアジトを突き止め、 そこでかつての教え子ハラムと対峙する。 ハラムはコソボ紛争で活躍した優秀な兵士だったが、 戦場の過酷な記憶が彼を凶悪な殺人鬼へと変えていた…。

■出演者
追跡者を演じさせたら彼にかなう者はいないと言われる “T・L・ジョーンズ”は、今作でも老体に鞭打ちながら、 ひたすら殺人マシーンを追いかけていました。
雪山で動物保護をしながら隠居している彼が、 ひたすらスタミナが切れることなく、街中を走り回る姿は、 現実的ではなく、見ていてこちらも息切れしそうでしたね。
それに対して、殺人鬼の鬼気迫る姿をかなりの迫力で演じているのが、 我らが兄貴の“デルトロ”です。そんな見かけの迫力の方が強調されているのは、 異常心理になった背景が弱い上に、周りのキャラ設定が弱いためにしょうがないと思います。 しかし、何故そんなに見つけられるの?逃げ方が下手なの? と思いがちな彼の行動は、恩師に助けを求める姿としてとらえると痛々しく、 ただの殺人マシーンではない男の絆みたいなものが見え隠れされてくれます。

■おまけ
L.T.の前の職業は、軍の特殊部隊にトラッキングの技術を教えるもので、 ハラムはその愛弟子だったのです。
そのトラッキングとは、動物や人間が残した足跡からその種別や性別、 健康状態や感情まで読み取って追跡する技術を中心に、 自然に逆らうことなく、一体となるサバイバル術のことです。
そのシーンはふんだんに盛り込まれているので、 見終わった後は、ちょっと自分の足跡を気にしたりしちゃいます。

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【プレッジ】 −−THE PLEDGE−−
2001(サスペンス/ドラマ)
監督:ショーン・ペン
製作:マイケル・フィッツジェラルド、ショーン・ペン、エリー・サマハ
製作総指揮:アンドリュー・スティーヴンス
原作:フリードリッヒ・デュレンマット
脚本:ジャージー・クロモウロウスキー、メアリー・オルソン
出演:
○ジャック・ニコルソン
ジェリー・ブラック(惨殺された少女の両親との約束を守るため犯人を追い続ける刑事)
○ロビン・ライト=ペン
ロリ(ジェリーと出会う食堂で働く孤独な女)
○アーロン・エッカート
スタン・クロラック(ジェリーの後輩)
○ヘレン・ミレン
(ジェリーを危険な状態だと診断する精神科医)
○ヴァネッサ・レッドグレーヴ
アナリース・ハンセン(殺された少女にピアノを教えていた祖母)
○ミッキー・ローク
ジム・オルスタンド(以前娘を殺された失意の父親)
○サム・シェパード
エリック・ポラック(ジェリーの上司)
○ハリー・ディーン・スタントン
フロイド・ケージ(ガソリンスタンドの主人)
●ベニチオ・デル・トロ
トビー・ジェイ・ワデナ(犯人として逮捕される知的障害のあるインディアン)

カンヌ国際映画祭:○パルム・ドール(ショーン・ペン)

■全体の感想
退職や引退などにより、自分の居場所がなくなる不安から 今までにない自分探しに行く映画は結構あります。彼主演の「アバウト・シュミット」なんかもそうですよね。
でも、この作品は結局自分の居場所から抜けきれないだけでなく、 自分を見失っていく様が淡々と描かれています。
被害者の母親との約束を果たすために自分の人生をかけているように思えますが、 結局はそれを口実に自分の居場所に戻っているのです。
ドラマティックな展開がないだけに、主人公の心境を深読みしがちですが、 結局最後の解釈は人によって分かれると思います。そこにこの映画の深さがあるんでしょうね。
以下ネタばれあります。 最後の彼の行動の結果を見て、 「真犯人が現場に来る途中に事故で死んだから彼が可哀想」と思うのも良し、 「事故は偶然で、結局犯人を捕まえることができない主人公の妄想だ」と思うのも良し、 「約束に縛られて、気がおかしくなっていく結末だ」と思うのも良しです。
いずれにしても、人が盲目になってしまったときに、 迎えてしまう結末というのは、予想外になってしまう怖さが描かれている映画です。

■物語
定年退職を迎えた刑事ジェリーは、 仲間が開いてくれたパーティで楽しい時間を過ごしていた。
が、そこへ少女強姦殺人事件の報。ジェリーは、少女の母親に懇願され、 犯人の逮捕を約束する。退職までに残された時間はわずか6時間。 しかし、目撃証言から容疑者を連行、自白も引きだし、何とか逮捕に漕ぎ着けた。 その後、容疑者は拘置所内で自殺を遂げるが事件は一応の決着をみたかに思われた。
しかし、ジェリーには何か腑に落ちないものがあった。 やがて、真犯人が別にいると確信したジェリーは、退職後もひとり独自の捜査を続けるのだったが。。。

■出演者
“デル・トロ”はかなり鬼気迫った演技で、一瞬にして場を持って行き、 派手に去っていくという、淡々とした映画の中で最も熱い時間を与えてくれました。
見た目の派手さのほかにも、知的障害でマイノリティーということで、 捕まった本人は怯え、わけも分からずそこにいるといった感じを見せてました。 その様子からその場で起きる狂気を連想させ、 この後の急展開も予想させましたが、 あっという間にその時間は過ぎてしまいます。
全体のほんの冒頭のシーンであるため、 最後の静かな幕切れの中で忘れ去られそうになりますが、 彼の存在感はさすがです。

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【ブレッド&ローズ】 −−BREAD AND ROSES−−
2000(ドラマ)
監督:ケン・ローチ
製作:ウルリッヒ・フェルスベルク、レベッカ・オブライエン
脚本:ポール・ラヴァーティ
出演:
○エイドリアン・ブロディ
サム(若いアメリカ人の労働組合活動家)
○ピラール・パディージャ
マヤ(メキシコの国境を越え姉の元に身を寄せている)
○エルピディア・カリーロ
ローサ(ロスのオフィス街のビルの清掃をしているマヤの姉)
○ジョージ・ロペス
ペレス(清掃員の派遣会社の社員)
○アロンソ・チャベス
ルーベン(ビルの清掃員だが大学の奨学生を目指している)
ティム・ロス
(カメオ出演)
●ベニチオ・デル・トロ
(カメオ出演)
○ロン・パールマン
(カメオ出演)

■全体の感想
社会派ケン・ローチ監督の、まじめなドキュメンタリータッチのサスペンスです。
ロスの中南米からの移民たちの労使活動を描いたものですが、 実際の移民たちの表情がリアルで、遠い世界のように思える題材も、 不況の日本と重ねたりして、目を背けたくても背けないといった感じです。
特にローサがマヤに衝撃的な事実を告白というか吐き出すクライマックスは、 聞いている私たちも胸がつまり、問題がいかに複雑で深いものであるかを理解させました。
姉妹の葛藤は、希望と現実の厳しさを違う視点から描いていますが、 決して絶望感を抱かせないので、映画としての感動も与えてくれるので、 自然と涙があふれるというのではなく、普段得ることのできない熱い何かが、 胸にこみ上げるといった感じです。
ハリウッドが描くことのない、人間ドラマを堪能して下さい。

■物語
ある夜、マヤは故郷メキシコの国境を不法に越え、ロスに住む姉ローサの家に身を寄せることになった
オフィス街のビルでローサと同じ清掃の仕事を始めた彼女は、 ある日、若いアメリカ人の労働組合活動家サムと運命的な出会いを果たす。
熱心なサムは雇用者に対するゲリラ活動にマヤとローサを誘い、 マヤはサムへの憧れと雇用者の不当な扱いに対する憤りから彼と行動を共にし、 組合活動に傾倒していく。。。

■出演者
映画初出演のメキシコで活躍する女優である“ピラール・パディージャ”は、 純粋で世間知らずだけど、正しいと思うことを自分になりにがんばる女性を、 見事に演じています。
一方、“A・ブロディ”は、そのがんばる彼女を支えると言うか、 壊れそうな彼女を見守っていると言うか、直ぐに大恋愛にならないで、 距離を置いているところが、現実的な活動家と言う感じが出ていました。
私欲を犠牲にするところが、社会派ドラマとしてバランスを壊さない設定なんでしょうけど、 それに相反するように、自分を抑えきれない彼女と絶妙なバランスをとっています。
「戦場のピアニスト」でアカデミー賞を受賞する演技力は、 もちろんこの映画でも堪能でできます。

“T・ロス”や“デル・トロ”自体は、あるパーティーのシーンで、 ちらっと写るだけですので、どちらかというと、出演シーンを探して下さい的な感じです。
どちらかと言うと、“デル・トロ”の方が見つけにくいですね。

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【誘拐犯】 −−THE WAY OF THE GUN−−
2000(クライム/サスペンス)
監督:クリストファー・マッカリー
製作:ケネス・コーキン
脚本:クリストファー・マッカリー
出演:
●ベニチオ・デル・トロ
ロングボー(金がないチンピラから誘拐犯となる)
○ライアン・フィリップ
パーカー(熱いロングボーの相方)
ジュリエット・ルイス
ロビン(チダック夫妻の代理母だが実は)
○テイ・ディッグス
ジェファーズ(ロビンの黒人の護衛)
○ニッキー・カット
オベックス(背が低いロビンの護衛)
○スコット・ウィルソン
ヘイル・チダック(石油王の大富豪で、闇の裏金を牛耳る組織の一員)
○ジェームズ・カーン
ジョー・サーノ(チダック直属の掃除屋)
○ディラン・カスマン
ペインター(ロビンの担当医だが、ただの担当医ではない)
○クリスティン・リーマン
フランチェスカ・チダック(ヘイルの若き妻だが実は誰かと出来ている)
○ジョフリー・ルイス
アブナー(ジョーの相棒のの殺し屋)

■全体の感想
単なる誘拐犯を描いて、その犯人をヒーロー化したり、 誘拐された被害者との奇妙な友情や、愛なんかを描くようなチープな内容じゃありません。
全体的には、シンプルに見えて、結構複雑なストーリーで、 警察がほとんど出てこない誘拐犯の逃亡劇や、 誘拐されるのが妊婦だとか、それが代理母だとか、 主人公二人がホモ(想像ですが。。。)だとか、普通じゃない設定が面白いです。
映画全体はクライム映画なので、当然銃撃戦を交えた血や死の場面は出てきます。
しかし、メリハリのある演出で、全てがクライマックスのメキシコでの銃撃戦のためだと思うと、 前半の中途半端なカーチェイスや、いまいち盛り上がらない誘拐犯との駆け引きも良しとします。
そして、もう1つの見どころは、強烈な妊婦の産まれる頃の姿でしょうか。 こんなリアルで迫力(若干過剰) なシーンを目の当たりにすると、 妊娠をためらう人や、男で良かったと思う人が続出すると思います。
「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家だった “クリストファー・マッカリー”監督ですが、 「ユージュアル・サスペクツ」ように、話しがひっくり返るような事がないので、 構えないで見て下さいね。

■物語
あてどなき人生を彷徨う2人のアウトロー、ロングボーとパーカーは、 3000ドルの代金を手に入れるため、精液提供者の資格検査のためにある大病院を訪れた。
そこで思いもかけず、待合室でウマいハナシを聞きつけた。 それは、大富豪のチダックは、若い後妻の代わりに、 ロビンという代理母を雇って自分の子を妊娠させたというものだった。
そんな、ロビンを誘拐する計画をすぐに実行に移し、 2人の護衛の猛追を振り切り、誘拐に成功する。
しかし、実はチダックは石油王であるだけでなく、 裏金の資金浄化に手を染める組織の一員だということを知り、 脅迫状をロビンの主治医に預け、チダックのもとに帰らせたが、 すでにチダック直属の掃除屋であるジョーは、 相棒のアブナーと共に2人を追って動き始めていた。。。

■出演者
やっぱり、メキシコが良く似合う“デル・トロ”兄さん。
今回のベストショットは、 メキシコのモーテルの酒場で、売春婦達を目で追い払う時に、 ペロンと走り去る女のお尻を触るところでしょうか。
これから死を覚悟して飛び込む前に、さりげなく男らしさを間接的に表現しているところが、 彼の渋さだと思います。眉間にしわ寄せて、気合を入れた顔のアップだけじゃ、 この御時世カッコ良くないぞってことです。
相方の“ライアン・フィリップ”もなかなか、『俺にさわると怪我するぜ』空気に溢れてて、 役に合っていて、良かったと思います。
“ジュリエット・ルイス”別の機会に語りますが、「ケープ・フィアー」に続く迫真の演技だった、 とだけ申し上げておきましょう。
あと、個人的には、ジョーとアブナーの老寄コンビがたまらないですね。 「俺達は老いボレじゃない。生き残りなんだ。」 のセリフを、味方の若手チンピラに言い聞かせるシーンは、厳しい世界を生きぬいた男の魅力を感じました。

■おまけ
そういえば、この映画に出演している“ジョフリー・ルイス”は、 “ジュリエット・ルイス”の実の父親です。

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【スナッチ】 −−SNATCH−−
2001(クライム/コメディ)
監督:ガイ・リッチー
脚本:ガイ・リッチー
出演:
ブラッド・ピット
ミッキー(パイキーと呼ばれる流浪民で、素手のボクシングが強い)
●ベニチオ・デル・トロ
フランキー・フォー・フィンガー(博打に目が無い宝石泥棒兼運び屋)
○アラン・フォード
ブリック・トップ(賭けボクシングのノミ屋で、八百長試合を仕込む)
○ビニー・ジョーンズ
トニー(アビーに雇われる殺し屋)
○デニス・ファリナー
アビー(NYに住むフランキーのボス)
○ジェイソン・ステイサム
ターキッシュ(非合法ボクシングのプロモーター)
○スティーブン・グレアム
トミー(ターキッシュの相棒)
○レイド・セルベッジア
ボリス(弾をくぐる男と呼ばれる銃の密売屋)
○ジェイソン・フラミング
ダレン(ミッキーの相棒)
○マイク・リード
ダグ・ザ・ヘッド(アビーの従弟で宝石商を営む)

■全体の感想
超ハイテンションクールな、クライムコメディーは、テンポといい、映像といい、音楽といい、 全てがセンス良しの、最高に面白い映画でした。
オープニングから、ずっと最後まで鳥肌が立っていました。 公開してから感想を聞くと賛否両論で、一概にオススメできないようですが、 5分ごとにやってくるクールな笑いや、 超濃いキャラとそれを演出する音楽の絡みのお洒落さを味わいたい人はビンゴです。
しょーもないハリウッド感動巨編を見て涙する人や、脇役に興味なしの人は、 見てもついて来れませんし、感動しないと思います。
自分は、愛も涙も障害者を使った感動もないセンスだけが光る映画を見て、 新しい世紀を無事迎えられたなって感じがしました。
そして、こから見に行く人は、やっぱり以下のルールは守った方が良いですよ。
・ハリウッドのルールは忘れろ
・いつものブラピに期待するな
・観る前に食事はとるな
・動体視力を鍛えておけ
・一度で十分、二度は観るな
但し、最後のルールは、ちょっと反対で、一回目はひたすら映像とテンポを楽しみ、 二回目はストーリーと落ちまくっているネタを拾いに行くってのが、お勧めです。


■物語
舞台はロンドンの暗黒街。発端はフランキーが強盗した86カラットの大粒のダイヤ。
NYのマフィアのボスアビーは、フランクにそのダイヤを持ってくるように言うが、 フランキーごとダイヤは行方不明に。
しょうがなくロンドンに飛んでダイヤを捜索するが、元KGBのボリスが、 質屋の黒人トリオを使ってダイヤを横取りしようとしていることを知る。
一方、ボクシングのプロモータをしているターキッシュとトミーは、 当日出場するはずのボクサーを失い、代役としてミッキーを立てるが、 上手くいかず、ブリックトップに仮を作ってしまう。
それぞれが、86カラットのダイヤを中心にめまぐるしく物語は展開していきます。

■出演者
こういった主役のいない群像スタイルの場合の楽しみは、 思い入れのあるキャラをいかにして見つけ出すことで、 自分は今回、誰が何と言おうとこの“ベニチオ・デル・トロ”になります!
無類のギャンブル好きで、宝石泥棒兼運び屋の役ですが、 彼がダイヤを強奪するシーンから始まり、一気に物語に流れて行くわけですから、 インパクトは抜群です。『Vere Is Da Stone?』のセリフの後、ダイヤにキスした瞬間に、 “OVERSEER”の「SUPERMOVES」をバックにCAST紹介に移っていくところです。
そして、彼にぐっと惹かれたのは、ギャンブル好きな彼が、その話しになった時に、 一瞬だけギャンブルで豪遊するシーンがパパッと流れるんですが、 何ともユニークで、服を仕立てるシーンでのその挿入は最高に笑いました。
とにかく、皆さんもこの映画を楽しむために、 自分の思い入れのあるキャラを選び出し、 そのキャラを中心に映画を見るってもの良いかもしれませんよ。

■おまけ1
犬を飼ってらっしゃる方は、もしお手元にこのような音の出る人形をご用意して頂いくことをお勧めします。
その人形を犬に食べさせるとどうなるか、映画を見れば明らかになります。
そして、観終わった後は、その人形を食べさせたくなるはずです。。。 思い出しただけでも、ずっと笑っちゃいます。

■おまけ2
落ち目といわれるUKロックの牽引バンドOASISの、4thアルバム1曲目の「FUCKIN' IN THE BUSHES」が、 ブラピがリングに上がる時のテーマソングのようにバックで、がんがん流れていました。
横浜アリーナのOASISのライブに行っている自分は、 オープニングを思い出させる一番興奮するシーンでした。
これだけかっこいいインストナンバーを書けるノエルよ! また、クールな楽曲を作っておくれ。。。と願います。

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【トラフィック】 −−TRAFFIC−−
2000(犯罪)
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
製作:ローラ・ビックフォード、マーシャル・ハースコヴィッツ、エドワード・ズウィック
製作総指揮:キャメロン・ジョーンズ、グレアム・キング、アンドレアス・クライン、リチャード・ソロモン、マイク・ニューウェル
原作:サイモン・ムーア
脚本:スティーヴン・ガガン
出演:
メキシコ、ティファナ―――
●ベニチオ・デル・トロ
ハビエール・ロドリゲス(メキシコ=アメリカの国境警備に従事する警官)
○ヤコブ・バーガス
マノーロ・サンチェス(ハビエールの相棒)
○トーマス・ミリアン
サラサール将軍(連邦警察犯罪取締官で麻薬撲滅をうたいながらも裏では。。。)
○クリフトン・コリンズJr.
フランシスコ・フロレス(男色趣味の暗殺者)
アメリカ、オハイオ―――
○マイケル・ダグラス
ロバート・ウェークフィールド(州最高裁判事、のちに麻薬取締連邦最高責任者に任命)
○エイミー・アーヴィング
バーバラ・ウェークフィールド(ロバートの妻)
○エリカ・クリステンセン
キャロライン・ウェークフィールド(麻薬中毒に陥ったロバートの娘)
アメリカ、サンディエゴ―――
○ドン・チードル
モンテル・ゴードン(カルロスを捕まえた麻薬取締局の捜査官)
○ルイス・ガスマン
レイ・カストロ(ゴードンの相棒)
○キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
ヘレーナ・アヤラ(麻薬王カルロスの妊娠中のつま。夫逮捕後意思を継ぐ)
○スティーヴン・バウアー
カルロス・アヤラ(麻薬王)
○デニス・クエイド
アーニー・メッツガー(カルロスの顧問弁護士)

アカデミー賞:○作品賞、●助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、●監督賞、●脚色賞、●編集賞  
ベルリン国際映画祭:●銀熊賞(ベニチオ・デル・トロ)
NY批評家協会賞:●作品賞、●助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、●監督賞  
LA批評家協会賞:●監督賞
ゴールデン・グローブ:○作品賞、●助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、○助演女優賞(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)、○監督賞、●脚本賞

■全体の感想
麻薬をめぐる3つのストーリーが絡み合う、群像スタイルのクライムムービーです。
最も好きなジャンルだというのもありますが、かなり完成された映画で映画賞総なめも納得です。
マグノリア」 のようなピンポイントで繋がるのではなく、常に絡まりながら、それでいて各々意識していないという、 独立したしっかりした物語で成り立っています。
群像スタイルが苦手な方も、物語によって基調とする色があり、置いていかれる事はないです。
・乾いたメキシコの砂漠でのドキュメンタリータッチの黄色のティファナ。
・冷めきった家族を全体的に冷たく感じる青色のオハイオ州。
・闇の麻薬王にまつわるサスペンスタッチの灼熱の赤が基調のサンティエゴ。
長いわりにテンポが良く、最後の落ちもしっかりしていて、期待通りのできでした。
全ての出演者が助演賞を受賞できるような群像劇は、 目立つヒーローがいない分、それぞれの個性がぶつかり合って、 より物語を盛り上げています。見る人によって、感想や気になる出演者が異なるのは、 そのためですが、この映画はそれが顕著に表れていると思います。

■物語
メキシコの州警察の警官のハビエールとマノーロは、国境越えを試みようとするトラックから、 麻薬を押収し連行していた。しかし、目の前に連邦捜査官のサラサール将軍が現れ、 没収した麻薬を全てもって行かれてしまう。
しばらくして、サラサール将軍に内密に召集されたハビエールは、ティファナの麻薬撲滅の為に、 麻薬カルテルの一味の暗殺者であるフロレスの逮捕を命じられる。
ある仕掛けで、あっという間に逮捕したのだが、それは深く根付く、汚い金と権力にまみれた、 信じられない事実を知るためのきっかけに過ぎなかった。。。

アメリカ、オハイオ州では、最高裁判時のロバートが、アメリカ大統領直々に麻薬取締連邦最高責任者として、 任命されたころ、優等生で裕福な生活を送っていた、娘キャロラインは、興味半分で友人と一緒にドラッグで遊んでいた。
ドラッグに夢中になりエスカレートして行くうちに、仲間の一人が倒れ、 その子を病院の前に置き去りにして行こうとした時、パトカーが正面に立ちはだかっていた。
留置所に拘留された娘と父親の中で何かが崩れ、そして取り返しのつかない事態へと発展してしまう。

アメリカ、サンティエゴでは、麻薬取締局のモンテルとレイは、 麻薬カルテルのオブレゴンを訴訟に持ち込むべく、おとり捜査で日々奮闘していた。
それがこうをそうして、中間ルートの密売人のルイスの口から、麻薬王カルロスの名前が出てきた。
その証言をもとに、カルロスを拘留することになり、その妻ヘレーナは一人息子が置き去りに去れることとなる。
麻薬王という別の顔を持つ夫の後を引き継いで、 夫をどうにか釈放させようと心に誓うのだが、そう簡単に釈放できるわけがない。。。

■出演者
最高に“デル・トロ”兄貴がかっこいい映画です。
特にゲイのフロレスを、捕まえるシーンでの仕草は、 その気がなくても、太い腕に抱かれたい衝動に駆られるぐらいです。
この兄貴も含めて出演者が多いこの映画の特徴として、 誰もが力の抜けた演技で、技とらしい歯の浮く演技をしている人物がいないことも、 リアルさと迫力が損なわれなかった理由かと思います。
シーンによって、ハンドカメラのような映像や、ドキュメンタリータッチの画面の切り替わり、 ちょっとした本格サスペンスのようなカット割などの、 カメラワークや編集に助けられた面もありますが、やはり誰にも思い入れのできる映画です。
“デル・トロ”兄貴の苦悩の表情が、最後のシーンで安堵の表情に変わっているところは、 妙な満足感を得て、ちょっとした達成感があって、ずっと兄貴を見ていたんだな〜と感じました。

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【ラスベガスをやっつけろ】
−−FEAR AND LOATHING IN LAS VEGAS−−
1998(コメディ/ドラマ)
監督:テリー・ギリアム
製作:ライラ・ナバルシ、パトリック・カサヴェッティ、スティーヴン・ネメス
脚本:テリー・ギリアム、トニー・グリゾーニ、トッド・デイヴィス、アレックス・コックス
原作:ハンター・S・トンプソン
出演:
ジョニー・デップ
ラウル・デューク(スポーツ記者)
●ベニチオ・デル・トロ
ドクター・ゴンゾー(サモア人の弁護士)
○トビー・マグワイア
ヒッチハイカー
キャメロン・ディアス
ジュリー(ブロンドのTVレポーター)
クリスティナ・リッチ
ルーシー(家出少女)
○エレン・バーキン
ノーススターカフェのウェイトレス

カンヌ国際映画祭:○パルムドール

■全体の感想
映像化難しいといわれていた、“ハンター・S・トンプソン”原作の物語を、 見事“テリー・ギリアム”監督が仕上げた不思議な作品です。
こういう病的な映画は、自分もその気になって、トリップしないと損ですね。 集中して見ないと、物語の流れや展開がわかりませんが、 酒なんか飲みながら、一緒に訳わかんなくなって、奮起を楽しむだっけていうのもありです。
ただ、最初に断りを入れておくとすれば、 この映画には、感動や涙はありませんし、サスペンスや暴力といった、緊張感もありません。 更に言うならば、コメディでありながら、笑えない人は笑えないという、変わったジャンルの映画です。 強いて言えば、ドラッグに溺れたアメリカという国家に、警告を発しているメッセージが含まれているぐらいです。
だから、単館上映だったわけで、ある意味“テリー・ギリアム”監督の元、 “ジョニー・デップ”と“ベニチオ・デル・トロ”が暴れまくった、 気分爽快自己満足映画と言ってしまえばそれまでです。
しかし、彼らのファンであれば、他の映画では見ることはできない、超ハイテンションな演技は必見です。

■物語
1971年、ジャーナリストのラウル・デュークとサモア人の弁護士ドクター・ゴンゾーは、 『レッド・シャーク』と名付けられた真っ赤なオープンカーを150キロで飛ばして、 一路ラスベガスに向かっていた。
彼らの目的は、スポーツ雑誌の依頼で、オートバイとバギーレースの祭典『ミント400』を取材する事であった。
超一流のホテルのスウィートルームに宿泊した彼らは、 取材もそっちのけで早速ドラッグを一発キメて、ぶっ飛んでいました。 ホテルは荒らし放題、ルームサービスは使い放題、 前途多難なこの旅の先には何があるのか?一見、狂っている行動をとる彼らの本当の目的と。。。?

■出演者
この映画の凄さは映像のトリッキーさだけではなく、 大作でもないのに、主演の2人の力の入れよう、というか変貌ぶりが、 どの映画にも無い、目を疑うような容姿に、まず圧倒されます。
“ジョニー・デップ”の髪型にも愕然としましたが、 “ベニチオ・デル・トロ”の数十キロオーバーの体重による、体格でしょう! そして、ただでさえ濃い顔なのに、ロンゲで髭で、もう誰だかわかりません。
演技は、ここまで切れた演技を最後まで押し通しているテンションと、 トリップしている時の崩れた演技が、徹底していて迫力はあります。
しかし、やはりメッセージ性はあるものの、その意味をいまいち吸収しきれていない自分は、 雰囲気を楽しんでいただけかもしれません。
サイケな映像と音楽を楽しみ、ラスベガスでの想い出に浸るには良い映画ですね?まとまってない?

■おまけ
自分も、2人がラスベガスに持ってきた薬の中で、最も強力なアドレノクロスを試してみたいな、 なんて、現実逃避をして見たくなります。

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【バスキア】 −−BASQUIAT−−
1996(伝記)
監督:ジュリアン・シュナーベル
製作:ジョン・キリク、ランディ・オストロウ、シガージョン・サイヴァッツォン
製作総指揮:ジョセフ・アレン、ピーター・ブラント、ミチヨ・ヨシザキ
脚本:ジュリアン・シュナーベル、マイケル・トーマス・ホルマン
出演:
○ジェフリー・ライト
ジャン・ミシェル・バスキア(ストリートから生まれた落書きアーチスト)
○クレア・フォーラニ
ジーナ・カーディネイル(バスキアの恋人)
○マイケル・ウィンコット
ルネ・リカード(バスキアを売り込んだ美術評論家)
○デヴィッド・ボウイ
アンディ・ウォーホール(バスキアが尊敬する芸術家)
○デニス・ホッパー
ブルーノ・ビショップ・ベルガー(大物画商)
ゲイリー・オールドマン
アルバート・マイロ(バスキアを認める新鋭芸術家)
●ベニチオ・デル・トロ
ベニー・ダールモウ(バスキアが売れる前からの親友)
○コートニー・ラヴ
ビッグ・ピンク(バスキアが売れてから知り合った女)
○ウィレム・デフォー
グレグ(電気技師)
○クリストファー・ウォーケン
(インタビュアー)

インディペンデント・スピリット・アワード:●助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)

■全体の感想
欲望を満たすこと、栄光を手に入れることによって、無くしてしまうこと。
自分を大切にすることの難しさ、純粋でいられることの難しさ、 ずっと輝きつづけることの難しさ。
それらを実在した天才画家の“バスキア”を描くことによって、 見ている私達に伝えてくれました。
誰もが目指す、頂点への道しるべとなるべく物語と思いきや、 成功よりもそのことによる代償に焦点を当てた映画なので、 “バスキア”の内面が身近に感じる映画です。
誰もが自分の中にある欲望と、それを満たすことによる代償との間で、 どうしようもなくなった時、“バスキア”の絵を見ると落ち着くのは、 こういった人間性が伝わってくるからなのではないのでしょうか。
劇中にもありましたが、“バスキア”の絵には緑が足りない。。。というのは、 そして、赤が多くドクロも多い理由は、この映画を見れば、わかってくると思います。
なぜ、crown(王冠)が多いのかはわかりませんが...

■物語
喫茶店のウェートレスのジーナの部屋に転がり込んでいた、ストリート・アーチストのバスキアは、 街のあちこちの壁に、自分のメッセージと独特の純粋で自由な絵を書きつづけていました。
ある時、友人とパーティーに参加している時に、美術評論家ルネに注目されたことから、 アンディ・ウォーホルに認められ、一躍有名になっていきます。
だがその栄光と引き換えに、ベニーやルネやジーナの心は次第に彼から離れて行き、 残された金と名誉の中で、自分を失って行く...

■出演者
まず、バスキアを演じる“ジェフリー・ライト”の演技は抜群です。 芸術家を演じることの難しさをあざ笑うかのように、 本物のバスキアがそのまま出演しているかのごとく演じています。
生前のバスキアをあまり知らないのでが、しっかりと伝記として成り立つ映画ではないでしょうか。
我音楽人生の師の一人“デビッド・ボウイ”も、変人らしくクールな演技にこだわっていますし、 なによりも映像が“バスキア”の意思を、積極的に盛り込んでいるようで、 芸術としてもしっかりしているのではないでしょうか。
これは、生前友人であった“ジュリアン・シュナーベル”だからだと思いますが、 普通の伝記とは一線を画していますね。
そして、バスキアと幼馴染ベニー役の“ベニチオ・デル・トロ”は、 さすが『インディペンデント・スピリット・アワード』の助演男優賞を2年連続 (前年は「ユージュアル・サスペクツ」) 受賞する 離れ業をやってのけるだけとはあります。
伝記ではありますが、ある程度脚色しなければ、映画としては成り立ちません。 バスキアの友情という内面を描き出すための役として、“ベニチオ・デル・トロ”がいるわけで、 十分物語の前半を色づけしています。
そして、バスキアが崩れていくきっかけとなる友情の亀裂では、 引き際もスッキリしていて、しつこくない演技が好感持てます。
あ〜ベニチオって、何故こんなに濃いのに、爽やかなんでしょう。。。

■おまけ
バスキアの絵ってどんなの?って方のために、 バスキアの絵を紹介しているサイトをご紹介します。
Jean Michel Basquiat
※ 勝手にリンク張らせて頂いてます。

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【ザ・ファン】 −−THE FAN−−
1996(サスペンス)
監督:トニー・スコット
製作:ウェンディ・フィネルマン
製作総指揮:バリー・M・オズボーン、ジェームズ・W・スコッチドープル、ビル・アンガー
原作:ピーター・エイブラハムズ
脚本:フォエフ・サットン
出演:
○ロバート・デ・ニーロ
ギル・レナード(ジャイアンツが大好きなナイフのセールスマン)
○ウェズリー・スナイプス
ボビー・レイバーン(S・ジャイアンツに移籍した強打者)
○エレン・バーキン
ジュエル(ラジオ番組の司会をするスポーツキャスター)
○ジョン・レグイザモ
マニー
●ベニチオ・デル・トロ
ファン・プリモ(S・ジャイアンツの背番号11番)
○パティ・ダーバンヴィル=クイン
エレン・レナード(ギルの妻)

■全体の感想
“デ・ニーロ”は「ケープ・フィアー」で確立した狂気的ストーカーを、 形を変えて演じています。
ただ、何かの復讐に燃える男ではなく、人生を挫折しかかるまでは、 ごく普通の人間で、野球が単純に好きだという純真さを持ち合わしているために、 今の不況の世の中、身近にいそうなリストラされた熱狂的野球ファンと重ねることができます。
しかし、いまいち上手く重なり合わないのは、“デ・ニーロ”が元々持っている狂気さと、 ナイフのセールスマンという設定でしょうか?公務員とかなら普通なんですけどね。
冒頭から彼のアップは狂気を予感させる目をしているし。


■物語
地元球団の大物スラッガー、ボビーの大ファンであるギルは、 仕事の予定があったにも関わらず、別れた妻の元にいる息子を開幕戦に誘った。
だが商談には間に合わず会社をクビになったばかりか、 息子を置き去りにした事で怒った妻からは子供に近づいてはならないと の裁判所命令を受け取る。
自暴自棄になるギルの唯一の心の拠り所はボビーだけだったが、 彼もスランプで試合の結果はかんばしくない。
彼を救おうと思い立ったギルは、その原因と思われる選手の命を奪うのだった。。。

■出演者
“ウェズリー・スナイプス”はかつて「メジャーリーグ」にも出演しているので、 野球選手としての存在感はありましたね。
そして、更に存在感があるのは、ラテンのプリモ演じる“デル・トロ”でしょうね。
いますよ、この威圧感のあるメジャーリーガーが。
野球のセンスは、経験がないためかそんなにクローズアップされませんでしたが、 野球選手にしか見えませんでしたね。 出番は少ないですが、兄貴の勇姿を堪能できます。

■おまけ
連続出場の世界記録を達成したカル・リプケンJr.がテクニカル・アドバイザーを担当しているんだって。
ジョン・クラックらプロの野球選手も出演しているから、 球状のシーンは確かにリアルな臨場感を楽しめます。

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【ユージュアル・サスペクツ】
−−THE USUAL SUSPECTS−−
1995(サスペンス/犯罪)
監督:ブライアン・シンガー
製作総指揮:ロバート・ジョーンズ、ハンス・ブロックマン、フランソワ・デュプラ、アート・ホラン
製作:ブライアン・シンガー、マイケル・マクドネル
脚本:クリストファー・マッカリー
出演:
○ガブリエル・バーン
キートン(元汚職警官で実業家)
○スティーブン・ボールドウィン
マクマナス(フェンスターと組む強盗コンビ)
●ベニチオ・デル・トロ
フェンスター(1人じゃ何もできない強盗の常習犯)
○ケビン・ポラック
ホックニー(爆破の専門家)
ケビン・スペイシー
ヴァーバル・キント(事件の生き残りで障害者)
○チャズ・パルミンテリ
クイヤン刑事(キントを尋問する関税特別捜査官)
○ピート・ポスルスウェイト
コバヤシ(カイザー・ソゼの右腕)

アカデミー賞:●助演男優賞(ケビン・スペイシー)、●脚本賞
NY批評家協会賞:●助演男優賞(ケビン・スペイシー)
ゴールデン・グローブ:○助演男優賞(ケビン・スペイシー)
インディペンデント・スピリット・アワード:●助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)

■全体の感想
カイザー・ソゼとは何者なのか?というメインテーマに則って、 進められるこの映画は、練りに練られた脚本と、巧みな騙しのテクニックによって、 見る者を惹きつけるサスペンスです。
未だ人生のベスト3映画の1つに数えられる理由としては、 何度見ても感心させられる物語と、散りばめられたネタや罠を、 一つ一つ見つけていく喜びが、まだまだあるからです。
サスペンスとしての魅力である、犯人探しはもちろんのこと、 クライム系のクールな内容や、主人公がいない群像スタイルの出演者達の絡み、 時間の前後を上手く使った回想と現実の交差、 そして何より予想外の大どんでん返し!
完璧な映画です。

■物語
ある晩、サンペドロ港に停泊中の貨物船が大爆発を起こし、 27人もの死者が出るという事件が発生した。
翌日、事件の生存者であるヴァーバルという男が警察に連行された。
保釈の決まっているヴァーバルは話をするのを拒んだが、 クイヤンの圧力に負け、徐々に事件の真相を語り出していく。
一方、港の事件から生還したもう1人の男は、全身大火傷を負い、虫の息だったが、 そんな彼が、FBIが長年総力を挙げて追っている大者のギャングで、 存在自体が伝説化している謎の人物「カイザー・ソゼ」の名前を口にしたのだ。
そのことを、ヴァーバルに話したところ、コバヤシという謎の弁護士に依頼された、 貨物船の襲撃事件は、バックにカイザー・ソゼの存在があることを話し始めるのだった。。。

■出演者
完璧な脚本を生かしたのは、このクセのある出演者達によるものが大きいと思います。
半身に障害のあるヴァーバルを演じた“ケビン・スペイシー”はもちろんのこと、 我らが“ベニチオ・デル・トロ”は、あっさり、殺されますが、クレイジーな犯罪者を好演しています。
正直な話しこの映画で知った彼は、“ガブリエル・バーン”と“ケビン・スペイシー”に 隠れ気味ではありますが、マクマナスを想う恋心?を想わせるシーンも合ったりして、 引き締まった映画の中の清涼剤的な役割も果たしてたりしますね。

■おまけ(ネタバレあり!)
カイザーソゼのヒントというか罠はたくさんあります。
例えば、冒頭でカイザー・ソゼが、キントを撃つシーンでは、 銃を持つ手は左で、横にして打っています。劇中にもいますよね〜。
金のライターや金の腕時計も、ヒント(罠)でしょう!
そして、コバヤシとの5人の関係。。。
更には、カイザーはドイツ語で「皇帝」、ソゼはトルコ語で「おしゃべり」です。
ちなみに、ヴァーバルは英語で「おしゃべり」という意味で、 これは実は隠れたヒントになってたんですね。

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【007/消されたライセンス】 −−LICENCE TO KILL−−
1989(アクション)
監督:ジョン・グレン
製作:アルバート・R・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソン
脚本:マイケル・G・ウィルソン、リチャード・メイボーム
出演:
○ティモシー・ダルトン
ジェームズ・ボンド(英国秘密情報部員)
○キャリー・ローウェル
パメラ・ブーヴィエ(サンチェスに肉親の仇を討とうとする女)
○ロバート・ダヴィ
フランツ・サンチェス(ボンドとフェリックスに逮捕された麻薬王)
○タリサ・ソト
ルペ(サンチェスの女)
○アンソニー・ザーブ
ミルトン・クレスト(サンチェスの右腕)
○フランク・マクレー
シャーキー(フェリックスの結婚式の付添い人でボンドの相棒)
○エヴェレット・マッギル
エド・キリファー(FBIの護送官)
○ウェイン・ニュートン
ジョー・ブッチャー(TVの募金活動が表の顔で裏で麻薬工場を管理している男)
○デスモンド・リュウェリン
Q(ボンドのためにスパイ道具を提供する男)
○デヴィッド・ヘディソン
フェリックス(サンチェスに殺されたボンドの友人)
○プリシラ・バーンズ
デラ(フェリックスの妻)
●ベニチオ・デル・トロ
ダリオ(サンチェスの手下の若き殺し屋)
○ロバート・ブラウン
M(ボンドに任務を言い渡す男)

■全体の感想
シリーズの中でも最も賛否が分かれたという問題作ですが、 ボンド映画は好きでもマニアではない私にとって、 たまにはクールではないボンドの姿はかっこよく思えましたね。
私情を絡めまくって、ライセンスを剥奪されてまで、 イギリス国家のためではなく友情のために熱く復讐に燃える。 スパイ映画の前提を覆す勇気は確かに凄い。
そこら辺が、往年のボンドファンの反感をかったようですが、 前後のボンドよりも男らしい熱いボンドとして、個人的には評価は高いです。
何れにしても興行的に失敗し、“ティモシー・ダルトン”は2作目にして降板し、 この後「ゴールデン・アイ」まで6年間開いてしまったという事実だけでも、 十分問題作なのです。

■物語
ボンドの親友であるフェリックスと、 ボンドの古い仕事仲間のデラが結婚式を挙げようとしていたが、 結婚式直前に中米のイスマス共和国を本拠とするサンチェスが女性のトラブルから フロリダにきているという知らせを耳に入れてしまう。
その知らせを聞いて、急遽フロリダに向かった フェリックスとボンドの活躍でサンチェスは逮捕されたが、 すでにサンチェスは取締局を買収していたのだった。
さらに脱走に成功した返す刀で、結婚式の後のフェリックスの新居を襲撃する。 フェリックスはサメの水槽に投げ込まれ、 デラもサンチェスの手下によって惨殺されてしまう。。。

■出演者
2作しか登場しない“T・ダルトン”ですが、 初代の“S・コネリー”に次いで男らしいボンドでした。
奇をてらったストーリーと興行的な失敗が重なり、 失敗作扱いされていますが、人間くさいスパイ像って、 結構受け入れられたと思うんです。この頃は、「ダイ・ハード」や「リーサル・ウェポン」 などで、一刑事が巨大組織に立ち向かう世の中になってきて、 人間的感情があればなんでもありって感じになってますよね。
お国の命令だけで、仕事をこなすだけの男は、冷戦もなくなって現実的ではないですよね。
そんな、熱い男の復讐劇に派手に巻き込まれたのが、 悪の親玉サンチェスの子分で、有能な若手殺し屋役が“デル・トロ”兄貴です。 兄貴というよりも、中米の危ない香りのする濃い兄さんって感じで、 とても近寄りがたい男でした。
ほぼデビュー作というのもあってか、不敵な笑いも大げさで笑いそうになりますが、 一生懸命悪い男を演じてます。

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