けんたろうの家 換気システム
私がマイホームの計画を始めたとき、マイホームに求めたことの中で一番のものは、”暖かい家”ということでした。
最近は雪が少ないとは言っても、こちら北陸には厳しい冬があります。おまけに私は寒がりです。冬でも暖かい家、というか寒くない家にしたいと思っていました。
また、暖房をしている部屋だけが暖かいのではなく、”出来るだけ家中が同じ温度になっている家”にしたいと思っていました。家庭内事故の多くは、浴室やトイレなど、これまでの家では居間などと比べると気温の低くなる場所で起こるとのことです。自分達が年をとったときに、そのようなことが起こりにくいようにするために、温度差のない家にしたいと思ったのでした。
”暖かい家”を実現するためには、その手段として、まずは建物の外の温度に影響を受けにくいような、断熱性の高い家(高断熱)にすることを選択しました。
しかし、”出来るだけ家中が同じ温度になっている家”を実現するためには、単に高断熱であるだけではダメなようです。寒冷地になればなるほど、家が持っている隙間を通して、建物の外と熱の移動が起きてしまうようです。その隙間を作らないために、気密性の高い家(高気密)にするということが必要になってくるようです。
そうすると、また新たな問題が出てきます。
人間が生活をしていると、人間の呼吸による二酸化炭素、調理の際にガスを燃焼することで出る二酸化炭素、その他暖房器具、家具、壁紙などから出る、生活には有害となるものがあります。これまでの住宅であれば建物の隙間からの外気の流入、流出によって、有害なものも排出されていましたが、気密度が高くなるにしたがって、建物自体の隙間では不十分になってきます。(風が強く吹いていれば、十分な換気量が確保できても、風が止まると確保できないといった、計画的な換気が出来なくなります。)
そこで、24時間、機械的に空気の入れ替えを行ってやる方法がとられるようになりました。それが換気システムです。換気システムと呼ばれるものでは、2時間に1回建物内の空気が入れ替わるように設計されます。(人間が生活していくために必要な換気量が、ほぼ2時間に1回の入れ替えということのようです。(住んでいる人数によるようですが))
換気と言っても、大きく分けると2つに分かれると思います。1つは、これまでの住宅で行われていた、台所やトイレ、お風呂など特定の場所の換気を行うもの(局所換気)です。もう1つは、外部の風の影響などを受けずに、建物全体の空気の流れを計算、検討し、換気を計画的に行うようなもの(計画換気)です。ここでいう換気システムは、後者のものを指しています。
建物全体の換気を行うということは、建物の各所へ空気を送るということですので、計画換気といってもここでまた2つの考え方が出てきます。
1つは、建物全体の空気を計画的に給排気するというものです。もう1つは、どうせ建物全体の空気の流れを考えるのであれば、空調も同時にしてしまうというものです。
けんたろうの家では、全館空調と聞くと、初期費用も高く、おどろおどろしく感じてしまい、キタホームさんでも全館空調はやってないということでした。ということで、けんたろうの家は、換気のみシステムで計画的に換気を行うこととしました。
高気密・高断熱の家にしたいと思い始めてから、@niftyのマイホームと不動産フォーラム(FMYHOME)で換気システムについて情報を集めていました。そこで知ったのは、計画換気の方法として、3種類の方法があるということでした。
- 第1種換気システム(強制給排気)
- 第2種換気システム(強制吸気)
- 第3種換気システム(強制排気)
というものです。
第1種は、機械を使って強制的に建物の中に空気を送り込みながら、なおかつ機械を使って建物の外に汚れた空気を排気するという方法です。
第2種は、機械を使って建物の中に空気を送り込み、その圧力で汚れた空気を排気するという方法です。
第3種は、機械を使って建物の中の汚れた空気を排気し、その分の新鮮な空気を自然の力で取り込むという方法です。
第2種の方法は、計画的に排気しにくいシステムということで、一般住宅ではほとんど採用されていないようです。
第3種の場合、風が強い日には、風のない日に比べて吸気の量が多くなりがちというように、天候に左右されるという面がありますが、第1種の場合そのようなことがなく、より計画的に換気を行えるという違いがあります。
一方、第3種の場合、吸気用の空気取り入れ口は居室の壁等に設けるだけでよく、第1種の場合一般的に、換気システムから吸気用のダクト、排気用のダクトを各居室に通す必要があり、初期費用の面で違いが出てきます。
けんたろうの家でも、どちらがよいのか迷いました。
- 第1種の場合の吸気用のダクトの中は汚れたりしないのだろうか?汚れても掃除できるのだろうか?
- 第3種の場合、北陸のような寒いところでは、吸気された空気が冷たく、部屋にいると冷気を感じないのだろうか?
といったことでした。
ダクトの汚れについては、常時空気が流れていれば、汚れが溜まることはないということでした。また、現在はまだダクト内を掃除する方法はないとのことでした。
第3種の場合でも、吸気口の真下にいると若干冷気を感じる場合もあるが、急激に吸気するわけではなく、ゆっくりとした流れなので、ほとんどの場合気にならないレベルであるとのことでした。
けんたろうの家での選択の決め手となったのは、第1種の方が、建物内で行った冷暖房のエネルギーが無駄になりにくい方法ということでした。それが、第1種換気でした。
第1種の場合、そのシステム上、吸気用の空気と排気の空気が1台の機械のところに集まってきます。そこで、例えば冬の場合、室内で暖められた空気を排気する際に、屋内の空気の熱を屋外から取り込んだ冷えた空気に移し、室内へ入る空気の温度を上げるという、熱交換を行うことができます。第1種換気システムでは、熱交換を行うものがほとんどのようです。
北陸の冬は寒いので、毎日、ほぼ一日中暖房することになります。せっかく暖房して暖めた空気をそのまま外に排気してしまうのは、非常にもったいない、エネルギーの無駄ではないかと思ったのです。そこで、けんたろうの家では、第1種換気システムを採用したいと考えました。
ここまで考えても、まだ換気システムの選択は終わりませんでした。換気システムも奥が深いです。(T_T)
この熱交換方式にも2つの方式があるのです。
全熱交換方式の場合は、熱を交換する際に、湿気も交換するという方法です。一方の顕熱交換方式では、熱の交換だけをするということです。太平洋側の冬は非常に乾燥するようですが、顕熱交換方式の場合、さらに乾燥を助長する面があるようで、実際に住まわれている方の中には、加湿器がないとダメという方もいらっしゃるようです。
また、湿気も交換するということは、臭いも交換することになるとのことです。全熱交換方式の場合、トイレに排気用のダクトを配置するのは避けるということもあるようです。
そして、けんたろうの家では、最終的に、
第1種、全熱交換、換気のみシステム
を採用することになりました。
これは、冬の乾燥も防ぎたいということもありますし、キタホームさんでは、第1種、全熱交換、換気のみシステムを採用しているということもあります。
換気システムを採用する場合、建物内の空気の流れの設計が必要になってきます。空気の流れを作る必要がありますので、出来るだけ間仕切りがない方がいいのでしょう。ドアや引き戸を設ける際にも、ガラリをつけたり、ドアの下に隙間を作るなどして、空気が流れるようにしておく必要があります。
また、第1種換気の場合、ダクトを各居室に配管する必要があります。特に2階から1階へなどダクトを通す場合、その場所を確保する必要があります。
そういった面からも、換気システムを採用しようと考えられている方は、間取りを考える時から、換気システムに精通している人と打合せをしていくことをおすすめします。建物の施工者が十分な知識を持っていない場合、換気システムメーカーの人にも打合せに加わってもらう方がよいようです。間取りを決めた後、それではダクトが通せないといったことがおこり、部屋の隅にダクトを通すためのスペースが出っ張るということにもなりかねないようです。
けんたろうの家では、設計のFさんが、講演会を行うくらいに換気システムに精通されているということで、Fさんと打合せをおこない、換気システム本体の設置場所、1階、2階のダクト経路を決定しました。
このように、高気密の家にするといろいろと面倒なことを考えなくてはいけない、初期費用も掛かるということで、高気密ではなく、中気密ぐらいがよいというメーカーさんもあるようです。
しかし、中気密といえども、20年前の住宅に比べれば、格段に気密度が上がっています。本当に必要な換気量が確保されているのか、きちんと確かめて決定することをおすすめします。
作成:2001年11月25日
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