l 駆けっ句365日生き急ぎ

長月


十八尊佛図(阿しゅく如来)

   長月某日 ・真夜中に看護婦走り機器の音彼の人無事や疾く胸騒ぐ ・りんどうの紫涼し花器 ・誕生日孫の食い気頼もしく ・菊月や健診受くる身分満つ ・防災の日おとぼけトンボの国や笊(ざる) ・さりげなく吾レねぎらう九月かな ・カラオケの終わりはオハコ紅葉月 ・歯抜けばアルコール断つ十四夜 ・青きドングリ拾う風過ぐ朝 ・二学期や行く末占ふ初日かな ・新学期なだめすかしてまんずまず ・自尊の秋遊び心に味かくし ・新涼や黄色旗持ち新学期 ・やぶらんや志高く群れて咲く ・森の道息の上がりて夏は往く ・法師セミ経を奏でる通夜の途      長月某日 ・天命を知る歳ムチャでツケが回り ・菊月やいのち誕生報せあり ・扇子失せ今年も夏過ぎる ・鳴き声でコオロギ覚ゆ散歩の夜 ・米沢のついでに鷹山稲実る ・灯火親し「若き獅子」読む閑日月 ・虫の声雨夜の中の品定め ・名月や八回忌に傘さして ・新涼や可処分年金気にかかり ・秋暑しアカシアの大連企画する ・挨拶の言の葉改む九月 ・残る暑さ扇風機買い走る ・つくつくほうしこともなげに生き急ぐ ・豆萩やサンコウチョウに色を添へ ・今生のつくつく法師と森にひたる   ・虫すだく故人と交はす一献の酒 長月某日 ・命日を同じう父母罷りなむ黄泉の国でも同じう暮らせ ・秋の雷上がれば蝉のせわし鳴き ・賞報せさやけしけふの鴻臚舘 ・異業種やおでん肴に暑気払い ・目当てなく余慶にたよるみちのくの秋 ・むくわれず果報こ度も鰯雲 ・秋冷やきれいさっぱり立つの鳥 ・長月やしばらくぶりの顔戻る ・かんたんや予備役の身遠回り ・吾が環境マウス不調で秋暑し ・残る暑さいつまで保つや遅刻せず ・夏果てる朝からそうめんいとほしい ・立錐の余地なき暑さ主役現れず ・九月や出船入船人新た ・風の盆立ち居気配に今朝の秋 ・中の池法師せみに耳を貸す ・通夜の道ふりさき見れば上弦の月 長月某日 ・義母が逝き養母また逝き吾レ生きむ両母の生命貰いたまひし ・長月や初孫準備嬉々急ぐ ・長月や日帰り出張こなしきる ・虫の声仲良く付き合う五十腰 ・夏風邪を気にして宿からTELを入れ ・群れもせで秩序奏でる虫の声 ・分身を送り出したる秋の朝 ・新学期ドットと疲れて立ち止まり ・はやへそを曲げ三日坊主の九月かな ・二百十四日かはら版を試し刷る ・クワガタ展込み合ひ夏果てる ・行蔵は内なる汗のほとばしり ・華麗なる修辞奏でる秋の虫 ・新しき戦車跡とともに夏果てる ・絵てがみや浄土の蓮は秋の風 長月某日 ・大役を果たせて下がる微熱かな切られ胃袋遅き知恵熱 ・林檎喰む独去独来さくさくと ・初林檎北の国から便りなり ・クーラーの効きすぎる気色けふの秋 ・ガスが湧く浄土見たさの小富士かな ・安達太良山ホントの空は霧霞む ・ツクツクボーシ冥途の色か五色沼 ・秋の風賽の河原を片道キップ ・秋雷やせせらぎ広場子等は散り ・置き土産挨拶ついでに今朝の秋 ・かけひきや蝉の骸の目立つ朝 ・頼らるる冠なくも九月かな ・アナナスや今年の暑さにしおれける ・秋めくや21まで回復す ・自尊秋秘すれば花は吾レのため ・秋暑し涼しき館内「熱風」観る ・しばらくやヌタ場の水は涸れぬまま ・盲腸の見舞ひしあとに秋の雲 ・テロメアの尽きて生き替ふ赤蜻蛉 長月某日 ・重くとも家族ぐるみのQOL,軽けどめげる一人切なさ ・深夜便止め激しき雨音聞き入りぬ ・光る秋白色白光それぞれに ・厄日過ぎ仕掛けづくりを生き急ぐ ・里は秋葵トロロの土産あり ・秋風や飯盛山に死に急ぐ ・この先は余力と相談秋の旅 ・たどり着き季秋一杯「美少年」 ・秋暑し一矢報いぬ数の打ち ・招かれざる客と覚ゆる秋の声 ・未練たらしこれが相場か鉦叩き ・虫の音や両手つないで近回り ・贅沢は朝のライブのMLB ・台風前警鐘乱打の文配る ・会議終ふ台風駆け抜け虫の声 ・秋めきて非日常を企てむ ・秋雨や公園きのことゆきあひぬ ・秋めくやむらさきしきぶ実を仕込む ・秋暑しアポトーシスへの旅に発つ 長月某日 ・闘病の戦友なつかし夢を見る ・天高しふく食う約を既に決め ・只一歩伝い歩きし白露の日 ・白露の日こましゃくれっ娘の口八丁 ・覚悟して免疫あると攻むる秋 ・悠々と次発装填秋急ぐ ・入社式契約社員の白露かな ・白露の日まな板に乗る生身 ・大風の余波昼過ぎに秋暑し ・法師せみ広場の涯の昏き森 ・しずしずと台風の眼とほり過ぐ ・ねんりんピック吉報届く白露かな ・蚯蚓鳴く毀誉褒貶は吾レにあり ・新秋や再度チャレンジ峠立つ ・この秋は波風立てて酔ひそうらふ ・かなかなや逝きていのちが蘇り 長月某日 ・H氏の胃がん告知も相似たりその後の経過やあらまほしなく ・雨上がり残暑厳しき白露かな ・気がつけばツクツクボーシの少夏かな ・整えて親知らず抜く秋暑し ・懇話会乞われて受ける白露かな ・通せんぼ下より諭さる白露かな ・腹を据え気張るさ中に台風雨 ・宵闇や市民権へ言霊未だ ・陽高く祭りの終えてツクツクホーシ ・CHINAへ入れ込む吾れや白露かな ・嵐過ぎいま蘇へる今朝の秋 ・悠々と急ぐ颱風時を攻む ・白露の日こども見守る情けあり ・賽を投げ波風立つる九月かな ・灯火親し花眼で読む両像鴎外 ・にぎにぎしやぶ蘭通りの法師ぜみ 長月某日 ・吾レ後は人為を尽くして色気失せ従容として道に従う ・名月や繁し邯鄲眼下の景 ・それがしの地方元気や美濃の秋 ・分身の殻見せられて秋暑し ・重陽やオムツ外しへ挑むの日 ・河川敷きコスモス畑点睛を待つ ・チャレンジド汗をかき過ぎきらわるる ・おつかいや自転車連ねて重陽の日 ・収納のつかえ下りるや遅れ夏 ・楽に待つやるだけやった今朝の秋 ・夏のつけ生活騒音治まらず ・重陽や一死をもって蘇る ・晩節や武士道すたる玉壷にあり ・そそくさと二百二十日の備へ打つ ・かなかなとあたりに滲む現身かな ・峠越へ出湯につかる9月かな 長月某日 ・早飯のクセ抜けずに胃切後も早く食らひて自ら苦しむ ・声弱し山田緑地の法師蝉 ・天高し育つ情場の平成塾 ・秋澄むやらしさ求めむプロジェクト ・ポイントや久方振りも秋なじむ ・天高しピラニアの朱ますます ・滄浪の水の流れや十三夜 ・玄月や薄きご縁の出船かな ・井戸掘るやいまプロジェクトX白露かな ・女郎花男郎花とも集まりし ・波風を立てて二百二十日は無事に過ぎ ・台風やシンパ済々歌仙絵行 ・秋日和装ひ新たへ合流す ・行蔵や打てば響くの秋の声 ・ほんのりと立ち居姿や紅芙蓉 ・紅白のやまはぎこぼる道狭し 長月某日 ・胃切食お粥スープとソフトゆえ梅実割りて吾が歯確かむ ・目には見えず風に感じる色取月 ・涙ためハイすがらるや天下秋 ・線香のたゆたう煙に蚊の名残り ・またぞろに水の気になる秋旱      ・秋海どう利己的ふるまい文字にする ・祈念像の下唄う児童ら秋暑し ・やぶからにはかり知れない二百十日 ・1周忌グラウンドゼロに臭ひなく ・さやけしや時をかけずに折り返す ・重陽や行蔵人のためならず ・投票済ませついでに観る草野球 ・天空や青蔵鉄道みなが逝く ・ハイビスカス一花しほれて一花咲く   ・つまずきて青むくげ咲く新学期 ・戯れに先を導く秋のてふ 長月某日 ・病室に手術の理由こと問はばあまりの多さに命足りなき ・秋の夕同期桜も白いもの ・新製品すすき供えて月見かな ・仕掛けては弾き返さる蟷螂子 ・新涼や復帰祝すのメール入れ ・水澄むや狩りの本能マタマタに ・秋蒸すや咽かへるお香孔子廟 ・グラバー邸いつか来た道秋の風 ・厄日や狂牛病も過去となり ・身内なる衝突残る暑さかな ・名月や台風北上雲の中 ・秋暑し親密圏はイラクまで ・二百二十日預かりし子猫はや戻す ・すずむしやこちら亀あり虫の息 ・足洗ふ小川のせせらぎのかんぞう ・新涼やふつふつたぎる朝の刷り込み ・酷さ過ぎ体調戻る新涼かな 長月某日 ・入院で平常往生地金出て/老いも若きも貴賎の別なく/天天小有天 ・いつ間にか北国初の雪便り ・夕陽落つタウンウオッチまず乾杯 ・秋の昼朱とベンガラの考古学 ・吾ガ事にあらずと言えず秋暑し ・ゆうすすきうつろひやすきらしさかな ・大風や出島に集う今IT ・秋休みテロ傍目に力付く ・二学期やなだめすかせど先永し ・秋麗ら日替わりスーパーへけふの買出し ・悠々として急ぐ道行き秋暑し ・攻めだるまねばならぬことはなし秋暑かな ・悠々と秘すれば華や仁につく ・法師ぜみけふを名残と鳴きとほす ・そこここと親子で重なるシロオニキノコ ・悠々と攻むる勇気や自尊の秋 長月某日 ・これからは残さぬようと努むより腹6分目を善しと努めむ ・秋高し子どもはすでに親気分 ・吾が庭に増えし秋のフランチャイズ ・認める鬼のいぬ間の今朝の秋 ・初秋や嬉しいうわさ逆輸入 ・後ろからまさか撃たるる五十雀 ・月の月100万ドル夜景を見晴るかす ・訪ぬるや土地感生きる秋時雨 ・日は高し陰の広場に秋の風 ・秋天やさびしくはあらじ留守居役 ・五輪前北京秋天企てリ ・この秋は天津秋天ためしけり ・行間の意味を繙く今朝の秋 ・満々とヌタバの水は蓄へり ・ひとりしてゆるり飲み干し月を待つ ・運動会差し入れ下げて相伴行 長月某日 ・秋高し大願成就院を出で ー退院日ー ・秋日和他人の忖度無用なり ・禁句増え奇形かえるの緑地かな ・大風の信号待ちや昼の虫 ・ことば少なく嫁ぐ日間近、虫の声 ・もみじほど届く手形や敬老の日 ・ぶらぶらハウステンボス秋物語り ・秋暑し長居無用の丸一年 ・桐葉落つ彼の水槽にかば居ぬ ・寝起きばなベリーエーのちょっと酸っぱし ・観月や繊月朋と団子かな ・秋澄むや新苗来り汗をかく ・たんたんと調停の朝秋白し ・行き止まるあげはの谷に露光る ・名月や雲のまにまに見え隠れ ・達イチローバーチャルに生く秋の空 長月某日 ・悠々と時間展望攻める秋 ・古墳跡ペトログラフィーに昼の虫 ・野分抜け西の方はや茜色 ・秋逝かむアポトーシスのさり気なく ・曼荼羅やサルタヒコ出会う曼珠沙華 ・秋麗ら音感ありと習ふの日 ・秋の昼二日続けて博覧祭 ・振り替え日一息つける雷雨かな ・鶏頭やガラスのバランスよしとする ・台風禍百日紅のたち枯るる ・三省や一人ぼっちの秋の空 ・調停や立場が物言ふ秋の空 ・青さぎやトンボの池をはすかいに ・気がつけばやぶ蘭通りにぎにぎし ・夏やせや食の戻りつ天高し    長月某日 ・銀杏の色づく先や今朝の冷 ・次のため冷たい豊水少しだけ ・アマテラス神話親しむ秋の夜 ・いつの間に孤立無援黍嵐 ・夢はるか深追いしすぎ秋暑し ・誕生日近くて遠い子ら集ひ ・人悩み人生逆引き月光る ・不善なす医者通ひ秋麗ら ・花壇替え仕上げはサルビア名札つけ ・波風をたててあふらる秋の空 ・待宵や誕生日っ児友を待つ ・あらし過ぐるまでに一冊読み上げる ・前を行く秋のてふてふ乱れ飛ぶ ・ふんだんに小道の萩のこぼれ落つ ・黄龍へ慣らし運転夫肥ゆる 長月某日 ・孫誕生母の転生彼岸花 ・菊月や孫が加わり水入らず ・十七夜味飯で祝う満二歳 ・誕生日オムツ未だの露を踏む ・ボランティア終わりの始めに上弦の月 ・いそいそとさやけし祝いのケーキ取り ・つばめ去る血で血を洗うディグニティ ・誕生日こども料金自覚させ ・秋暑し自転車のケーキ崩れおり ・彼岸前彼岸花はや枯れしあり ・蔓寿沙華無用の用人空駆ける ・失はれし年を悠々秋急ぐ ・実浅し仕込みおさおさ紫式部 ・秋のてふ吾レ行き先を乱れ飛ぶ ・秋うらら鶏の声街中に 長月某日 ・初孫や爽気如来の目の涼し ・華麗なる生き方誓う子規忌かな ・颱風や気にしいしいし日帰りし ・遠くより婚礼外交子規忌かな ・昼寝起き冷たき巨峰分かちあい ・秋昼やバイキングにて腹満たし ・人ひとヒトまだら模様の子規忌かな ・手をつなぎ仰ぎ見る十三夜 ・ねばならぬことはなくても彼岸花 ・帰る途けふを限りと虫繁く ・いざよひやしゃぶしゃぶで門出祝ふ ・にぎやかに皆で相伴栗ご飯 ・常ならぬ蝉の骸の地に帰る ・かんぞうやはるか遠目に丈低し ・ぶっちぎるかくかくたる秋果得ず         長月某日 ・台風過初孫子犬と家族増え ・色取月文化かついで夜明け前 ・桐一葉水槽の中のカバ眠る ・嵐過ぎ嫁ぐ娘の晴れ舞台 ・娑婆気の未だ抜けずに秋となり ・ご無礼も昨日のごとし秋の夜 ・いつまた日どこかと約す秋の夜 ・曇天やチャリの墓参の彼岸入り ・背嚢にかすみそうを展墓行 ・墓参り嵐予報の彼岸入る ・粛々と受験申し込む彼岸入り ・すずむしや武士道すたる清き手かな ・秋の声出処進退吾レで決む ・八日月スズメの塒の騒々し ・連れ合ひと歩く小道や彼岸花 長月某日 ・秋晴れや肝細ポテトと初散歩 ・豊作や朱もて結える万寿沙華 ・陶器展壷にて映える万寿沙華 ・送り出し、ため息二つ秋の夜 ・初物や青みの残るさんつがる ・新涼や式典ついでのデビュかな ・通知あり次の次あり万寿沙華 ・十五夜や誕生祝い凱旋す ・秋台風児にぜんそくもたらす ・柿の果や未だ成り初めぬ緑さかな ・狂ひ話し生体解剖夏の夢 ・秋冷や内なる罪の責を負ふ ・それがしの立ち位置ありし芙蓉咲く ・展墓行つくつくほうしの声明あり ・一組は少し外れて白万寿沙花 ・白むくげ墓参の者を迎へけり ・らっぱゆり昼にはしほれて彼岸入ル ・かんぞうや花咲く脇を回り道 長月某日 ・七草の読み名覚ゆる小料理屋 ・通夜の席参り参られ十日月 ・秋の宵人同じからず一周忌 ・フェーン風義務を果たして山を越え ・さはされどぐっと飲み込む秋の蛇 ・雨光る面接終え動く歩道 ・身に入むやはや目を覚ませ時くすり ・虫すだく文ワープロ化未だing ・やや寒やプール帰り児長袖迎ふ ・馬肥ゆる群れて静かに叫ぶかな ・彼岸花目に付く展墓彼岸かな ・偶然のなせる技なり戦争責任 ・秋暑し優れものに出会ひし福となる ・里帰り伯林より秋の風 ・九寨溝四川へ空はいわし雲      長月某日 ・初孫のしっかり泣く声秋確か ・展墓行相伴あずかるおはぎかな ・秋分の重ねして行く動物園 ・認める彼岸中日潮時に ・顔あたる蒸しタオルに水の秋 ・式終えて白染める彼岸花 ・秋陽射しゆるりと参る中日かな ・さやけしやじゃじゃ馬暴走止められず ・秋彼岸東北3省渉猟す ・秋中日案ずるはしから動くかな ・一人旅駅まで送る秋分かな ・うそ寒や免責図る靖国参拝 ・花眼より心眼で見る彼岸かな ・西の京むかしのよすがにいはし雲 ・万寿沙華展墓済ませてむすびかな 長月某日 ・赤子得て親業はじめコスモス咲く ・一局終え秘さずば花ならず秋日和 ・ペンギンのものがなしさや秋の昼 ・秋寂びて人気の主見当たらず ・台風跡銀杏の実おびただし ・自尊秋それがしの体験語りあふ ・チャリで駆るあの暑さどこ白いあさ ・長袖や講師頼みの手紙する ・朝寒や児にはこどもの悩みあり ・秋の雨忘れ物を駆け届く ・竜淵や隗より始む変へるかな ・彼岸花おくての今年の墓参り ・墓半ばけふの彼岸の暑さかな ・つくつくほうし築山跡にいまを鳴く ・今はむかし館の跡の白芙蓉 ・せみしぐれ森の木陰でむすびかな 長月某日 ・遠くより祝いの届く長月かな      ・駆けっ句としぶとく生きる自尊の秋 ・流れ星見たさに手を引き家を出づ ・老人力ゆるく備わり秋深し ・中秋や台風一過展墓行 ・想を練る舌に冷たき巨峰かな ・胸騒ぎ訪へば安堵の法師せみ ・天高しかみつきかめのむさぼるかな ・団栗や拾ふポケット多く持ち ・秋涼やサーカス観るため備へあり ・九月空児知れぬ悩みあり ・玉虫色それもよからふ秋の天 ・遠目より紅毒々し彼岸花 ・雨上がりそっとしときよ足の茸 ・百日紅老ひてなほもて色をつけ                         長月某日 ・秋恋し座れば土瓶蒸しすすめられ ・酢牡蠣食うアンカーポイント人恋し ・彼岸明け久方ぶりの友誘う ・長き夜コンビニ連れと観測す ・鳥渡る森の池をはすかいに ・シドニーや素読の生きる身のこなし ・しなやかに孤立無援のすすきかな ・万寿沙華戦争責任吾レ関す ・真実は闇から闇へ彼岸明け ・社会企業家立ち上ぐ自尊の秋 ・お使ひは自転車に乗って秋パシル ・秋の宵寸暇おしんでよっぱらふ ・落ち葉下もぐらの跡の道新し ・秋うららはなからチャリンコマイベンツ ・虫の声新秩序へエールあり 長月某日 ・一人で来て一人でサヨナラ秋の旅人 ・コンセプト仕上げてみると良夜かな ・秋麗ら仏の里の地図眺め ・秋曇り前線ぬってコアラ見る ・居待月徐福伝説の里に照る ・秋風や身体髪膚さらけだす ・ほとばしる日々の経営時化の前 ・夜の瀬戸内エンジン音の念仏を聞く ・水遣りの頃合い確かむベゴニアかな ・待宵や顔を思ひて響き待つ ・朋遠方より戻る一献の秋 ・抜歯してアルコホール断つ秋の夜 ・バーチャルに手のひら泳ぐ秋の雲 ・ほころぶや吾がことにもあり自尊の秋    ・館出ればアスカ地上絵に秋の風 長月某日 ・紅葉の上高地への思い馳せ ・気が付けばパソコン記念日あるという ・いつ間にかパソコン記念日見当たらず ・秋休み果報吾ガ家にファクシミリ ・臥待月壷型古墳に天を見る ・秋の夜丹田踏ん張る面接かな ・天高しかみつき亀のいま肥ゆる ・ひがんばな墳墓造成修羅進む ・見渡せる丘の上に秋の風 ・台風の上陸恐れ雨の月 ・新学期パソコン子らと戯るる ・秋暁や往時茫々湯切るるまで ・名月や和して同ぜずらくだ隊 ・虫すだく天国耳の至福かな ・彼岸花まみえし今年は浄土より   長月某日 ・酒の候山廃仕込み買い求め ・鉦叩き孫はグニャリと肩の上 ・リーチかけ残り楽しむ色取月 ・混沌に目鼻つけたる秋の空 ・更待月鏡の行方たれか知る ・渾身の力抜きたる今朝の秋 ・咳おして出がけに香ふ金木犀 ・高殿やせきれい休む弥生ひろば ・アイディアの尠さを憂へる乱れ萩 ・十六夜や台風余波で現れず ・さやけしやあごひげ整ふ久しぶり ・山門の塔頭刻字に秋の風 ・教室よりじゃがいもの個性秋暑し ・虫の音や魚町といふ鄙があり ・あぜ道やひとり花野の景となる 長月某日 ・初ものの酢牡蠣と味わう辛丹波 ・悠々と急げど未だ九月尽 ・悠々と急げど既に九月尽 ・こもごもと異動の報せ九月尽 ・「あさま」発ち釜飯尽きる九月尽 ・台風のそれるを横目に九月尽 ・サクサクと山動く林檎食むごとく ・九月尽ちんちろまいのデジタル県庁 ・朝寒やオオヒシクイの渡りよし ・雨朝上がり20ノットに喉いがら ・更新日金木犀の香り嗅ぐ ・きんもくせい大風あとの残り香な ・日本の阿Qは死なず九月尽 ・昼寝覚め豊水梨の冷さ剥く ・腐葉土にこなら実混じる峠かな ・波風やそれもよからふ今年の秋 ・せせらぎや経の続きを涼とする

  
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