駆けっ句365日生き急ぎ

葉月


十八尊佛図(般若菩薩)

葉月某日・病床で米寿ことほぐ葉月かな ・久方に親子が出かける木染月 ・滄浪の水や濁りて夏嵐 ・いち早く出船入り船木染め月 ・夏果てるハマヒサカキの伸び放題 ・夏果てる祭の後の夜半の月 ・年一度御坊へお礼素月かな ・三十年勤めあげたる葉月かな ・ストレスや持ち越し苦労葉月かな ・ふるさとや蝉声戻る朝かな ・祝電や新装開店月添へる ・雨上がり耳をつんざく八月のせみ ・ごく内輪法事に集ふ誕生日 ・あり地獄ソクラテスの妻なかりし ・夏の雲山大みみず干上がりぬ ・生足や乙女みあしの格差かな 葉月某日・胃切1年、再びの夏を日帰り行(術後旅4、以下6句) ・イルリゴもシロ涼みがてらは五家荘 ・百日紅僅水夏に凛と咲く ・清流にアヒルの三羽涼をとり ・幽谷や左座、緒方が家つなぎ ・点と線、五木、祖谷渓、吊りの橋 ・白木槿(むくげ)センタ−ラインを流れるように ・内覧会よりも本命暑気払い ・夕立や道潤ひてすぐ渇き ・けふ日には蝉の骸の数多し ・梅雨明けて一日二回梅雨戻り ・ものみやぐら弥生はるかに夏の雨 ・ストレスや取り越し苦労八月かな ・孫たちやとびひにせからし暑さかな ・のど越しや祭りの喚声店で聞く ・夏台風逸れて恵の湿りかな ・日高し画報寝て待つ夏の夢 ・まんだらや油高騰して萃点さぐる ・午睡から覚めて読み継ぐ怖話し ・疲れ止めやけふはどこまで行ったやら 葉月某日・それがしの夏を覆うメディアの嵐 ・ハイハイす孫の目当ては扇風機 ・雨近し合図で鳴き止む蝉シグレ ・夕立や合図の花火大遅れ ・いつまにや日暮れて扇子くたびれる ・いいそびれ口角泡に夏の宵 ・白帽子装束ととのふ踊りかな ・久方や夜店で放電泣き寝入り ・大陸や仕掛け花火の玉込める ・辞めて知る闇もて照らす夏の闇 ・再たいつか別るるせりふ13回忌 ・時を見て己を統べる花火かな ・台風一過そうめんすする舌鼓 ・すーすーす誰ぞあと閉(ぜ)きせぬままに 葉月某日・読みなおす暑さ一入レイテ戦記 ・孫娘見送りて夫婦で花火見る ・孫と出てまつりフィナーレ花火見る ・清張忌、館のオープンはるか知る ・百日紅誰のためならず吾レのため ・合間縫い初校済ませて汗匂ふ ・子が見つけ縁日帰りの十五夜 ・この暑さ姐さん金魚入荷なし ・先越さる天上の青へ水を遣り ・蟻地獄むだ骨折りを美学まで ・油照り網戸の風の心地よし ・わしわしや内なる革命にて和平保つ ・キャンプ地は近場で安らぐ運動場 ・生かされて地球踏んでも土踏まず 葉月某日・厳かな気品の外は夏の街 ・詫び状や祭りの後をけじめつけ ・粒選りの土産頂く酢立ち夏 ・熱帯夜「マードックの謎」読み捗る ・ピラニアに半眼抜かれてなほ金魚 ・日の落ちる前の縁日仮面買ひ ・終わるまで酷しき暑さ百万踊り ・列しえずはるか冥福原爆忌 ・喉元や目覚めのスイカのいとおしむ ・山動く悠々として急ぐ青大将かな ・機未だ熟さず帰る日暑し ・油照り仕込みおさおさ攻め精神 ・リヴィエラもリトビネンコも夏の夢 ・悠々とかめになりたし水中花 葉月某日・再検の結果良し悪し聞く日には朝の勤めのナムアミダ(オーマイがーんショッ句) ・父遺品歴史となりし戦後50周年夏 ・夏の海ギャルで賑わう今鴻臚 ・風邪治りいたずら戻る夏申し子 ・夏の夜嫁ぐ日近し荷の高さ ・年甲斐もあり笑われて蝉時雨 ・老兵は死なずこれから残暑かな ・ものうひや宴の後の街の朝 ・昼寝してまた立ち上がる日々日曜 ・でいご咲く中は冷ややかミュージアム ・がん検診進化をみはる原爆忌 ・寝て待った朗報届く夜店かな ・日盛りや込み合う前の宴あり ・雷近しされど粛々水を遣る ・通り雨上がれば戻るバチの音 葉月某日・初盆や迎え送り火友のため ・秋立つ日寅さん彼岸へ発つの報 ・丸玉を見せて比べる西瓜かな ・手を打って喜ぶ十五夜見え隠れ ・午睡前、淵田「ミッドウェイ」で寝苦しく ・ミイラとりミイラとなりぬ石の庭 ・秋立つ過ぎ蝉の骸の一つ二つ ・朝顔の八輪カメラに収まりし ・悠々と今ぶっちぎる青果かな ・立秋や親密圏は温度差あり ・いくばくか民度熟せり秋たつ日 ・八月や責任からの逃走思ふ ・せみしぐれ腹六分目の朝餉かな ・熱帯夜紅旗征戎吾ガ事ニ非ず 葉月某日・腹切りか、まさかで覚悟整わず ・残る暑さ避けて早出る今朝の秋 ・突然の旧交弾む炎天下 ・ほとばしる小水の先や蝉時雨 ・ガタの内虫歯グラリと秋立つ日 ・腰据えて大筒の側花火降る ・春くれば夏秋冬と万華鏡 ・スピリチュアルあるべきようはカンナ立つ ・秋立つやそろそろ周り整ひつ ・立秋や台風刻み静かなり ・高原はにはかに上がる通り雨 ・残暑行親密圏より温泉にひたる ・栴檀や数年越しのつぼみつく ・粛々と親密圏より熱帯夜明く ・持ち込みて納涼船より街眺む ・秋立つ日風は律儀に季の風 葉月某日・かの夏や天気が街を灰塵に  ・夕凪に歩幅緩むやももち浜 ・短夜明け上下噛み合う歯形かな ・真裸、灼くるベランダ水遊び ・盆帰り扁桃腺腫れをたまたまに ・涼しげに無理を着こなすけさの秋 ・芙蓉涼しげチャレンジ再度 ・立秋やネクタイ結び忘れ得ず ・長崎忌や夢はシベリア駆け巡る ・悠々として急ぎくつろぐ出湯かな ・園ハたけなわ法師蝉のハーモニーランド ・あじさい残る大観峯に峰の雲 ・草千里腹いっぱいのはるか見る ・夏の雲中岳火口語りすぎ ・時を望み段取りはかる秋立つ日 ・秋立つ日ハイビスカス大を付け ・涼をとる巨きなたぶの木下闇     葉月某日・草いきれ息吹くメディアの鴻臚館 ・コンテンツ担いで飛び込む秋暑し ・みどり児の感嘆詞(ことば)にもらい夏 ・長江の水のわざわい国揺れる ・幻に棹さすごとし夏休み ・武士道と心中すつか夏の果て ・炎昼や波風立つ靖国踏み絵 ・雷や鬼ノ城話し傘さして ・ほたる館出れば強し草生きれ ・粛々と引き継ぐ外や秋暑し ・雲海やはかなきかすみたなびく ・家族旅連れ合い子等に身をゆだね ・蒸気ぶろお百度踏むがごとくなり ・一つ散り一つ花つくハイビスカス ・被告席一句詠むには法廷暑し ・草枕くろがねもちの下の闇 葉月某日・自らで身から出た錆骨拾い ・熊蝉や13年振りの総出かな  ・展墓行夾竹桃の白と赤 ・残る暑さ小さき小姑せからしし ・疾病を友と親しむ三伏日 ・嫁ぎし子の大人と見張る盆休み ・定年や二十世紀に節目つけ ・緑陰や児を泳がせ読む書 ・夏の雨メディアドームのハリケンジャー ・往き帰る墓参の間の雷かな ・さるすべり彼岸前の墓参に見 ・露天風呂馬齢重ねた面構へ ・天窓より星見えしと児らはしゃぐ ・行く先は風に吹かれて納涼船 ・夕涼み白い水脈8ノット ・居ながらに瀑布を浴びる花火かな ・まどろみて耳をつんざく近花火 ・折り返す百日紅の花の咲く 葉月某日・告知もどき幸か不幸か早分かり ・青い海名物蒲鉾かぶりつく  ・用心し摂生すれど夏の風邪 ・いつまでも続くか彼女と夕乾杯 ・耳鳴りのきしみ気になる極暑かな ・盂蘭盆会休みの前のケリを急く ・ビハーラの往生学ぶ遅れ盆 ・チャリ墓参あとはシャワー丸ごと ・夏髭やにわかニューヨーカー引き続く ・セミしぐれ可処分時間尠し冷夏 ・エンシエロ地図にない国にネムの木咲くか ・からす帰る外輪山は大ゆうやけ ・暑気払ひ当たり前のごとく朋と酌む ・一人旅粛々として朱夏急ぐ ・早咲きのむくげ垣からこぼれ落つ     葉月某日・天命を知る年一瞬吹く嵐 ・石の庭,石となりにて涼をとる ・迎え火や常より多く線香焚き ・ふつふつと砂粒の情熱迎え盆 ・初盆や四国遍路のゆめ計る ・迎え火や通勤途上の密度少 ・迎え火や勝ちは頭にあり内にあり ・西武戦小文字焼き横目に ・法師蝉軒遊びから高原に放つ ・レトロ訪ふ大連近し夏の旅 ・家あげて車で行き交ふ墓参り ・阿蘇ボーイ一駅の夏をスィッチバック ・盆の旅ひたすら夫の後につく ・連泊やアムステルダムといふ森の家 ・涼しさや九寨溝より風はるか ・黄龍や相伴あずかる風涼し ・いちじくや小粒匂ひの芳しき 葉月某日・娑婆離れ後髪引かる母のこと吾レ生還す暫しそのまま ・菊月や縁の人で三回忌 ・樹は叫び台風わめく盂蘭盆会 ・初盆や蝉の脱け殻目にしきり ・梅雨明けず盆波寄せる北の国 ・照り返す酷しさ中に虫の声 ・お見舞いや外は現実の大西日 ・夏風邪やあへてふうふうラーメン ・盆参り失せ物帰らずへなへな ・ラブサン蔓延PCしばし盆休み ・迎へ火や無沙汰を詫びて交へり ・歯抜くやアルコール抜かず夜の秋 ・黒ビール運河をすべる跡淡し ・じらされてしかけ花火の大団円 ・つくつく法師余力残して森を出ず ・雲仙の地獄の涯や法師ぜみ ・泥火口賽の河原に秋の風 ・いるか観る時刻にははらりと海は凪ぎ ・波頭切る16ノットといるか競ひ 葉月某日・義母が逝く吾レ入院の直前日永久の別れを思し召したまふ ・盂蘭盆会無常といふこと訪ねたり ・銀杏の実台風一過よけて歩く ・「幻の終戦」読むや終戦忌 ・終戦日、病と共を便りする ・8月15日雨止みワシワシの大合唱 ・たんたんと書類を綴る終戦日 ・坊主地獄二家族三世代盆供養 ・送り盆けふの落ち込みしばし止まず ・緑陰や読みつ励ます一輪車 ・旧き訪ひ弔ふ帰り虫の声 ・終戦の日「地上生活者」飛ばし読み終ふ ・せみしぐれ原爆許すまじと和諧する ・終戦忌グラバー邸よりにはか雨 ・8.15葦簾の下で昼寝する ・海臨む原城跡に白き風 ・秋の風平山城の天守閣より ・イカ釣り舟呼子漁港の湾静か ・朝市の終ひし後に盆とんぼ、 葉月某日・新盆や肥後の大津の田を通る ・送り火に付けて送るや残暑見舞い ・送り火や居残る彼岸の無事認め ・送り火や嫁ぐ日近し新居訪う ・大挙して西瓜みやげに一年ぶり ・自らの骨を拾うや定年後 ・台風の影響前のフェーン旅 ・送り火や退職便り繁く聞く ・終戦日不便をかこつ稽古する ・日の盛り地獄絵図開くえんま堂 ・秋雷の予報ばかり盆送る ・精霊流し明日をぶらぶらさるくかな ・ざっくりとまな板にのる席涼し ・日の出づる瞬間やたゆたふ海静か ・厳かに海澄み昇る朝日かな ・茜さす有明の海に小舟三艘 ・かもめ飛ぶ露天の風呂へ潮の声 ・朝焼けや有明の空は秋の色、 葉月某日・禅寺の座禅の気分で初日暮れ ー入院日ー ・惜しまれて逝きしよき人送り盆 ・熊蝉の幹までとどかず夏はてる ・盂蘭盆会落とした財布舞い戻り ・大水の甚大被害晩夏過ぐ ・現役やいつまで続く夏木立ち ・雨あがる次の幕開く虫の声 ・熱の子や冷房控えめ旅の宿 ・尽きたかやけふの朝顔花付かず ・大停電警鐘乱打すせみむくろ ・夏の雷水遣りいらず稲光る ・夕刻の水遣りにはや虫の鳴く ・森羅万象余力残して秋来る ・夏の雲出処進退吾レで決む ・ツメ跡に草木の茂りし眉山 ・秋澄むや窓一杯の眉山かな ・普賢岳島原大変吾がことにあり ・びゃうびゃうと秋風の見えし波戸岬 葉月某日・或る人はガンも身の内言うけれど吾が子にあまる不良息子よ ・熊蝉のか細く聞こゆ休み明け ・西瓜食む親子3代屋根の下 ・盆明けや冷しめろんを食む朝 ・初秋や有田陶磁の色絵付け ・ゆく夏や再び出合う装飾技術 ・着くまでに二息もつく酷暑かな ・高原のいつまた行ける白い秋 ・行く夏や浪人顔で傘を張る ・芙蓉佇つ幼い児の母通夜の席 ・吾がためにせざるを得ずや鉦叩き ・秋浅し諍いするほどの我はあり ・水遣りやまじなひとなる雨台風 ・つと拾ふ栗のイガイガいと青し ・あおむけのせみのむくろの目にとまり 葉月某日・現役の人への見舞い多士済々現役越ゆばさびしかりけり ・夕立やあとはけろりと光る路 ・気まずくて手持ちぶさたの扇子かな ・日の盛りツクツクボーシの「緑地」かな ・夏の果てロシアルーブル、ブーメラン ・夏の果て請われて集う仲間かな ・オーパーツ古墳の中の紅涼し ・ツクツクホーシグラリ地球の歯の痛む ・還暦まえ年相応に油切れ ・卵育やマンション先を避暑地代わり ・走りつつ考え疾ふ野分かな ・迎へ守一眠りして戻る秋の雷 ・とつおいつ台風10号抜け切れず ・せせらぎや幼児の嬌声森揺るる ・夏の夢心のカギが決壊し 葉月某日・ほとばしる夜明けの小用エクスタシー ・未だ二年されど二年と夏は行く ・朋友も猫背になりぬ秋の昼 ・ぶり返し暑さでパソコン煙はき ・この暑さペットボトルを朝から ・通り雨退社ころには木々渇き ・遠雷や微熱おしてもトイザラス ・夏やせや飽食ライオン身を細り ・一輪車日落ちて援く休みかな ・児らはしゃぐ浮き輪持たせて吾レ昼寝す ・鶏頭花牛後にあらず段取り付く ・フクロザルの声ツクツクボーシにこだまする ・新涼やご縁取り持つ集ひかな   ・こんこんと昼まで睡る夏休み ・歩一歩吾れに近寄る夏の雲 葉月某日・束の間の執刀猶予やかつおぶしすたる武士道夜も眠れず ・初桃や臓腑にしみる帰宅ばな ・O157なつかしきかなごまの鯖 ・初秋やe-mailにて初便り ・缶ビール車中二本で駅に着き ・川祭り小ぶり花火を低く見る ・昼寝覚めおさなご同士コンタクト ・露天風呂朝の海から秋の風 ・夏休み可処分時間持て余し ・百日紅幾千日ぶりに訪ふ弔ひ ・何の虫と耳をすます往き帰り ・行く夏やヘラクレスヘラクレス主は居ず ・ゆく夏や段取り付けて駆けるかな ・しどけなくトドのやふなる昼ねかな ・清々と親密圏より風立ちぬ 葉月某日・元旦に計りし目標半ば過ぎホノルルへの道遠くなりけり ・西日濃き時代の志士の血を思い ・見初めはジュラッシクパーク秋の夜半 ・おさな児と遠回りしたる月夜かな ・漁り火や大村湾をほしいまま ・虫すだく漆黒の闇に花火かな ・近親と今生法事集い終え ・ハローワーククーラーの中人いきれ ・台風のむべなるかなの予変かな ・餌少なくも涼しく泳ぐすっぽんもどき ・まず初めおれがおれがで銀杏落つ ・残り鶴親密圏に職求む ・いわし雲送り守して帰る道 ・緑陰や鎮守の森の熊野あり ・シェスタして養ふ英気ふつふつと ・毬栗や日照りの下で色をつけ 葉月某日・しがらみも病衣に着替えてムケタマゴ ・明け方はつくつく法師や夏終わる ・出勤の雨に驚く処暑日かな ・投錨やたゆたふ先の処暑日かな ・天然の美へ分け入りぬ処暑の潮 ・束の間の息吹き浴びたるクルージング ・生き急ぎチリも積もりて処暑になり ・手際よく手術それでも処暑の熱 ・処暑の歯や適当な処置走る ・構想のなにを放電処暑きたる ・リタイアどうだ理論で処暑迎へ ・構想や所得なくとも銀杏満つ ・緑地から館に振り替へ処暑あそび ・げんなりとレトロで息つぐ暑さかな ・けふ死して朝生き返る合歓の花 ・やり過ごし決断早める秋暑し 葉月某日・遅き夏術後の不安思い馳せ ー手術日ー ・日が落ちてすだく虫声未だかぼそ ・隙見せてで眠るバギーに虫すだく ・寛解やこおろぎないて丸四年 ・寛解やこおろぎないて丸五年 ・寛解やこおろぎないて丸六年 ・寛解やこおろぎないて丸七年 ・寛解やこおろぎないて丸八年 ・祭りの夜川面に映える民族衣装 ・川祭り終わりの花火家で聞く ・自らで完結遙に六地蔵盆 ・雨もやひ急ぎ映画と替はりおり ・下闇や織部に祈る洲浜かな ・ぬるくてもそれもよからふ半身浴 ・行く夏やゆとりのなさをやり過ごす 葉月某日・手術後の不安抱えて冷夏過ぐ ・お暫く御無沙汰でしたと夏が過ぎ ・新涼やパワーポイント買い急ぐ ・残る暑さ出張初め余力残し ・思い出し今年ソーメン食べ納め ・いつ告知される日やある夜の秋 ・老骨に悠々一鞭夏深し ・今年でオワ小雨混じりの夏祭り ・筒先は火事場騒ぎの花火かな ・ツクツクホーシ古きご縁の報せあり ・残る暑さ山の写真で涼をとる ・滄浪の水濁る台風11号の時季 ・草いきれ神社参りに息が切れ ・田園の輝き出れば処暑の雲 ・身を構へ己が歯抜かれし夏果つ 葉月某日・三日三晩イモムシゴロリの晩夏かな ・日明し夜店のバナナ早求む ・にじりよる孫へ巨峰の口移し ・慰霊碑に祈れば近し蝉の声 ・耳鳴りや貧血がゆえか初嵐 ・誰彼と瑕瑾かかえつ夏果てる ・夏負けや気分優れずヤンチャかな ・かそけくも金魚死に絶へカメ洗ふ ・昼寝して目覚めて家族の居る至福 ・夏枯れやわずかな棚卸しもてあまし ・拙速や笑はれてもなほちんちろりん ・鉄砲当たり秘すれば花と法師蝉 ・剪定過ぎ百日紅の葉のしげる ・暑気祓ひ酔眼もふろふ肘まくら ・夏深し抜歯の後のだるさかな 葉月某日・天下晴れオナラ一発秋の空 ・夏終わる無沙汰を詫びる見舞い文 ・吉野ケ里すだく弥生の虫の声 ・秋近し入れ込む前の仕切りかな ・昼寝から覚めて一切れ梨豊水 ・まんげつやたちまちくもになるしじま ・ツクツクホーシ人生幕引くリハーサル ・売り家ありツクツクホーシ駆け引きす ・ツクツクホーシ生き死に病を孫や子に ・虫鳴くや回り道して人助け ・ゆく夏や内なる他者を認めえず ・ぼんやりと静かな瞬や今朝の秋 ・こともなくありがたきかな夏果てる ・うつろひや画格は高しあるがまま ・夏バテやバーチャルがリアルを越へられず 葉月某日・体力も気力も手術に要すれば高齢者家族の選びや悩まし ・煩悩や念仏申して夏果てる ・せつせつと素麺定食果てるまで ・秋日差しとろりまどろむ待合所 ・秋めくや嫁ぐ日近しつつがなく ・生き急ぐ蚊蚊のつぶやき虫の声 ・口にする組織対応秋暑かな ・実学や思いたったが朝の秋 ・秋暑しリュック背負って街に出る ・行く夏やトリオで覗く火星かな ・カバの居た森公園は法師蝉 ・秋の声せみのむくろの目につきし ・虫すだく寸暇惜しんで角を打つ ・夏往くや一つ訴へ退けり ・虫すだく鯛のさばきのあざやかさ 葉月某日・天高しお茶を噛みしむ胃臓腑かな ・病葉や一葉散りにて木を残す ・TOEIC自信無くして夏終わる ・お披露目のpicoの中には秋の風 ・鰯雲レジデンシャル歯の保つまで ・起きしなの落雷近し夏終わる ・秋近しダマシスカシて緑内障 ・虫すだく酒の肴を鴎外邸 ・行く夏やおしつけがましい品位かな ・カンナ咲く黙して去りぬる顧客かな ・けりつけて台風前の水を遣る ・久方のスーツネクタイ秋暑し ・爽やかに挨拶交はし雨上がる ・いく度も不気味な月を眺めおり ・よれよれと立ち居姿に夏は往く 葉月某日・ホスピタル、ケアとキュアの名コンビ、システム世界のアナロジーならむ ・それなりの夏行く今日のお経かな ・ゆく夏や思いがけなき人と会う ・秋暑しペンギン気に入る動物園 ・送りまぜ裏磐梯から吹いてくる ・ゆく夏や天気晴朗ないままに ・秋めいて初めて会うが別れかな ・自助努力リハビリ日焼け秋の昼 ・大風や亀に面食らふどぜうかな ・秋近し赤飯下げて百日の祝い ・台風や久方ぶりの構へあり ・清々と水遣りをしてくじに臨む ・無事に終ふその日暮らしの晩夏かな ・気が付けば誰もいなくなり八月尽 葉月某日・八月尽出船入り船悲喜こもごも ・雨が降り細き鳴き声八月尽 ・ことのほか残暑一入八月尽 ・キの字国ミサイル弄ぶ八月尽 ・尽きぬままつくつくほうしで月暮るる ・肩ならべ定点観測八月尽 ・八月尽ゆめをかたちにボランティア ・夏の果て祈るがごとく入魂す ・雛孵る親鳥えさを八月尽 ・散髪や二百十日の虫の声 ・抜歯し痛みかかへて八月終ふ ・葉月尽ジョークでかえす悲劇かな ・終末期せみも命の涯を知る ・秋めくや姿勢正して受けて立つ


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